山田蘭のレビュー一覧
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偶然などというものは存在しないのだ。
人生の全ての出来事には決まった様式があり、その様式が人間の目に止まった一瞬を偶然と呼ぶに過ぎない。(ちょっと細部の文章違うかもしれませんが)
目に見えているものだけが全てでは無い。
そんな主人公の考えが、彼の織り成す推理に繋がっていくところが素晴らしく痛快だなと感じました!
まさかの主人公が余命宣告済みのおじいちゃんとは……!という驚きもありますが
上巻の時点で、ある程度の謎は残されてはいるものの、結構謎が解明されたと思ったのに、ここからまだ続くの!?というか続けられるの!?!?とドキドキ!
下巻を読むのも楽しみです! -
Posted by ブクログ
ネタバレスーザン・ライランドもの第三弾。
もはやお馴染みとなった、まんま作中作をぶち込んでくる入れ子構造ミステリ。
『カササギ殺人事件』では度肝を抜かれたこの形式も、3作目ともなると勿体ぶる意味もないとばかりに開始50ページにも満たないところからその世界に突入。
そして一旦スーザン視点に戻ってきてこれまたお馴染み作中作とこちらの世界の相似点を浮かび上がらせていく展開。
作中作のあの人物はこちらの世界のあの人物に違いない、となると作中作での事件はこちらの世界での出来事も暗示している?作中作の事件の顛末もまだわからない状態で双方の話の行く末に目が離せない。
上巻の締めくくりは作中作の続きへの呼び水で終わる。
一息入れる間も惜しく、誰しもすぐさま下巻へGOとなることでしょう。
個人的にはホーソーンものの方が好きだけど、それでもこの出版ペースでのこの安定感は驚異的。
今回はアラン・コンウェイのパスティーシュをエリオット・クレイス(『カササギ殺人事件』に出ていた?忘れている。。)が手掛けるがという話。
パスティーシュと言えばホロヴィッツ自身も多数手掛けていて、何なら作中めちゃくちゃ言及している007ものすら書いている中での皮肉、メタ感の織り込みがにくいわざ。
クラシックなスタイルの中に現代風味を混ぜ込み、かつ毎回ちょっとずつ新たな試み、おかしみを取り入れるという姿勢には尊敬の念しかない。
「アナグラム解けるかピ」、今更だけど原文ではどうなっているんだろう?anagramの単語だけで7文字なんだけど。byとかatとかなのかな。とすると日本語訳を工夫したってことかな。軽く受けたので気になるところ。
このミス2026年度版海外編第2位。 -
Posted by ブクログ
事件解決一歩手前に明かされた、過去に関する真相がとても苦しかった。
あの状況になったら、もしかしたら私も、あのようにしか動けないのではと思ってしまう。『できることなんて何もなかったんです』そうとしか考えられないのではと。
でもそもそも、分別があれば。良識があれば。何か考えられるような頭があれば。
あたりまえの、愛情があれば。
あんな事態にはならなかったのだから。
と、自戒。
そしてこの真相がつらすぎたため、真犯人の独白の方は終始、生温かい目で読んでしまった。
情報の出し方がとても公平で、それでいて読み物として面白くて、謎解きもすっきり。
上手いんだなあ…! と思う。
ホームズの『三人ガリデブ』を思い出させる部分で思わず笑ってしまった。
ドーパミンが溢れ出てしまうのも仕方ない。あれは。
『おたくらを気の毒にさえ思いそうになりますよ。まあ、実のところ、そうは思いませんがね』
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ホーソーン&ホロヴィッツシリーズの第5作。
今回は、ホーソーンとホロヴィッツが出会う前の事件を、ホーソーン自身の記録と記憶をもとに、ホロヴィッツが小説として描いていく構成となっている。
そのため当然ながら、ホーソーンは最初から犯人を知っている。
犯人をあらかじめ明かしたうえで謎解きを進めるパターンかと思いきや、そう単純ではない展開が続く。
ホロヴィッツが事件そのものに登場しない分、これまでのシリーズにあったドタバタ感はないが、その代わりに当時のパートナーである元警官ジョン・ダドリーが、ホーソーンを堅実に支え全体を締めている。
ラストも印象的で、「こういう終わり方もあるのか」と静かな余韻に浸らせてくれる。
シリーズの中でも、ホーソーンの内面が最も色濃くにじみ出た一作だと感じた。 -
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『アティカス・ピュント最後の事件』がついに完結した。作中作も今までにない作りで驚いた。この発想はなかった。
また、さまざまな悪意が状況をとにかく混乱させて、真相を見えにくくしているが、解決後は見事に整理された事件である。
作中に「すべての証拠は、わたしの目の前にそろっていたんです。…それなのにわたしには何も見えてなかったんです。」という台詞があったが、まさかに読み終わっと時にまさに同じ気持ちを感じてしまった。
読みの甘さにショックを受けつつ、作者の巧みな技術に驚かされるばかりであった。
しかも、まだ続編があるようなことが最後の解説に書いてあった。どのような続編となるのか今から非常に楽しみだ。早く続きを読みたい! -
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ネタバレ自分の葬儀を手配したその日に、資産家の老婦人が自宅で絞殺されるという衝撃の事件から始まるミステリーです。
元刑事のホーソーンと、作者本人であるアンソニー・ホロヴィッツが凸凹コンビを組んで真相を探ります。
この小説の最大の魅力は、作者自身が語り手として登場するメタ構造。取材から執筆までの過程が物語に織り込まれていて、「これ本当にあった話?」と錯覚するくらいリアリティがあります。
ホーソーンは頭が切れて観察力抜群だけど、とにかく冷たくて偏屈。
情報をほとんど明かさない彼に振り回されるホロヴィッツの姿がコミカルで、まるで現代版ホームズとワトソンのような掛け合いが軽快に物語を盛り上げてくれます。
誰が犯人かを推理する王道の展開で、伏線が丁寧に張られ、推理しながら読めるのが楽しいです。
ただ、英語圏の文化が絡む謎は少しハードルが高くて、私には完全に解けませんでした。。。
それでも解決の鮮やかさと意外性は十分に面白かった。
本格ミステリ好きにおすすめの一冊。 -
Posted by ブクログ
今やすっかり大家となった感のあるホロヴィッツ。出す作品出す作品評判がいいみたいなので期待して読み始めた。期待に違わず面白かった。
典型的なハウダニットものだが見事に作者の術中にハマり騙された。地名や街路名が本物なのでgoogle earthでストリートビューしながら楽しめたのも雰囲気が味わえて良かった。
本作はホーソンと作者自身がワトソン役で活躍(迷走?)する第一作とのこと。二人のチグハグぶりと、ホーソンの偏屈な上に人をコケにするそっけなさ(意識して演じてる?)、ホロヴィッツのいい意味で常識的で、お決まりのワトソン役がマッチして名コンビとなっている。シリーズ化されているので今後の展開が楽しみだ。
一点、事件のすべての始まりとなる交通事故の顛末が悲しすぎる。 -
Posted by ブクログ
編集者スーザン・ライランドが、名探偵〈アティカス・ピュント〉シリーズを巡る謎に翻弄されるシリーズの第三弾(すでに紛らわしい)。前作『ヨルガオ殺人事件』で幸せを掴んだかと思われたスーザンだったが、作者ホロヴィッツはそんな結末を彼女に与えてはくれなかった。
恋人アンドレアスとうまくいかず、クレタ島を引き払ってロンドンへ戻ったスーザンのもとへ、ある依頼が舞い込む。作者アラン・コンウェイの死によって完結したあの〈アティカス・ピュント〉シリーズの新作を担当しないかというのだ。しかも、なぜかほぼ新人の若手作家エリオット・クレイスが書くことが決定しており、版権も押さえてあるという。どことなく不安を覚えるスーザンだったが、なし崩し的に新作のプロットの素読みをさせられて…。
本シリーズ最大の特徴である作中作が今回も読ませる。最大の要注意人物アラン・コンウェイがすでに故人の設定であり、ノンシリーズなのかと思っていたら、なんと三作目まで来てしまった。恐るべし、ホロヴィッツ。