紅玉いづきのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
電子版のレビューにも書いた通り、読み返すにも紙
の方が好きなことと、購入したものが「完全版」で
はなかったと気づいたので、すぐにこの「完全版」
を紙で購入しました。
本編の感想は電子版のを読み返しても、今は特に付
け加えることが思い浮かばないので、ここでは完全
版に載った書き下ろし「初恋のおくりもの」につい
て少し書きます。
内乱をおさめ、国に戻った後の様子が描かれてます。
主にエルザ。
本編でもわかるように、ディアに恋しちゃったエル
ザはミミズクの事が気になって仕方がない。
そこで無茶な行動を起こします。
無茶なんだけど、そのおかげでディアの本音も聞け
る、エルザも読者も嬉しくなる「恋」のお話です。
ミミズクは、登場の仕方がミミズクらしくてかわい
かった。
本編を読んだ時と同じく、フクロウにも会いたかっ
た!と思ってしまいましたが、姿は見えなくても、
ミミズクが登場するとなぜかその後ろにフクロウの
姿も思い浮かべてしまう。
短くても満足のいく書き下ろしが加わった「完全版」
をお勧めします。 -
Posted by ブクログ
うわー、不覚にも最後うるっとしてしまった!
今宵、嘘つきたちは光の幕をあげるよりも過去の物語
サーカスの曲芸師、初代の物語だ
物語の始まりは、まだまだサーカスが開催するかもあやふやな状態
企画だけされているが、本当にサーカスの公演はできるのだろうかと
不安がありながらも少女たちは日々の研鑽に励む
そして始まるゲリラ的なサーカス公演!
初代少女達が自ら名付けた『ブランコ乗りのサン=テグジュペリ』や『パントマイムのチャペック』など、自らを表す演目で登場
処女公演は拙いながらも、きっと誰しも魅了されることであろう!
黄金のマリナと呼ばれる今作の主人公的な立ち位置のブランコ乗りのサン=テグジュペリ
父が死んだその場所で多くの複雑な思いを抱えていた事だろう
最初はそんなに意欲的ではなかったのかもしれないけれど、研鑽をつむことで彼女の大切な場所になったことには違いない
身体がボロボロになっても舞台で喝采を浴びるぐらい!
きっと処女公演も拙いながらも素敵な素敵なものだったんだろうな
だからFと名乗る古参のファンは魅了されてしまったのだろうと想像できる!
サン=テグジュペリは出会いよりも別れが多く、友であった者たちは皆居なくなってしまう
変わりゆくサーカスのメンバーにどれだけ心細かっただろう
だからこそ、ずっと見守り続けたF存在に驚きを隠せない
あぁ、Fさん……この方だったんだって
そして陰ながら存在するサーカスの団長であるシェイクスピア
光の幕をあげるの方では冷酷な印象があったが、そっか、彼女の想いもずっとサーカスとともにあったんだなって
恋焦がれてこの立場にずっといたんだろうなって
あまり登場の少ない彼女ではあったが、光の幕、そして影の幕を読んでからめっちゃ好きになってしまった
歌姫アンデルセンの子は正直最初好きになれるかな?って感じではあったけれど、彼女の価値観や信念彼女を知る度に強いなって感じさせる子であった
まぁ私としては友人にはなりたくないかもですが苦笑
そしてパントマイムのチャペックや猛獣使いのカフカ
チャペックの葛藤は正直この物語で1番読んでいて辛いものがあった!
自分の価値の自問自答、そして大切な子
サーカスを離れた先で見つけたもの
急な退団とかは好ましくは思えないけれど、それでも彼女も幸せを見つけられて良かったなって思うんだ
こんな初代の時代があったからこそ、光の幕が上がったのかと思うと感慨深い
光の幕の代まで行くのに、どれだけの少女たちが戦い命を燃やしてきたのだろうかと、空白の期間も想像してしまう
でも1番良かったのは推しへの愛情が…(涙) -
Posted by ブクログ
正直最初は、他の人喰いたちの物語に比べてどううかなぁ……とか思っていた
思っていたけれど、雪蟷螂というこの物語も本当に最高であった
タイトルに雪がつくように、雪の時期が長い地方は寒々しく凍える印象がある一方、苛烈で情熱的な女たちに心が熱くなる
雪蟷螂であると自らを言う女たちの誇りが本当に素敵で、敵である男にも愛を持って鎌を向くのがとても印象的だ
部族は長年だ戦いに明け暮れており、終止符を打つための婚礼を
婚礼に至った花嫁と花婿は…めちゃくちゃ殺伐で刃物も出てきてどうなっちゃうの!?と
ただのハッピーエンドじゃないのがとても良かったなぁ
今作の主人公であるアルテシアと、その身代わりとして育てられたルイ
私としてはこの2人の関係性から目を離せなかった!
主従だけでない関係性
とても似ている2人は全く似ていなくて、情熱的に愛する存在も違っていて
あぁそっか、結末は彼女が…って
雪蟷螂の冥利に尽きるであろうと想像する
過去の邂逅部分で教えてくれる、もう1人の愛の物語
彼女の気持ちを考えると複雑な思いはあるけれど、あぁ、蟷螂の宿命ってなんて、なんて残酷で愛すべきものなんだろう!って
命をかけて白の世界で苛烈に愛する姿が愛おしい
蟷螂は愛する雄を喰らい尽くす -
Posted by ブクログ
あらすじ読まず表紙だけだと暗くて怖い感じかなぁ?とか思いながら読んでいたけれど…めちゃくちゃ素敵な愛の物語でした…
封印された人喰いの魔物と魔術の才が落ちこぼれの少女の物語
封印を解かれた魔物は少女と契約を交わし、少女トトはママとなり共依存の始まり
トトにホーイチと名付けられた魔物の人喰いとは思える皮肉屋な姿に少しふふっと思って可愛いなって思ってしまう笑
2人の優しくて強固な共依存
ホーイチはトトのことを名ではなく『キミ』もしくは『ママ』と呼ぶのが印象的
『トト』って名前を呼ぶのは最後の方ぐらいかな?(把握はしてません笑笑)
そして少女はいつしか大人になり、2人の関係は変わらぬままに
彼女の世界だけが凄く変わったんだなって
傀儡のようなものだとしても、彼女の特性を活かした仕事をする
大人になり関わる人が増えていき、少しずつ守りたいと傷つけたくないと思っていく変化
ホーイチは分からないなりに心のどこかで理解をしていたんだろうなぁ
ここまでの段階だと、個人的には2人が結ばれる結末になるのか!?とか思っていたけれど…
そっか、魔物と人間であっても、血縁関係がなくても、契約から始まっていも、やはり2人は親子なんだなーって!
MAMAの結末は、2人をギューって抱きしめてあげたくなる
恋愛のような愛ではなくて、親子としての家族の愛の形に愛おしさを感じられた
主従関係でもあるからこその危うさをもきっと愛のひとつだろう
MAMAの物語に出てくるティーラン姫
最初は性格の悪い悪役令嬢的なポジションか!?とか思ったけれど、めちゃくちゃ良い子!
言葉や態度は時に冷たいけれど、それは自身を守るためであり武器である彼女なりの生きる術であるのだなって
だから幕間の黒い蝶々の姫君も最高であった!
そして最後はANDという物語
こちらはホーイチの過去と未来を知ることが出来る
ホーイチ…魔物に喰われる前のただの人間の男の子の物語
そして、MAMAの結末の後の物語
本当の親子になったホーイチの今を知ることが出来てとても嬉しい
ホーイチにたどり着くまでの別の2人の主人公達、彼らの関係性にも凄く興味深く感じてしまう
とりあえず、個人的にはとても好みの作品であったー! -
Posted by ブクログ
面白かった
前半はミミズクに感情移入できず、月の瞳を持つ絶世のイケメンの夜の王、唯一普通っぽいクロのイイ人(魔物)っぷりに、なんとか読み続けていたら突然、衝撃的な展開に…。
後半は、人間らしく、子供らしいミミズクの可愛らしさと、徐々に分かってくるフクロウ(なんとセンスの良い名前!)のミミズクへの優しさに心打たれ、怒涛のハッピーエンドへ!
愛を知らない、愛されたことのない、愛し方、愛され方を知らない、色んな意味で不器用な主要人物達が、最後にはちゃんと愛を知り、愛し(親子の愛も含む)愛され、幸せになる物語。ミミズク、フクロウ、王、王子、聖剣の騎士、剣の乙女、 そして二人の養子、みんな幸せにしてくれて、作者に感謝。
こんなふうに心があったかになる本がいい!
何度も読み返したくなる本だと思う。 -
Posted by ブクログ
欲しい本リストに入れてから購入までが長かった事
購入から読み始めるまで長かった事もあって、どん
な話だったかさえ覚えてなくて、ミミズクの話し方
と語彙力のなさも相まって
「何を読まされてるんだろう?」
と思いました。
でも、どんどん引き込まれていき、世界観に惹かれ
夢中になって読みました。
面白かった。 泣けた。
残酷だけど、いろんな愛の形があって、心が温かく
なるお話でした。
フクロウとミミズクに対してアンディとオリエッタ
が取った行動は、「外伝 鳥籠巫女と聖剣の騎士」
で二人の人となりを知る事で理解が深まる。
コノハのお話もすごくいい!
あれっきりじゃなかったと知れて嬉しかった。
ディアも良かった。「毒吐姫と星の石」を読むのが
楽しみ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレいつものことだけれども、いづきさんのお話は心が揺り動かされる。
エカちの物語から始まり、シバの物語で終わる彼女たちのお話は、きっといつまでだって苦しく辛く、そしてあたたかく続いていくのだと思う。
エカちの夢を見ていたい気持ちは身が切られるほどに心に染みた。優しくしたいんじゃなくて、自分が優しく在りたい、誰かを許す自分を守りたいだけ。
恋人が欲しいわけじゃない、だけれども誰かを好きになってみたい。簡単に人のことを信じて好きになれる友だちが羨ましくてたまらないエカち。
自分を犠牲にしてまでも愛されている感覚が欲しいくせに、誰にも頼らなくても生きていける友だちがずるくてたまらないマル。
小さなころのトラウマで女になりきることが出来ないくせに、男でいたいわけでもない。まっすぐにやるべきことがある友だちみたいになりたいのに、なれるわけないと諦めているオズ。
自分の好きなことがなくてずっと誰かの言いなりで、そんなふうでありたくは無いのにそれをとったら何も残らないと知っているからそれをやめることすら出来なくて、周りの優しさも愛情もすべてがうとましいシバ。
アイデンティティが確立するかしないかの、あの揺らぎのような時代がたしかに思い出されて、息が詰まった。
やっぱりわたしはいづきさんの描写がとても好きです。 -
Posted by ブクログ
この本はこれからの時代、電子機器が増え、紙が貴重になっている設定のお話。
この本にあるとおり、いずれそゆ時代が来て、電子機器が当たり前になると思う。それについて、この本を読む前と後で変わったものは、その時代に''怖さ''を感じたこと。今の時代はまだ紙に触れること、紙で本を読むことは当たり前だからこそ、日常生活に紙がないというのは不安だと。
ただ、それと同時に、ちゃんと未来に進まなければとも思った。紙のない時代が来るのはもうわかっていること。であれば、私たちが今ある時代に、紙の本の大切さ、紙の感触、匂い、それがどう大切であるのか、それを伝え、何かを残すことをし、進むことも大事だと思った。 -
Posted by ブクログ
少女たちの不安や嫉妬、自分たちの力じゃどうにもならない葛藤、そのすべてが包括された美しい物語だった。
双子、同期、先輩、後輩、指導者、応援者、そして自分たちを喰いものにする人間、そのすべてに対する感情が、ありありと描き出されていて、何度も目頭があつくなった。
どれだけ無駄でも辛くても頑張ってきたことが途中で終わりになることが嫌で諦められないあの気持ちや、誰かから何かを奉仕されることを当たり前だと思う若さ、気に食わないのに気になって仕方がない些細なささくれた心。
苦しくてとても痛かったのに、どこか懐かしくてたまらない感覚に揺さぶられた。
とてもすきです。