水野和夫のレビュー一覧

  • 世界史の中の資本主義―エネルギー、食料、国家はどうなるか

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    各分野の識者がエネルギー、食料、国家が今後どうなるかについて、過去の歴史を参考にしながら見通したもの。エネルギーでは、シェール革命後も価格は下がらないだろうというのは、常識的な見通しだが、食糧については、「これから世界は食料の『過剰な時代』へ突入する」というのには驚いた。人口増、化学肥料の高騰、水不足、異常気象など、食料は不足するものだと思い込んでいた自分には、にわかには信じがたい。

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    2021年08月08日
  • 超マクロ展望 世界経済の真実

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    競争の作法やデフレの正体と同時期に読んだので、この20年くらいの経済の停滞について色々な見方があるなあと思うばかりである(対話者の一人が政治哲学者なので期待してなかったのだが)。エネルギー業界にいるものとしては、資源価格の高騰が交易条件を悪化させたことがデフレの原因とする説は、非常に共感できた。したがって円高がまだましだとする考え方もその通りだと思う。

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    2021年08月08日
  • 株式会社の終焉

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    ちょっと難しかったかなぁ。
    短期的に利益を追い求めるのではなく、ゆっくりのんびりと寛容にってことなんかな?

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    2018年02月25日
  • 資本主義の終焉、その先の世界

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    今日本の政権が躍起になっている、成長戦略に異議を唱える二人の経済学者が持論を展開。
    ゼロ金利が長らく続いていることとは、もう世界にフロンティアが残っておらず、資本を投下する場所が残っていないこと。日本だけではなく世界の各先進国が同じ状態になっていることを数値・グラフを使って解説する。その状況下で起こる弊害として中産階級の下落や格差の拡大を指摘する。
    「より遠く、より速く」を掲げるのではなく現実を再認識し「より近く、よりゆっくり」を提唱する。日本は失われたン十年とか言われているが、治安や自然、長寿などむしろ誇るべきものが多い。都市集中ではなく、地方文化回帰なども今後の活路の一つになりえる。

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    2017年12月10日
  • 資本主義がわかる本棚

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    自分とは全く違う畑の経済であるが、社会学から誘引されここに行きついた。経済にまつわる本や雑誌を読んだことがないわけではないが、特に資本主義の原理と歴史が頭に入っていないためわかるようでわからない。あるところまでは理解できていたつもりが、一つの概念をもって自分の中の構造が乱れていく。要するに勉強していないからそういうことになる。

    そういうわけでその手掛かりとして本書から取り組むようにした。資本主義を理解するための本棚、というコンセプトで数十冊の書籍が並べられている。知っている本すら数冊で、持っているものとなればピケティだけ、読んだことがあるものに関しては皆無であった。それが逆に刺激的。必ずしも

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    2017年08月23日
  • 資本主義がわかる本棚

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    コペルニクス「天球回転論」(1543年)からニュートンの「プリンキピア」(1678年)までの150年間に、近代科学の成立とそれに伴う知的変革が起こった(野家啓一「パラダイムとは何か」)。

    1987年2月のルーブル合意によって、これまで以上のドル安を防ぐために日独の協調利下げが行われた。9月にドイツは国内のインフレ懸念からアメリカの要請を振り切って利上げを実施したが、日本は超低金利を維持して、株価や土地のバブル化を招いた。ドイツは、この金融政策をめぐるアメリカとの対立から、1992年にマーストリヒト条約を締結し、ユーロ=ドイツ第四帝国の道を歩み始めた。

    数字で表すことができる科学は、お金で測

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    2018年10月31日
  • 資本主義の終焉、その先の世界

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    ネタバレ

    世界にはもう新しいフロンティアはないから(まだ成長するインドを除き)先進国の成長余地は乏しい。だから成熟国家日本はもうモノは欲しがらないし、豊かな安全安心国家なのだから、2%も成長しなくてよいという。失われた20年ではなくて、成長しなくていい成熟国家になっただけ。 アベノミクスの”成長戦略”も意味はないという。新しい工場はつくらず、原価償却のおわった工場で、代替品だけ作り続ける・・・便利さの追求も限界にきている。コンビニをこれ以上作る必応はない。 リニア新幹線つくって、そんなに急いでどこにいく。マッハ2で飛んだコンコルドは、そんなに早く飛ぶニーズがなくて破綻した。速さを優先して座席も少なく、乗

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    2016年10月02日
  • 世界経済の大潮流

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    歴史は現在と過去の対話である。
    中間層の再建がなければ、危機を乗り越えられない

    ケインズ=利子生活者の安楽死を予測

    石油価格の上昇で物価が上がり景気にブレーキがかかる=スタグフレーション=マネタリズムによって克服

    バブルは弾けてみてはじめてバブルだったの認識できる=バブルは弾けてみないと分からない=バブルを防止することはできない

    市場メカニズムの不備を政府がコントロールすることで福祉国家を実現する
    しっぽがアタマを振り回す

    成長は長期金利がピークを迎えた1974年に終わっている。

    分配率の弾性値はゼロまたはマイナス

    デフレから脱却するには原油価格が下がればいい。外需デフレーターが

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    2014年12月04日
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか

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     資本主義の来歴と現状を広範に論じた対談。「知的遊戯」としては抜群に面白いし、新自由主義経済の犯罪的本質への批判も真っ当だが、「資本主義はこのままでは破綻する」という現状認識の域を出ないため、副題の「『成長なき時代』をどう生きるか」という問いに対する具体的・実践的な指針は示されない。歴史学サイドとしては、「長い21世紀」説への世界システム論の恣意的な利用が気になる。

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    2013年11月12日
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか

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    資本主義の「暴力」とか、「必然」なんてタイトルだったら買わなかったと思う。惹かれたのは「謎」というタイトル。帯に挙げられている「謎」は次のようなもの。曰く「なぜ西洋で誕生したのか」、「法人の起源はどこにあるのか」、「利子率革命とは何か」、「成長なき資本主義は可能なのか」。

    ぼくの浅薄な知識によれば、最後の「謎」には「否」と即答することになる。但し、門外漢のぼくが即答するようなレベルのことが、わざわざ「謎」として例示されているはずもない。「もしかしたら可能性があるのか?」という興味から購入。

    読み終えてみると、高校時代に読んでいたら経済学を志したかもしれないと思うほどに面白かった。あるいは、

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    2013年04月22日
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか

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    資本主義のこれまでとこれから。現代の資本主義はいかに成り立ち、今どういう局面を迎えているのか。
    国家単位を基準に成り立った資本主義はグローバル化を迎えて(通貨交換を行う時代を迎えて)機能不全を起こしつつある部分もある。また、成長なき時代、フロンティア・外部がなくなりつつある時代でもあり、早晩、別のシステムを見つけなくてはならない・・・
    問題の整理はいいんですが、その先を提示するのはやっぱり難しい。だからって最後は古市くんと桐島かよってツッコミを入れたくなるのも確かですが。

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    2013年03月18日
  • 世界経済の大潮流

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    キーワードとしては利子率革命・コレクション・陸の国・海の国。
    世界的なバブルなどについて時代の流れと共に記載されており、分かりやすいとは思う。
    また、成長を前提とした考えが成り立たないことについては同意できる。が、利子率革命やコレクションはいいとして、陸の国・海の国というレッテル的拘りはスッと腹に落ちない。
    この本は言いたいことの大半を1章で書ききってある感じ。

    以下は備忘録としての内容まとめ。

    金融資産が実体経済の二倍になり、金余りとなり利子率革命(利率の鄒勢的低下)が現在社会。その社会では資本家は利子生活ができない。資本家は新たなカネの儲け場所として、レバレッジを効かせたCDSなどのバ

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    2013年01月04日
  • 超マクロ展望 世界経済の真実

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    経済も政治もド素人の自分が読んだかぎり、政治と経済の関係を歴史を振り返りながら考える、というような本なのかなと思った。
    もう少し勉強したらまた読み返したいと思う。

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    2012年07月02日
  • 超マクロ展望 世界経済の真実

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    面白い部分もあったが、本当に超マクロな展望であり、なんかふわふわした感じがした。

    現在のデフレは構造的な問題である、だとか、もう先進国の経済成長は望めないというった事を資本主義がどのように発展していったかを踏まえながら説いている。

    産業革命によって資本主義が発展していったという認識があったので、それよりも、植民地主義やイギリスの海賊が果たしている役割が大きい点などは面白かった。

    ただ、やはり思うのは、現在の資本主義はもう限界に来ていて、新興国がこれからも経済成長を目指して発展してくるのであれば、それに対抗して経済成長を目指すのではなく、経済成長がない状態での新しい世界のあり方を率先して目

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    2012年03月23日
  • 超マクロ展望 世界経済の真実

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    ネタバレ

    「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか」でファンになった水野氏と政治哲学者?の萱野氏による対談形式。基本的には上記水野著書にあった、過去の超長期的トレンドに基づいて現代の経済・金融動向を説明する、という内容。萱野氏が加わることによって国家間の覇権の遷移など政治と経済の関係がより充実しているが、その分上記水野著書にあったような統計情報に基づいた説明というのが希薄になってしまっている。ちょっと週刊誌の対談的になってしまい残念。  それにしても、毎度のことながらこの煽りタイトルはやめてほしい。こうしないと売れないのか?

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    2012年03月11日