満園真木のレビュー一覧
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これは、北朝鮮から生きるために脱北したパク・ヨンミの自著伝だ。勇気を出して自分や母の経験した壮絶な脱北行を。
脱北前後の長い旅のあいだには、人間が人間にこれほどおそろしいことができるのかと思うようなことも目撃してきた。そのいっぽうで、およそ考えうる最悪の状況においても、人がやさしさや親切さや犠牲心を発揮するのも見てきた。人が生きのびるために人間性の一部を失うことがあるのも知っている。と同時に、人間の尊厳という火が完全に消えることはないのも知っている。
自由という酸素と愛の力があれば、その火がふたたび燃えあがることも。
これは、著者自身が生きるためにした選択の物語だ
身分を表す出身成分は三つのおもな階層があり、そのなかで、さらに五十個以上の分類に分かれている。成人後は、成分が当局によって絶えず監視され、修正される。隣組による通報や著察の調査により、自分や家族のしたことはすべて当局に知られずにはいられない。自分に関するあらゆることが記録され、地元の管理組織や国の機関に保管されている。それをもとに、どこに住めるか、どの学校に行けるか、どこで働けるかが決められる。成分のいい者は朝鮮労働党に入れて、政治的な権力者ともつながりが持てる。いい大学に行き、いい仕事につける。成分の悪い者は、集団農場で一生田んぼを耕して終わる。そして飢餓になれば飢え死にする。これでは、みなが隣組の目を気にしながら暮らし、疑い合い、密告し合い、暗く、貪欲な性格にならざるを得ない。こうした制度のもと、北朝鮮は自国を守ってきた。熱心に働いて国への忠誠心を示さないと明日はないのだ
自分で商売を始めると、自分で考えるようになる。配給制度が崩壊するまでは、誰が生きのびて誰が飢え死にするのかを決めるのは政府だった。市場が政府によるコントロールを奪った。ちょっとした商売を経験することで、自分の運命を自分でコントロールできるのだと気づいた。そしてまた少しだけ自由の味を知ったという。
表現することは難しいが、北朝鮮がどういう状況かということより、脱北する人を食い物にしている人間もいるっていうことにも強い憤りを感じるところだ -
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ネタバレ・あらすじ
イギリスの架空の田舎町、クロウ•オン•シーが舞台。
海辺の田舎町で16歳の少女が拷問の末ガソリンをかけられ焼殺される事件が起こった。
捕まったのは同じ高校の少女3人。
この事件の当日はブレグジットというイギリスのEU離脱を問う国民投票日であったため殆ど報道されなかった。
ジャーナリストのカレリはこの事件のノンフィクション本を書くために移住。
関係者からインタビューを実施し本を出版した。
しかし出版後に虚偽、捏造、誇張、違法に資料を手に入れていたことが発覚し本は回収されることになった。
・感想
この手の疑似ノンフィクション作品は最近増えてきた。
こういうの好き。
しかし私の苦手な10代の思春期女子のマウントの取り合いが事件の切っ掛けなので中々読み進められなかった……。
思春期女子の不安定さや攻撃性、仲間と思えない人間を排除する事への戸惑いのなさ、集団心理の暴走の怖さとか結構エグい。
ヴァイオレットやドリーの章から二次創作系の話になってきて、共感性羞恥まではいかないけどなんか居た堪れない気持ちになってきたw
nmmnシリアルキラーのファンダムなんてよりアングラなジャンルだし、検索避けとか徹底されてそう。
もちろん本作は擬似ノンフィクション作品なのでクリーカー自体は創作だけど、絶対現実にもその手のジャンル(実在のシリアルキラー同士のカップリング)はあるだろうし。
ドリーが同CP解釈違いのクリーカーとバトルしてるところはよくある光景だな……と思いながら読んでた。
そして居た堪れない気持ちになったりなどした。
本作はこの事件を自分の好き勝手に妄想して、解釈して楽しんで消費してるカレリも同じ穴の狢じゃないかという問題に帰結する。
実際にあった凄惨な事件を「娯楽小説に仕立て上げて、関係者から話を聞いた上で事実上二次創作をした」カレリ。
そしてそれをノンフィクションという体で本として出版した。
かなり悪質だなと思うし、その危険性をメッセージとして込めた作品なんだろう。
この手の擬似ノンフィクション作品は読者側にも「事件を面白おかしく消費することの危険性」とか「被害者を置き去りにする事への警鐘」が含まれるので定期的に読みたい。 -
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瞑想とは?
マインドフルネスとは?
この1冊で深く学べる。
メリットややり方は、多くの書籍で紹介されている今日この頃。
この本では、それは補足程度のことでメインではない。
瞑想やマインドフルネスに対しての捉え方や心の持ちようなどを、筆者の師匠や自身の経験をもとに文章にしている。
特に印象的であったのは、
雑念や感情は目の前に車がブンブン通っているのと同じ。それを追いかけることもあるが、また、再び傍観できるところに座ってみておけばよい。
というもの。
「今ここにある」をまさに体現している表現と感じた。
感情や雑念の日々、苦しもがく今日。
良いことを考える、ポジティブに。。
そんなもんより、よっぽど実用的なものだ。
今
過去の後悔、未来の心配。
悩みの種はほとんどがここから来ている。
今ここに在ることで、頭の中で作り上げたごちゃごちゃから真に解放される。
準備
・静かな場所へ行く
・椅子に腰かける、座禅でもOK
・ゆったり呼吸する
・身体の感覚を確かめていく
もっと深く
・呼吸を1から10までカウントする
・呼吸によってもたらされる揺れや動きを確認
・感情や考えが浮かんでも、再び呼吸へ戻る -
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ネタバレカタルシスNo.1のハードサスペンス!とのことだが、確かに読み終えた今はそう感じる。
でも読み終えるのが大変だった。
誘拐された主人公の悲惨な状況、女性刑事D.Dの奮闘と独りよがりな性格。リサ・ガードナーは「無痛の子」が最初で2冊目に本作を読んだ。
いつも特異な体験をした女性が出て来てD.Dと絡む。
読み進めるのが辛くて時間が掛かるのが難点だが読み終えて暫く経つとまた読みたくなる。
でも当分いいかな。
作品紹介・あらすじ
カタルシスNo.1のハードサスペンス!
ガレージで発見された、黒焦げの男の遺体。殺したのは、男にさらわれ全裸で監禁されていた20代の女性フローラ。現場に駆けつけた女性刑事D・D・は、フローラの素人離れした身の守り方に不信感を抱く一方で、男と3人の女性失踪事件との関連を疑う。そして、フローラもまたかつて世間を震撼させた誘拐監禁事件の被害者であることを知る。ところがその矢先、フローラがまたも失踪する。未解決失踪事件の被害者、フローラを取り戻そうとする母と彼女が唯一頼るFBI捜査官、そしてかつて彼女を監禁した男。一見バラバラだったピースがつながった時、あまりに壮絶な過去が浮かび上がる。そしてすべての謎が解けた時、震えるラストが……!
米国のヒットメーカーが新境地に挑んだ、カタルシスNo.1のハードサスペンス。 -
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全米を震撼させた連続殺人犯の息子が主人公。
彼はジャズという名前の田舎町の高校に通う高校生。血友病を患う親友とガールフレンドと楽しく暮らす普通の高校生だが、父親が四年前連続殺人の罪で逮捕されたことが、普通と少し違う点だ。
しかも父親は二十年間で百人以上を殺したという。さすがアメリカ様、桁が違うとしか言いようがない。
そしてその父親は自分の息子に殺人方法の教育を施し、実際に殺しを手伝わせたと思わせる節もある。この辺りはジャズが子供で記憶が曖昧、というふうにぼかしてはあるが、ジャズ自身は自分も「やったこと」があると信じている。
物語はその田舎町の公園で一人の女性の死体が発見されたことから始まる。警察が調べている場所をジャズはそっと覗き、死体を確認し、そして保安官のG・ウィリアムに捜査に加わらせてくれと頼む。
G・ウィリアムはジャズの父親、ビリー・デントを逮捕した本人で、ジャズのことをいつも気にかけてくれている心優しい男だ。
あれは連続殺人犯のデントを模倣した殺人だ、また殺人が行われる可能性が高い、俺なら犯人の気持ちがわかる、なぜなら連続殺人犯のビリー・デントは俺の父親だからだ、と、ジャズは主張。もちろんG・ウィリアムはだめだ、とシャットアウト。ジャズは親友のハウイーを誘って独自で操作することにする。
という形で物語は進んでいく。まるで凄惨な連続殺人とそれを追う少年探偵の知恵くらべの物語、のような印象を持つ。ゴリゴリのホラーかミステリーかハードボイルドか。
が、実はそんなことはなくて、もちろん殺人のシーンなどはちょっと心の弱い人は読まない方がいい描写だったりはするが、どちらかというと、ジャズとハウイー、ガールフレンドのコニーの三人の友情物語でありジャズの成長物語という側面が強い。
ジャンルで言えばジュブナイル、ヤングアダルト、あたりだろうか。
捜査にのめり込むジャズを心配しながらも一緒に戦うハウイーとコニーのキャラクターがとてもよい。アメリカ小説の主人公のガールフレンド役の少女というのは、なぜこうもたくましく、優しく、強いのか。微笑みながら主人公を見守るだけの日本のヒロインみたいなのは未だかつて見たことがない気がする。
ジャズたちがどうやって殺人犯を見つけ、追い詰めていくか。殺人犯とジャズの父との間に関係はあるのかといったミステリーの一面も楽しめ、一方で父親の「教育」に飲み込まれまいとするジャズの苦悩やそんなジャズを支えるハウイーとコニーとのやりとりなど、青春小説としても楽しめる作品である。
「俺は殺人犯の息子なんだ!」というジャズの斜に構えた口調は、厨二か?と思うようなウザさはあるものの、まだ高校生だし若い頃ってそういう特殊性をひたすら自分の中で強調したい年頃だし、などと思いながら読むのが良いのかも。実際、百人殺した殺人犯の息子、などという特殊性は相当特殊だし本当ならもっとひねたり病んだりしてもいいくらいだと思う。
行方不明の母親、いつの間にかいなくなった愛犬などのエピソードを読むと、よくまあそれでこんなに「普通」を保てているなと感心するレベルである。
その彼の「普通」「良心」を保とうと努力してきたのがG・ウィリアム、ハウイー、コニーといった周囲の人間たち。特にG・ウィリアムの親父力には感服する。
読みやすい(殺人のシーンは割としっかりリアルに書かれているので、ホラー・スプラッタ的描写が無理な人はスキップおすすめ)文章で、少年たちがイキイキと動くのでテンポよく読める。
ヤングアダルトなので、少々強引な展開などもあるが、気軽に読みたいミステリーをお探しの方にはおすすめできる、かもしれない。
とはいえ、ミステリーを読みたければ他を読めばいいし、青春小説を読みたければそれこそ他を読めばいい。日本のラノベは優秀だと思う。シリアルキラーの心理に興味がある人は、読み進めた方がいい。この1冊目では真のシリアルキラーには焦点が当たっていないので。
この続きが気にはなるが、続けて読もうとは思えてないので、私個人としては⭐︎はそんなに高くはない。なんとなく、ジャンル的に中途半端だったかなという印象。
【追記】日本語タイトルはちょっとイマイチかなと思う。「さよなら」という決別を彷彿とさせる言葉ではなく、ジャズからは「追い詰める」という強い意志を感じる。
とはいえこれ、日本語タイトルは難しいわな。とも思う。