山田蘭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
作中作の犯人も、本編の犯人も、どっちもはやく知りたくて一日中読んでしまった。おかげで休日がつぶれましたよ(幸)
この『カササギ殺人事件』という作品のなかでふたつのミステリが進行し、交錯しているという状態。しかも上巻をまるごと作中作にあてるという大胆な構成。いったいどうやって収拾がつくのかしらと思いながら読んでいたけど、ちゃんとつながった。感心しちゃった。さすがに登場人物がこんがらがって、「ン?」ってなる瞬間はあったけど、本作の構成を考えたらじゅうぶん読みやすかったと思う。続きが気になってどんどんページをめくってしまう読書はやっぱりたのしいな〜! -
Posted by ブクログ
ハヤカワ ミステリ マガジンの
21世紀翻訳ミステリ ベスト!で
堂々の第1位。再読。
2016年、この作品で
ホロヴィッツは
ミステリ作家としての地位を確立し、
その後の躍進につながった。
それまではヤングアダルト向け小説や
サスペンスドラマの脚本家として
成功を収めていたベテランが
還暦を超え、この作品を著し、
さらに続々とヒット作を連発したのだから、
もう驚くほかない。
再読して改めて思うのは、
編集者スーザン・ライアンドの
新作ミステリ原稿の消えた結末を探す物語と、
そのミステリ原稿「カササギ荘殺人事件」の
見事すぎる入れ子構造の斬新さだ。
構想から完成まで20年近くかけたとい -
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Posted by ブクログ
ホーソンもの5作目。安定感と意外性の両方をこのクオリティで維持出来てるのがすごいなあと毎回感心。
しかしながら、なぜホーソンが犯人逮捕迄持ち込まず、敢えて違う解決策を取ったのか、が理解及ばず。証拠不十分を恐れたのか? でも木の根本を掘り返しさえすれば証拠は出てきただろうしなあ。
自分の推理力に関しては、冒頭の登場人物一覧をよく見たら同じ苗字のひとがいるのを見落としたり、そもそもその姻戚関係は目眩しで特段トリックとは関係なかったり、別の場所での転落事故との関連を全く読めなかったり、といいように弄ばれた。それがカタルシスではあるけれど、少しくらいはかすってみたい。
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Posted by ブクログ
自身の葬儀の手配をした老婦人がその日のうちに殺された事件から物語が始まる。作家のホロヴィッツは元刑事のホーソーンに「私が主役の実際にあった殺人事件を本にしてくれないか?」と提案される。はじめは断ろうとしたホロヴィッツだったが、とある公演で自分の作品について酷評されたことに後押しされ、その提案を承諾する。執筆のためにホーソーンの調査に同行し、事件の真相に迫っていく…というストーリー。
まずはこの本の作家ホロヴィッツが一人称視点で作品の中に存在しているのが斬新だった。実在する人物や作品も頻出してるので、本当にあった事件なのかフィクションなのか最後までわからなかった。
とにかく伏線回収が鮮やかで面 -
Posted by ブクログ
原題は『The Appeal』。
アピールという単語は日本語の会話の中でもよく使われるが、英語の単語の意味を調べてみると「訴える」「気に入る」「控訴する」などなど。ひとつの単語でも色んな意味があるんだな。
なぜこんなことを冒頭で述べたかというと、この本のタイトルは、ここで起こる出来事や登場人物をよく表していると思ったからだ(無論、邦題もいい)。
メールのやり取りとテキストメッセージ、新聞の記事や広告のみで構成されたこの本は、約700ページととても分厚い。
・先を知りたいがために、なんとなく読み飛ばしたくなる。
・ずっとメールを読み続けることに、時々飽きてしまう。
・登場人物が40人近くいるの