あらすじ
必ず勝つという3枚のカード。伯爵夫人がかのサン=ジェルマン伯爵から授かったというカードの秘密をゲルマンは手に入れるが……。現実と幻想が錯綜するプーシキンの代表作『スペードのクイーン』、皮肉な運命に翻弄される人間たちを描く5作の短篇からなる『ベールキン物語』。あのドストエフスキーも激賞したロシア近代文学の父プーシキンの傑作を、原文の特徴を見事に再現した新訳で。
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Posted by ブクログ
不勉強にして、初めて読んだ。おもしろいねぇ。
現実と幻想が交錯し、いろんな解釈が可能な作品だ。当時のロシアについて詳しくないので、理解が及ばないところもあるけど、それでもいろいろと考えてしまう。
普遍的な作品ってのは、こういうものだよね。
Posted by ブクログ
200年近く昔の作品とは思えないくらいおもしろい。
特に短編5篇からなるベールキン物語の中の『吹雪』のプロットが、近年の映画でよくあるように、時間軸が行ったり来たり入れ替わってドラマティック。偶然と気まぐれから他人の結婚式で誓いを立ててしまった青年が、「自分には妻がいる」と思い悩む場面は、誓約が重要なキリスト教社会ならでは、か。日本人だったら戸籍に反映されない限り気にしないだろう。。
スペードのクイーン
ギャンブルに取り憑かれた青年が殺人の報いを受ける寓話。
競馬の三連単で、3-7-1に賭けてみたくなる。
Posted by ブクログ
小学生の頃嫌々ピアノを習っていた。その先生が強弱記号にうるさくて「そこはアレグロ」「そこはアンダンテ」「そこはアレグロアンダンテよ」どーだってええやん!意味あるんかね! 意味はあったよ。この作者の素晴らしい強弱記号の付け方は、まるでオーケストラのようだ。 今思うといい先生だった。「理解」するまで次の曲にいかないの。技術だけじゃだめ。無駄に楽譜買わせたりしないの。 ところてんみたいな私が弾くようなのは、周りには苦痛なだけなんだよ。読書メーターやっててグラフに変化ないと焦るようじゃ、読書と言えないんだ。
Posted by ブクログ
プーシキンの作品の多くはチャイコやムソルグスキー、リムスキー=コルサコフのオペラの原案となっているので前から親しみやすかったが、原典として読むのは初めて。スペードのクイーンは最後の結末の解釈が謎を読んでいて詳細な解説で楽しめる。ペールキン物語は読みやすい小品集で、小噺的要素、ラブストーリー的な要素満載でさくっと読める。プーシキンは面白い!って好印象。