あらすじ
平成とはどのような時代だったのか。そして、令和はどのような時代になるのか―。『資本主義の終焉と歴史の危機』で歴史の転換を明示した水野和夫教授と、政権与党時の民主党ブレーンとして政治の内側を見てきた山口二郎教授が語り尽くす。まず、平成三一年間を六つの時代に分けて分析。そのうえで平成を総括し、今後を予測・提言する。見えてきたのは、日本が資本主義を“卒業”していく過程であり、政治が大きく変質・劣化していく様だった。歴史的に未知の領域に入ろうとしている現在の日本。両名の主張に刮目せよ。
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Posted by ブクログ
大量消費社会を終え、成熟した社会に生きる人々は何を目指せば良いのか。エネルギーが枯渇していく将来を見据えれば、成長が鈍化する事は避けられない。
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平成の歴史が分かりやすくまとめられていた。
現在の停滞、社会の混迷には様々な要因があるけど一番はバブル崩壊後の90年代後半から取り入れられた「ROE(自己資本利益率)」を重視したことな気がする、このせいで従業員よりも資本家を大切にする世界になってその結果資本家の顔を伺い立てることしか出来なくなって格差が開いた。グローバル化の経済成長っていうけどそれで得するのはほんの上位数%。
令和7年11月18日現在、自民党の高市早苗首相が経済成長を目指してるけど最低賃金上げるのやめたり労働基準法を緩くしようとしてるのは更に労働者を下げて資本家の儲けを上げようとしてるからなのかなと思った。
一体全体この先の世界はどうなるのかしら。
Posted by ブクログ
NHKラジオの解説で気になったので正月明けから読んだ、厳しい本だった
厳しいと思ったのは下記3点
グローバル化の功罪
福島第一原発 標高35m → 掘削 →25m
成長の条件エネルギーの失墜
資本投資と成長が必要な資本主義が必要が難しいとの結論、明るい未来の話がしたいが~
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近現代の日本政治を語る上で非常に纏まった内容。
伝えるべきメッセージが強くあると、ここまで分かりやすくなるものかと。
今の安倍政治の何がオカシイのかが一気に理解できた。新自由主義の潮流は現代の特徴であると思うが、日本は日本独自の歩みで進んでいけばいいのに、、、と危惧をする。
その結果が今回ウイルスの未曾有の事態への後手後手対応に表れているんだろう。
官僚にまかせておくべきだったのに、、
Posted by ブクログ
「平成とは何だったのか」を二つの大いなる知性が語る本。平成を概観する事とは現在を理解することだと、本書を読み痛感した。
小生はこの平成時代をリアルタイムで全て体験したが、本書が指摘しているような時代認識は持てなかった。なるほど時代は体験だけでは理解出来ないものだ。著者お二人の知性に感嘆する。
山口先生の方がちょっと左かと思ったが、ここまで進むと左・右の分類はあまり意味を持たない。
本書を読んで、現在の世界がどういう時代とみるべきなのかはわかったが、どうも未来は悲観的に思えてならない。「成長の時代は終わった」との本書の結論は大きなインパクトをもって迫っている。
Posted by ブクログ
こうして振り返ると「平成」っていいことあったんかなって思ってしまう。
日本は成熟期なのに、いつまで成長、成長といい続けるのか。
やり方がまずいから結果も伴わない。年収がいっこうに上がらない。むしろ下がってる。
Posted by ブクログ
水野和夫、山口二郎の対談集。今までを語ることはそれなりに可能だが、これからを予想する、指し示すことはとても困難なことだと思う。しかしこれからの10年と章立てるなら、山口にもなにか提起してほしかった。「自由、寛容、博愛などの価値観を学校教育やメディアで意識的に強調していかなければならない」と指摘するだけでは寂しかった。水野が資本主義の終焉で提唱していた「より遠くへ、より速く、より合理的に」を捨て「より近く、よりゆっくり、より寛容に」という思考に切り替えると主張し、「私にはその具体像を描くことができません」と認めることに好感が持てた。また水野が主張する法人税、所得税の引き上げによる財政の均衡化、自然エネルギーによる化石燃料依存の脱却が当面の解決すべき課題であるとは思えた。しかしどうやって?が見えないところが何とも苦しい。