太田忠司のレビュー一覧
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『名古屋駅西喫茶ユトリロ』シリーズの五作目ですね。
主人公龍(とおる)の成長物語を通して、名古屋名物と謎解きを楽しませてくれるシリーズです。
今回の謎は、曾祖母の千代が入院して、龍が看病していた時に、千代が寝言で『河童さん、踊ろまゃあ』と言った、意味の解明になる。
そこから、名古屋の歴史に迫る事に………?
そして、『喫茶ユトリロ』を営む祖父もまた、入院してしまう。
『喫茶ユトリロ』の存続が危ぶまれるなか、龍はある決心をすることに………?
太田さんの主人公は、自分のやっている事が正しいかどうか逡巡する。石橋を叩いて渡る性格をみせるが、龍もあれこれ迷う。周りの助けを借りながら、答えを -
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読み始めたとき、主人公の余りの理屈っぽさに、何?この人が和菓子?ん?と思ったのですが……
実直な主人公涼太。理屈っぽいのに、言っていること、考えていることは的を得ていて、憎めないキャラ。
そんな彼と出会い、涼太に影響を受けながら奮闘する、製菓学校の仲間たち。
自分が何をすべきか、自分とは何なのか、自分を見つめ、考え、作り続ける。
和菓子、洋菓子、パン……と進む道は違っても、叱咤激励しあえる仲間に出会えることって、何て素敵ことなんだ!と。
コンテスト出場の際には、なんだかうるっとしました。
涼太の境遇は有り得ないくらい豪華な?設定でしたが、とても眩しく、羨ましいストーリーでした。
ラスト。 -
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ネタバレ奇談蒐集家 (創元クライム・クラブ)
題名と装丁につられて読んでみました。
奇談蒐集家を自認する恵比酒氏の所に持ち込まれた奇談をその秘書役の氷坂氏が謎解きをするという趣向の連作短編集です。自分の影に襲われる話、鏡に囚われた姫の話、様々な超能力を持つ魔術師の話、連続誘拐魔水色の魔人の話に冬に咲き乱れる薔薇の館の話、邪眼の話。それぞれの謎解きにはあまり驚きはありませんが、全ての話を飲み込む形の”すべては奇談のために”には、正直言ってやられました。こういった締め方でくるとは。。。
竹蔵の各話が関連している連作短編好きという贔屓目はありますが、とても面白く読ませてもらいました。軽めの推理好きの方は是