山田蘭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「実際の殺人事件」であるため著者自身も事件がどう進んでいくのか予想できない、という設定をどう使っていくんだろうと思いながら読んでいた。これが日本のミステリだった場合、より技巧的でメタ的な手法を用いたと思う。それこそ「事実から大幅に改変している」とか。法月綸太郎の「死刑囚パズル」みたいな感じでね(これは作品冒頭に書いてあるからネタバレじゃないよ)。本作では結局「推理小説として最初から構成を練ってるわけじゃないから話の大半は事件の本筋とはまったく無関係だよ」というネタ。思わせぶりに書かれていた「損傷の子」や多くの事件関係者に聞いてまわった10年前の交通事故の因縁とはまったく無関係で、探偵役も「さて」と言って推理を始めることもなく、ワトソン役の著者がちょっとした思いつきであっさり解いてしまう。公然の赤にしん。大胆なことをするなあ、と思う一方で、日本の新本格が好きな手前、メタ的な立場からの読者への嘲笑を含まない本作はどこか物足りない。様々な思わせぶりな要素が全部関係なかった!という脱力的なネタをやるためにもここまでの尺が必要だったということはわかるのだけれど、やはり苦労して読んだ長さに見合うほどの驚きだったとは思えない。
もうひとつの大きなトリックとしては、「夫人はそもそも希死念慮を抱えていた」というものだが、思わず読み流してしまういくつかの描写がしっかりとそれを示唆しているという手並みは鮮やか。ただ、「損傷の子」が綴り間違えだった、など日本の読者からだと知識的に気づくのが難しそうで、うーん……けどこれは小説のせいじゃないし。
ホーソーンが同性愛者を嫌悪している話などもなにかミステリ的な意味を持つのかと期待しながら読んでいたが 、あえて言うなら「これは"フィクション"じゃないからウェルメイドじゃないこともあるよ」的な布石というくらいで、「ポリコレ」への当てこすり以上のなにかではなかったのも残念。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ先月・今月と立て続けに読んだホロヴィッツ作品。今回はこれで3作品目、そして、探偵ホーソーン・シリーズとしては第二弾です。
いやはや、今度は離婚弁護士が殺されたという話。
今回もまた容疑者は多く、しかも謎のメッセージまで現場に残されている。果たして犯人は…。
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前回読んだシリーズ第一弾『メインテーマは殺人』では、どうにもホロウィッツ氏と探偵ホーソーンの仲が良くなくて、それがちょっと気持ち悪く感じました。
今回もどうかなと思いましたが、ちょっとした衝突は相変わらず。
でも何というか、そういう衝突もこなれてきた?というか、ホロウィッツ氏もホロウィッツ氏で、どうにかしてホーソーン氏の素性を探ろうとして暗躍?するなど、頑張っていましたね。
攻められつつも、ちょいちょいやり返す!?ようで、前回のような居心地の悪さもそこまでなく、むしろ面白く読めました。
ただ今回も、ホロウィッツ氏は迷推理をかましたり、ちょっとずっこけた立ち位置でしたが、前回と今回を両方読んで、ホロウィッツ氏は言わば読者の投影として自らを描いているのかな、と思いました。
いくら脚本家と言えども本職の警察官とは違うし、そのあたりは実力にギャップがあるわけで、そのギャップをホーソーンが鮮やかに回収するところにwho’d-done-itの面白さも光るのだと感じた次第。
でも筆者はちょっと自分役を意図的に落とし過ぎているかもしれませんね笑。
そうそう、本作で結局殺人事件に絡まなかったインド系の筋ジストロフィの少年がいました(ホーソーンの友人とか)。どうやらホーソーン・シリーズは10作くらい予定しているそうですが、将来的にきっと他の作品で登場するのだろうなあ、と思いました。
なお、今回もあっと驚く展開で締め括りますよ。
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ということで、ホロウィッツ氏のホーソーン・シリーズ、第二弾でした。
楽しく読ませて頂きました。名前がこんがらがるのを除けば、ぐんぐん楽しく読める絶品エンタメ推理小説だったと思います。是非シリーズを順番で読んで欲しいと思います。
大矢博子さんの解説も、シリーズ全体を俯瞰できるような説明になっており良心的であったと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ1巻を読んで、そのままズルズルと引き込まれて、2巻もあっという間に読んでしまいました!
1巻と2巻を比べると、似ている点があります。
過去の事故または事件が、今の事件に深く関わっていること。
ストーリーの終盤で、主人公が犯人と対峙する場面。
ハッピーエンドではないこと。
どれも、シリーズものにはよくあることかもしれませんが、
私には、これが続くと物足りないなという気持ちもあります。
個人的な好みのレベルの話ではありますが…
ちなみに、犯人は途中でわかりました。
動機とか細かいところはわからなかったけれど…
あと「補遺」のところに書かれていたことから、この事件全体にうずまく、
悪意、嫉妬、保身などの人間の醜さが垣間見えて、おもしろかったです。
考えさせる内容でもありました。
でもその反面、「補遺」の内容をもっと深掘りして書いてほしい!とも思いました。