水野和夫のレビュー一覧
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平成の歴史が分かりやすくまとめられていた。
現在の停滞、社会の混迷には様々な要因があるけど一番はバブル崩壊後の90年代後半から取り入れられた「ROE(自己資本利益率)」を重視したことな気がする、このせいで従業員よりも資本家を大切にする世界になってその結果資本家の顔を伺い立てることしか出来なくなって格差が開いた。グローバル化の経済成長っていうけどそれで得するのはほんの上位数%。
令和7年11月18日現在、自民党の高市早苗首相が経済成長を目指してるけど最低賃金上げるのやめたり労働基準法を緩くしようとしてるのは更に労働者を下げて資本家の儲けを上げようとしてるからなのかなと思った。
一体全体この先の -
Posted by ブクログ
殆ど経済の話として読まなかった。
自分は経済とか金融とかに殆ど興味がない。社会人としては失格かも知れないが、興味を持てないものは持てないのだから致し方ない…自己弁護^^;
現在が世界経済を人類の歴史の中のどのような位置にあるのかを過激にも思える思想で貫かれている。
そうか、現在とは様々な意味で経済・社会の過渡期なのだ。
この本が出版されたのが2023年(一昨年なのね)。で、その下地となった『過剰な資本の末路と、大転換の未来』が2017年の発行。その基となっている東洋英和女学院大学大学院での講義が2014年後半辺り。
10年前から今日まで何も変わっていない。自分には知識が少ないが、この本で書か -
Posted by ブクログ
☆☆☆ 2025年4月 ☆☆☆
『資本主義の終焉と歴史の危機』などで知られる水野和夫氏と宗教学者である島田裕巳氏の対談。ゼロ金利というのは、これ以上の成長は見込めない成熟状態に入っていることの現れであり、辺境から富を収奪することで繫栄する資本主義は終焉の時を迎えつつある・・・これが水野氏の意見であるというのが僕の中での予備知識。
この本『世界経済史講義』では、資本主義の歴史が対談と言う形でわかりやすく読者に提示される。理解が難しいところは何となくで飛ばしながら読んでも良いと思う。以下に、僕が興味深いと感じた点をまとめる。
<以下、興味深い点(引用ではなく、僕の言葉でまとめたもの>
・人 -
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経済学者というのは、難しそうな理論を振り翳して間違ったことを言う人が多いのだが、この著者はとてもまともなことを言う人である。そんな人が河出文庫で書いているのだから読むべきだと思い、新年早々読み始めて間違ったたのですが、期待通りの力作であった。
先進諸国が経済成長し、途上国の経済が成長しなかったのは、資本主義が他国を犠牲にして自国を成長させるSystemだからであり、先進諸国の成長が止まってしまったのは、資本主義は国民全員を豊かにするSystemではないからなのだという当たり前のことを論理的に展開してくれる。イラン革命以来、原油価格が高騰することによって、今までの収奪ができなくなってくると、 -
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少し前の本ですが、学びある。
動物の世界は必然性の世界であり、
アルゴリズムが支配する世界であり、
強いつながりの世界である。
それは友達を作りたいなと思ったら自分と趣味の合う人たちを探してオフ会をやる世界です。
人間が人間らしいと思っているものの多くは誤作動の結果起きている。
だから人間らしい感情は根拠づけたり設計したりするものではない。
人間のコミュニケーションには誤作動がすごく多くて、その誤作動こそが我々の自由や生きているという事実を支えている。
だから、それをなるべく潰していくというのはまずいと思います。
そうした誤作動をどうこれからの社会に組み込んでいくかという話になると思います -
購入済み
フロンティアはもうないのか?
「フロンティアがなければ資本主義は死ぬ」という著者の主張は説得力がありそうな主張に見える。この説の根拠として、成長率を利子率と仮定してみて、過去数百年間の利率(=資本利益率)の推移と、実物空間 電脳空間のフロンティアの量の推移の相関を挙げている。さらに実感としての最近の資本主義経済の手詰まり感がある。
疑問点3点
1.電脳空間フロンティアはITバブル崩壊で縮小してしまったのか?最近AIブームは一過性のもので終わるのか?
2.電脳経済と実物経済を分けているがこれは妥当か?例えば今読んだ電子書籍はどちらか?
3.問題点は分かったが対策は?みんな平等に貧しい共産主義社会か? -
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「資本主義」の根源的な発生にまで遡って対談する本書の内容には、ちょっと衝撃を覚えた。果たして「資本主義の終焉」が来るのだろうか。
本書は歴史解釈の本かとも思うが、こう言う視点もあるのかと新鮮に思える。
「資本主義は限られた割合の人にしか成立し得ない」「15%対85%」とは驚きつつも納得の思いも持つ。確かに世界中のすべての国が先進国に到達する風景は想像し難い。そもそもエネルギーも環境も持たないだろう。
16世紀のイギリスの歴史から「新興国が先進国に追いつくとデフレが始まる」とは衝撃、これは法則として成立するのだろうか。いろいろと考えさせられた。
本書は2013年の発行だが、時が過ぎた現在でこそ説 -
Posted by ブクログ
先進国が横並びの低金利と中間層の没落が何年も続いていることを理由に水野和夫さんは「資本主義の終焉」に入っていると主張する。
先進各国では(日本もご多分に漏れず)自己責任の新自由主義やグローバリズムを喧伝することで中間層を没落させて富裕層にさらに富を集中させていく構造があり、99%の人々にとって資本主義を維持するインセンティブがなくなってきている。
米国の「ウォール街占拠運動」「トランプ現象」「サンダース現象」、英国の「ブレグジット」、フランスの「国民戦線ル・ペン」、イタリアの「五つ星運動」にも、日本国内の「反TPP」「れいわ山本太郎」にもその傾向が見られる。 -
Posted by ブクログ
現状、資本主義が末期状態にあり、だましだまし延命させているだけだということが分かる。
その一例がアベノミクス。異次元金融緩和によって資産価値(株価)を膨張させ、あたかも経済がうまく回っているかのように見せかけている。しかし持続可能なシステムではないから、いつか破綻する。
利子率の水準が利潤率の水準を反映しており、先進各国の利子率の低下が資本主義の瀕死状態を表しているというのは説得的。
しかし著者が掲げる「脱成長」というのは魅力に欠ける。共産主義社会でも成長はできるのでは? 要するに、成長とはイノベーションのことだろう。知識と財産が共有された自由な共産主義社会でこそイノベーションが乱発すると思わ