山田蘭のレビュー一覧
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らの葬儀の手配をした当日、資産家の婦人が絞殺される。彼女は殺されることを知っていたのか?作家のわたし、アンソニー・ホロヴィッツは、テレビ・ドラマの脚本執筆で知り合った元刑事のホーソーンから連絡を受ける。この奇妙な事件を捜査する自分を描かないかというのだ……。かくしてわたしは、きわめて有能だが偏屈な男と行動をともにすることに……。7冠制覇『カササギ殺人事件』に続く、ミステリの面白さ全開の傑作登場!
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犯人が判明した瞬間から、衝撃的展開。
「カササギ殺人事件」を読んでから、ハマってしまったアンソニー・ホロヴィッツの作品。
やっぱり面白い。 -
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ネタバレ「ソフィー」で有名なイギリスの作家、ガイ・バートの大作。「ソフィー」は昨年復刊してたけど、新作としては十数年ぶりの邦訳。
画家として大成したアレックスは、数十年ぶりに故郷のイタリアを訪れる。集大成の個展を開く前に、子供の頃、隣家のジェイミー、その従兄弟のアンナとの三人で過ごした記憶と向き合い、今の自分に何が欠けているかを探すためで…
雰囲気としては、トマス・H・クックやケイト・モートン。クックほどの悔恨はなくて、モートンほど綺麗に過去パートと現代パートがあるわけではないが、この二人が好きなら、今作は非常に刺さるはず。
「ソフィー」は未読のため、この作家の作風なのかはわからないけど、全編に漂う愛惜、郷愁が非常に心地よく、また四つの年代が途切れなく挟み込まれるため、幻想的な雰囲気を醸し出している(年代が途切れなく続くのは、タンポポ時計の由来と合わせるためかもしれないけど。。。)。
個人的には年間ベスト級なのだけど、いかんせん長い。訳が良くて読みやすいが、流石に700ページ近くあり、読み終えるのにはそこそこ時間が必要。これでもう少し短かったら、それこそ各賞総ナメだと思うけど…
あとは、ミステリかどうかと言われると、うーん…若干違う様な気がする。ところどころ想像にお任せなところもあり。もちろん、三人に何があったか、隠者とは何か等、読み進めたい謎はあるし、その結末も切なく感情を揺さぶられるものではあるけど。
間違いなく素晴らしい作品で、おすすめできるのだけど、長さとミステリとしての薄さはわかった上で読んでもらいたい。 -
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作家エリオットが執筆中の、<アティカス・ピュント>シリーズの新作ミステリ『ピュント最後の事件』。編集者のわたし、スーザン・ライランドは、登場人物とエリオットやその家族との間に多くの類似点があるのを知る。世界的な児童文学作家だった、彼の祖母の死にも何かがあったのか?調べを進めていると、なんとエリオットが…。驚きに次ぐ驚きが味わえる犯人当てミステリ!
ー以上文庫うらすじより
前の作品を書いた作者のアラン・コンウェイにかわり、新人作家のエリオット・クレイスが<アティカス・ピュント>シリーズの最終巻を書いています。
エリオットの祖母で児童文学作家のミリアム・クレイスはエリオットが12歳のときに亡くなっています。
エリオットが書いている、自作で最後のアティカス・ピュントの作品に祖母の死が隠されていることに編集者のスーザンは気づきますが…。
以下多少のネタバレ含む感想ですので、未読の方はお気を付けください。
下巻では次々に大きな事件が起こり俄然面白くなってきます。
そしてスーザンもまたとある事件の犯人と警察に疑われた上に魔の手が伸びてきます。スーザン危うし!
もうこの辺からは一気読みになりました。
文庫解説によると、このシリーズに2027年から4作目が執筆されるそうです。
2027年だと読めるのは2028年くらいかなと思うのですが、『カササギ』も『ヨルガオ』も忘れてしまって読んだのですが、この作品もきっと忘れてしまうのではないかと思います。
忘れていても、この作品も読めたので大丈夫かなとは思うのですが。 -
Posted by ブクログ
ネタバレホロヴィッツのホーソーンシリーズ5作目。
今回はホーソーンが過去に携わった、高級住宅エリアでのご近所トラブル遠因の殺人事件を小説にするホロヴィッツ。
過去の話だから、大きなトラブルに巻き込まれないんだろうなぁ、せいぜいホロヴィッツに嫌味言われて凹んだり怒ったりする程度かなぁ、と思ったら、シリーズ全体を通じて影響してきそうななんかやっかいなもん(コナンでいう黒の組織とも少し違うが)を掘りだしかけて…。
という現代パートも良いが、やはり核心はクリスティ風味がたっぷりの殺人ミステリー。トリックやフーダニットがしっかりしているだけでなく、キャラクターの立て方とミスリードの巧みさは達人を超えて神業の域。
本格ミステリー専門の古書店の話とか、人種差別や偏見の話とか、本筋にも関わってくる枝葉末節もしっかり面白くて、読み終わった後の余韻も独特で。
早くも次回作が楽しみでしかたない! -
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ネタバレ翻訳ミステリの売れっ子、アンソニー・ホロヴィッツによる「作家アンソニー・ホロヴィッツと探偵のダニエル・ホーソーン」(ホーソーン&ホロヴィッツ)シリーズの第5弾が本作『死はすぐにそばに』だ。
ホーソーン&ホロヴィッツシリーズの大きな魅力の一つが、実際は大して推理能力もないのに自信満々なホロヴィッツが、ホーソーンのアドバイスを無視して暴走し、痛い目を見るといったところにある。実際にこれまでに彼は2度も犯人に刺されているし、警察に逮捕されて留置所にぶち込まれてしまったこともある。前回の作品でも、ホーソーンがうまく立ち回ってくれなければ、起訴されて作家人生がそのまま終わっていてもおかしくなかった。
そういったドタバタぶりを楽しむファンにとってはやや残念なのは、本作はあらすじにも書いたように、過去の事件を取り上げているということだ。常に一応は解決したことになっている事件を取り上げるということで、当然アンソニーが実際の犯人に対して推理をぶつけるということもないし、ミステリー風に関係者一同を集めてホーソーンが事件の真相を話すということも、リアルタイムでは行われない。あくまで今回のアンソニーの仕事は過去の事件に対する再構築であり、取材者というよりは評価者といった趣にある。
とは言っても、もちろんこのシリーズのことだから、単に過去の事件を回想するだけといった話にはならない。物語には大きく2つの謎がしっかりと仕掛けられている。
その1つ目の謎は、シリーズ愛読者にとってはおなじみの、ホーソーンという人間は結局何者なのか、という問いだ。シリーズの中で、元警察官であったホーソーンは、幼児ポルノ関連の犯罪を犯した人間を階段から突き落とした疑惑で刑事をやめ、その後はロンドン警察のコンサルタントとして活動してきたことが語られている。
しかし、それほど忙しいとは言えないコンサルタント業だけで生活が成り立っているのかという疑問や、過去に何度かアンソニーも訪れたことがある殺風景な家に一人で暮らしている理由は何か、といった疑問に対しては、まだ明確な答えが得られていない。本作ではアンソニーが過去の事件を調べるといった口実で、少しずつホーソーンの正体に近づいていこうとする。これまでのようなドタバタはない代わりに、静かに一歩一歩、ホーソーンの正体が明らかになっていくというのが、本作の魅力の一つだろう。
もちろんこのシリーズはまだ続くだろうので、彼の謎にまつわるすべてが公開されたわけではないが、それでも彼が現在どのようにして生計を立てているかがわかるといったことだけでも、大きな一歩だろう。
そしてもう一つの謎は、本作でアンソニーが小説の中で取り上げる事件の対象となる、5年前に発生したリヴァービュー・クロースでの殺人事件だろう。鼻持ちならない大金持ちの隣人が、何者かによって喉にクロスボウを突き立てられて殺されたというこの事件は、物語の中では警察により隣人の犯行として処理がついている。正確に言えば、その隣人には明確な証拠はなかったのだが、遺書を残して自殺をしたことで犯人という形になり、事件は幕引きを図られてしまったのだった。
5年前の事件が発生した段階では、ホーソーンと、彼のかつての助手であるジョン・ダドリーは、真犯人に近づく有力な情報を得ていたのだが、管轄する刑事が積極的に捜査を進めなかったことと、あと一歩で詰めが甘かったことにより、犯人と思われる人間を取り逃してしまう。ホーソーンにとっては思い出したくない事件の一つであり、そしてこの事件をきっかけとして、かつての助手であるダドリーとホーソーンは袂を分かつことになる。
現在の助手役であるアンソニーは、小説の中でこの事件の犯人をもう一度洗い直すという作業をするとともに、かつての助手であるダドリーがホーソーンと別れることになった理由も追いかけようとする。最終的にこの2つの謎は1つの推測へと収斂していくのだが、なにせ劇中では5年前の事件であり、また容疑者が事件の発生後半年経って転落死をしたということから、永遠に真相は分からないまま、本作は幕を閉じる。
近代的な装いをかぶっているとは言え、本質的には古典的なミステリーの王道を行くこのシリーズにあっては、この結末が曖昧なままで終了するのは、かなり異色だとは思う。とはいえミステリーにおいては、「犯人は探偵が生み出す」という言葉があるように、実際に解決したと思われる事件であっても、時には名探偵が生み出した筋道に沿って事件が再解釈されているだけという場合もあることは、過去の名作があぶり出してきた一つの真実でもある。
そういった意味においては、アガサ・クリスティを範とすると言われているこのシリーズも、伝統的なミステリーのシリーズものの一つとして、本作のような作品が必要だったのかもしれない。本作を読み終えた今この段階では、結局のところ5年前の事件が本当は何だったのか、あるいはその後の真の犯人と思われる容疑者の転落死は誰が引き起こしたのかといった事件の謎だけではなく、ホーソーンという人間は何者なのかといった謎も、ほとんど解かれることなく、一つの解釈が提示されただけに過ぎない。それでも、おそらくまだまだ続くであろうこのシリーズにおいて、本作のような、いわば幕間の物語というのは、読者にとっても筆者にとっても、必要な寄り道だったのではないかと思わずにはいられない。