木原音瀬のレビュー一覧
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「WEED」のスピンオフ。前回、堂々の性根の腐った男だった谷脇が主役。
そんな谷脇が、どんな恋愛をするのか興味を引かれるものがありました。
容赦なかったですね…あのまんまの最低男でした。
ターゲットにされ、あっさり餌食とされてしまったのは、気弱で流されやすそうな医学生の松本。
谷脇にいいように弄ばれてしまいます。最初は逃げ腰だった松本が、自分に堕ちた時の谷脇がほんとに酷くて許せませんでした。
救いようのないストーリーでした。こんなに酷い攻、どうにかして懲らしめてやりたい!天誅が下ればいい!と願いながら読んでしまいました。
なのに、あっけなくバドエン…
酷いのは谷脇じゃなくて、ひょっとしたら木原センセ??
あんな健気に不幸な人生を耐え抜いてきた子に、淋しい結末を与えてしまうとは、センセ鬼畜過ぎ…!谷脇との最後の逢瀬のシーンは切なすぎてボロ泣きでした。
ほんとに、谷脇って人間的に最低です。でも、一番ショックを受けたのは谷脇ですよね。酷い谷脇ですが、しっかり罰は下っているんじゃないかと思いました。愛することを理解していない男だけど、大切なものを失ってしまったのは事実。
一見、受ばかりがかわいそうで理不尽に感じるけれど、最終的にこうして双方への不幸の配分?がちゃんと合っているから、まあ辛くても最後まで読めるのかなという気がします。
胸をかきむしられるような、とても切ない読後感でした。
同時収録は、ガチ兄弟モノ!優秀な兄の影で両親からないがしろにされてきた弟が、ツンなお兄ちゃんとデキてしまいます。
もだえまくりました!素直になれないお兄ちゃんのツンに、弟ともどもメロメロにされてしまいました。ケンカしちゃって、後悔してぐるぐるして、最後は仲直りHの繰り返しww甘くてすごくよかったです。 -
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ネタバレ上下巻の感想をまとめて以下に。
他に頼る者のいないいじめられっ子中学生路彦が下っ端ヤクザの信二に惹かれ、信二もまた路彦の存在に癒され、そんな二人の関係が発展していくのがものすごく自然だった。
いじめられっ子で泣き虫なチン彦もかわいくて好きだったので下巻の表紙絵だけ見てもちょっと動揺したくらいだったけど、いざ読んでみれば全く抵抗なく、むしろチンピラヤクザ攻め×いじめられっ子体質受けからの下克上は意外性もあって正直凄まじい萌えがあった。成長した路彦の逞しさと、根っからの悪にはなりきれない信二の良くも悪くも弱い部分、それが顕われたのがあの廃車の中から信二がかけた電話にあった路彦への「助けて」だった。それ以降はもう弱くて危なっかしい信二がかわいくて仕方なく、路彦は路彦でそんな信二さんを守る頼りがいのある男前になっていてびっくりするくらいかっこいい。
最後は助長に感じなくもないけど、信二と路彦が大好きになっていたのでハッピーエンドが見られて良かった。 -
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受けも攻めもしっかりカッコイイ男性に描かれているのは、久々な気もします。
そしてなにより、木原先生の原作。
それがいいだけではありません。
一番感動したのが、「かなりしっかり書き込まれた背景」
最近のマンガや、特にBL系は、かなり背景が白かったり、出来合いの背景だったりすることが多いので、すごい久々にまともなマンガを読んだ気がしました。(20年以上前から活動されてるマンガ家さんで背景がおろそかなんてほとんどないし)
そして、この、色々一筋縄ではいかないかんじ。
これは、正直マンガではあまり満足に読めないので、本当にこのコラボに感謝致します。
しかし、正直、このふたり、この時点ではくっつく気がしないんですが…(どきどき)。 -
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ネタバレ最初のうち、受けのロンちゃんに出会ってから少し経つまでの攻めのモモがあんまりにしょうもなくて、今からこんなしょうもないおっさんの恋バナを読むのか…と思いながら読み進めていました。でも読み終わると、そのおっさんが自分の中でお姫様に変わっていました。受け攻めで言えばロンちゃんがお姫様ですが、それはまた別として、弱くて、寂しがりで、守ってあげたい可愛い人は、私はモモの方だなと思います。一方ロンちゃんの0か1かしかない実直さも、これ以上ない王子様気質だと思います。身も心も削り合って関係を築くと言うよりは、納まるべき組み合わせの二人が納まるべき場所に納まるべくして無事納まった感じの安心感。あまりにもファンタジーなのに皮肉に感じないのは、お姫様が特別なことは何もない、むしろマイナススタートのしょうもないおっさんだったお陰かなと思います。「王子様とお姫様は、末永く幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。」そんな決まり文句で本を閉じたくなる、心温まるお話でした。
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後半、家族だと思って信じてきたものから裏切られ追い詰められていく山田。不幸な生い立ちからヤクザになるしかないと思っていたけれど、ヤクザになるには優し過ぎる繊細さ。その弱さも引っくるめて全てが愛おしい。
そして、路彦の甘ったれの中に見え隠れしていた肝の座った強さ!極限状態になって泣きながら路彦に縋る山田を優しく包み込む路彦…まさに下克上的展開なのですが、そんな軽い言葉では語れない程、紆余曲折を経てやっと愛に辿り着いた自然で必然な流れだと思います。
背中の龍が、ヤクザになりきれない山田を笑っているかのように滑稽ながらも美しい。
僕の人生のそばに来てくれてありがとう…なんて素敵な愛の台詞(*^^*)を恥ずかしげもなく言ってしまう路彦と悪態をつきながらも嬉しくて涙ぐんでしまう山田にキュンキュン\(//∇//)\します。読んでいる私も胸が熱くなり涙したラストでした。 -
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『WEED』で若宮と一緒に雨の中をただ走っていただけの岡田を自分たちが「楽しい」と言うゲーム感覚だけで強姦するようなそう言う嫌な奴である谷脇は、淋しい奴だよ…淋しい奴である、とは誰にも言って貰えないくらい淋しい奴で、もし言う人間がいたとしても「お前に言われる筋はない」と
切り返すような淋しい奴だ。淋しい奴だが、ゲーム感覚で人を操ることの方が喜びである谷脇にとっては、他者の存在など自分と同じ人間として認識していないので、憐みの気持ちで自分を見る人間がいても考え方の相違で片付けてしまえるだろうから、谷脇本人は痛くも痒くもない筈だ。社会的ステイタスが自分より劣る人間は、谷脇にとっては自分を取り巻く世界のパーツでしかないから。
同時収録の『Green Green』、珍しくと言うほど読んでないけど、木原作品にしては真っ当なくらいBLっぽかった(笑)こう言う表現は可笑しいのかも知れないけど。実の兄弟モノ、頭でっかちで弟をバカにしてた6歳年上の兄が可愛くなっちまうのが痛快だった。 -
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木原作品の容赦のなさは、物語の主軸として描かれる登場人物に対しての周囲の人たちが、それなりの対応をする、と言う部分にもあると思う。
読み手はどうしても主人公周辺の人物に肩入れする。自分の身に置き換えて読む人もいるだろうし、知っている人に似ているとか、そう言う目で見てしまうかもしれない。感情移入まではいかなくても、傾きながら読んでいると思う。その傾きを、登場人物への慈悲や贔屓で表してほしい、と身勝手な願いを時に抱いてしまう。これだけ辛い目に遭っているのだから手加減してやって欲しいとか、報われるようにして欲しいとか、読み手としては
手を貸せないので、周囲の人間に動いて欲しいと願ったりするが、上巻の時もすごく感じたが、あくまでも登場人物たちの世界の中で彼らは生きているわけで、いきなり「いい人」になったりはしないもんなのである。自分の人間関係を考えればよく解る。思いもよらなかった人から助け船が出されるなんて、早々経験できるものじゃない。早々出来るものじゃないものは、物語の中でも早々起こるもんじゃないのだ。これを、「容赦がない」と表現されるんだろうな、とも思うが、こう言うところに「逃げない」作家さんとして、信用度が個人的には上がるんだけどなぁ。