山田蘭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
厭世主義的諧謔と人間への嫌悪に満ちたジョナサン・スウィフトによる空想旅行記。全四話で構成されているが、第一話のリリパット(小人の国)と第二話のブロブディンナグ(巨人の国)以外は広く知られていない。現在では児童文学と見なされることが多いが、原書ーー特に第四話のフウイヌム旅行記ーーではモキュメンタリー形式の辛辣な文体で、人間社会における政治・法律・科学・風習・堕落・欺瞞・男女・権力闘争にまつわる悪徳が告発されている。他国の者達との対話の中で登場の英国社会に蔓延する病を浮き彫りにしながら、次の章では何事もなかったかのようにガリヴァーに愛国心を語らせるのも滑稽だ。第三話に登場する過去の偉人達にまつわるエピソードにも、著者の皮肉な性格と歴史への懐疑が垣間見えて面白い。中でも、性悪説を支持したであろうスウィフトが最も手厳しく非難したのは、人間が生まれながらに兼ね備える傲慢であった。本書が出版されてから約三世紀を経ても尚、世にも愚かで醜いヤフーにすぎぬ我々が唯一地球を支配しているなどと自惚れ、未だにつまらぬ諍いを引き起こしていると知ればスウィフトは冷笑を浮かべることだろう。それにしてもガリヴァーは旅ばかりしているが、本作の登場人物で一番偉いのは十六年もほったらかしにされながら女手一つで子供を育てた彼の妻ではないだろうか? 挙げ句の果てに、ようやく長旅を終えて腰を落ち着けた夫に臭いだの醜いだのフウイヌムを見習えだの意味もわからず罵られ、同じ食卓に着くことすら許されないとは不憫すぎる。
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Posted by ブクログ
シリーズ5作目
今回の事件は、アンソニーがホーソーンに
出会う以前のもので、ホーソーンとコンビを
組むのは元警察官のジョン・ダドリー
2014年、住宅地リヴァビュー・クロスで起きた
事件。六軒の家が並ぶ区画で穏やかに暮らす住人達は、そこに移り住んで来たジャイルズ・ケンワージ一家の無神経な(騒音を始めとする嫌がらせ)
振る舞いに悩まされるようになる。住人達との話し合いの場が設けられたが、ジャイルズは欠席し、
その後、ジャイルズがクロスボウで喉を射抜かれるという殺人事件が起こる。住人の誰もがケンワージー家に恨みを持っていて、誰もが犯人になりうる
状況の中、警視庁のタリク・カーン警視は、捜査のアドバイザーとしてホーソーンとジョン・ダドリーに依頼する。
いや〜面白かった!
1作目以来の面白さだった(※決して2作目から4作目が面白くなかったわけではない)
次々と明かされていく、ホーソーンの過去の秘密や
ダークな部分、ダドリーとの関係、義兄のローランドの存在と関係、また、『フェンチャーチ・インターナショナル』という謎の組織の存在。その組織の
最高責任者、ミスター・モートンに、勇敢にも会いに行ったアンソニーだが、「あなたは一度として犯人を当てたことがない」と言われ撃沈。更に、次に出す本の題名を彼に決められてしまうところには
思わず笑ってしまった。
犯人は、一筋縄ではいかない用意周到な人物だった。結局、逮捕出来ずにあんな結末に‥
ホーソーン、あなたはダドリーとの友情を
切り捨てたのか、それとも自ら手放したのか?
後味の悪い結末だった。
ただ、ジョン・ダドリーは、ホーソーンに匹敵するほど優秀な人物だった
「ホーソーンに最後に会ってから、もうしばらくに
なる。あの男に会いたいという、どこか奇妙な
感情がわたしの胸に芽生えていた」
このアンソニーの感情が一番嬉しかった。
なかなかいいコンビになってきた。
次は最新刊、「命とりのエピソード」だ
期待してしまう♪ -
Posted by ブクログ
シリーズ4作目。
今回はなんと、アンソニー自身が殺人事件の
容疑者に‥!これはきっと面白くなると、
ワクワクしながら読んでみる。
アンソニーが書いた演劇を酷評した劇評家
ハリエット・スロスビーが何者かにナイフで
刺殺される。凶器からアンソニーの指紋が検出され、彼に容疑がかかってしまう。48時間以内に
真犯人を見つけ出さなければ逮捕、投獄されると
いう絶体絶命の中、アンソニーは相棒である元刑事ダニエル・ホーソーンに助けを求める‥
主人公がホーソーンのミステリを書くことに
耐えかねて、「われわれの契約は終わりだ」と
絶交を告げた後に、ホーソーンに助けを求める
アンソニー。結局、アンソニーはホーソーンを
信頼しているわけで、1作目から比べると、ずいぶん二人は相棒らしくなっていることに気づく。
ホーソーンは相変わらずの鋭い観察眼と推理力が
冴え渡り、犯人を追い詰めていく。ただ、今回の
犯人にはちょっと同情的なところもあった。
最後、ホーソーンにピンチを救ってくれた
見返り?に、不利な条件で「覚書」を交わさざるを
得ない状況に追い込まれたアンソニーに笑った。 -
Posted by ブクログ
今回は、オルダニー島で開催された小さな
文芸フェスティバルに招待されたアンソニー(ホロヴィッツ)とホーソーン。そこで殺人事件が起こる。
前2作に比べるとやや地味目。
ただ閉鎖的な場所での登場人物達の人間関係や駆け引きが緊張感があって面白かった。
登場人物達は、相変わらず癖のある嫌な奴ばかり。犯人は人から相当強い恨みを買っていて、
殺害されても仕方がないような人物だった。
今回もアンソニーは自分なりに推理を披露しているが見事に的外れな予測をしている。
自分では良かれと思って動いたことが結果として
事態をさらにややこしくしてしまい、ホーソーンから皮肉を言われる始末。
変人そうに見えるホーソーンだが、意外と人に
受け入れらている。だがアンソニー(ホロヴィッツ)は、それが気に入らない。子どもっぽいアンソニーにちょっと笑えた。
最後にホーソーンの過去や秘密に迫る意味深な描写があって、謎多き彼の正体がこれから徐々に明かされていきそうだ。 -
Posted by ブクログ
近所付き合いが絡むミステリー
序盤は登場人物が多いのと、家の配置を確認するのが煩わしかった。
読む順番間違えたな〜と途中で気づく。
作者が作中に出てくるのが新鮮だったが、ストーリーの時系列があっちこっちで好みが分かれるな。私はうーんだった。
水がかかると窓が自動で閉まるという密室殺人のトリックのインパクトに欠けるのと、全員動機があるのはいいが、結局犯人の動機が今ひとつ。巧妙に何手先まで読める人が犯すほどの動機か?そんな頭が切れる人が家売る前に死体を埋めたままにするか?と疑問に思った。
犯人は最後まで分からず、オリエント急行のような結末なのか、違うのか、というハラハラが後半は良かったが物的証拠や犯人による自供がないのて後味が悪かった。