【感想・ネタバレ】別冊NHK100分de名著 「平和」について考えようのレビュー

あらすじ

Eテレで放送された特番「100分de平和論」のムック化。フロイト『人はなぜ戦争をするのか』、ブローデル『地中海』、井原西鶴『日本永代蔵』、ヴォルテール『寛容論』という4冊の名著を読み解きながら、平和のために「いま私たちができること」を考える。

[主な内容]
第1章 心理学から考える フロイト『人はなぜ戦争をするのか』 斎藤 環──平和のためにできることは、対話である
第2章 経済学から考える ブローデル『地中海』 水野和夫──平和のためにできることは、よりゆっくり、より近く、より寛容に
第3章 江戸文学から考える 井原西鶴『日本永代蔵』 田中優子──平和のためにできることは、信頼を作り出し、それを持続すること
第4章 哲学から考える ヴォルテール『寛容論』 高橋源一郎──平和のためにできることは、Pray, and think

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Posted by ブクログ

一年に一回のペースでO.A.されているスペシャルは特に内容、人選ともに大変興味深く蒙を啓かれる。経済、心理、歴史。つまりおよそ平和を取り巻く全方位から論考、議論されるため、立体的かつそれぞれの書のエッセンスにとどまらず、タイムリーな論議にもなっており、実践実用的だ。
 とりあえずは過去作をコンプリートしようかと。

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2019年04月09日

Posted by ブクログ

ロシアのウクライナ進攻。
中東でも中国、北朝鮮でもなく、東欧の文明国と思っていたロシアが、まさか。
スマホによって、リアルタイムに発信される戦況。被害を受けたウクライナの人々の、生の声と表情は、戦争というものの圧倒的な破壊と惨状を物語っていて、それが今まさに起きているということをダイレクトに伝えている。
戦争とは何なのか、平和とは何なのか、少しでも考える端緒を得たいと思い読みました。
フロイトのエロスとタナトス、ブローデルの地中海、西鶴の日本永代蔵、ヴォルテールの寛容論。時代も場所もそれぞれ異なる著作から、平和とは何なのかを考えるためのヒントを興味深く与えてくれる。
死の欲動によって避けがたく攻撃性を孕んでいる人間は、経済的格差や宗教上の信仰の相違などから、他者を攻撃する。
生の欲動は、それとは反対に、他者を理解しようとし、継続的な対話に努める。人に対してだけでなく、物に対しても持続可能なあり方を体現していた江戸時代の知恵や、多くの人たちと分かち合うことのできる文化、芸術。
他者に対して寛容であることを志向すること。
それらを祈り、考え続けること。

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2022年03月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

フロイト『人はなぜ戦争をするのか』、ブローデル『地中海』、井原西鶴『日本永代蔵』、ヴォルテール『寛容論』。心理学、経済学、江戸文学、哲学と、それぞれ切り口は違えど、平和の維持と創造のヒントを名著から見出せる。

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2016年07月14日

Posted by ブクログ

*フロイト
死の衝動を飼い慣らすには:ギャンブル、ゲーム、マンガ、スポーツ、お笑い
中井久夫『「意地」の心理』。日本人は目的がある時ではなく、意地になった時に一番粘る。戦争は過程(プロセス)、平和は状態。プロセスには目的、意義、戦略がある。期限もある。

*ブローデル『地中海』
現代と相似をなす16世紀の地中海。格差を必須とする資本主義。

*井原西鶴『日本永代蔵』
江戸260年の平和とは

*ヴォルテール『寛容論』
理想主義、素朴主義。理性的になれないからこそ、ヴォルテールは理解されない。

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2024年10月28日

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