木原音瀬のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
木原作品のセオリーとは少し外れているかもしれない。
木原先生の描くカップルたちは大体がお互いを嫌いあっているところから始まる。
それが度を越していて、憎悪しているようなケースもある。
しかし月に笑うに限っては終始お互いを思いあっていた。
お互いに相手しかいなかったからだ。
両親がいなく、ヤクザの信二を無償で慕ったのも。
エスカレートしたいじめから路彦を掬い上げたのも。
はっきりとした告白は無かったけれど、物語の初めからずっと両思いだったと思われる。
2人を阻むのは、同性同士という柵でも無く、相手の気持ちがわからないという不安でも無い。
お互いを思う気持ちだった。
極道に巻き込みたくないから、これ以上関わらせたくない。
でも、会いたい。
怖いけど、どうにか出来る力なんてないけど、
信二さんを助けたい。
作中では路彦と信二が出会ってから実に6年以上ものの時が流れる。
ヤクザものらしく、命をかけたいざこざなんかもあるが、2人の関係を確固としたのはそんなつり橋現象では無い。
一緒にいたいと思い続けた6年間だった。 -
Posted by ブクログ
上下巻あるのでこちらにはあらすじを書きます。
レビューは下巻から。
自殺した斎藤の変わりにクラスでいじめの標的にされていた路彦。
いじめは日増しにエスカレートし、遂には集団リンチを受ける始末になった。
夜の公園で裸に剥かれていた路彦を助けたのは、何故か斎藤の死についてかぎまわっていた下っ端ヤクザの山田信二だった。
弱っちょろい路彦に苛立った信二は、喧嘩の仕方を教え始める。
「勝ったら報告する」
そう言って2人はメアドを交換しあった。
未成年なのに煙草や酒を勧めてくる。
無修正のAVを見たり、青姦するカップルを覗き見たり、マックを奢ってくれた次の日にマックを奢らせたり。
めちゃくちゃな信二に振り回される路彦だったが、不思議と嫌では無かった。
むしろ連絡が来ることを心待ちにしていた。
「しょうがないよ。そんな信二さんが好きなんだから」
そのうちに、信二はヤクザとして成り上がっていく。
路彦は少年から大人になる。
「いつまで俺らと遊んでくれるんすかね」
悪の回りには磁石のように悪が集まってくる。
しかし路彦だけはいつまでも変わらないような気がしていた。 -
Posted by ブクログ
「もう、何も考えなくていいから。僕のものにしてあげる」
組長の息子惣一につく信二と、信二にヤクザをやめてほしい路彦のお話。
後半かーなりハラハラしましたが(木原さんの作品ということもあり笑)落ちるところに落ちてくれてよかったよかった。そしてラブ度の方はずっと高いイメージ。
下巻はずっと信二視点なこともあり、路彦以外頼れる人がいなくなったあたりの信二のズタズタな心中がダダ漏れで、可愛そうで可愛かった~。
空回りまくりの信二さん素敵(笑)そんな信二さんが大好きなみっちゃん最高。
上巻と下巻で、同じような状況下で2人の立場が逆転しているシーンがありますが、そこで2人の性格の違いと歳月を感じました。信二の方が脆いのか、愛が深まったのか・・・両方か。
なにはともあれ、今作も非常にのめり込ませていただきました。ありがたやー!