あらすじ
初冬のペテルブルグに姿を現した外国帰りの青年ムィシキン公爵。莫大な遺産を相続した彼をめぐり、高慢な美女ナスターシヤ、誇り高き令嬢アグラーヤ、血気盛んな商人ロゴージンなどが織りなす人間模様。ドストエフスキー五大長篇中もっともロマンとサスペンスに満ちた傑作、新訳決定版。
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Posted by ブクログ
江川卓訳『罪と罰』(岩波文庫)に続き、『白痴』はこちら河出文庫の望月哲男訳を選びましたが、(他と比較した訳ではないので絶対評価として)正解。読みやすく、かつ作品のストーリー・テイストに合った訳文と感じます。
Posted by ブクログ
自分はこの小説の主人公ムイシュキン公爵を"あの程度の人物"と言う大江健三郎が嫌いだ。誰とでも屈託なく接し、銃殺刑やギロチン刑にされる囚人のプロファイルを行い、自分を白痴と侮る人には決然と対処する、政略結婚の犠牲にならんとする女性を解放する、自分はそんなムイシュキン公爵が大好きだからだ。初めて本当の人間を見た、と言われるぐらいのヒトは中々いない。彼が莫大な遺産の継承者であることが分かり、ナスターシャの結婚話をぶち壊してからの人間関係が見もの。相手を見て態度を変える、或る種の人間の本質をズバリ突く一文がある。
Posted by ブクログ
小説を読み始めた頃、それこそ白痴のように読み漁ったドストエフスキーの長編小説。中でも白痴は一番好きだったので、新訳が出ていてとても嬉しかった。
ムイシュキン(ムィシキン)公爵が列車でペテルブルクに来る所から始まるストーリーは、今まで良くも悪くも保たれていた均衡が崩れ始めるような・・・例えるならジェンガを一本一本抜いていくような緊張感があり、もうわくわくがとまらない。作者は本小説が失敗作だと自分で評していたようだけど、個人的には大満足。
第一部で印象深いのは、やはり主人公ムイシュキンが持つ周囲の人間を引き寄せる力だと思う。列車の中でのロゴージン、エパンチン家の召使をはじめとして、白痴白痴と言われながらも何故か気に入られてゆく。私自身、列車内会話の時点でぐいぐい引き込まれていった。
細かな感想は、3巻まで読み終えて纏めて書こうと思っている。以前読んだ新潮訳と訳の比較はできないけど、普通に読みやすかったとは思う。解説も豊富で、特に時代背景についてしっかり書かれているのはありがたかった。次を読むのがすごく楽しみ。
Posted by ブクログ
いわゆる5大小説の中では最も読みやすく、19世紀末のペテルブルクを楽しめました。世俗にまみれた人々の中に天使のような人物が舞い降りたらどうなってしまうのか。
Posted by ブクログ
ムィシキン公爵は好感が持てる。白痴というより純粋。
ナスターシャは美しい人ということだけど、やってることは、なんだこの女は?って思うんだけど…
2、3巻読めばわかってくるのかな。
Posted by ブクログ
ムィキシン公爵の存在は何を表しているんだろう?ある種の二面性(賢さとお馬鹿さん)を持つ純粋無垢な青年として描かれているけれど実際は…?ナスターシャの最後の行動の意図は…?ムィキシン公爵の死刑に関する話はかなり興味深い。
Posted by ブクログ
3巻中の1巻を読み終えたところです。
きっと題名だけなら^^誰もが知る名作です。
でも、若い時から読んでみようと思ったことはありませんでした。
ロシア文学は小難しくて暗いというイメージがあったから(読んだこともないのに^^)
今回、お友達のレビューを読んだことをきっかけに、、
帯にあった「真実美しい人・・ムィシキン公爵」という主人公にぜひとも出会いたいと思った。
白痴と呼ばれるほど純真無垢な公爵と
公爵を取り巻く個性豊かな登場人物の名誉欲、金銭欲、色欲といった大人の汚らしい部分の対比が
この話面白くしている。
この長編を流れる大筋の話の中に「アネクドート・・小話、エピソード」がたくさん散りばめられている。
そのどれもが教訓的であり、哲学的でもある(と思った。)
最初は病気持ちでその純真さゆえに「白痴」と思われたり実際にののしられたりした公爵は
話を交わす人すべてから後には好かれ、惹きつけることになる。
そして子供のように純真で愛に富む人柄は・・
高慢な美女ナスターシャ(ゆえあって歪んだ性格になっている)に
「私、はじめて本当の人間を見たわ」と言わしめた理由が分るような気がした。
大筋は暗い話どころではなく1巻の後半は急展開、突飛の展開と読者を飽きさせることなく
ドラマティックに進んでいきます。
2巻3巻と・・さらにどんな「真実美しい人・・ムィシキン公爵」を知ることになるかと思うと・・
ワクワクします^^
面白いです^^若い時に読んでおくべきだったのかもしれませんが、
私は今この齢で読んで良かったと思いました。
*あえて「あらすじ」には触れませんでした。