水野和夫のレビュー一覧
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ロシアのウクライナ進攻。
中東でも中国、北朝鮮でもなく、東欧の文明国と思っていたロシアが、まさか。
スマホによって、リアルタイムに発信される戦況。被害を受けたウクライナの人々の、生の声と表情は、戦争というものの圧倒的な破壊と惨状を物語っていて、それが今まさに起きているということをダイレクトに伝えている。
戦争とは何なのか、平和とは何なのか、少しでも考える端緒を得たいと思い読みました。
フロイトのエロスとタナトス、ブローデルの地中海、西鶴の日本永代蔵、ヴォルテールの寛容論。時代も場所もそれぞれ異なる著作から、平和とは何なのかを考えるためのヒントを興味深く与えてくれる。
死の欲動によって避けがたく -
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水野和夫(1953年~)氏は、早大政経学部卒、早大大学院経済学研究科修士課程修了、三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミスト、民主党政権の内閣官房内閣審議官、国際投信投資顧問顧問、日大国際関係学部教授等を経て、法政大学法学部教授。
本書は、2014年に出版され、経済書にもかかわらずベストセラーとなり、2015年の新書大賞第2位を獲得。
2013年に発表(日本語訳は2014年出版)されたトマ・ピケティの『21世紀の資本』とともに、資本主義の問題・限界を明快なメッセージで指摘したことで、多くの人々に受け入れられた。
近年、斎藤幸平氏の『人新世の「資本論」』をきっかけに「脱成長」に関わる議 -
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---- 感想 ----
近現代の資本主義の流れが特にとてもわかりやすく、面白く読めました。
今まで「非正規労働問題」などのワードを見かけても何も思わなかったけど、過去からの流れを頭に入れると、その意味も頭に入ってきて、かなりアンテナの感度が上がった気がします。
知識の少ない自分にとっても説明がわかりやすく、新たなフロンティア、周縁を探し続けている現在の資本主義の姿が理解できました。
---- 勉強になったポイント ----
- 資本主義は、安く買って高く売るのが原則だったが、先進国では、1970年代半ばに石油を買い叩けなくなったことで、ピンチに=>金融、IT空間を作り出し、実態経済が -
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1970年代に始まった「長い21世紀」。それは、800年続いた、資本主義の終わりの始まりに他ならない。
16世紀末から17世紀初頭の「長い16世紀」における利子率革命は、中世から近代資本主義へとシステムを大変換させた。それと同等の変革期が、1970年代からの「長い21世紀」であると水野は説く。それはまさに、資本主義の終わりの始まりである。
資本主義は「周辺」を作り出して、そこから「中心」へと富や資源を移転させるものであるが、もはやこの地球上に「周辺」は存在しなくなった。資本主義の延命を図ろうとするグローバル資本主義は、国内に「周辺」を生み出し、それは市民社会や民主主義といった、近代の価値に -
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ネタバレ何気に手に取って、そのメッセージ性に衝撃を受けた。
[受け取ったメッセージ]
日本が世界に先駆けて資本主義の終焉に直面している。ゼロ金利と低成長がその証拠、とのご主張。
しかし、ゼロ金利は資本主義からの卒業を意味している。日本は成長願望にとりつかれて倒錯した
経済運営をしている。資本主義にどっぷり浸かったおじさんたちが、若い者はカネを使わな過ぎると非難する。。。
全く仰せの通り。
[以下、個人的な気になりポイント]
“(2) 「国家の集合ではあるがシステムではない」は国によっては実現可能性はあります。。。
しかし、小国やあるいは日本のような国の場合は、没交渉の世界を生き抜くことはできません -
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「平成とは何だったのか」を二つの大いなる知性が語る本。平成を概観する事とは現在を理解することだと、本書を読み痛感した。
小生はこの平成時代をリアルタイムで全て体験したが、本書が指摘しているような時代認識は持てなかった。なるほど時代は体験だけでは理解出来ないものだ。著者お二人の知性に感嘆する。
山口先生の方がちょっと左かと思ったが、ここまで進むと左・右の分類はあまり意味を持たない。
本書を読んで、現在の世界がどういう時代とみるべきなのかはわかったが、どうも未来は悲観的に思えてならない。「成長の時代は終わった」との本書の結論は大きなインパクトをもって迫っている。 -
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☆本書のメッセージ
利子率が0に近いことは、資本主義システムの終焉を意味する。持続可能なkとを目的としたシステムの開発を目指すべきだ
●読んだきっかけ
資本主義に限界を感じている先輩に説明されて
●本の概要
資本主義という仕組みがいつから始まったのか、それを利子率を中心に紐解いていく。歴史の流れを追いながら、今ここが「システムの転換点≒歴史の危機」にあることを説く
●本の面白かった点、学びになった点
*利子率が0に近いこと。これは資本主義の仕組みがもううまく機能しないことを指す。利子率とは、資本利潤率に等しい。これまで、資本主義は、ある資本に基づいて、フロンティアを開拓し、資本を吸い上げ -
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資本主義の定義、歴史、現代での位置付け
・長い16世紀
利子、法人の概念の発展と宗教の役割(キリスト教の抵抗)
法人の概念により複数世代に渡る永続的な投資が可能に→イギリスの海洋権益拡大
スペインが陸を支配しようとしたのに対してイギリスは海(貿易)を支配→資本主義的支配
中国の明も航海を行ったが資本主義がなかったためアフリカ等の支配には至らなかった
オランダは固定資本で海洋拡大したがイギリスは事業ごとの資本調達→永続性
・現代
現代における資本主義の限界と永続可能性
ゼロ成長社会が示唆すること、その捉え方
「桐島部活やめるってよ」が現代社会において意味すること