山田蘭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白い本でした。先日のビブリオバトルでご紹介頂いた本。紹介されなかったら読まなかったと思います。ありがとうございました。
ガリバー旅行記は「小人の国」を描いた童話として知られていますが、実際は大人向けの4編からなる連作小説です。
小人の国のリリパット渡航記、巨人の国のブロブディンナグ渡航記、空中に浮かぶ島を持つラピュタ等の渡航記、馬が人間を支配するフウイヌム渡航記の4本。どれも「おとぎの国」とは程遠い国であり、それぞれの国でガリバーはひどい目に遭います。
作家のスウィフトが生きたイギリスは名誉革命(1688年)の直後。国王の権限が制限されて、新たな勢力争いと権謀術数が渦巻く時代です。スウィフトが書きたかったのは、そんなイギリスと空想の中で生まれた不思議な国々の比較であり、比較の中で浮かび上がったイギリスの矛盾点をガリバーを通して論じています。
例えば、
ーリリパットの政治では信賞必罰が徹底している。法律を遵守すれば褒美が貰える。一方、イギリスでは法律の違反者には刑罰が待っているのに、遵守しても褒美はない。
ーイギリスの政治制度を聞いたブロブディンナグの国王が理解したのは「ときとして無知、怠情、悪徳のみが立法府の議員たる資格」となること
18世紀初頭政治への批判者が何を考えていたのかは、もちろん興味あることですが、やはり本書は純粋に冒険譚として楽しむべき本と思います。
ーリリパットの王宮が火事になったとき巨人であるガリバーはどういう消化活動を行ったのか?
ー巨人のガリバーは何を食べたのか?
ーブロブディンナグでガリバーは授乳をどう見たのか?
小人や巨人の国での冒険譚はある程度は子ども向けに翻案できるし、実際、絵本にもあります。強い印象を受けたのは「フウイヌム渡航記」。これを視覚化するのは、かなり難しく、人間の醜さが強調される一編です。この国に滞在することにより、ガリバーは大きく変化します。
正直、ビブリオバトルの前は「ガリバー旅行記」を甘く見てました。カバー裏にある「読むたびに発見を新たにする、冒険小説の歴史的名著」は大袈裟でないと思います。
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購入済み
めちゃめちゃ面白い
もともと作者の方が脚本担当されていたドラマ(名探偵ポワロの初期と刑事フォイル)が面白くて大好きで、ミステリー小説を出されていたと知って早速購入したのですが、めちゃめちゃ面白かったです。味わってじっくり読むつもりが先が気になってあっという間に最後まで読んでしまいました。解決編の伏線の回収が気持ちいいです。また作中作のクリスティー愛溢れかえっている雰囲気もさすがでした(名探偵ポワロのドラマがもう一度観たくなりました笑)
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Posted by ブクログ
1.目的
これまで知っていた小人の世界だけじゃない旅行があることを知り、読んでみたくなった。
2.得られたこと
表紙の真ん中にLaputaって島がある。
島の中心に回転する磁石が内蔵されている飛行島だ。
なんと限られた範囲なら自由に移動ができるのだ。
ジブリの「天空の城ラピュタ」の原案だ。
ガリバー旅行記がこども向けじゃない理由がよくわかった。
小人の島、巨人の島、空飛ぶ島、馬の島などの生活を通じて、人間の愚かさにフォーカスしていく。
多様性を考える上で大切なことが描かれていた。
日本も若干登場するのが興味深い。
3.アイデア
ダイバシティをテーマにするときに引用したい。 -
購入済み
一粒で2度美味しい
読み終えてビックリ
この本はミステリー好きなら出会えて良かったと思える作品です。
小説トリックと言えばいいのかな
下巻を読み始めたら誰もが「なに?なに?なにー?」となるのではないでしょうか。
最近は過激な内容で後味の悪いミステリーが多い中、宝石のような小説だと感じました -
Posted by ブクログ
子供の頃に絵本で読んだ「小人の国」と「巨人の国」。
その感覚でワクワクして読むと、痛い目に遭いますf^_^;
これは
オブラート1枚にしか包んでいない風刺物語です。
第4章に出てくるフウイヌム国は
「理想郷」として書かれていたワケですけれども
「理性のみが存在する世界」=「真の理想の世界」となり得るのか、
というのは、甚だ疑問。
このあたり、後世のディストピア小説に繋がる気配アリ。
ちなみに
同じく第4章では
引きこもりヤフーが出てきます。
そういう点も含めて
現代に通ずる問題提起が全編にわたって散りばめられており、
やはり、名作と言われる何かを持っているな、という印象を受ける1冊です。 -
Posted by ブクログ
アンソニー・ホロビッツの作品はとにかく意表をつくお話の設定ですが、今回も小説の中で登場する作家=ホロビッツ自身が犯人と疑われ逮捕されるという出だしになります。
素性をほとんど知らない探偵のホーソンとコンビ?を組んで事件を解決、そして、それをミステリーに仕上げていくという流れで本作が4作目になります。このシリーズは自分自身が小説の中で動き出していますから、当然相棒のホーソンも小説の中のただの登場人物ではない筈だと思っています。作家にとっては、実在する人物と言えるでしょう。
さて、今回の中身は、ロンドンで公演される戯曲を仕上げたホロビッツですが、その戯曲をある評論家に酷評されます。するとその評論家は刺殺された姿で発見され、証拠品から私は逮捕されてしまうのでした。混乱する頭の中に浮かんだのは、やはりあの探偵の名前。少し前に彼とは決別を宣言した私でしたが‥
兎にも角にも、限られた時間で真犯人を探すしかないホロビッツは、いつもと同じように見当もつかぬままホーソンの捜査に付いて回ります。素性をほとんど明かさないホーソンに不信感を抱きつつも、探偵としての高い能力を認めざるを得ないアンビバレントな感情に振り回されるホロビッツがおかしくもあります。
当然のごとく、ホーソンは真犯人を見つけ出し事件は解決。決別した筈がまたまたあの男の言いなりになる私でした。 -
Posted by ブクログ
葬儀社に自らの葬儀プランを予約して立ち去った女性ダイアナが、そのわずか数時間後に自宅で何者かに絞殺されてしまう。
ダイアナの過去を調べるうち、10年前に起こした死亡ひき逃げ事故が浮上する。裁判で彼女に拘禁刑が科されなかったことを恨む遺族の復讐なのか?それとも別の犯人がいるのか?
この謎に挑むのは、元刑事の探偵ホーソーンと、語り手である作家ホロヴィッツのコンビ。
複雑に絡み合った人間関係や愛憎を解きほぐしながら真相に迫っていくのだが、とにかく伏線が多く、怪しいと思った箇所には付箋を貼っておかないと読み返すのが大変なほど緻密に作られている。
本作は正統派の本格ミステリでありながら、著者本人がワトソン役として登場するメタフィクションでもあるため、物語と現実の境界が曖昧になるところが非常に面白い。
また、本筋の推理と並行して、秘密主義なホーソーンという人物の素性が少しずつ明らかになっていくプロセスも、もうひとつの大きな楽しみだ。
あと、山田蘭さんの翻訳はとても読みやすくていいですね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画の撮影現場でホーソーン役の俳優デイヴィッドが殺された。俳優は敵の多い人物で、映画関係者に容疑者がたくさんいる。そして被害者に割当てられた、控室のようなトレーラーが事件現場なのだが、そこには役者名ではなく役名が書かれていることから、デイヴィッドではなくてホーソーンが狙われた可能性も考えられた。
二部制になっていて、前半は映画関係者について。
後半はホーソーンが過去に関わった事件について書かれている。その過去の事件は読者からみたら想像できそうな話であって、その時点でホーソーンが引っかかりを覚えつつも思い至らなかったというのがちょっと考えにくかった。
そんなこんなで、ホーソーンは結局過去の事件と今回の事件の二つを解決する。ホロヴィッツも、自分のことを語らないホーソーンに困りながらも親しみを深めていく。