山田蘭のレビュー一覧
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ネタバレ本を開いて登場人物のページを見た瞬間、驚いた。知った名前が全然ない、つまり上巻での登場人物と異なるのだ。本を間違えたと思った次の瞬間、上巻の冒頭に妙な前書きがあったのを思い出した。それを読んだとき、この小説はメタ構造になっているのかと思ってはいたのだが、その後の小説の面白さにすっかり忘れてしまっていた。読み進めるとやはり前書きの筆者が主人公となって、上巻は結末の失われた小説としての小道具となり、新たな殺人事件に挑むこととなる。今までに味わったことのない展開と上巻の物語の結末がおあずけ状態のせいで、暇があれば本を取り、ページをめくってしまう。巻末近くで上巻の真相が語られ、ようやく人心地つく。お腹
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葬儀に向かう人々の様々な思いとそれぞれの秘密。ある場所に集まる人々の内面を描きながら、人物紹介と謎を仕込む。クリスティー作品ではおなじみの秀逸な物語の導入手法をこの小説は踏襲している。しかも舞台は1950年代のイギリスの田舎。作者が偉大な先達にオマージュしているのはすぐに感じられた。特に『葬儀を終えて』と『象は忘れない』を私に思い出させた。それとは別にこの作品の特徴は上巻だけでも普通のミステリーの2、3倍の謎と伏線を仕込んでも話が破綻せず理解しやすいところだ。これは作者がものまねではなく実力のある作家である証拠だ。そして上巻最後に語られる探偵の衝撃の一言。サービスたっぷりの上巻を読み終えて、下
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ネタバレホーソーンが関わった過去の事件。
高級住宅地リヴァービュー・クロース内の新参者ケンワージー一家はいわゆる″最悪の隣人″だった。
深夜に大音響のカーステレオを鳴り響かせて帰ってくる。共有の私道に車を乗りつけ他の車の通路を塞ぐ。子ども達は制御が効かず中庭で暴れ放題。そうかと思うと他人のペットの立ち振る舞いには苦情をわめき散らす。
何とか穏便に和解しようと話し合いの場を持とうとしてもドタキャンにより不成立。
これじゃあ埒があかないと思っていた矢先、一家の主ジャイルズがクロスボウで喉を射抜かれ死体で発見される。
クロスボウの持ち主はリヴァービュー・クロース内の住人の一人のものだが、他の住人も持ち出 -
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ネタバレ・あらすじ
ロンドンが舞台。
2003年に起こったカルト教団〈アルパートンの天使〉信者による集団自殺事件。
そこで生き残ったのは17歳の少年少女、教団の指導者、乳児の4人だった。
それから18年後、逮捕された指導者以外の3人の行方は杳として知れないままだった。
ノンフィクション作家であるアマンダベイリーは未だ謎の多いこの事件に関しての本を書くために当時の関係者たちへのインタビューや、現地調査を開始する。
そこから浮かび上がる事件の真相とは?
・感想
この手の地の文がなく資料とか会話、記録のみで展開する作品好き。
前作のポピー〜も楽しめたから本作も期待してたけど期待通り面白かった!
からくり、 -
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Posted by ブクログ
「この本は、わたしの人生を変えた。」
僕の感想ではない。
物語冒頭にて、出版社で働く主人公が自分のもとに届いた作品に対して言った台詞である。
(この後にこんな惹句はよく聞く云々と続くのだが、日本語に訳す際に惹句という日本語を選ぶセンスに唸った事も書いておきたい。)
その台詞の通り、一人の編集者が一作のミステリーに人生を大きく動かされる話。
その一作のミステリー小説が『カササギ殺人事件』というタイトルであり、その物語を巡って主人公が振り回されるというのがこの本の大筋。
少しややこしいが所謂二重構造の作品になっている。
作中作であるとはいえ、この『カササギ殺人事件』の完成度が素晴らしい。
登場 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ登場人物が多いし、資料か膨大で読むのに乗ってくるまで時間がかかった。
半分くらいからどんどん面白くなり、続きが気になって止まらなくなった。
カルト教団の偏執的な事件ではなく、真相がまさかの誘拐事件だったとは!
赤ちゃんもまさかだし、びっくりした。
色んな要因が重なり、不思議な事件となったとは恐れ入った。
シンを殺したのは、ホリーたちってことなんだよね?
アマンダがあんなラストを迎えるとは思いもしなかった。
オリヴァーがどんどんスピリチュアルな方へ行くのにどー決着をつけるんだろう思ったら、まさかのアマンダの復讐かぁ。
2人にどんな過去があるのかと思ったら、オリヴァー本当に最低。
アマンダの強引で