満園真木のレビュー一覧
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ネタバレだいぶんと前にFBIプロファイラーの”Killing Hour”を読んだ事があっておもしろかったような記憶があるんですが、今回翻訳版で読むのは初めて。デテクティブDDワレンのシリーズ8作目、今回の被害者はフローレンス・デイン、7年前にフロリダで女子大生をしていたときに、誘拐され棺桶に入れられ洗脳され472日間後に救出されたサバイバー。その過去と現在進行形の誘拐事件をクロスオーバーさせながらストーリーがすすむ。かなりセンセーショナルでグラフィックなのでホラーよりに感じる人もおるかも。一応ミステリ&スリラーやとは思います。とにかく、バラ入りするフローラの472日間の回想シーンは圧巻。が、いつもの私
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Posted by ブクログ
13歳で脱北した著者の自伝。こんな公に出て大丈夫なのだろうかと妙な心配をしてしまいます。何しろ謎に包まれた北朝鮮。何をするか分からない国、一握りの人間だけが富み、大半の人々が飢えているかもしれない国。そんなイメージしかなかったのですが、著者が語った状況は私の想像を超えていました。
歴史の中で、北朝鮮のように国民を洗脳(と言っていいのか、情報統制と言っていいのか)した政治を行った国はあったと思いますが、そう永くは続いていないと思うのですよね。国民が国を逃げ出さなくてはならない国というのはどうなのでしょう。著者のように苦難があったとはいえ運良く逃げることが出来た場合は良いけれど、そうでない場合も -
Posted by ブクログ
アスペルガー症候群の主人公パトリックを中心に描かれている。この病気についてはスティーブン・スピルバーグなど著名人も数多くなっていることは聞いたことがある。
この作品を読んで具体的にどういう症状なのかよく分かった。それにしてもなぜ、母親との関係がここまでこじれているのか不思議に思っていたが最後の方でやっと理解することが出来た。
それにしても解剖学とこの病気を組み合わせて、サスペンス仕立ての小説にするなんて恐れ入りました。また、主人公がある事をさかいに霧が晴れたように人間として成長していく姿は素晴らしく、良かったねと思わず声をかけたくなった。 -
Posted by ブクログ
「えっ、ここで終わるの?」と思った前作から半年。
「お待ちしてましたよ、さぁ、続き!」とばかりに頁を捲るも意外に覚えてなかったので少し前作の終わりを読んでから読んだ。
前作2作のビリーはジャズの頭の中で語ったり、過去のセリフだったり面接室のプレートを1枚隔てた所で時間制限で話すという「直に」がなかった。しかし今回ジャズばかりでなくコニーも「直に」ビリーと話す。
ビリーとの会話はまるでホラー(爆)捲る頁は止まらないけど終始ドキドキしていた。読んでる時にもし背中を叩かれようものなら声を挙げてたと思う。
ジャズの周りには人がいる。友人・恋人だけでなく見てくれてる人がいる。
ジャズの姿を見ていると人の -
Posted by ブクログ
ヨンミ氏の体験は壮絶である。しかし本書の感想を独裁国家や管理国家の怖さに収束すべきではない。
真の恐怖は、教育や文化、経験から生じる異執が常態化することにある。例えば彼女自身が体験していない大日本帝国による併合を嫌悪感を持って語ったり、他方でモンゴル入国まで金一族に対する痛烈な批判はなかったり、またヨンミ氏自身も人身売買に関わっていたり。ヨンミ氏を責めているのではない。彼女は13歳から15歳の時期をこの環境で生をつなぐしかなかったのだ。
私が言いたいのは、資本主義国家か共産主義国家か問わず糾弾されるべき事態が、北朝鮮国家が存続することによって常識化し、そうした精神的構造に国民が毒され続けて