山田蘭のレビュー一覧
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だいぶ前の「平成仮面ライダーシリーズ」に「仮面ライダーキバ」という作品があった。主演は瀬戸康史さん。
この作品には他にない複雑な特徴があった。
主人公がいる「現代」と、主人公の父が現役だった頃の「過去」がパラレルに描かれるのだ。
物語が進むうち、「現代」と「過去」は近づいては離れ、離れては近づき、ある時融合する。さらにもうひとつの世界と絡み合い、独特の構造を持つ物語になっていた。過去と現代、もうひとつの世界はいくつかのポイントで接点を持ち、重なる。
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待ちに待ったホロヴィッツ新刊は「カササギ」シリーズの続刊。前作では、名探偵アティカス・ピュントシリーズの過去作が絡む物語だった -
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常にウェルメイドな現代本格ミステリで楽しませてくれる、安心・安定・信頼の作家ホロヴィッツのホーソーンシリーズ5作目。
今回は趣向を変えて、過去の事件を扱っている。
高級住宅地の嫌われ者が殺され、住人たち全員に動機があるという設定から、地道なアリバイ崩しが展開されるのかと思いきや、現在と過去を行き来しながら、あまりに早々と明かされる犯人、謎の有能な相棒、怪しい組織など、かなり盛り沢山の内容になっている。
そしてシリーズ随一のトリッキーな真相の後の、今後にも影を落としそうな苦い結末。
素晴らしい作品だが、おそらく次作は更にこれを超えてきそうな予感。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ入れ子式のミステリは何度か読みましたが、こんなに驚いたのは初めてかも。
まず、上巻を読み終えてすぐに下巻を開いたら「あれ?本を間違えた?カバーはカササギ殺人事件の下巻だけど、中身は別の本?」とカバーを外したこと。
そして、解説の川出正樹さんも書いていらっしゃるけれど、当に自分も同じ行動を起こして、作者のしてやったりに上手く嵌められたこと。
次にビックリしたのが、『羅紗の幕が上がるとき』と『死の踊る舞台』を読み比べたとき。
ホロヴィッツのプロ作家と素人の文章の書き分けもさることながら、翻訳の山田蘭さんが素晴らしい。
ドナルドの作品は素人の私が読んでも「読みづらい上に荒いなぁ」と思ったほど。
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Posted by ブクログ
ーーーあらすじーーー
舞台はイギリスの小さな町。男爵の所有するパイ屋敷で、家政婦が階段から転落し死亡してしまう。鍵のかかったお屋敷でひとり、掃除機のコードに足を引っ掛けたのか、あるいは…。その死は、小さな村の人間関係に少しずつひびを入れていく。余命わずかな名探偵、アティカス•ピュントが謎を解き明かす。
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上巻では、いつものミステリを読む如く、探偵と肩を並べて真相に向かってずいずいと読み進めた。イギリスのジメジメした感じ、これがまたミステリに深みを加えてくれる。満足、まんぞく……
と思いきや、下巻!
真相が明らかにされるかと思いきや、寸止めのまま、現実の物語に引き戻される -
Posted by ブクログ
ネタバレホーソーン&ホロヴィッツシリーズの4作目。
相変わらず、文中に隠されているヒントをきちんと組み込めば、犯人も動機もしっかり判明するはずなのに、最後の伏線回収で圧倒される。俺みたいなヒネてないミステリー読者ってコスパ良いわぁ。
ホロヴィッツ作品なので本格ミステリーの醍醐味は言わずもがな。この作品の面白みは、イギリス好みのちょとヒネ(くれ)ったユーモアが満載されていること。ホロヴィッツ(ややこしいけど登場人物の方)のダメっぷり、被害者になる演劇評論家のクソっぷり、コケにされる警察官のイヤみっぷりとやり返されるカタルシス。
シニカルなオモロい描写に引き込まれているうちに、重要な手がかりを読まされ -
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