山田蘭のレビュー一覧

  • 殺しへのライン

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    作者のホロビッツと元刑事のホーソンのコンビが殺人事件に取り組む3作目のようですが、2作目を飛ばしてしまいこちらを先に読みました。
    今回の場面設定ですが、オルダニー島という島へ文芸フェスに参加するために滞在するというもの。島という限られた環境が醸し出すものが既に何かが起こるという雰囲気を漂わせています。フェスに参加するという人物たちが続々と集まります。
    島自体にはナチスによる占領という負の遺産があり、そこにNAB計画という送電線を引く開発企画が持ち上っています。計画に反対する島民たちも登場。そして、殺人事件勃発します。自ずとホーソンが動き出します。
    犯人はホーソンと昔から因縁のあるデレク・アボッ

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    2024年02月05日
  • 殺しへのライン

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    本格的でありながらサクサクと気楽に読める。
    情報の出し惜しみが全くされていないのに、普通に騙される手腕が本当にすごい。
    面白かった

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    2024年01月28日
  • 殺しへのライン

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    ネタバレ

    ホーソーン・シリーズの第三弾。

    もやもやする。
    ホーソーンの退職の原因らしい犯罪者と対峙したのに、
    過去に何があったのかは判明しなかったので。
    しかも犯罪者の方は自殺するし、
    そう追い詰めたのがホーソーンなのかもはっきりしない。

    事件の方は文芸フェスが開かれた島で起こる。
    ネットカジノで富を築いた富豪が殺されたのは、
    島に送電線を引く事業の反対運動のせいか、
    妻に財産を残した遺言のせいか、
    だらしない女遊びのせいか。
    続いて、その妻も殺される。

    もやもやするのは、共犯者二人の母娘のうち、
    母は病死してしまい、娘の方は罪を母にかぶせて無罪になったことかも。

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    2024年01月26日
  • ナイフをひねれば

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    安定の面白さ!
    間違いないし、多分今後も間違わないシリーズ。
    作中のホロヴィッツは若干頼りない奴に描かれているけれど、実際の作家としては実力充分の技巧派だ。

    ただ、不謹慎ながら今回の被害者には全くもって100%同情の余地を感じなかった。
    大概、冒頭から嫌なヤツって、話が進むにつれて『実は!』みたいに…異なった一面が見られるのが王道だったりするものが、コイツはただただ終始嫌な女のままだった。

    一時期、『ワンピース』など人気の漫画を考察した攻略本的なモノが結構出回っていたが、何でも商売になるんだなぁと思うと同時に、他人様が心血注いで作った作品をはたが好き勝手言う事で自分の懐を潤そうなんざ、やっ

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    2024年12月03日
  • ポピーのためにできること

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    次々に異なる登場人物が出てくるのでページを行ったり来たりしながら読んだ。長さ故、個人的には途中で少し間延びしてしまったが、小説のほぼ全てがメール、WhatsApp のやりとりで進行していく中に、謎が散りばめて隠されており、読み応えのある作品だった。

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    2023年12月31日
  • ヨルガオ殺人事件 下

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    ネタバレ

    前作で、否応なしに巻き込まれてしまった素人探偵スーザンが、今回は自ら乗り込んでいく、大好きで大嫌いな作家・故アランの後始末をつけるため。このおっさん(架空の人物だけどさ)、何百万もの人々に楽しいひとときを与えたのと同時に、身近な人間を含めた何人を、不幸のどん底に陥れただろう。こんなクズの存在は、フィクションの中だけにしてもらいたいものだ。

    最後の警視正の災難は、代理復讐だったのかねー。オマエがすること? とも思うけれど、奴なりの後始末をつけたのかも。
    ともあれ、スーザンが幸せになってよかった。続きが読みたい、ドラマ化してほしい!(2023-12-15L)

    待望のドラマ版を観終えました!

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    2024年01月11日
  • ナイフをひねれば

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    今回は舞台劇の役者をはじめ演出家、その「マインド・ゲーム」を書いた脚本家のアンソニ・ホロヴィッツがなんと毒舌家の劇評家のハリエットの殺害容疑で逮捕されてしまうという窮地に。
    もちろん救ったのは元刑事で今は私立探偵のホーソーンだけどね。
    凶器から髪の毛のDNAからパーカーに着いた桜の花びらからその家に向かって歩く姿も防犯カメラに映っていたし。
    すべて証拠はアンソニーをさし示すものだったけど、みんなに嫌われていて(夫と娘にも)全員が容疑者で最後まで犯人が誰のなか見当もつかなかった。
    話しは過去に遡り、寄宿学校の嫌われ教師が殺害された罪を主犯格として負わされた気の毒な少年が名前を変えて今は役者になっ

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    2024年11月14日
  • カササギ殺人事件 下

    ネタバレ 購入済み

    面白かったです。ミステリーがふたつあって倍楽しめた気がします。始まりが不穏だったのでいろいろあったけど主人公の編集者さんがハッピーエンド?でよかったです。

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    2023年09月08日
  • ヨルガオ殺人事件 上

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    『カササギ殺人事件』の続編と聞いて、「続編って言っても、アラン・コンウェイは死んじゃったし、どうやって?」と思っていたら、そう来ましたか。
    それ自体もクオリティの高い作中作品が、作中世界で展開する事件の手掛かりとなる、というややこしい構造は今回も活きており、しかも巻末解説によると、第3作も構想されているとか。単純に考えても長編推理小説2作分の手間が要るのだから、普通の2倍は売り上げないと採算が取れないコスパの悪いシリーズ――とか、みみっちいことを考えてはイケナイのでしょう。何はともあれ、間一髪の所でスーザンの危機を救った後で彼女への変わらぬ愛をさらりと言える、アンドレアスがひたすら格好いい。

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    2023年09月07日
  • ヨルガオ殺人事件 下

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    『カササギ殺人事件』の続編と聞いて、「続編って言っても、アラン・コンウェイは死んじゃったし、どうやって?」と思っていたら、そう来ましたか。
    それ自体もクオリティの高い作中作品が、作中世界で展開する事件の手掛かりとなる、というややこしい構造は今回も活きており、しかも巻末解説によると、第3作も構想されているとか。単純に考えても長編推理小説2作分の手間が要るのだから、普通の2倍は売り上げないと採算が取れないコスパの悪いシリーズ――とか、みみっちいことを考えてはイケナイのでしょう。何はともあれ、間一髪の所でスーザンの危機を救った後で彼女への変わらぬ愛をさらりと言える、アンドレアスがひたすら格好いい。

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    2023年09月07日
  • カササギ殺人事件 上

    購入済み

    初めて読む作家さんです。主人公は小説を読んでいる人なのか小説の登場人物なのかまだよくわかりませんし、小説の中の物語も解決してなくて続きが気になります。

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    2023年08月21日
  • ポピーのためにできること

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    ネタバレ

    なんとなく読み始めたら止まらなくなった
    5時間で読み終わった。

    アガサクリスティーの作品や、宮部みゆきの『理由』を読んだ時と同じ感覚で読み進めてとても面白かった。

    舞台はイギリスの街でアマチュア劇団を主催する一家の孫娘ポピーが難病にかかったことから始まる。ポピーの病を治すために、一家が大規模な募金活動を始めることで、物語が動き出す。
    メールや手紙の形をとってたくさんの登場人物の心理描写や状況が描かれていくのが面白い。誰が死ぬのか?中心人物は誰なのか?明かされないままどんどん話が進んでいく。
    人が死ぬのがかなり後半になってからなのに、中弛みを感じる部分は少なかったのは途中に散りばめられた謎の

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    2023年08月13日
  • ガリバー旅行記

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    知っているようで知らなかった原作。目次に「ラピュタ」や「日本」が出てきていて俄然興味が沸きつつ、文章量に圧倒されつつ、読みました!小人と巨人の国の話しか知りませんでしたが、こんなにも風刺が効いている作品だったとは・・・・・・!!面白かったです!

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    2023年07月22日
  • ポピーのためにできること

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    殺人が起こることは分かっている上で、えんえんとメールのやり取りが続いていく。
    ポピーの病気のための募金が詐欺紛いの資金集めらしいことはすぐにわかるが、疑わしい状況が何ら変わらないのでいささか飽き始め、誰がなりすましだ存在しない人物だと考えながら読み進み、あっと驚く最後のイッシーベックの自白。
    最後の新聞記事で少しホッとし、イッシーのメールでぞっとした。

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    2023年06月24日
  • ポピーのためにできること

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    前半部分はあまりにもたくさんの登場人物と何だかよくわからない断片的な資料の山がしんどく読み進めるのに時間がかかったが、後半に事が起こり推理パートに入るととても面白く、グイグイ引き込まれた。
    推理パートは、優秀な弁護士見習いコンビが謎解き挑戦状の出し主である弁護士へ向けて、資料に基づいて導かれるいくつかの仮説とその論拠を提出するという形式で進んでいき、仮説に至るまでの途中式もわりかし丁寧に書いてくれるので、謎解き音痴の自分にとっても分かりやすく親切で良かった。これがあるので、前半部もあまり肩肘張らずスルスル読んでしまっていいかも。

    ラストがヤバすぎて笑ってしまった。最高。

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    2023年06月21日
  • ポピーのためにできること

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    700ページ近い長編だけど、ストーンサークルに続きこれも一気読み。
    ほとんどがメールやテキストメッセージで構成されているという珍しい一冊。最初は読みにくそうと思ったけど、いざ読み始めてみると全く苦にならなかった。
    そしてなんと言っても最後の最後…!
    そう来たか!という衝撃と怖さで震えました。

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    2023年05月26日
  • ポピーのためにできること

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    登場人物の1人がどうも読んでいてイライラするキャラクターで、読み進めるのに苦労した。多分それも作者の筆の上手さで、翻訳家の手腕なのかなと思う。
    SNSを読み進めることで事件の流れを追っていくのだけど、どこかしら古典的なミステリの雰囲気を感じた。
    終わり方がちょっと不穏でそれがまたなんとも言えない。

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    2023年05月17日
  • ポピーのためにできること

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    これは面白い。最後の最後まで、裏切られない面白さだった。予備知識無しに読むべき。

    しかし…怖っ…ってゾクっとさせられたのは、久しぶり。自分にもメールが来そうな錯覚をしてしまうかも。

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    2023年05月07日
  • ポピーのためにできること

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    メールやテキストといった事件の資料のみで構成されており、読み手である自分も一緒に事件を推理する感が新体験だった。
    かなり分厚い本だが、苦にならず読むことができた。

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    2023年03月27日
  • ポピーのためにできること

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    ネタバレ

    “〈21世紀のアガサ・クリスティー〉・・だと・・?”
    てな感じで、触れ込みに惹かれて手を出した本書。

    イギリスのとある田舎町。地元の目有力者でアマチュア劇団も主宰するマーティン・ヘイワードから、彼の孫娘・ポピーが難病に罹ったことが告げられます。
    高額な治療費を工面するために、劇団員たちが中心となって募金活動を開始しますが・・・。

    いわゆる“地の文”がなく、関係者達がやりとりする、メールやメッセージ、チャットなどの“テキスト資料”のみで構成されています。
    最初のうちは、多すぎる登場人物紹介のページを何度も見返しながら、“何を読まされているんだろう・・”と思っていましたが、ある程度関係性がつか

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    2023年03月01日