紅玉いづきのレビュー一覧
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『それでも僕には欲望があるのだ。僕は、見つけたい。』
ーーーとある地方都市でSNSコミュニティ、『現代詩人卵の会』のオフ会が開かれた。九人の参加者ら別れ際に、今後も創作を続け、十年後に再会する約束を交わした。しかし当日集まったのは五人で、残りが自殺などの不審死を遂げていた。ーーー
凪……凪の物語だし、凪の心で読んだ。『何にもなれなかった創作者への哀悼を描く、謎と祈りの物語』って煽り文、とても良い。はっきりしたミステリ物が好きな人は物足りないと思う。ただ、『なぜ死んだのか』を追いかけるストーリー。創作者を軸に、死を見ながら正を考える物語。生きて書き続けても、死んで書き終えても、変わらない。哀悼……。趣味で散文を書いたり書かなかったり書かなかったりしていたのでとても染みた。凪……。
人の死と自分の死を改めて考える物語だった。何にせよ死というものは残っている人が考え感じる物なんだと改めて思う。創作は、創作については、しんどいの一言。作るのもしんどい、作らないのもしんどい。結局、答えというか、やりたい事は自分で頷いて行くしかないんだな、と、思った。スッキリとした回答はないから、ずっと考えていられる物語だった。 -
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ネタバレ「あたしは、いやだよ」
湖のほとりに建つ古城ホテル『マルグリット』にいる四人の女主人たちは、どんなやっかいごとでもあっというまに解決してしまうーー。と思っていまら、亡国の姫君リ・ルゥがとつぜんホテルをやめるなんて言いだして!?
シリーズ第4弾。亡国の姫君リ・ルゥのお話。
前半ドタバタからの後半シリアス展開。自然な流れで読みやすかった。『新妻と思春期の少女はジゼットに近づけるな』が発動したのが良かった。ピィの色仕掛け、その筋の人だったら本当に危ないと思う。危なかった。ピィは可愛い。しかしメインターゲット層であろう思春期少女には刺激強めな内容だったのではないかと思うのだけど、ジゼットがいる時点で性癖強打されるかな、そうだね。
後半は人の信念というか生き方というか、信じるもののお話だと思った。女主人たちの絆はたぶん重たいものなんだろうけど、拠り辺を失った少女たちを繋ぐにはそれだけ強いものが必要で、だからこそ読み手として彼女らが愛おしく感じるんだろうな。ディについては、そういう生き方しか知らないのであれば仕方ない思考でもあるけど、お頭の元で、他人と自分の境界を見つけられるようになってほしい。それはすごく難しいことだけど自分の常識を壊すことの必要性と勇気を、この物語を読んで得られたらいいと思った。リ・ルゥが重くてショッキングだからディまで意識いかないかなぁ。 -
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「あなたのことを、お待ちしておりました」
帰る家のない四人の少女と、不思議なホテルの物語ーーー
四人の少女、サフィール、ヘンリー、リュシエンヌ、そして古城ホテルマルグリットそのものに、それぞれの背景物語を感じさせるところがとても好きです。四人の少女についてはそれぞれ王道ものの追放者なので入りやすい。王道ものの追放者が四人も揃って、一つのホテルを経営するとかワクワクする。それとあとがきで書かれていたように、〝ホテルの〝あかりが旅をする人の心をあたためる、というホテルという場所への愛も感じるのがなんかとても好きだった。建物好きなのが呼応したか…。
時々へこたれることはあっても、決して負けない女の子のお話。小学生が主対象であるというのを考えても、女の子だけでなく男の子にも、勇気を与えてくれるお話だと、いいなぁと思う。続き読む。 -
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ネタバレ紅玉いづきさんのファンタジーが好きで嬉々として読みました。繊細な雰囲気などから受け取るイメージが概ね絵本のような方なので、死霊術師を題材にどんな話なのかと気軽に読み始めたら泣きました。
みんながみんな小さな願いを持つけどことごとく禁忌に触れてしまうし、禁忌という文字やイメージから大仰な想像をしてしまうだろうけど、きっかけは些細なことで、とても人間臭いところがとても良かったです。
実行できてしまう力とタイミングだったっていうだけなんだよなぁ、と。
これもひとつの愛の話で、繊細で苛烈なんだけど優しさに満ちた平凡な愛なところが好きです。 -
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女の子によくある、仲良くてもそれぞれが嫉妬や羨望などの歪んだ感情で覆われた人間関係に共感すると共に、そこまで相手に対して感情を抱けるような人間関係を育めた四人に嫉妬してしまう。
四人ともどこか危ない感じの部分があるのに助け合っているような部分が好き。
それぞれが間違えながらも、自分の嫌いな部分と何となく折り合いをつけられるようになる過程が読んでて辛いのに癖になってしまう。
それが成長と言われれば仕方ないが、何となくバッドエンドのようにも思ってしまう。
それにしても、登場人物一人一人に対して全く違う文体を書ける紅玉さんの技術はすごいと思う。