望月哲男のレビュー一覧

  • アンナ・カレーニナ 1

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    自分は浮気者の気持ちは全くもってわからないし、まして、他人を不幸にしてまで恋に走る人の気持ちなんて理解できそうもない人間だが、丁寧な心情描写により、これはもう仕方がないと思わせるのはさすが世界的文豪のなせる技か。とはいえ、より胸に迫るのは、穏やかに整然と農作業に打ち込むリョービンや、侮辱されたと思い、悩むキティ、朗らかな人に尽くすワーレニカなど、周辺人物で、リョーヴィンやワーレニカのように私も生きたい…

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    2025年02月11日
  • アンナ・カレーニナ 1

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    ロシア文学、古典の傑作という事でかなりの密度だったが、おすすめされた光文社古典新訳文庫訳で挑戦

    物語は2つの主旋律が進んでいくイメージで、
    時系列や相関が複雑に絡み合っていく

    また、主要人物の深層心理がどこまでも掘り下げられており、
    更に当時のロシアの貴族社会の風俗的な描写、今後の帝国主義の崩壊の萌芽も相まって、
    理解を進めるのには多次元的な整理がいるかもしれない

    刹那に向かうことで狭まっていくことと
    理解できないことが最後には広がっていくこと
    その対比を俯瞰していくと様々な絵が見えてくると思った

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    2024年12月02日
  • スペードのクイーン/ベールキン物語

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    不勉強にして、初めて読んだ。おもしろいねぇ。
    現実と幻想が交錯し、いろんな解釈が可能な作品だ。当時のロシアについて詳しくないので、理解が及ばないところもあるけど、それでもいろいろと考えてしまう。
    普遍的な作品ってのは、こういうものだよね。

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    2024年11月17日
  • 青い脂

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     原著1999年刊。
    「怪物」ソローキンによる、破壊と猥雑化の限りを尽くした、妙な小説である。
     読み始めるとすぐに、ボリスなる人物による、何を言っているのか全然わからないような手紙が延々と綴られてゆく。この圧倒的な「わからなさ」「言語の異物感」は、大昔に読んだSF小説『ニューロマンサー』の文章の感覚に似ている。
     ひっきりなしに繰り出される妙な造語は、よく見ると巻末に用語解説が載っている。しかし、そこでピックアップされているのはごくわずかであり、このボリスの文章を理解するにはまったく足りない。
     やがてボリスのパートが終わり、もっと分かり易い文体が出現する。
     第二次世界大戦がロシアとドイツ

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    2024年11月07日
  • アンナ・カレーニナ 3

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    後半の話(選挙の下り)が分かりにくかったけど、いよいよ話も大詰めとなって面白かった!
    特にコズヌィシェフとワレーニカの場面の描写が美しい…。読み終わるのが楽しみです。

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    2024年09月23日
  • アンナ・カレーニナ 2

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    物語が進むにつれますます面白くなっていく!
    ただこの巻の終わりの方の登場人物の言動がイマイチ掴みきれず。何故あんな変化をしたのだろう。
    ぐちゃぐちゃになっていく人もいれば、急に全てが上手く行き始める人も。これからどうなるかな。楽しみ。

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    2024年09月08日
  • アンナ・カレーニナ 1

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    すれ違いってこうやって起こるんだなという感想。あと心理描写が繊細で読んでいて自分も心当たりがあると思うことがしばしば。言語化してくれる本だった。
    ロシアの文化、風俗に疎いので分からないこともあったけど十分読めました。

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    2024年09月08日
  • 戦争と平和3

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    ピエールとアンドレイの心境の変化。
    絶望と諦めと決意、これだと思って人生を進んだつもりが、いややっぱりこれじゃないとなる気持ちにはスケールこそ違えど共感する。

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    2024年08月02日
  • 戦争と平和2

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    ネタバレ

    ピエールの決闘、フリーメイソンへの入信、ドーロホフとニコライの賭け勝負、アンドレイの帰宅、妻の死、子供の生誕、アンドレイとピエールの再会、など盛りだくさん。

    トピックを思い起こすだけでストーリーが立ち上がってくる。1よりだいぶ物語が加速。面白い!

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    2024年07月23日
  • イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ

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    ▼えぐいです。トルストイさん。

    ▼「イワン・イリイチの死」は、俗物の役人(貴族なんだっけな)が結婚して働いて子供もできて出世もするけど中年?初老?で病を得て死ぬ。なんだけどこの人がもう、なんのためにどう生きてきたのか、人生が絶望至極の中で病にもだえ苦しむ姿が、もう圧巻‥‥。実にひやりとじめっと冷たくて絶望的な強烈さと突き放したユーモアに包まれる衝撃。

    ▼「クロイツェル・ソナタ」要するに「嫉妬の余り妻を殺害しちゃった男の回想物語」なんです。19世紀?20世紀初頭?のロシア社会のなかで、この人は別段死刑にならずに数年して社会復帰している。そして、たまたま列車で乗り合わせた若者が、知識ゼロから彼

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    2024年04月14日
  • イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ

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    ネタバレ

    『イワン・イリイチの死』が特に好きだった。
    私もとある病気で、この苦しみから逃れられるくらいなら死んだっていいって思うくらいのお腹の痛みに苦しんだことがあるので、イワン・イリイチの苦しみの描写はとても共感できた。
    病気になると、周りは最初は心配してくれていても、そのうちこの嫁のように疎ましく思ったり病気になったことや苦しんでいることが他人への当て付けなんじゃないかと思われたりすることは本当にあるし、病気のせいで周りを暗い気持ちに引きずり込んでしまうこともよくあることだと思う。

    自分の人生は間違いだらけだったんじゃないか、こんな時に甘えることができるのは使用人だけなのかとか、なぜ自分だけがこん

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    2024年03月30日
  • 白痴1

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    いわゆる5大小説の中では最も読みやすく、19世紀末のペテルブルクを楽しめました。世俗にまみれた人々の中に天使のような人物が舞い降りたらどうなってしまうのか。

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    2024年01月07日
  • 戦争と平和1

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    ネタバレ

    (2023-05-10L)(2023-06-03L)(2023-06-28L)(2023-07-18L)

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    2023年08月04日
  • イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ

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    黒沢明監督の現代映画『生きる』がイシグロカズオ氏の脚本でリメイクされたと聞き、改めて生きるを視聴しよう!と思った矢先に出会った一冊です。

    黒沢監督はこのトルストイの短編から着想を得て、死を間際にした男が何を考えるか、説こうとしました。
    本作品はその原型として読んでみたのですが、似た展開をしつつ、違うものです。

    黒沢映画は、作中で主人公の死を突然挟むことで、観るものに驚きを与える効果を狙ったようにみえます。
    前半だけ観ていたら『もしかしたら彼は助かるかもしれない』と思うこともできる。

    対して、トルストイはそういった驚きよりも、不可避の死を冒頭数ページで描写します。
    助かるかどうかという可能

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    2023年03月01日
  • 死の家の記録

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    ドストエフスキーによる監獄の記録ということになる。自身の体験を元にしたフィクションであり、モデルと思われる人もていねいに解説があってわかりやすい。大きなストーリーが流れているというわけでもなく、期待感もないのだが人物の観察が妙におもしろく読める。監獄とはいえ、かなり開放的になっているのは今とは違うようだが、ロシアとはこんなものなのかもしれないと思わせる。

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    2022年09月04日
  • 青い脂

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    2068年。シベリアの遺伝子研18に所属するボリスは、かつての恋人へ猥語だらけの手紙をクローン伝書鳩で送りつける。その文面から明らかになるのは、ロシアの偉大な文学者のクローンを造り、彼らが作品を書いたあとに体内で生成される反エントロピー物質〈青脂〉を取りだすという計画。だが全てのクローンから青脂を採取した日、パーティー中の遺伝子研をシベリアの地下に拠点を持つカルト教団のゲリラが襲う。未来のインテリが操る中国語とロシア語のチャンポン言葉、プログラム言語のような猥語、クローンが書いた文体模写小説、歴史改変された1950年代ロシアの狂乱などで組み上げられた、鮮烈なヴィジョンと嗤いの書。


    なーんも

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    2022年07月18日
  • アンナ・カレーニナ 4

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    ネタバレ

     19世紀当時の帝政ロシアの貴族社会を背景とした物語としての歴史的荘厳さを保ちながら、アンナとリョーヴィンという愛に悩む等身大の人間像を絡めることで、不変的な一大叙情詩かつ一大叙事詩に昇華させたトルストイの古典的名作。光文社の翻訳・編著の妙もあるだろうが、いま読んでも全く古さを感じず面白い。
     ヴロンスキーの愛を猜疑しアンナの鉄道自殺で衝撃的に幕を閉じる第7章。これにて終焉としても良かったであろうが第8章のヴロンスキーの自棄的行動やリョーヴィンの啓示的開眼が単なる「不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある」人間模様から数歩抜きん出た深みある印象を与える。

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    2022年05月07日
  • 戦争と平和6

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    長かった物語もようやく終わりを迎えた。フランス軍は敗北し、生き残ったピエール、ナターシャ、ニコライ、マリヤの結末については読んで確かめてみてください。しかし個人的に印象に残ったのは実は物語の本筋よりも、途中で著者が戦争について、というか戦争にとどまらず歴史論だとか、あげくの果てには宇宙論なんかまで自説をとうとうと述べているところだ。第4巻あたりから徐々にこの形で描かれていたけど、最終巻に至っては分量的に恐らく半分以上、エピローグの第2編に至っては丸々この形式だったので、さすがにこれって小説って呼べるの?と疑問を抱いてしまった。まあ当時としては斬新だったのかもしれないけど、こういうのは物語とは分

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    2022年04月22日
  • 戦争と平和4

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    物語も後半に入ってきた。ナポレオンがついに動き始めてあっという間にモスクワに迫り、ピエールは戦場に向かい、アンドレイはナターシャとの婚約を破棄する。彼ら彼女らの運命も気になるところだが、個人的には物語の本筋よりも、本巻から地の文でトルストイの戦争に対する思いが徐々に述べられ始めているのが大きな特徴であるように思う。初読時はまあこういう趣向があってもいいかな程度に考えていたのだが・・・。

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    2022年04月20日
  • 戦争と平和3

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    第三巻では戦争は小休止し、もっぱらモスクワおよびペテルブルグを舞台にした人間関係の描写に重きが置かれている。主役はやはりナターシャだろう。行動自体は俗っぽいといえば俗っぽいのだが、やはりいつの時代でも人の心は移ろいやすいもの、ということなのだろうか。加えてますますフリーメイソンにのめり込んでいくピエール、カタブツなのか思い込みが強すぎるのかよく分からないアンドレイを中心に話は展開していく。

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    2022年04月19日