木原音瀬のレビュー一覧
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受けも攻めもしっかりカッコイイ男性に描かれているのは、久々な気もします。
そしてなにより、木原先生の原作。
それがいいだけではありません。
一番感動したのが、「かなりしっかり書き込まれた背景」
最近のマンガや、特にBL系は、かなり背景が白かったり、出来合いの背景だったりすることが多いので、すごい久々にまともなマンガを読んだ気がしました。(20年以上前から活動されてるマンガ家さんで背景がおろそかなんてほとんどないし)
そして、この、色々一筋縄ではいかないかんじ。
これは、正直マンガではあまり満足に読めないので、本当にこのコラボに感謝致します。
しかし、正直、このふたり、この時点ではくっつ -
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ネタバレ最初のうち、受けのロンちゃんに出会ってから少し経つまでの攻めのモモがあんまりにしょうもなくて、今からこんなしょうもないおっさんの恋バナを読むのか…と思いながら読み進めていました。でも読み終わると、そのおっさんが自分の中でお姫様に変わっていました。受け攻めで言えばロンちゃんがお姫様ですが、それはまた別として、弱くて、寂しがりで、守ってあげたい可愛い人は、私はモモの方だなと思います。一方ロンちゃんの0か1かしかない実直さも、これ以上ない王子様気質だと思います。身も心も削り合って関係を築くと言うよりは、納まるべき組み合わせの二人が納まるべき場所に納まるべくして無事納まった感じの安心感。あまりにもファ
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後半、家族だと思って信じてきたものから裏切られ追い詰められていく山田。不幸な生い立ちからヤクザになるしかないと思っていたけれど、ヤクザになるには優し過ぎる繊細さ。その弱さも引っくるめて全てが愛おしい。
そして、路彦の甘ったれの中に見え隠れしていた肝の座った強さ!極限状態になって泣きながら路彦に縋る山田を優しく包み込む路彦…まさに下克上的展開なのですが、そんな軽い言葉では語れない程、紆余曲折を経てやっと愛に辿り着いた自然で必然な流れだと思います。
背中の龍が、ヤクザになりきれない山田を笑っているかのように滑稽ながらも美しい。
僕の人生のそばに来てくれてありがとう…なんて素敵な愛の台詞(*^^*) -
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『WEED』で若宮と一緒に雨の中をただ走っていただけの岡田を自分たちが「楽しい」と言うゲーム感覚だけで強姦するようなそう言う嫌な奴である谷脇は、淋しい奴だよ…淋しい奴である、とは誰にも言って貰えないくらい淋しい奴で、もし言う人間がいたとしても「お前に言われる筋はない」と
切り返すような淋しい奴だ。淋しい奴だが、ゲーム感覚で人を操ることの方が喜びである谷脇にとっては、他者の存在など自分と同じ人間として認識していないので、憐みの気持ちで自分を見る人間がいても考え方の相違で片付けてしまえるだろうから、谷脇本人は痛くも痒くもない筈だ。社会的ステイタスが自分より劣る人間は、谷脇にとっては自分を取り巻く世 -
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木原作品の容赦のなさは、物語の主軸として描かれる登場人物に対しての周囲の人たちが、それなりの対応をする、と言う部分にもあると思う。
読み手はどうしても主人公周辺の人物に肩入れする。自分の身に置き換えて読む人もいるだろうし、知っている人に似ているとか、そう言う目で見てしまうかもしれない。感情移入まではいかなくても、傾きながら読んでいると思う。その傾きを、登場人物への慈悲や贔屓で表してほしい、と身勝手な願いを時に抱いてしまう。これだけ辛い目に遭っているのだから手加減してやって欲しいとか、報われるようにして欲しいとか、読み手としては
手を貸せないので、周囲の人間に動いて欲しいと願ったりするが、上巻の -
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萌えと笑いのツボを一挙に突かれまくり!まれに見るBLの傑作(怪作?)です。
オネエ攻という友晴のキャラにやられます。見かけとのギャップ感ある乙女な語り口&行き届いた心遣い。でも、バリタチだったりするところがモロ好み。
万引きの冤罪を晴らし助けてあげた超ダサくてオタクな松尾に懐かれて、彼のためにゲイである事を隠し友情を育むことになるのですが。
オネエなゲイとキモオタという組み合わせが面白いし、それがいかにもな感じで描かれていて、よく観察しているなと思うと同時に二人をとても身近な存在に感じることができます。友晴の思いやりあふれる優しさや、女子より気が利いてデリケートなところなどは頷けるものがある -
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ネタバレ裸ん坊3部作の中で、このWEEDが一番好きです。
傍若無人でプライドはエベレスト級。
嫌なことがあればすぐに人に当たり散らし、後輩相手に嫌味をたれる、超我儘男、若宮。
人としてどうかと思うような、兎に角いちいち腹の立つ男なんですが、こいつが何だか憎めない……。
注いでも注いでも満杯にならないコップみたいな若宮相手に、岡田は本当に懸命に愛を注ぎます。
でも、岡田も若宮と一緒で、やっぱり愛に飢えてる感じがたまらなかったです。嫉妬深くて、愛がないと生きていけないタイプなのが身悶えするほど萌える。
2作目を示唆する内容の書き下ろしが、とてつもなく良かったです。
読んでてすぐに松本の事だなと思ったんで -
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ネタバレこの作品大好きで、付箋貼ったりよれたりと、人に貸すのが恥ずかしいくらいボロボロになってしまってます。
物語を総括して言うならば、まさにタイトルの通りです。
どんなに取り柄のない人間でも
どんなに病気や身体が不自由でも
どんなに外見不細工でも
どんなに年を取っていても
どんなに性格が悪くても
どんなに狡くて卑怯でも
どんなに強引で自己中心的でも
どんなにしょうもない人間でも
そして過去にどうしようもない罪を犯してても、それら全てを包み込んでくれる、愛してくれる人間が押しつけがましくなく、ごくごく自然な流れとタイミングで恋に落ちるという木原マジックの不思議。
主人公のモモは、前科三犯、シャブ