黒川伊保子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』の黒川伊保子さんによる続編『息子のトリセツ』。
脳科学の知見から黒川さんが息子に実際に行ったことや考え方が紹介されている。
他の育児本にはない面白い考え方に満ちていて、なるほどと納得することがたくさん。
女性脳型の傾向を持つ女の子は、小さなころから自我をはっきり持っているので、発達につれて自我を削ぎ落とし、客観を身につけていく子育て。
男性脳型の傾向を持つ男の子は、対象(=客観)に興味をもち、自我のことは母に丸投げ。思春期に自我が発達するまでは母親の判断が基準。
一流になれない親の特徴は、細かい結果にコミットして一喜一憂する親。
失敗をすることで脳は発達する。人の失敗を奪ってでもしろ、などなどいろんな知見がとても参考になった。 -
Posted by ブクログ
娘を持つ父は一読するべし。
これが全てではないだろうけど、娘との関わりはこれを教科書にしようと思えた一冊。
以下、本に記載されたところで今後使っていきたいところを抜粋。(といいつつ、かなり書いてるけど)
父の願いは2つ。
一つは娘とうまくコミュニケーションが取れるようになること。二つ目は娘の幸せ。
▪️コミュニケーション
ウザいパパにならないための心得
・5W1Hで話しかけるな。迎撃モードになる
・娘とは「心の対話」を心がける。5W1Hは「問題解決の対話」
心の対話のコツ
・こちらの話から始める「話の呼び水」
話の呼び水の3種類。
「相手の変化に気づいて、言葉にする」
「自分に起こった出来事を話す」
「相談する」
相手の変化に気づいて言葉をかけるテクニック
・褒める
・気遣う
・ねぎらう
・感謝する
※注意事項
思春期の娘は変化に気づかれるのも勘弁してほしい事態。このときは残り二つのテクニック
・自分の話をプレゼントする
なんでもないことでもいい。オチなんていらない。
・頼りにする
出かける場所、食べるもの、アプリの話、なんでも。何かしてもらって感謝する。
奥義「弱音をはく」
きずなのなかにはきずがある。
勉強はなんのためにするのか
ものの見方を豊かにすること。勉強はそのためにする。いろいろな道を探すためにいろんな分野を広く知る。
▪️娘の幸せ
どんなに賢く、美人でも幸せになれるとは限らない。その大きな原因の一つが「肥大した自我」。女の子は本当に「自分」が大好きなのである。
しかし、女の子の「自分大好き」と「誰よりも大切にされたい思い」は単なるわがままではなく、生殖本能に基づいた、生物としての正しくかつ激しい欲求なのである。これが増大しすぎてきまうと、本人自身が苦しむことになる。この自我を刈り取ることが、女性脳育ての大テーマとなる。
・「こうなりたい」を目標にしてはいけない、「こうしたい」を目標にしなさい。
「素敵な自分」を目標にすると失敗したら、世界の終わりだが、「〇〇を作りたい」とか「〇〇を開発する」とかであれば失敗しても「どうすれば正解だったのか」が気になって、落ち込んでいる暇などない。
「自分にしかできないこと」や「自分だけを愛してくれる人」に出逢うためにも、「いい子ちゃん症候群」にならないようにしないといけない。
「褒められる、素敵な自分」が目標になってしまうと正確に弊害が出てきてしまう。本人が生きづらいだけでなく、彼女に関わる人もけっこう辛い。飢餓感に苛まれることになってしまう。
そのために父親がするべきこと
・まず無条件に娘を愛する
いい子だから、成績がいいから、頑張ったから愛するのではない。無条件に愛する。存在を愛する。それを伝えて、態度に出す。
・次に「娘が一番ではないこと」を知らせる
「この家の一番は妻(お母さん)」であることをきっぱり伝える。世界は自分が中心でないことを家族の単位でわからせる。自分より尊重される人がいることを学ぶ。
・「活躍する自分」を目指さない
失敗きたら世界の終わり。承認欲求が強くなってしまう。常に誰かが褒めてくれてチヤホヤしてくれないと不安になり、何かダメ出しされただけで人格を否定されたような衝撃を受けるに違いない。そして、自分より周囲の評価が高い人が出現すれば、妬むし、僻むことになる。
→「成果主義」をやめて、存在そのものを愛する。その一方で、「娘が一番じゃない」と身の程を知らせる。
・妻の悪口を言わない覚悟
・妻をえこひいきする覚悟
もう娘の大きくなって間に合わない、、、そんなときには生まれた日の話をする。生まれた時、どれだけ嬉しかったか、どんなことを思ったか語ってあげる。愛はやり直せる。
父の悲しみが娘の自尊心をつくる
怒りではなく、悲しみを伝えることで、子供は時間をかけて親が悲しむことを理解していく。そして、時間をかけて理解し、自分から悲しむことをしなくなる。父親に足りないのは、悲しみを伝えることだ。
-
Posted by ブクログ
ネタバレさりげない気遣いが苦手な人の心理を知りたくて購入。
ADHDの友人と自分は、真逆の反応を示すことが多く、その違いが魅力的で尊敬していた。個人的に第2章が1番興味深かった。その子のことを全く共感出来ないことが多いが、共生は出来ている。みんなお互いに思考回路が違うことを知り共生できると理想的だなと思った。
以下、要約。
第1章:脳が違えば、見ているものが違う
暗黙の了解やマナーを具体例を交えながら説明
・時代(好まれるデザインや能力)
・地域(京都のリップサービス、大阪のからかい)
・性差(女性はプロセス指向、男性はゴール指向)
・脳の傾向(利き手)
等によってコミュニケーションマナーの正解、いわゆる「認知フレーム」は異なるので、人が自分と同じ感覚だと思い込むのは危険。
第2章:古典的な共感障害
脳の器質的な傾向から、周囲の人と共感出来ず、意図せず傷つけてしまうことがある。
◯自閉症スペクトラム
・autism=独自の認識フレームを使う人
「自分の殻に閉じこもって人を拒絶している」わけではなく、「独自なものの見方をするため典型的なコミュニケーションが成立しにくい」
・「要領よく捨てる」が苦手
詳細な情報を拾い過ぎるため、情報を取捨選択するのが苦手で、典型的な「認識フレーム」を分からない。とっさな判断が苦手。
人の動作や所作に過敏でノイズになるので簡潔に
・「勝ち負け」という概念がよく分からない。
◯ADHD
・ドパミン(前向きな好奇心)優位、それを抑制するノルアドレナリンの欠乏状態
・「認知フレーム」がシンプルで、「潔く切り取る」
判断は速いが、「関連性」の思考が弱いので思考過程を説明出来ない
「世間」の捉え方に準じて、単純な勝ち負けを気にする傾向がある。マジョリティのトップを狙うジレンマを抱えがち。
第3章:進化型共感障害
本作のメインテーマ
2章で取り扱った脳の器質的な傾向は無いが「共感力」が低い人
「共感力」は独立した個人になるため、成長とともに自然に減っていくもの。
また、脳は使わない機能は退化するもの。そのため幼少期からミラーニューロンを使う機会が少なければ、「共感力」は弱体化する。
IT機器導入の流れで対人関係を構築する機会が減り、コミュニケーションの共鳴反応が弱い若者が増えたのでは無いか。
「共感力」が弱い人でも「感情」はある。「やる気」が無い訳ではない。暗黙の了解を期待せず、ひとつひとつルール化して教えてあげるとお互い働きやすい。