山田蘭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
超★5 地の文が一切ない!ノンフィクション作家を疑似体験できるミステリー #アルパートンの天使たち
■あらすじ
犯罪ノンフィクション作家のアマンダは、18年前のカルト集団が犯した殺人事件の取材を行っていた。カルト集団「アルパートンの天使たち」の大天使ガブリエルは逮捕されていていたが、事件に巻き込まれた少年少女2名と新生児1名は行方不明になっており、真相は明かさらないままだった。
アマンダは当時の関係者に聞き込みを続けるうち、つじつまが合わない事実が浮かび上がってくる。過剰に隠蔽された事件の真相とは…
■きっと読みたくなるレビュー
超★5 おもろい!
地の文が一切ない、全編メッセンジャーのやり取りやドキュメントだけで進行する小説です。何がスゴイって、自分がノンフィクション作家になったかのような疑似体験ができるんですよ!
前作『ポピーのためにできること』も同様の形式でしたね。小児がんの子どもを助けるための活動を端から見つつ、登場人物の隠された背景を描いている部分が読みどころでした。本作は過去の事件を書籍化するために作家が取材しながら事件を紐解いていくというストーリーです。
やっぱり一番に惹かれるのは、メッセンジャーやドキュメント形式の表現ってところでしょう。ほとんどアマンダが軸になって関係者とのやり取りが進行するのですが、これが面白いんすよ。
仕事仲間や友人とのチャットは、本音丸出しの絵文字使いまくりでニヤニヤしちゃう。また取材の書き起こしでは、アマンダが情報を引き出そうとしている駆け引きの妙が楽しすぎるの。よく考えると警察や探偵が聞き込みやってるのと同じなんだけど、切り口が違うだけでこんなにもなんでこんなにも好奇心をそそられるのか。
そしてアマンダが最高すぎるんです。仕事好きで真面目ではあるんだけど、それ以上にずる賢くて負けず嫌い。自分に正直に生きて気持ちいいんですよね、輝いてるから自然に周りに人が集まってきちゃう。でも近づきすぎるとパワーを吸い取られちゃったりする。いるいるー、こういう人。
ライバル作家のオリヴァーも愛せるんです。アマンダと似た者同士なんだけど、性根の部分が違うんすよね。アマンダと関わりを持つことによって、彼はどう変化していくのか。ここも本作ならではの魅力が詰まってる。
ノンフィクション作家の裏側が見えて興味深かったですね。ただ事件を取材するだけでは本にならず、どうやって読者の心を掴むのか、独自の強みがなくてならない。ライバル作家や出版社とのやり取りもやたら現実的で勉強になりました。
さてミステリーとしての謎解きですよ。取材のやり取りで得られる情報が少ないし、むしろズレた情報ばかりが乱立して脳みそが混乱してくる。それでも取材を進めるうち、重要人物にも会えるようになり、様々なヒントが提示されるんです。徐々に推理を考察していくんですが… 全く想像してなかった真相でビビりました。
結末も味わい深すぎですよね。これまで取材してきた膨大な記録、それを興味津々で読んできた私。すっかり世界観に没入してしまったからこそ、奇妙な選択に不快感でいっぱいになる。私は何がそんなに楽しかったんだろうかと…
今回もインパクトのある作品でしたね、ミステリー好きには必読の一冊だと思いました。
■私とこの物語の対話
人間の邪悪さってのは、自分ひとりの行動に収まらず、周りの人たちもかどわかしていく。特殊詐欺は無くならず、さらに狂暴化しているの社会ですが、どうすれば日本は浄化されるんでしょうか。少なくとも未来のある少年少女を巻き込むような事件はあってはならないです。 -
匿名
購入済み良い…好き…
大好きなホーソーンシリーズ5作目。
これまでに比べて緊迫感のあるシーンや、ホロヴィッツがドジを踏むシーンはあまり無かったものの(特に「ナイフをひねれば」はあまりに面白すぎた!)、
今作は趣向が異なっていて、これはこれで楽しめました。
ホーソーンとホロヴィッツのやりとりが少なくて、これを一番の楽しみにしていたから、
正直途中までは、う〜んと思ってしまうこともありました。
が!それ以上にエモいシーンがあったので、結果満足ですw
とあるキャラがすごく良かった。好きだ…。
ますますホーソーンを好きになりました。
彼に振り回されるホロヴィッツも可愛いw
ホーソーンについての掘り下げや、ホーソーンとホロヴィッツの関係性などに触れるので、
過去作品を読んでいないと、若干分かりづらい部分があります。
このシリーズを未読の方は、是非是非1作目から順に読むことをオススメします。
面白いので! -
Posted by ブクログ
面白い本でした。先日のビブリオバトルでご紹介頂いた本。紹介されなかったら読まなかったと思います。ありがとうございました。
ガリバー旅行記は「小人の国」を描いた童話として知られていますが、実際は大人向けの4編からなる連作小説です。
小人の国のリリパット渡航記、巨人の国のブロブディンナグ渡航記、空中に浮かぶ島を持つラピュタ等の渡航記、馬が人間を支配するフウイヌム渡航記の4本。どれも「おとぎの国」とは程遠い国であり、それぞれの国でガリバーはひどい目に遭います。
作家のスウィフトが生きたイギリスは名誉革命(1688年)の直後。国王の権限が制限されて、新たな勢力争いと権謀術数が渦巻く時代です。スウィフトが書きたかったのは、そんなイギリスと空想の中で生まれた不思議な国々の比較であり、比較の中で浮かび上がったイギリスの矛盾点をガリバーを通して論じています。
例えば、
ーリリパットの政治では信賞必罰が徹底している。法律を遵守すれば褒美が貰える。一方、イギリスでは法律の違反者には刑罰が待っているのに、遵守しても褒美はない。
ーイギリスの政治制度を聞いたブロブディンナグの国王が理解したのは「ときとして無知、怠情、悪徳のみが立法府の議員たる資格」となること
18世紀初頭政治への批判者が何を考えていたのかは、もちろん興味あることですが、やはり本書は純粋に冒険譚として楽しむべき本と思います。
ーリリパットの王宮が火事になったとき巨人であるガリバーはどういう消化活動を行ったのか?
ー巨人のガリバーは何を食べたのか?
ーブロブディンナグでガリバーは授乳をどう見たのか?
小人や巨人の国での冒険譚はある程度は子ども向けに翻案できるし、実際、絵本にもあります。強い印象を受けたのは「フウイヌム渡航記」。これを視覚化するのは、かなり難しく、人間の醜さが強調される一編です。この国に滞在することにより、ガリバーは大きく変化します。
正直、ビブリオバトルの前は「ガリバー旅行記」を甘く見てました。カバー裏にある「読むたびに発見を新たにする、冒険小説の歴史的名著」は大袈裟でないと思います。
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購入済み
めちゃめちゃ面白い
もともと作者の方が脚本担当されていたドラマ(名探偵ポワロの初期と刑事フォイル)が面白くて大好きで、ミステリー小説を出されていたと知って早速購入したのですが、めちゃめちゃ面白かったです。味わってじっくり読むつもりが先が気になってあっという間に最後まで読んでしまいました。解決編の伏線の回収が気持ちいいです。また作中作のクリスティー愛溢れかえっている雰囲気もさすがでした(名探偵ポワロのドラマがもう一度観たくなりました笑)
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Posted by ブクログ
1.目的
これまで知っていた小人の世界だけじゃない旅行があることを知り、読んでみたくなった。
2.得られたこと
表紙の真ん中にLaputaって島がある。
島の中心に回転する磁石が内蔵されている飛行島だ。
なんと限られた範囲なら自由に移動ができるのだ。
ジブリの「天空の城ラピュタ」の原案だ。
ガリバー旅行記がこども向けじゃない理由がよくわかった。
小人の島、巨人の島、空飛ぶ島、馬の島などの生活を通じて、人間の愚かさにフォーカスしていく。
多様性を考える上で大切なことが描かれていた。
日本も若干登場するのが興味深い。
3.アイデア
ダイバシティをテーマにするときに引用したい。 -
購入済み
一粒で2度美味しい
読み終えてビックリ
この本はミステリー好きなら出会えて良かったと思える作品です。
小説トリックと言えばいいのかな
下巻を読み始めたら誰もが「なに?なに?なにー?」となるのではないでしょうか。
最近は過激な内容で後味の悪いミステリーが多い中、宝石のような小説だと感じました -
Posted by ブクログ
子供の頃に絵本で読んだ「小人の国」と「巨人の国」。
その感覚でワクワクして読むと、痛い目に遭いますf^_^;
これは
オブラート1枚にしか包んでいない風刺物語です。
第4章に出てくるフウイヌム国は
「理想郷」として書かれていたワケですけれども
「理性のみが存在する世界」=「真の理想の世界」となり得るのか、
というのは、甚だ疑問。
このあたり、後世のディストピア小説に繋がる気配アリ。
ちなみに
同じく第4章では
引きこもりヤフーが出てきます。
そういう点も含めて
現代に通ずる問題提起が全編にわたって散りばめられており、
やはり、名作と言われる何かを持っているな、という印象を受ける1冊です。