水野和夫のレビュー一覧

  • 別冊NHK100分de名著 「平和」について考えよう

    Posted by ブクログ

    ロシアのウクライナ進攻。
    中東でも中国、北朝鮮でもなく、東欧の文明国と思っていたロシアが、まさか。
    スマホによって、リアルタイムに発信される戦況。被害を受けたウクライナの人々の、生の声と表情は、戦争というものの圧倒的な破壊と惨状を物語っていて、それが今まさに起きているということをダイレクトに伝えている。
    戦争とは何なのか、平和とは何なのか、少しでも考える端緒を得たいと思い読みました。
    フロイトのエロスとタナトス、ブローデルの地中海、西鶴の日本永代蔵、ヴォルテールの寛容論。時代も場所もそれぞれ異なる著作から、平和とは何なのかを考えるためのヒントを興味深く与えてくれる。
    死の欲動によって避けがたく

    0
    2022年03月16日
  • 資本主義の終焉と歴史の危機

    Posted by ブクログ

    先進国における金利の低下を根拠として、利潤率の減少、すなわち資本主義の終焉を論じでいる本。
    資本主義を延命するために金融市場にバブルを生成し、その崩壊によって労働者が割を食うという構図の解説はとても興味深く感じた。
    現状の資本主義の代替案に関しての記述が弱く感じたので(他書籍で詳しく解説なさっているのかもしれないが)星をマイナス1した。

    0
    2021年09月29日
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講

    Posted by ブクログ

    11のエリアの第一人者との対談。非常に為になった。個人的な関心の重みもあり、中でも、東浩紀氏、石川善樹氏、水野和夫氏、平野啓一郎氏、山極寿一氏のパートは示唆に富んだ内容であると感じた。

    0
    2021年09月26日
  • 資本主義の終焉と歴史の危機

    Posted by ブクログ

    資本主義が永続不能なシステムであるということは今や衆庶の知るところであるが、金利の推移を見れば、その終焉は「いつか来る」程度のものではなく、もう我々の眼前に迫っていると言える段階まで来ていると警鐘を鳴らすのが本書である。水野によれば70年代には既に資本主義は有限性の隘路に逢着していたそうだ。そこでアメリカは電子・金融空間にフロンティアを見出した。そこさえ侵食し尽くした資本主義の次なる延命策は「中心の内部に周辺をつくり出す」というアクロバットである。これがネオリベの増長や格差拡大の主因だろう。

    0
    2021年09月18日
  • 資本主義の終焉と歴史の危機

    Posted by ブクログ

    水野和夫(1953年~)氏は、早大政経学部卒、早大大学院経済学研究科修士課程修了、三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミスト、民主党政権の内閣官房内閣審議官、国際投信投資顧問顧問、日大国際関係学部教授等を経て、法政大学法学部教授。
    本書は、2014年に出版され、経済書にもかかわらずベストセラーとなり、2015年の新書大賞第2位を獲得。
    2013年に発表(日本語訳は2014年出版)されたトマ・ピケティの『21世紀の資本』とともに、資本主義の問題・限界を明快なメッセージで指摘したことで、多くの人々に受け入れられた。
    近年、斎藤幸平氏の『人新世の「資本論」』をきっかけに「脱成長」に関わる議

    0
    2021年09月07日
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講

    Posted by ブクログ

    11人の識者へのインタビュー集。編者の好みなのか分野と言葉は違えど、思い描いている未来社会は似通っている人選のようにも思えます。気になる人物ばかりだったので問題ないですが。

    近代の強い個を持続できるほど人間は強くなく、場の関係性の上に柔らかい弱い個をなんとか保っているのが実情。そんな個人でも生きやすい社会制度へと変えていく時代に来たのかな。

    「欲望のエデュケーション」といった気づきのような新しい啓蒙の形で、これから価値観変更を優しく迫るお知らせが来るのだと思うw

    0
    2021年08月23日
  • 資本主義の終焉と歴史の危機

    Posted by ブクログ

    ---- 感想 ----
    近現代の資本主義の流れが特にとてもわかりやすく、面白く読めました。
    今まで「非正規労働問題」などのワードを見かけても何も思わなかったけど、過去からの流れを頭に入れると、その意味も頭に入ってきて、かなりアンテナの感度が上がった気がします。
    知識の少ない自分にとっても説明がわかりやすく、新たなフロンティア、周縁を探し続けている現在の資本主義の姿が理解できました。

    ---- 勉強になったポイント ----
    - 資本主義は、安く買って高く売るのが原則だったが、先進国では、1970年代半ばに石油を買い叩けなくなったことで、ピンチに=>金融、IT空間を作り出し、実態経済が

    0
    2021年08月17日
  • 正義の政治経済学

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    -白か黒ではない、その間の葛藤に、<正義>はある
    -「可処分時間」の増加
    -よりゆっくりより近く、より寛容に

    水野さんの極端なケーススタディは面白い

    0
    2021年08月14日
  • 資本主義の終焉と歴史の危機

    Posted by ブクログ

    1970年代に始まった「長い21世紀」。それは、800年続いた、資本主義の終わりの始まりに他ならない。

    16世紀末から17世紀初頭の「長い16世紀」における利子率革命は、中世から近代資本主義へとシステムを大変換させた。それと同等の変革期が、1970年代からの「長い21世紀」であると水野は説く。それはまさに、資本主義の終わりの始まりである。

    資本主義は「周辺」を作り出して、そこから「中心」へと富や資源を移転させるものであるが、もはやこの地球上に「周辺」は存在しなくなった。資本主義の延命を図ろうとするグローバル資本主義は、国内に「周辺」を生み出し、それは市民社会や民主主義といった、近代の価値に

    0
    2021年07月08日
  • 過剰な資本の末路と、大転換の未来 なぜ歴史は「矛盾」を重ねるのか

    Posted by ブクログ

    資本主義に限界が来ていること。これはわかった。その資本主義は限界を迎えるとグローバリゼーションを産み出し、国家は帝国主義か覇権国をいずれ目指すようになる。それは資本主義の仕組み上、宿命なのではと感じた。

    0
    2021年03月13日
  • 資本主義の終焉と歴史の危機

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    何気に手に取って、そのメッセージ性に衝撃を受けた。

    [受け取ったメッセージ]
    日本が世界に先駆けて資本主義の終焉に直面している。ゼロ金利と低成長がその証拠、とのご主張。
    しかし、ゼロ金利は資本主義からの卒業を意味している。日本は成長願望にとりつかれて倒錯した
    経済運営をしている。資本主義にどっぷり浸かったおじさんたちが、若い者はカネを使わな過ぎると非難する。。。
    全く仰せの通り。

    [以下、個人的な気になりポイント]
    “(2) 「国家の集合ではあるがシステムではない」は国によっては実現可能性はあります。。。
    しかし、小国やあるいは日本のような国の場合は、没交渉の世界を生き抜くことはできません

    0
    2020年12月31日
  • 資本主義がわかる本棚

    Posted by ブクログ

    資本主義について深く知るというよりは、あまり知らない人が触れてみるのに向いている。水野和夫氏の著書を読むきっかけに。

    0
    2020年12月23日
  • 資本主義の終焉と歴史の危機

    Posted by ブクログ

     グローバル化が資本主義というシステムから、多くの人を幸福にする機能を奪っているというような話だったような気がする。強欲なものが勝つとすれば、より強欲にならざるを得ず、ドラッカーや松下幸之助は見向きもされなくなり、日本型経営は競争に勝てなくなっているようですね。

    0
    2020年11月24日
  • 資本主義の終焉と歴史の危機

    Posted by ブクログ

    文字通り、資本主義が勝利したわけではなく、今後崩壊していくことを描いた一冊。

    上位15%に富が集積し、先進国はその恩恵に授かってきたたが、発展途上国も同様に発達しつつある今後は厳しいということがよく分かった。

    0
    2020年09月05日
  • 資本主義と民主主義の終焉――平成の政治と経済を読み解く

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    近現代の日本政治を語る上で非常に纏まった内容。
    伝えるべきメッセージが強くあると、ここまで分かりやすくなるものかと。
    今の安倍政治の何がオカシイのかが一気に理解できた。新自由主義の潮流は現代の特徴であると思うが、日本は日本独自の歩みで進んでいけばいいのに、、、と危惧をする。
    その結果が今回ウイルスの未曾有の事態への後手後手対応に表れているんだろう。
    官僚にまかせておくべきだったのに、、

    0
    2020年03月02日
  • 資本主義と民主主義の終焉――平成の政治と経済を読み解く

    Posted by ブクログ

    「平成とは何だったのか」を二つの大いなる知性が語る本。平成を概観する事とは現在を理解することだと、本書を読み痛感した。
    小生はこの平成時代をリアルタイムで全て体験したが、本書が指摘しているような時代認識は持てなかった。なるほど時代は体験だけでは理解出来ないものだ。著者お二人の知性に感嘆する。
    山口先生の方がちょっと左かと思ったが、ここまで進むと左・右の分類はあまり意味を持たない。
    本書を読んで、現在の世界がどういう時代とみるべきなのかはわかったが、どうも未来は悲観的に思えてならない。「成長の時代は終わった」との本書の結論は大きなインパクトをもって迫っている。

    0
    2019年10月10日
  • 資本主義の終焉と歴史の危機

    Posted by ブクログ

    ☆本書のメッセージ
    利子率が0に近いことは、資本主義システムの終焉を意味する。持続可能なkとを目的としたシステムの開発を目指すべきだ

    ●読んだきっかけ
    資本主義に限界を感じている先輩に説明されて

    ●本の概要
    資本主義という仕組みがいつから始まったのか、それを利子率を中心に紐解いていく。歴史の流れを追いながら、今ここが「システムの転換点≒歴史の危機」にあることを説く

    ●本の面白かった点、学びになった点
    *利子率が0に近いこと。これは資本主義の仕組みがもううまく機能しないことを指す。利子率とは、資本利潤率に等しい。これまで、資本主義は、ある資本に基づいて、フロンティアを開拓し、資本を吸い上げ

    0
    2019年05月25日
  • 資本主義の終焉と歴史の危機

    Posted by ブクログ

    ゼロ成長すら難しくなったゼロ金利時代の処方箋案。マネタリストの金融緩和が世界経済の前に何の意味も無かったように、この案も世界経済にがんじがらめになった中で効果はあるのだろうか?

    0
    2019年05月23日
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講

    Posted by ブクログ

    さすが『物欲なき世界』を書いた菅付さんのキュレーション。VUCA時代を生き抜くための最新かつ普遍的な思想をもつ各界のイノベーターたちの言葉はすごくしっくりくる。

    テーマ偏らず、幅広い教養の基礎を身につけることかでき、ここから深掘りしていくことが、これからの時代を賢く楽しく生き抜く近道だと思う。

    0
    2018年12月02日
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか

    Posted by ブクログ

    資本主義の定義、歴史、現代での位置付け
    ・長い16世紀
    利子、法人の概念の発展と宗教の役割(キリスト教の抵抗)
    法人の概念により複数世代に渡る永続的な投資が可能に→イギリスの海洋権益拡大
    スペインが陸を支配しようとしたのに対してイギリスは海(貿易)を支配→資本主義的支配
    中国の明も航海を行ったが資本主義がなかったためアフリカ等の支配には至らなかった
    オランダは固定資本で海洋拡大したがイギリスは事業ごとの資本調達→永続性

    ・現代
    現代における資本主義の限界と永続可能性
    ゼロ成長社会が示唆すること、その捉え方
    「桐島部活やめるってよ」が現代社会において意味すること

    0
    2018年11月23日