望月哲男のレビュー一覧

  • アンナ・カレーニナ 3

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    内容も面白いが最後の読書ガイドが素晴らしい
    長編だからついつい以前のエピソードの事を忘れてしまいそうだけどこれを読み事により全体を把握出来大きな流れを失わずにいられる。

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    2018年10月09日
  • 白痴1

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    スピード感溢れる翻訳がすばらしい。『白痴』は展開が速いので、このリズムに乗って読み進められるのはとてもいい。

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    2018年09月04日
  • イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ

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    ●「イワン・イリイチの死」

    トルストイが死んだのは1910年。20世紀に入ってからである。

    シェイクスピアが活躍したのが1600年代で、日本でいえば江戸時代にあたる。にもかかわらず登場人物の言葉や行動が今のわれわれに強く訴えかけてくるのは驚くべきことで、ハムレットなどは、主人公が現代人であってもちっともおかしくない。それがシェイクスピアのすごさであり、普遍性なのだろう。

    ただシェイクスピアの戯曲の登場人物は、王様や王子や女王であることが多くて、これらの人々はわれわれの親類縁者にはあまりいない類の人々であるから普段どんな生活を送っていたかとなると、ほとんど知るところがない。別種の階級、別種

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    2017年12月04日
  • アンナ・カレーニナ 3

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    ぐいぐい引き込まれる面白さがある。
    長編だが、「だれる」感じが全くない。

    本巻巻末の解説は、本書のみならず読書一般に深みを与えてくれるものかもしれない。

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    2016年10月28日
  • アンナ・カレーニナ 2

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    ロシアの広大な自然も、貴族達の愛憎模様も、実に活き活きと描かれている。

    アンナとリョーヴィンの、見事に対比されたダブルストーリー。
    2人ともどこか「あやうさ」が漂い、見ていてハラハラしてしまう。

    続刊もあっという間に読み終わってしまいそうである。

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    2016年11月21日
  • アンナ・カレーニナ 1

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    19世紀後半のロシア貴族社会における恋愛物語。

    複数の主人公が登場し、各々が様々な恋愛模様を生きる。

    単に恋愛にのみとどまらず、当時のロシアの社交界、貴族秩序、家庭、政治、経済など、多様なテーマが描かれる。

    100年以上前の、異国ロシアにおける物語とはいえ、各登場人物の心の動きなどは、非常にリアリティのあるものとしてこちらに迫ってくるようである。

    訳文はとても読みやすく、次巻以降も楽しみでならない。

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    2016年09月26日
  • アンナ・カレーニナ 4

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    トーマス・マンが完璧な小説といった意味が分かる。紛れもなく、今まで読んだ本の中でベスト。
    カラ兄のように宗教臭くない。難しい小説、ではなく、全てが書いてある小説、と思った。
    何より面白い。し、細部が本当にリアル。
    心理過程の描写が、プルーストほどには長くない。

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    2016年01月31日
  • アンナ・カレーニナ 4

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    4巻の長編だったけど、読み進めるほどどんどん面白くなった。またいつか読み返すだろう。

    生き生きと描かれている。説得力のある心理描写や比喩が面白い。
    それぞれの性格からはっきりと人生が分かれ、その人の個性と思考が露呈していく。

    リョーヴィンの気持ちがその時あった出来事によってころころ移り、かわいい感じもする。素直と頑固。
    義父のクラブの話で、ぶよぶよ卵というのを表現がおかしかった。

    リョーヴィンは生きる意味とは何かと哲学的に考えようとしたりする。でも答えが出ない。そしてある時、知る。
    リョーヴィンは生きる意味とは何なのかを知る。だからといって生活は今までと同じだ。だけど、知ったことでリョー

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    2016年02月08日
  • アンナ・カレーニナ 3

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    面白い。それなりの長編だけど、おもしろさは変わらない。あと一冊だ。どうなることやら。
    読み終わったら、映画を観る。

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    2016年01月24日
  • 白痴1

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    自分はこの小説の主人公ムイシュキン公爵を"あの程度の人物"と言う大江健三郎が嫌いだ。誰とでも屈託なく接し、銃殺刑やギロチン刑にされる囚人のプロファイルを行い、自分を白痴と侮る人には決然と対処する、政略結婚の犠牲にならんとする女性を解放する、自分はそんなムイシュキン公爵が大好きだからだ。初めて本当の人間を見た、と言われるぐらいのヒトは中々いない。彼が莫大な遺産の継承者であることが分かり、ナスターシャの結婚話をぶち壊してからの人間関係が見もの。相手を見て態度を変える、或る種の人間の本質をズバリ突く一文がある。

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    2015年09月06日
  • 白痴2

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    第1巻がムイシュキン公爵とその影ロゴージン、更にはエパンチン家の秘書ガヴリーラという3人の男対ナスターシャの"恋の空騒ぎ"ならば、第2巻はムイシュキン公爵とガヴリーラ、そして途中から将校ラドームスキーの3人対アグラーヤのそれに変わり、あろうことかナスターシャがそこに介入するという、バブル期のトレンディドラマ真っ青の構図、結核で余命幾ばくもないイッポリートの自殺未遂が次のステージを用意するが、ナスターシャもアグラーヤも真意が図りかねて、無垢なムイシュキンが浮き立つばかり。つくづくロゴージンは人間臭い奴だ。

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    2015年09月06日
  • 白痴3

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    ムイシュキンとナスターシャが互いに補完して、其々の生い立ちを乗り越える未来。ここまできた読者には、そんなことを夢想させる。でも2つの三角関係が、それも2人の女性の真意が表に出ないまま深く静かに進行し、ラストの悲劇へと繋がる。美しき我らがヒロインがあんな啖呵を切った上に迎える運命。ロゴージンもまたムイシュキンを補完する存在だから、自分は責める気になれない。轟音、叫び声、絨毯に散った高価な破片、驚愕、動転-コレでも表しきれないムイシュキン公爵の状態って?満場の悲鳴って?紛れもなくドストエフスキーの傑作の1つ。

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    2015年09月06日
  • 死の家の記録

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    去年も読んでいたか。何度読んでも、いつ読んでも新鮮だ。
    ドストエフスキーにとって、教育を受けたことのない人間のあいだで生活するのは、違う国で暮らすようなものだったろう。初めのうちは、違う星に来ちゃった感があったな。

    読んでいるあいだ、人間のあらゆる可能性を夢見たのがダンテの「神曲」で、眼前に現れた人間のあらゆる可能性を描いたのがドストエフスキーの「死の家の記録」だと感じた。

    日本が江戸時代をやっていた頃に、こんなに素晴らしい文学作品が生まれていたなんて、信じられない。

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    2015年01月09日
  • イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ

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    和訳ですらこれだけの迫力.面白い.
    クロイツェル・ソナタでの独白もなぜか妙に説得力を感じる.音楽の力をネガティブに書きつつ高く評価しているようなところには,なるほどと思った.

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    2014年01月09日
  • 死の家の記録

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    作家、ドストエフスキーが体験した『シベリア抑留』を基にして描かれた小説で、規格外の囚人たちに囲まれる作者の分身の孤独さと、「地獄の沙汰も金次第」という身も蓋もない『真実』を突きつけられてしまいました。

    本書は作家、ドストエフスキーが『ペトラシェフスキー事件』に連座し、1850年1月から54年1月までの4年間を西南シベリアはオムスク要塞監獄の獄中体験が下敷きとなって著された作品です。

    タイトルにある『記録』というのはノンフィクションというわけではなく、実体験ベースのフィクションとも言うべきで、実際に時間や空間の構造はもちろんのこと、本書の中に出てくる囚人や彼等を取り仕切る側の人間にも、事実と

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    2013年10月13日
  • イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ

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    本当にこの人の本は本を読んだという
    思いを私たちにさせてくれます。
    ロシア文学は難しいなんて
    言われますが、そうではないと思います。

    どちらも「死」がテーマとなる作品です。
    特に後者は妻殺しをした男の
    告白となります。
    だけれども、そこまで至る経緯は
    ここまで極端ではないものの
    誰しもが抱いたことのある
    感情ばかり。

    結婚前に読むか読まないかでも
    だいぶ違いそうな本です。

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    2013年08月31日
  • アンナ・カレーニナ 4

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    ロシア文学に早く出会えなかったことに
    本当に損をしたな、と感じました。
    人生における事柄が網羅されています。
    恋、苦悩がそこに。

    確かにアンナのとった行動は
    世間一般では相容れられない行為です。
    だけれどもそれを頭ごなしに批判することは
    出来ないと思います。

    誰しも、アンナほどではないですが
    大きい、小さいに関わらず
    道に外れてしまう、というのは
    少なからずありますので。

    目先の出来事からの逃避も
    その1つかと思いますので。

    そしてリョーヴィンに関して。
    彼の苦悩も本当に分かります。
    でも、それに気づいたのは
    大きな成功ですね。

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    2013年07月31日
  • アンナ・カレーニナ 3

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    一番長い巻でしたが問題なく読めました。
    やっぱり面白いね。
    ロシア文学は長くて、難しい。
    そんなイメージばかり抱いていましたが
    全然。面白いじゃないですか。

    きっとキティーとリョーヴィンが光
    アンナとヴロンスキーが闇なんだと思います。
    そして終盤のそれは光と闇の迎合。

    最後はどうなるのでしょうか。

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    2013年07月23日
  • アンナ・カレーニナ 2

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    はじめはこのページの多さに辟易しちゃう。
    でもいったん読み始めてしまうと
    そのコメントはどこへやら、になっちゃう不思議さ。

    扱っている世界が社交界という
    貴族の世界なのもやはり惹かれる理由かな。
    普通では体感できない世界というのが。

    私はメインのアンナよりも
    不器用で、時に意見を言うときにも
    何かと後悔ばっかりしている
    リョーヴィンが好きです。

    農業経験のある私は
    この描写は全然退屈じゃなかったなぁ。
    人によっては退屈かなぁ。

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    2013年07月19日
  • アンナ・カレーニナ 1

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    この本は実はタイトルの女性は
    少しページを読み進めてこないとでてきません。
    いきなりすごいことになるわけではないので
    そこのところ、お間違えなく。

    本当に文章が巧みに尽きる作品です。
    ロシア文学と聞くとクソ難解という
    悲しいレッテルを貼られがちですが
    この本はそうではありません。
    確かに長いですが決して難解ではなく
    彼の文章に惹かれることでしょう。

    本当の主人公はアンナなのですが
    私は失意の底に落ちたキティが気に入っています。
    彼女の再生の模様を見ていきたいです。

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    2013年07月03日