木原音瀬のレビュー一覧
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BL界の直木賞受賞でもOK!
愛する人は他にいるけど生きるために必要な心の支えは目の前の男、そんな身勝手で打算的である意味リアルな恋愛のあり方に途中何度も胸がもやつく。そして身勝手な男の心情が状況の変化と共に切実に移り変わる度、胸のもやつきは濃霧となり、何とも切なくやるせなく、時にヒリヒリと胸に痛い。ああ、もう勘弁してくれよ、と何度も思い、幸せな落とし処を祈りながら読んだ。読者にこれほど過多なストレスを与えながらもグイグイと惹き付けてやまないなんて、やっぱり木原音瀬さんって作家は凄い。だが中でも、ラストがちゃんとストレスフリーにまでもってってある本作は特に凄いエンターテイメント作品だ。『箱の中』『檻の外』がBL界の芥川賞ならば、コレはBL界の直木賞でも受賞して欲しいくらい。ちなみにコミカライズされた方も読んだが、こちらは力不足、小説だけで120%充分だった。
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Posted by ブクログ
やはり東京編は嵐の前の静けさだったらしい。ここからが木原さんの本領発揮…痛いです。痛いんだけど夢中でページを捲る手が止まらず一気読みでした。ニューヨーク編になってからも秋沢が殆ど成長していない思考回路なのはさすがw人間そんなに簡単に成長する訳はありません。ただ少しずつ引くことを覚えているのかなぁ 一途なのは変わらないしこのまま少しずつでも相手の気持ちが分かるようになっていってほしい。まだまだ時間はかかりそうだけど。救いはラスト楠田が怯えるでもなく本来の楠田に少し戻っていたことかな。いろんな意味で楠田も時間が止まったままだしそれが少しでも動きだしたらいいと願わずにいられないラストでした。
木原さんの素晴らしさは続きが読みたいな…って思わせるラストでいつも終わっていること。決して到達点ではなくこれから愛が育まれていくやもしれぬ始まりで。だから全てのストーリーが尾を引くしいつまでも心に残るのだと思う。とりあえず今回も続き…続きが読みたい! -
Posted by ブクログ
またしても強烈な攻めキャラに木原さんの文章の面白さが相まってコメディじゃないのにクスクス笑いながら読みました。図体だけ大きくて中身は子供で常識の欠片もないとんでもない男なのにだんだんいじらしく可愛く見えてくるのが木原マジック!そんな彼に振り回される楠田は至って常識的な普通な男なのに読者同様だんだん絆されて煩がりながらも秋沢を憎からず思っている様子…ん?今回痛くないぞ?つか木原さんにしては甘い?ような気もするけれどまだ前半戦。きっとこのまま穏やかに愛を育む訳ないんだろうな…嵐の前の静けさ的な?ニューヨーク編怖いけど期待して読みたいと思います。
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Posted by ブクログ
ネタバレ予想以上に糖度の高い前編から、一体どんな酷い展開が
待ち構えてるのかと、ありとあらゆる想像を巡らせて
読み始めた後編ですが……。
いやぁ……予想の斜め上いきすぎてたわ。
酷いなんてもんじゃなく、痛い。
アイタッ、アイタタタッ!
って感じで身も心も痛い。
楠田が気の毒すぎて、前編でちょっと可愛いなと思った
秋沢、じゃないアホ沢、楠田じゃないけどこいつ本当に
死ねばいいのに、とまで思いました。
普通のBLだと強姦輪姦された受って、怖がりつつも攻に
お清めエッチされてめでたしめでたしなんですが、そこは
やっぱり木原さんでした。
そうよね、これが普通の反応なのよね、と妙に納得。
とにかくこのアホ沢、いや、クズ沢か……?
歴代クズ攻の中でもぶっとんでます。
谷脇、廣末を越す私の中でのクズ攻認定トップの勢い。
話が通じないを通り越して、まるで人形に話しかけてる
気分になるくらいに、この男には自分が言ってることが
通じないのです。
そんな話が通じない、理解してもらえない、感情の振り幅が
極端すぎて、言葉を間違えたら殺される……という男から、
楠田はついに逃げ出してからの書き下ろし。
ここまではアホ沢ざまぁ、と胸がすかーっとしてたんですが、
視点がアホ沢になったと同時に……な、なんでしょう。
なんでしょう、この胸苦しさ。
今度はアホなのにアホ沢が可哀想なキモチになって
しまいまして。
完全にほだされてしまった私は、楠田の気持ちがわかって
しまいました……。
怖くて、怖くて、どうしようもないトラウマまで抱えても
なお、勇気を振り絞った楠田に涙が。
そして楠田の前に頭を垂れたアホ沢の、少しだけ変わった
姿、そのうなじに涙を落とした楠田の姿、ラストのページが
あまりにも美しくて、読み終わって余韻に浸りながら
表紙を見ると涙腺が……。
あとがきで木原さんが前編は甘口で後編は辛口とか言って
ましたが、そんな甘いもんじゃないです。
確かに前編は木原さんにしてはカレーの王子さまかって
くらい甘いですよ。
でもでも後編は、例えるなら本格インドカレー店の辛さ
レベル100倍(激辛)だと思うんですよ。
そのくらい痛苦しく見てられません。
でも見てしまうこの不思議。見ずにいられません。
このふたりが、というか秋沢がどんな風に少しずつ変わって
いくのか、是非とも続編を希望したい。
同人誌の方はまだ積んでますが、これから読みたいと
思います。
久しぶりに大満足したお話でした。
インターバル走を限界まで走らされた気分。
執着攻、ヤンデレはBLでは1ジャンルとして確立されてて、
それを得意とする作家さんもいますが、このアホ沢は
それを遥か凌駕するレベルのヤンデレ執着です。
突き抜けてすぎてて背筋が寒くなります。
好みが凄く分かれる話だとは思いますが、私はCOLD
シリーズ全部本棚に並べてにやにやコースでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレなんで、こんなどうしようもない男に惚れるのか
イヤイヤ付き合ってたくせに
こんなことになってんのか
意味わかんない、と思った『~IN TOKYO』の続き。
かくして無茶苦茶にされて
相手が怖くなって死んだことにして逃げて
それから、な『~IN NEWYORK』
どう落としどころを見つけるんだろうと思ったけれど
上手いな、と思った。
楠田は秋沢をいつかは許せるのかもしれないと
そういう期待を抱かせる終わり方は
本音を言えばありえないだろう、だけど
BL的にはまぁいいんじゃない。
個人的には追いかける秋沢が、なんでなんでと
自分に問いかける様が凄くよかった。
それでもまだ不十分なんだよ、と思いつつも
少しずつ変わろうとする秋沢がよかった。
なのでこの本に前半のエグイ部分のある話よりも
その結果楠田に逃げられ、さんざん避けられて
好きなのに好きなのにと自分のことしか考えない
秋沢が変わっていく『~IN NEWYORK』の方が
私は好き。
面白かったです。 -
Posted by ブクログ
木原作品は、やはり一筋縄ではいかない手強さでした…
前回の成り行きにふんわりしていたかと思ったら、奈落の底へ一直線。案の定、突き落とされます。
きっかけは相手を御するための恋愛モードだったのが、もはや本気の付き合いであることを自認する楠田。
だからこそ、受け入れられないこと許せないことが、秋沢にはまったくわかっていません。
人の心がわからないアホと愛し合うことで味わう失望に震撼とさせられます。失望どころか、これはもう恐怖の段階。
楠田は何とかして自分の気持ちを秋沢に伝えようとするものの、人の気持ちを慮ることができず、自分の感情ばかりを人に押し付け、好かれるための努力もしない相手には何ひとつ通じることもありません。
秋沢のクズで幼稚な人格のせいで、恐ろしい状況に陥ることになる楠田です。
客観的に見てこれは許されません!楠田の味わった恐怖を思うと読んでいてもう耐えられませんでした。
「FRAGILE」も酷かったけど、これは酷すぎ。そして悲しいのは、楠田の中に秋沢に対する「情」がまだ残っているところです。
秋沢も憎しみでストーカーのごとくつけまわしているのではなく、愛しているからこその仕業なのが辛いです…
誰かこのアホ犬に常識ある大人の行動を躾けてくれないでしょうか?
書き下ろしは秋沢視点で、ヤツのいじらしいところがぽつぽつ見えて、コキ下ろし罵倒しながらも、あまりにおバカであわれで泣けます。
私見として、二人に幸せな未来は不可能に思えるんですが…
秋沢はめちゃくちゃがんばりそうですけどね~
でも、もしもこの先に二人の幸せがあるのなら、ものすごく見てみたいです!そんな気持ちにさせる壮絶なドラマです。
センセも甘い時間に至るまでには、あともう一冊必要そうとおっしゃってるので、ぜひぜひ薄い本ではなく商業誌で後日談を出して欲しいです、プリーズ。 -
Posted by ブクログ
COLDシリーズのスピンオフ。楠田編はちらちらと雑誌で読んでいました…
こうして一冊になると、けっこうラブラブな話になっていて、いいところで終わっているような。続きは怯えながら覚悟して読まなくちゃいけないですね。
最初はラブがひとかけらも見えてこないお仕事もののような展開なんですが、その語り口の面白さ、描写の上手さであっという間に引き込まれてしまいます。
華やかな芸能界やアクセサリー業界が舞台になっているのも、興味津々になるところです。
楠田は登場人物の中ではとても常識人なキャラなので、ぜひふつうに幸せになって欲しいと願っていたんですけどね~
変な芸能人にロックオンされてしまうのです!
本編のあの透も相当だと思ってたけど、さらに上をいくエキセントリックな男が、秋沢です。
役が「憑依」したビフォーアフターの秋沢の描写は鬼気迫るものがあって、とにかくすごいです。
天才肌と呼ばれる人の一部には、こういった熱意や執着が突出していることが無きにしも非ずですけど、そうとは言え秋沢に関しては度がすぎています。
子供っぽいというか、感情のコントロールができないというか、空気が読めていません。
そんな秋沢に対して、その才能は認め魅了されつつも、人格に対しては心の中でツッコミまくる楠田。そして、エキセントリックな秋沢の行動に怯え、どうにかして彼をコントロールしようと策を講じます。
それが「俺のこと、絶対に絶対に裏切らない?」の言葉と重なって、以後ますます怖くなって心臓がドキドキしてしまいます…
その場をしのごうと誤魔化しただけが、気がついたら恋人同士みたいなことになるなんて、泥沼にズブズブって怖いです。
確かに、楠田はそもそも潜在的に秋沢に魅かれていたのだとも受け取れるし、身体から入る恋愛関係もあるし。
現在のところ、二人はラブラブです。指輪の件では不覚にも秋沢にキュンとなってしまいました。…でも、その後のHがやっぱりね…というかんじでしたw
一途に楠田を慕って、執着している姿は嘘じゃないから許せます。
Hシーンは楠田に萌えまくります。まさかのエロス!
妄想が脳内で炸裂しました。
でも、これからの展開を思うとどうなんでしょうね…心配です。
楠田が幸せであって欲しいんです!
透と藤島も少し登場していたけど、ちゃんと幸せそうで安堵できました。
次回書き下ろしもいっぱいあるようなので、どんな展開で読者をまた圧倒させてくれるのか、非常に楽しみです! -
Posted by ブクログ
あのCOLDシリーズのスピンオフということで楽しみにしていました。
楠田くん、まさかの展開です(笑)
そしてまだ続きます。でも、元祖COLDの二人みたいにはこじれないんじゃないかな……。
しかも、ステージは、楠田兄弟の立ち上げたアクセブランドのイメージポスターに、透と藤島さんの写真が使われたエピソードの後で、ちらりと元祖カップルも出てきます。それがなによりご馳走様、かつ、読み出したら止められず一気に読み切りました。
あの楠田が、な展開ではありますが、個性的なその相手役の役者がまたとても魅力的で早くも続きが気になります。
藤島さんと透の話は読むのも聴くのも体力が入りましたが、こちらはわりと軽くいけます。そして、どこかがドラマCD化してくれることを切に願ってます!
あれ。そういや、発売日まで数日あるのにメイトさんありましたね。ラッキーですが! -
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COLDシリーズコミカライズ第2弾。やっとコミックスになりましたね。3年以上待ってた甲斐のあるクオリティでした。原作の持ち味を壊さず、繊細かつ丁寧な作画で物語を描き出していて素晴らしいと思います。
読んでいると、またしてもどっぷりはまりきってしまい、何度も泣いてるはずなのにやっぱりラストは涙が止まらなくなりました。
涙、涙です。
どれもこれも印象的で衝撃的な場面の連続なんですが、特にコミカライズにあたってこれは…!と思ったのが藤島の母親。絵にするとまたいっそう怖いです。イメージどおりだけど。回想シーンの透の脹れ方もハンパなくて、いたましさがいっそうこみあげてきます。
こういった、大切なシーンをきっちりはずさず的確に切り出してみせてくれるからこそ、感動も大きくなります。
麻生センセのマンガの描き下ろしと、木原センセの小説の書き下ろしがついていてボリューム感が相当あります。とっても満足。小説は記憶が戻る前の内容で今後に繋がっていて、漫画の方も甘すぎるくらいなんだけど、そんな幸せな日常があるからこそ、これからの怒涛の展開に震えてしまうんですよね…
この後、続けさまにスピンオフの小説も出るし、久々にCOLDシリーズで号泣する日々を送ることになりそうです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ木原さんにしては珍しくあったかい恋愛モノのお話です。
書き下ろしの深呼吸2では、受けの榛野さんがかわいくって胸がぎゅんぎゅんしました。
欲求を満たすために男とは寝ていたけど、ちゃんと恋をしたのは初めてだったんですよね。谷地さんに嫌われたくなくて不器用ながら一生懸命なところとか、たまりませんでした。
個人的に一番ファッ!となったのは谷地さんの脇を見て鼻血出すシーンです(笑)
谷地さんも最初は榛野さんに押され気味だったのに、思いが通じてからはグイグイくるタイプだったので、終盤はずっとドキドキさせられました!
物語は完結していますが、その後の2人がとても気になる素晴らしい作品でした。 -
Posted by ブクログ
木原さんの作品は読んだうち1/3くらいは、BLというジャンルに入れるのをためらいます。
BLのレーベルからでてるからそこに入れてるだけ、、といった感じで、読み物としては純文学でもいいのじゃないかと思っています。(もっとも、この純文学と言う分け方も、どうも個人的には眉唾物で好きじゃないんですが、行ってしまえば、そもそもジャンル分けに何の意味があるのか?とか言う疑問から始めなくてはいけないので、あくまで、あとで思い出す時の目安程度、、、ということで)
さて、妄想癖のある主人公と、彼が出会った脳機能障害のある男性との話ですが、この主人公の感情の推移に絡ませる妄想の扱い。その表現の上手さに、ページを繰るのをやめられない。
メインのお話のあとに、相手の男性の周辺のお話が2つあるのですが、特に2つめは、多分BLというものが読みたいと思ってる読者には全くなくてもいいものでしょう。
でも、メインの話でゆっくりとそのキャラに魅かれた読者は、きっと優しくなるために読めて良かったと思うでしょう。
BLというジャンルで出された文庫にこういう話を入れて来られるのは、さすがというか、木原さんの読者層がそれをちゃんと受け取れると解っているからなんだろうなと思えます。
ここのところ軽いBLで、散々失望して、ここに書く気も起きなかったものばかり立て続けに読んだために、久しぶりに引っ掻き回した本棚に、読み忘れていたこの作品があって良かったです。 -
Posted by ブクログ
ヘテロでプライドの高い頭のいいお兄ちゃんが、ワイルドだけど堅真面目なゲイのAV監督とプラトニックな恋人関係になり!?
とにかく萌えまくる!真面目にデートをしようとする十亀も可愛いし、冷静にみえて子供っぽい万も可愛い!
2巻もすごく楽しみだ
あらすじ>
ラブホテル『キャッスルマンゴー』に住む兄弟、万(よろず)と悟(さとる)。ある日、AV撮影のために訪れたゲイの監督・十亀が悟と仲良くしているのを心配した万は、一晩寝たフリをして十亀を騙し、自分と付き合うように仕向ける。高校生とは肉体関係をもたないという倫理観がある十亀は、キスまでしか手を出してこない。ゲイではない万は最初は引いているけど、快感によってなのか少しずつ十亀に惹かれていき…