山田蘭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ
読み終えて最初に残ったのは、アレックス、ジェイミー、アンナの三人は、最後まですれ違ったままだったのかな、という感覚。三人それぞれの気持ちが一方通行で切ない。
全体がアレックスの視点から語られることで、二人の内心や、語られなかった出来事が読者の想像に委ねられているのがいい余韻になった。
両親を戸惑わせないように顔色をうかがっていた幼少期のアレックスに、そのままの自分を受け入れてくれた親友との出会いがあり、さらに強烈な印象を放つアンナが現れる。隠者を匿うよう押し切られて、忘れられない夏を過ごした。それがアンナの誕生日に終わり、三人は同じ秘密を抱えたままバラバラになる。
少年期にジェイミーと再会するけれど、彼の素っ気なさの理由がわからず戸惑いながら、アレックスは絵の才能に目覚めていく。アンナへの恋心を育てつつ、ジェイミーとの友情が戻った(と勝手に思い込んでいる)ことにウキウキして、ジェイミーを悪意なく傷つけていくアレックスがしんどかった。
結果的に、ジェイミーもアンナもアレックスが殺したようなものだと思ってしまうけど、同時に、アレックスにとって二人がどれほどかけがえのない存在だったかも痛いほど伝わってくるから、単純に責める気持ちにはなれない。その苦さが読んでいて一番こたえた部分かもしれない。
三人の中では、ジェイミーが一番繊細で、傷つきやすい人だったように感じる。
アンナについては、「アナ」という自認の芯が(時代背景による解説を読んだ後では)彼女自身の一貫性として描かれていたのが良かった。
ギフテッドと言えるような才能を持つ主人公が、大人たちにどう映っていたか、そしてジェイミーの目にはどう映っていたかという視点の違いも良かった。アレックスはジェイミーとレーナに出会えて本当に良かったよ。
隠者については、アレックス視点だったこともあってそれほど思い入れが生じなかった。重要人物ではあるけれど。
架空の町アルテサの空気感も良かった。行ってみたくなる。
三人がずっとアルテサにいられたら、悲劇は起きなかったかもしれないけど、それだと、アレックスもジェイミーもアンナも、それぞれが夢中になれるものと出会えなかったかもしれないから、どちらが良かったかは分からない。
長い作品だったけど、その分、アレックスの半生と一緒に生きたような没入感があって、読見応えがすごかった。
経験した場面を完璧に再現できる才能、ちょっとだけ羨ましい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人に勧められて、手に取った本。
初めは、登場人物の把握に時間がかかって読み進めるのが大変だったが、
あらかた把握し終え、2つ目の事件が起きた頃にはさくさくと読み進めることができた。
住民皆が、それぞれそれなりに殺人に及ぶ動機はありそうで、誰が犯人なのか考えながら読み進めるのが面白かった。
上巻ということで、この巻は事件パートといった感じ。
下巻でピュント探偵の華麗な推理が披露されるのが楽しみ。
余命少ないピュント探偵の身体がどんどん弱っていく描写が辛かった。
残される助手の子のことも考えてしまう。
どうにかして、下巻では奇跡的に探偵の病気も治ってほしい。…無理かな。 -
Posted by ブクログ
「カササギ殺人事件」からこの本を読んで、
大丈夫なんだろうかと思ったが、
案外、大丈夫だった。
フリーランスの編集者、スーザン・アイランド
(女性)が主人公で、劇中劇の中では、もちろん
名探偵のアティカス・ピュントが主人公。
二重構造のミステリーは今作も。
「カササギ殺人事件」の最後では、殺されかけた
スーザン。今回もまた殺されそうになる。
自宅を荒らされ、飼い猫のヒューゴも殺されそうになり‥この人、なぜ懲りないのだろう。以前も
あんな目に遭ったのに‥そう、いつも一言多い。
それが性分なのだろうけど。もちろん、スーザンを殺そうとしたあの男が一番悪い。でも、犯人の手掛かりを得るために、収監先に普通、面会に行く?
犯人の憎悪を深めるだけでしょ。
今回の犯人はあの人。上巻でスーザンに対しての
あの姿は、全部演技だったんだ‥怖っ!
「カササギ殺人事件」を読んだ時と同じで、
上巻はただただ、無心で読む(カササギほどでも
ないけど)
そして下巻、怒涛の展開で話は進む。
面白かった〜
刑事ブレイクニーがなかなか、かっこいい♪
さて、次は「ヨルガオ殺人事件」だ! -
Posted by ブクログ
小説の世界に浸ったまま下巻に入ると、途端に「え、こういう展開!?」
もしまだ全く内容をご存じないのであれば、私の駄文などここで読むのをやめて本編に移られた方がいいかもしれない。
そして―。
消えた結末。
ピュントとアラン。それぞれがそれぞれの場所で死と向かい合う。
あちこちにちりばめられた手がかりかもしれない種、謎。
忘れていたけれどいかに多かったことか。
その回収とともに明らかになってゆくのは、探偵とその作者の複雑な関係。
確かに編集者が怒っても不思議はない。
フィクションと現実の2層構造。読書経験多くはないけれど、今回のは楽しめました。 -
Posted by ブクログ
下巻では「愚行の代償」を読み終えることができ、その後にヨルガオ殺人事件の真相へと続きました。後半になればなるほど、ページをめくるのが早くなった感じです。
作中作の「愚行の代償」は、ひとつの作品として充実していて、探偵アティカス・ピュントに魅せられました。
ヨルガオ殺人事件自体は、後半に次々と思いもよらない真実が明かされ驚かされました。
本の中に自分にしかわからない遊びや皮肉を入れ、事件の真相を隠すというアラン・コンウェイという作家を作り出した、アンソニー・ホロヴィッツ、すごい作家です。
今、放送中のBSドラマは、細かいところまでじっくりみて楽しめそうです。
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Posted by ブクログ
『カササギ殺人事件』の続編。
あれから2年後。アラン・コンウェイの「愚行の代償」を読んで、8年前の殺人事件の犯人が別人だと気づいた娘が失踪した。娘の両親が本の編集者だったスーザンを訪ね、その本を紐解き謎を解くことを依頼するところから、物語は動き出しました。
『カササギ殺人事件』で鍛えられたせいか、この作品の方が読みやすかったです。多くの登場人物の名前を確認しながら、スーザンと共に頭の中の整理をしている感じでした。
前作と同じく作中作も楽しめる、贅沢さです。今、BSで放送中なので、本と同時進行で楽しんでいます。でも、気になるので先に読み終わりそうですね。
と、いうわけで下巻へ······。
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Posted by ブクログ
わたし(スーザン)が、この小説(『カササギ殺人
事件』)の結末部分が無いと騒いでいるところから
始まる下巻。
上巻の『カササギ殺人事件』の犯人が誰かと
いうところから始まると思っていたので
少々驚く。
原作者のアラン・コンウェイの自殺、
彼の自殺を疑うスーザンは、彼の周りにいた
人達から話を聞いて回る。
何、この面白さ〜!!!!!!
下巻を読み出してから、頁を捲る手が
止まらない。上巻で鍛えられた(?)せいか、
するすると読めるー!
(ああ、ネタバレしたくなる)
調べていくうちに、アラン・コンウェイの
性格の歪みは、幼少時の父親による厳しいしつけが
原因の一つだと、彼の妹から聞かされる。
ただ、これだけはネタバレしておこう。
アラン・コンウェイは、自分が描いた探偵、
アティカス・ピュント(名探偵)が大嫌いだった。
多分、これが全ての始まり。
二重構造の小説、あっと驚く仕掛け、
意外な犯人(作中と現実)、
面白かった〜 -
Posted by ブクログ
ネタバレなるほどねー!
これは確かに面白い!上巻があそこで終わったということは、原稿の後半がない!で犯人当てする!という流れなのだろうなとはちょっと思ったのだけれど、作者も死んでいて、しかも物語とリンクしていって……となると面白い!上巻の犯人当てもやるのかなと思ったけれど、そちらは原稿が見つかるから犯人当てが無かったのがちょっとだけ残念かも?私の読解力がないだけかしら、どちらもやってたのかな。主人公も探偵ではないから仕方ないか。ただの編集者なんだよ、も本人が言ってたから当然なのかもしれませんが。
アンソニー・ホロヴィッツさんは男性だから、最近読んでいる女性作家さんの話と感覚が全然違うのが、好みの違いとは思いつつ星マイナス一つの理由。
最後、女性の1人で会社を引っ張っていきたい!という流れじゃなく「やっぱりアタシには彼ピッピが必要〜!」な流れにしたから。まぁ、今回のミステリーにそこはテーマじゃないとは分かってます!むしろ男性作家の抱える苦悩の方がメインテーマではあると思いますよ!分かってます!