あらすじ
涙氷の降るその山脈で雪蟷螂の女が起つ。 この婚礼に永遠の祝福を。 長きにわたって氷血戦争を続けていたフェルビエ族とミルデ族。その戦に終止符を打つため、ひとつの約束がなされた。それは、想い人を喰らう“雪蟷螂”とも言われるフェルビエ族の女族長アルテシアと、永遠生を信仰する敵族ミルデ族長オウガの政略結婚だった。しかし、その約束の儀は、世代を超えた様々な思惑が交錯することによって阻まれる。果たして、極寒の地に舞う恋の行方は……。
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最後らへんトーチカが昔アルテシアが燃えるような恋を抱いた人だと思っていたけれども、違うとわかった後何故か最後にトーチカが出てきて、ここでトーチカぁ〜と思ったけれどもう一回読むとここでトーチカが喋っている内容がとてもいい。さらに昔した恋のせいでアルテシアが婚礼できなかったというのも少し面白くロマンがあります。
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高校生の時に買って読んで、それ以来ぶり。誰かに貸して手元から無くしてしまったので、買い直した。
かろうじて結末は覚えていたけれど、それと関係なく、途中で胸に刺さるものがあって、やっぱり好きだなと思った。
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社会人Mi.N.、「雪氷の覆う山地、フェルビエ族とミルデ族の長きにわたる戦に終止符が打たれようとしていた。フェルビエ族は、愛するおのさえ噛み殺すとされる激情を持つことから、畏れを込めて“雪蜥蜴”と呼ばれている。その族長アルテシアとミルデ族の政略結婚である。しかし、その約束の儀は、世代を超えて交錯する人々の想いにより阻まれる。山脈の平和とそれぞれの恋の行方は…」
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久しぶりにすごく好きな本。静かだけどすごく熱い複雑な気持ちの揺れがすごく好き。いろいろな愛の形が切なくてどうしようもない。いづきさんの本が好きになったきっかけ。
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寒さ厳しい山脈を居とする部族の双頭、蛮族と呼ばれる戦いを好むフェルビエと、呪術を操り死人狂いと呼ばれるミルデ。長きにわたりいがみ合い戦をしていた2部族の戦の終結のため、フェルビエの族長の娘、アルテシアは前族長同士の盟約によりミルデの族長に嫁ぐことが決まっている。
愛する男を噛み殺すほどの激情をもち「雪螳螂」との異名を持つフェルビエの女でありながら、子供の頃からの運命を冷静に覚悟を持って受け入れ、アルテシアは彼女の影武者であったルイと近衛隊のトーチカのみを連れて婚礼相手のもとに向かうが、ミルデの族長オウガはアルテシアに開戦をつげる。
婚姻を無効にしないために奔走する中で、ただの部族間の未来のための盟約に見えた婚姻に、親世代も含めた両部族の間の複雑に絡み合った想いがこめられていることが見えてきて…。登場するすべてのフェルビエの女性がそれぞれの形の雪螳螂で、ちゃんと自分の愛を貫ききるのが切なくもかっこよかったです。
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人喰い三部作の最終章。
言われないと気付かなかったけれど、確かにそういうお話でした。
愛しているから貴方を食べたい。
激情にかられ狂おしいほどの愛。
男性はどうなのか分からないけど、女性にとってそんな愛に出会えるのって幸せなことだと思いました。
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想い人をも喰らうフェルビエ族。
そんな彼女達の、狂おしい恋のお話。
綺麗過ぎてなんというか、
どろどろしてない。潔い恋だなぁと。
愛の力は30年の戦をも終わらせて、
凍てつく冬は春を迎える。
未来はわからんけど、
手にした幸せが永く続くといいな。
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人喰い物語三部作の最終巻。
実は愛の物語。
敵対する部族同士の策略結婚のために、替え玉さえ用意され育った族長アルテシア。
敵の族長ミルデのオウガの父は、オウガの母よりも敵であるアルテシアの叔母に恋慕する。
ただ、一言『俺の永遠をやる』と告げて。
アルテシアの替え玉ルイと入れ替わり、婚姻を上げるオウガ。
フェルビエの雪蟷螂と称されるアルテシアは、子供の頃のたった一度の恋慕を入れ替わりで手に入れる。
恋慕は雪馬車から見えた倒れた少年トーチカだった。
実はトーチカ、フェルビエとミルデの混血だった。
すでに、血を流す事も戦う事もなかったというのに。
ただ、いとまれ、蔑まれながらトーチカは生きていたのだ。
それを救った幼少時のアルテシア。
フェルビエだと言い切り。
それだけが、トーチカを生きる意味とさせた。
お互いが実は恋慕していた。
互いに幸せになれると信じての婚姻。
ルイも入れ替わる事を願ったのだから。
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この人の作品、個人的に一貫して言えることは、読み始めると止まらなくなること。誰もが一度は読みたいって思うような絵本みたいな世界がそこにあること。
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人喰い三部作の最終
人喰い三部作は一貫して「愛とはなんぞや」が書かれているのではないかなと思いました。その中でも雪蟷螂は一番の激情を持った愛のお話し。
個人的にはオウガの深い愛情に気づき一瞬の激情を持ったルイ、この二人の関係性が好き。
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これで、紅玉さんの電撃文庫作品は制覇。ミミズクが好きーって人が多いけど、自分はこれが一番好き。狂気とも言える激情に、心奪われた。他の作品も、早く読みたい
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なんか、物悲しい感じ。
読んでいると、ひたすら白い世界をさまよってるような感じにおちいる。
気分が落ち込んでるときには、読めないかもしれない・・・。
でも、面白かった。いい作品だと思う。文章が綺麗だと思うし。
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今までの作品と比べたら、大人っぽくて
ゆるやかな雰囲気を与えられた
それでもどうしてだろう
読み終わった私はホッと息を吐いて
ヒロインの激情をとても羨ましく感じた…
ああ、私なんかにはこんな激しくて愛しい
物語は書けないと痛感しました
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この話を読んで、強烈に感じたのは。
「私にはこれは書けない」
ということだけだった。
いや、わかってるんだよ。ちゃんと! プロの作家さんと自分を比べるのがおこがましいなんてことはさ。
でも、そういうのじゃないんだ。
そういうことではなくてね。
人が書くものには“におい”がある、と思うんだ。
アホみたいに本を読んできた僕だから何となく感じることなんだけど。
そこのいは確かに「作者」が存在していて、少なからず、自分が投影される。
それは「個性」になったり「文体」になったりして現れる。それは時として、登場人物の性格や、行動に反映されたりする。
そんで、この小説を思った時に、思ったのが。
「僕じゃこうならない」
ってのだった。
というよりも、それだけのショックを受けるだけの圧倒的衝撃があったのだけれど。
僕には、(言葉は悪いと思うけど)こんな遠回りな愛情表現なんて想像もつかないし。
こんだけの熱情を持つ余地もない。
それが「いい」とか「悪い」とかではなく。
それが「僕」なんだ、ただそれだけの話。
文章がきれいなのは、(僕の中では)当たり前。
そんなもの、下手な(あくまでも下手な、だ)二次創作ならいくつでも書ける自信はある。
そうじゃないんだよ。
僕は、ここ数年で、一人になって。
一番欲しかった自分の思いのままになる生活を手に入れて。
経済基盤を手に入れて。
物事を飛んでもなくシンプルに考えるようになったんだ、ということに気が付いた。
「書けない」って思った時に、僕は当然のように「なんで?」って考えた。
だって、僕は考えざるを得ない生き物だから。
そしたら気が付いたんだ。
僕がとんでもなくシンプルな考え方をすることになったことに。
元々、極端な性格をしていた僕だったけれど。
今は本当にもう。
「黒」か「白」か。
「yes」か「no」か。
本当にそれくらい極端なものの考え方をしている。
でもさ。
それで一番びっくりしたのは。
「なんて、僕は周囲に甘やかされてるんだ」ということ。
だって僕は。
僕の本当に持ってるものを、誰にも否定されてない。
みんな、笑って受け入れてくれる。
こんなに右か左かしかないのに。
誰も止めないんだよ!
信じられない!
そんな、馬鹿な!
僕が今まで欲しくて、欲しくて、欲しくて、欲しくて、欲しくて、欲しくて、たまらなかったものが、手の中にちゃんとあるってことなんだよ!
ああああああ! みんな、本当に優しい。
こんな僕を受け入れられるってすごい!
そして、そうやって言いたいことを言えるようになった僕は。
今までみたいにひねくれたものの味方をしなくてよくなってしまったから。
僕の書くものは、もう、今まで見たいに曲がらない。
そして、曲がらなくなった僕の登場人物は。
複雑な思考を持ち得ないんだろう。
それがよかったのか、悪かったのかは知らない。
でも、本当の僕はこう! 過去に戻ることは出来ないから。
これから書けるものとこれから生まれてくるものと、共に歩もうと。
この本を読んで、本当に思った(苦笑)
幸せって難しいよね!
全然、本の内容の話と関係ない話をしてごめんなさい。
でも、これが僕の感想だから。
ちょっと残しておきたかった。
本の内容は。
かっこいいお姫様の話でした!(ざくっとしすぎだ)
難しいことはうまく説明できないから。
読むといい!
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「人喰い三部作」となってるけど、繋がりはない作品。
雪国で殺し合いをしていた部族が同盟のための婚姻をする話。
殺し合いをしていた部族同士で色々と葛藤もあり、結婚へあたっての恋愛など色々。
あまり共感はできなかったなー。
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読み進めるごとに次第に鮮明になっていく登場人物たちの「恋」の物語。読み始める前と読み終えた後で大きく印象が変わりました。視点がコロコロと変わるので少し読みづらい部分もありますが、基本的には時系列に沿って物語は進んでいくので、内容は入ってきやすかったです。読む度に新しい発見がありそうな一冊。
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「人喰い三部作」の最後の一作。相変わらず、紅玉さんの操る言葉というものは、私の好みに一致していて、内容もそうだけれどその一言ずつがひどい影響力を放っている…。
物語本編は、二つの(正確に言えば三つかな?)恋の話が絡み合っているわけですが、叔母様と前族長の最期にしてもっとも彼ららしい結末を迎えた恋と呼ぶには激しすぎる物語が強すぎて、本来の主役を食ってしまっている様に思いました。もしも彼女たちが、作者にとって隠されたものでありながら本当に語りたかったお話であるのならば、それはとても成功した作品なんだろうけれど。
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人喰い物語最終譚。
長きにわたる氷血戦争に終止符を打つ、フェルビエ族のアルテシアとミルデ族のオウガの婚礼を巡る物語。
アルテシアの影武者ルイや叔母のロージアの想いはまさしく激情。
女性の強さを改めて感じる作品。
アルテシア&トーチカ、ルイ&オウガは、ロージア&ガルヤのようにはならなかったけれど、その後が気になりますね。
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人喰い物語3部作第3弾。
"愛しているから貴方を喰べたい"をテーマに極寒の地で紡がれる恋の話とは…
ストーリーはいつもの紅玉さんで変にひねったところのないもので安心して読めた。
魅力的な設定があるのに描写が少ないことが気にかかった。
極寒の地での生活感を詳細に描けば物語の主題にもより深みが出ただろうし、戦闘描写に力を入れれば戦の民としてのより迫力あるアクションシーンが見れたのではないか。
Posted by ブクログ
最初のプロローグの男の子は誰なのかなーと思いながら読み進めていました。
いや、トーチカなのかなって思ったけどそれにしては扱いが軽いし・・・族長が違うなってことでトーチカなのか、と落ち着きました。
やっぱり文章が綺麗と言うか控えめですね。
基本的に心理描写がある作品の方が好きなんで、そこまで入り込む作品ではないのだけど。
それでもこの人の小説は好きだな、って思いました。
これで前から読みたかった作品は読み終えましたね。
また新しい本も出ているようなのでおいおい読みます!
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狂った愛情というような表現が作中に何度も出てきていたが、これは確かに狂おしいほど一途で、美しい愛の物語だ。一途だからこそ狂おしい。こんな風にたった1人を愛し抜けたのならどれほど幸せなのだろう。
欲を言うとトーチカと陛下のお話をもう少し見てみたかった。
Posted by ブクログ
帯に最後の“人喰いの物語”と書いてあったのに、ある意味一番人喰いではなかった話。でも、これまでの作品よりも一番運命をひっくり返した話とも言えるのだろうと思う。相手を喰うほどに愛するという人と巡り会えるなら、過酷な運命も平凡でどうしようもない日々よりはるかに良い生き方ですよね。