満園真木のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
カテゴリは〝ヤングアダルト小説〟という私自身は食指が動かない分野に属しているが、散々使い古された題材「サイコキラーもの」に挑んだ本作は、停滞したミステリ界に幾ばくかの新風を吹き込んで話題となったようだ。
主人公ジャズ・デントは17歳の高校生で、実の父親ビリーは123人を殺害した「21世紀最悪の連続殺人犯」という設定。少年は己に流れる汚れた血を憎みつつ恐れている。いつか狂気に陥り、大量殺人者である父親と同じ轍を踏むのではないか。行方不明となった母親は父親が殺したと信じ、包丁を見る度に自分自身もそれに加担していたのではないかという悪夢に襲われる。実質124人を殺し終身刑となった男と、その息子の関 -
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シリアルキラーの父親が脱獄してから二ヶ月。
ニューヨークでは通称『ハット・ドッグ・キラー』による連続殺人事件が起きていた。そして新たに発見された被害者の遺体には「ゲームへようこそ、ジャスパー」というメッセージが刻まれていた。市警に請われニューヨークへ向かうジャズ。
一方故郷でも『コニー』の元へ差出人不明のメールが送られていた。「アー・ユー・ゲーム?」
三部作の第二弾。
ようやく平穏(?)な日常に戻ったジャズ。が、新たなシリアルキラーと対決します。捜査をしていくうちに、父親の『ビリー』や前作の『ものまね師』も事件へのかかわりを見せ、犯人を追い詰めたと思ったところでピンチに。さらには故郷の二人も -
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ボストン市警の刑事が主人公ということで、ボストンの風景描写が楽しめるかと思い、読んだ。その点では、ガッカリ。風景などの描写はほぼ無し。けれども内容は、ハード。監禁しようとしていた女性に焼き殺された男性。男を焼き殺した女性は、以前に1年以上もの監禁に耐えた生還者だった。彼女は助け出されたその日に、また姿を消す。彼女は、女性が行方不明になっている事件にとても関心を寄せていたようだった。またも誘拐されたのか?女性の行方不明事件との関わりがある? 以前の監禁事件と関係ある? 事件の真相は、なかなかわからない。監禁という犯罪の被害者は、その家族は、その後に生きていくのは並大抵なことではないとよくわかった
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Posted by ブクログ
ネタバレ長いこと監禁された女性が、再び”監禁”の影におびえながらも犯人と戦う。それを追う女刑事・・・。
う~ん、ハードなサイコ物かなという出だしだったが、ストーリーはともかく、”監禁”シーンが丁寧を通り過ぎてまだるっこい。延々と同じような描写(文字通り同じセリフも何度も出てくる)が続くのが退屈で、読んでいて飽きてくる。
犯人を追う刑事側も、メンバーとの葛藤や家庭の様子も何故か中途半端にチョコチョコ描きこまれている。
後書きを読んで分かったけれど、これはシリーズ物の一作らしく、道理でいきなりの人間関係、と納得。
このレベルで他のシリーズの翻訳は無理かな?
同じ監禁物でも「パードレ~」などと比べると -
Posted by ブクログ
ネタバレアメリカの田舎町ロボズ・ノッドで起きた変死事件。
町でちょっとした有名人の高校生ジャズは、それが連続殺人だと気付く。
何故ジャズがそれに気づくのか?
何故ならジャズは殺人鬼の息子で、父から殺人鬼の英才教育を受けていたから。
保安官はジャズの言い分を信じてくれないので、ジャズは独自に捜査を進めていくのだが…。
殺人鬼の息子として生まれた17才のジャズの友情、恋、葛藤が中心の青春小説。
なので殺人事件は凄惨なんだけど、どこか軽い印象を受けます。
アメリカのTVドラマにありそうな感じです。
3部作で完全に続きますよーという終わり方をしています。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ13歳で脱北した少女パク・ヨンミが自らの体験をつづった手記の全訳。
私の中で、北朝鮮という国がこの時代に平行して存在しているという実感がわかない。本書を読んで一部理解するも、完全に破綻しているはずなのに国家として存続していることが不思議でたまらない。北朝鮮という国はいつ終わるのか。自由を手に入れた著者は、時代に望まれ、愛すべき故郷を終わらせるために人権活動を開始する。
(以下本文より)
北朝鮮では「成分」と呼ばれる身分で人生が決まる。
政府が人々の行動や発言だけではなく、感性や情緒の面でもコントロールし、個人の主体性を破壊し、国民にものを考えさせないようにしている。
不死身と思われていた金正日 -