紅玉いづきのレビュー一覧
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ネタバレいつものことだけれども、いづきさんのお話は心が揺り動かされる。
エカちの物語から始まり、シバの物語で終わる彼女たちのお話は、きっといつまでだって苦しく辛く、そしてあたたかく続いていくのだと思う。
エカちの夢を見ていたい気持ちは身が切られるほどに心に染みた。優しくしたいんじゃなくて、自分が優しく在りたい、誰かを許す自分を守りたいだけ。
恋人が欲しいわけじゃない、だけれども誰かを好きになってみたい。簡単に人のことを信じて好きになれる友だちが羨ましくてたまらないエカち。
自分を犠牲にしてまでも愛されている感覚が欲しいくせに、誰にも頼らなくても生きていける友だちがずるくてたまらないマル。
小さなころ -
Posted by ブクログ
この本はこれからの時代、電子機器が増え、紙が貴重になっている設定のお話。
この本にあるとおり、いずれそゆ時代が来て、電子機器が当たり前になると思う。それについて、この本を読む前と後で変わったものは、その時代に''怖さ''を感じたこと。今の時代はまだ紙に触れること、紙で本を読むことは当たり前だからこそ、日常生活に紙がないというのは不安だと。
ただ、それと同時に、ちゃんと未来に進まなければとも思った。紙のない時代が来るのはもうわかっていること。であれば、私たちが今ある時代に、紙の本の大切さ、紙の感触、匂い、それがどう大切であるのか、それを伝え、何かを残すこ -
Posted by ブクログ
少女たちの不安や嫉妬、自分たちの力じゃどうにもならない葛藤、そのすべてが包括された美しい物語だった。
双子、同期、先輩、後輩、指導者、応援者、そして自分たちを喰いものにする人間、そのすべてに対する感情が、ありありと描き出されていて、何度も目頭があつくなった。
どれだけ無駄でも辛くても頑張ってきたことが途中で終わりになることが嫌で諦められないあの気持ちや、誰かから何かを奉仕されることを当たり前だと思う若さ、気に食わないのに気になって仕方がない些細なささくれた心。
苦しくてとても痛かったのに、どこか懐かしくてたまらない感覚に揺さぶられた。
とてもすきです。
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Posted by ブクログ
人喰い三部作の第三部、私は紅玉いづきさんの言葉の魔法にかかっているのではなかろうか...そう思うくらいにドンピシャではまってしまう。毎回読む度に「これがいちばん!」と思う....
地獄のような、楽園のような、生涯をかけた恋、というのが宣伝文句で、
あなたを、喰べてしまいたいほどに、愛している。
というのが裏表紙に書かれている本文。
この「喰べてしまいたいほどに」のフランク感と「愛している」の丁寧な音並びが最高に良い。
え、だって「ほどに」と「愛している」だよ?
これね、試しに逆転させてみたのだけれど、「喰べてしまいたいくらいに」と「愛してる」じゃ駄目なんだよ...やっぱりいづきさんは魔法使いだ -
購入済み
泣きました。先の版の有川浩さんの解説そのままにやられた~と思いました。そして図書館本でした。
その時の有川さんの文と紅玉さんのあとがき込みでとても好きだったので、電子での購入にあたってこの完全版とどちらをと迷ったのですが、前の版のものも丸々載せてくれてるだろうと希望的観測したら入ってなかった・・。完全と言うにはそれが少し欠けた気分です。もしかすると作家さん本人の意向もあったりするのかな?とても心動かされる内容だったのですが。言葉をお借りすると「安い話が描きたい、読む人の通過点でいい。本なんてつまんないし難しいと思ってるような子の世界を開くことが出来たら、」というような(中略で言葉の流れそのまま -
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Posted by ブクログ
ネタバレ前作『ミミズクと夜の王』の続きとなる今回の話は前回のを読んでからの一読をオススメします。今回の主人公は毒吐姫という題名だけあって、淑やかさや可愛らしさからは遠い、苛烈な言葉を巧みに繰る気の強い少女・エルザが主人公です。けれど、相手を攻撃する言葉を吐き出すばかりの彼女が、本当は他人も自分さえも信じられない弱さを抱えながら、前作に登場した王子・クローディアスと徐々に距離を縮めていく様子はもどかしいながらも、キュンキュンと悶えさせてくれます。互いに相手が第三者に馬鹿にされたらムキになってしまうところとか、相手が自分以外の誰かに心を奪われてしまうことを恐れていたりとか、雰囲気は違うのにシンクロしてしま
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ネタバレああ、、つな、がってたんだ、、、ね
フクロウの過去のことがすこしすこしわかってよかった。ちょうど馬車で「ルイ」がトーチカとフェルビエから遠ざかっていく時、ミミズクとフクロウはどんな絵を描いているのかな。ディアとエルザは街にでも出てるのかな。トトとホーイチはどんな会話してるのかな。
全部全部気になる。
この話は他の巻よりも主人公とかに拘ってなくて題名の通り「雪蟷螂」として生きる、生きた、生きてきた女性の話だった。
それぞれにきちんとすっきりとした終わり方があって、それぞれが幸せになれるスタート地点に立てて、これから幸せになってほしくて(叔母さんについてはなんとも言えんが)尚且つ全部繋