【感想・ネタバレ】麻倉玲一は信頼できない語り手のレビュー

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死刑制度が廃止され、最後の死刑囚になった麻倉玲一。
語られる殺人事件のひとつひとつが興味深く、飽きさせない展開で面白かった。タイトルの意味がわかった瞬間が衝撃的。

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2021年12月31日

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星3.6くらいかな
「信頼できない語り手」をタイトルに盛り込んでいるのでそのつもりで読んでしまうが、これはこれで初めからワクワクできて良いな
(そんな事あるかな?)(登場人物達の動きに違和感が?)という変な感覚は徐々に高まっていき、転換した時の放り出され感は気持ちいい

途中からは某アイランドの映画みたいな着地かな、と想像していたが、それよりは薄い真相…そして畳み方の性急さ。説明として薄いのは作者も分かって書いてそう。
この物語を成り立たせるだけの納得いく動機は作れない気がするし、その時点で小説としてはイマイチに着地するのは避けられない。

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2023年09月16日

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ネタバレ

本屋で前面に押し出されており、徳間文庫大賞受賞というのと、表紙の煽りの「このラストは革命的!騙された!!」という一文に騙せれたくなり購入。

一章ごとの展開は面白くて350ページほどのページ数を感じることなく一気に読み終えた。

麻倉玲一というキャラは大物感が出ていて良かったし、結果的には煽り文通り騙される事になったのだが、目的の為の手段がいささかそこまでするの?という現実味があまりなくて、ラストのオチ自体は大きな威力は無かったのかなと。

ただ次はどうなる?という展開のストーリーは面白かったし、死刑執行後の展開にはスリルがあった。

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2022年11月24日

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わかりやすくてあっという間に読めました

私は最後のどんでん返しより、その過程のそれぞれの章の内容の方が好きだなぁ

ちょっと出来すぎな感じもするけど

死刑制度廃止とか書いてあるから
社会派の濃い内容だったらどうしようかと思ったけど
ちゃんとバッチリ
ミステリーでした

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2022年09月24日

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ネタバレ

 一応きちんと騙された。それは間違いない。最初に、信頼できない語り手だと明かされたことに。
 最後に明かされる「ナゾ」が、これで満足かと言われると、満足はしにくいか。
 頭で作ったような作品に感じる。頭で作ったことを忘れさせてくれるほどは、熱いものは感じないのは仕方ない。
 

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2022年02月06日

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クローズドサークル、孤島、信頼できない語り手、作中作。ミステリの要素ぶち込みまくり!これだけの要素を入れてそんなに長くないページ数でまとめてるのがすごい。「弟切草」とかのサウンドノベルゲームプレイした気分。

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2021年10月28日

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そうきたかぁ〜と久しぶりに思わされたミステリ。

『屍人荘の殺人』とはまた違う驚きがあった。
しかし死刑制度廃止とか、なかなか日本では難しそうな題材をネタにしたものだ。

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2021年06月05日

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ネタバレ

フリーライターの克也は、ある死刑囚に依頼されて、ある離島にある拘置所に招かれた。そこは死刑が廃止された近未来、終身刑を言い渡された人たちが集まる所である。その死刑囚は、死刑が廃止される前の最後の死刑囚である。その死刑囚が告白本を出すということで、取材に来た。次々と告白する殺人に至るまでのストーリー。しかし、新たな殺人事件が発生する。


後半までは、死刑囚の殺人日記といいましょうか、数多くの殺人を犯した死刑囚が、どのようにして犯行に及んだのかが書かれています。
自分の家族や関係者の親族といった殺人事件を各章ごとに紹介しています。

死刑囚・麻倉のキャラクター性が、スタイリッシュでカッコ良さが際立っています。自分勝手な論理的な思考ではあるものの、潔さも感じられました。

淡々と殺人日記が進行していくかと思いきや、後半あたりから事態は急展開。

後半からは、「え?どういうこと?」と思う展開が次々と出てくるため、どんな結末が待っているのか、いつの間にかページを捲るスピードが速くなっていました。

あの人は死んでいるのになぜ殺人事件が・・・。最悪の結末?と思いきや、何もなかったかのように別の場所にいる。

え?夢?と思った矢先、そこからの今までの隠された真相。今までのことがひっくり返されたような気持ちで、驚かされました。

被害者の家族だからこそ感じる加害者への怒りといった心理描写も書かれていますが、驚きの展開の流れの方が上回って、興奮しっぱなしでした。

ただ最後のほうでは、それまで驚いた分、スッキリと終わってくるのかなと思いきや、何となくモヤモヤ感の残る結末で終わったので、もう少しスッキリして終わりたかったなと思いました。

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2021年04月30日

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死刑が廃止された日本。高額な報酬に釣られて最後の死刑囚となった麻倉玲一という男のインタビューをすることになったフリーライター。外界から遮断された島にある民間の刑務所に赴き、麻倉玲一の話を聞くことになる。
まず設定が突飛。死刑が廃止されているのに死刑囚は存在する。制度の運用開始日より前に決まっていれば当然なのだけれど。
自分が起こした事件について語るような話かと思ったが、タイトル通り終盤からまったく違う話になった。主人公が島まで呼ばれた理由、刑務所にいる人間たち、最終的に繋がったので個人的には読後感は悪くなかった。ただちょっと非現実的な話だなと思った。

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2024年05月01日

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日本で死刑が廃止されてから二十八年。日本に生存する最後の死刑囚・麻倉玲一は、離島の特別拘置所に収容されていた。
フリーライターの熊沢は、麻倉の取材のために拘置所があるその島・木菟啼島へ向かう。
「自分は人の命をジャッジする」と嘯く麻倉に嫌悪感を抱きながらも、熊沢は彼の犯した殺人の詳細を聞くこととなるが……。


タイトル通り、「信頼できない語り手」ものかつ、孤島で起こる事件を描いたクローズドサークルミステリー。
日本最後の死刑囚の告白という魅力的なテーマで、作中で語られる麻倉の犯した殺人事件も理解が出来ない人間の話を聞いているようでなかなか楽しいです。私は最初の事件が不条理で好きでした。
ラストは予想外に大掛かりな企みが隠されていて、きちんと騙されはしたのですが、ちょっと唐突なので納得度が高いかというと微妙かもしれません。

個人的には、ちょっとだけですが孤島が舞台の衝撃のラスト! な某映画を連想しました。

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2024年01月01日

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久しぶりに太田さんのシリーズ物以外を読んだ。読み易く、さらっと読めた。個々の場面では面白いんだけど、全体としては何だったんだろうって感じ・・・

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2023年09月25日

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死刑制度が廃止されたため最後の死刑囚となった麻倉と彼の自伝を書くため雇われたライターの話。もう正しくタイトル通り、何ならあれもこれも信頼できなくなる。麻倉の掌の上で踊らされてた。

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2023年07月30日

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 何が起こっているのか、どういうシチュエーションなのか、冒頭に説明がなく、少しずつ明らかにしていくタイプの作品。視点人物である熊沢克也の目から、事実が少しずつ明かされる。
 熊沢は、木菟鳴島という島で、終身刑務所を訪れる。死刑が廃止された後、完全なる終身刑の受刑者を受け入れるために作られた民間経営の刑務所。その刑務所にいる、最後の死刑囚、朝倉玲一に、海外でずっと生活をしていて、朝倉のことを知ららいライターである熊沢が取材をする…という設定
 熊沢は、裕福で、自分を蔑む父を見返すために、この仕事を受けた。
 朝倉が過去の殺人の告白をするという展開。最初は、鶴田瑞枝という教師。これは、父が殺人者であると、登場人物である鶴田と読者に誤解させる物語。サスペンスと見せかけて、被害者である生徒の兄が犯人だったという意外な犯人で終わるという、それなりによくできた、どこかで見たことがあるような短編小説となっている。
 次は、朝倉が、木菟鳴島の地主である長富庄一郎の両親を殺害した話。これは、中学校の教師をしていた企業の次男長富昌孝が、長男の急死により、家業を継ぐことになる。妻となる人物だけは、昌孝の母の指示に従わず、中学校時代の同僚教師を選ぶ。しかし、その妻、長富優美は不倫をしていた。優美の不倫相手の妻が雇った探偵は、優美が昌孝を毒殺しようとしていることを知り、金に変えるために昌孝に報告。最後は、昌孝が優美にその事実を伝え、双方が双方を殺害しようとするところ、通り魔的な人物に撲殺されるというオチ。トリックらしいトリックはなく、筋書きの意外性がある「世にも奇妙な物語」系の短編
 第三章では、長谷部奈緒に焦点が当たり、長谷部の兄が麻倉に殺害されたという話がされる。長谷部の兄、長谷部岳志は、麻倉に「あなたの名字に「麻」の字が入っているから麻の服が好きなのか。」というくだらない質問をしたから、麻倉に殺害された…として、囚人であるB354の死をめぐるやり取りが語られる。
 B354は、幼稚園で園児5人を惨殺。麻倉は、心臓に病があったB354に、矛盾を突き付けて、「ことば」でB354を殺害。さらには、長谷部岳志も、妹、奈緒へのコンプレックスを突いて、自身を襲わせて、麻倉を閉じ込めるために仕掛けられているレーザービームを受けて死んだという話
 この話の後、長谷部奈緒は、民間刑務所の看守から異動することになる。奈緒は異動前に、麻倉の殺害を決意。麻倉、奈緒、熊沢をめぐるトラブル。麻倉を殺害しようとした奈緒は麻倉につかまり、熊沢は麻倉を刺す。このシーンは映像として残っており、後で利用される。
 その後、最後の死刑囚である麻倉の死刑が執行される話。死刑を執行されたはずの麻倉はよみがえり、関係さを殺害していくという姿が描かれ‥その日の3日後、熊沢は自分の部屋で目が覚める。
 熊沢の父であり、企業の社長である熊沢仁史がコカインの横流しの罪で逮捕される。熊沢は、麻倉のこと、最後の死刑囚のことを調べるが、ネットにはそれらの記載はない。最後の死刑囚は10年前に子宮癌で死亡した女性だった。
 麻倉から聞いた話、3つの短編の被害者は、それぞれ、コカインの常習者の手に掛かり、死亡していた。熊沢克也の人生は好転。ドイツにしたときの経験談のエッセイが出版されることになり、イラストレーサーである女性と交際が始まる。そして、熊沢仁史の裁判が始まったときに「麻倉玲一」を名乗る男から連絡があり、種明かしがされる。
 エターナル警備保障や民間刑務所の話は全て嘘。行われていたのは、熊沢克也の誘拐。麻倉玲一と名乗った男は、かつて、熊沢仁史のもとで、コカインの密輸を行っていた。ほかの関係者は、全員、コカイン中毒者のせいで、身内や大切な人物を失った被害者。全ては、熊沢仁史への復讐のために行われていた。熊沢克也が殺人を犯したように見える映像を手に入れ、それをもとに、熊沢仁史を恐喝。金を奪い、証拠を警察に提供して、熊沢仁史の逮捕、勾留、裁判につなげた。
 最後の場面は、イラストレーターの彼女に電話をする。その女は、「いいけど、戻って来られるの?」と発言。島に行ったことを知っている?麻倉は、「せっかく
掴んだささやかな幸せを逃がさないためにも、手にしたものは大切にするべきだよ。」と発言。彼女のことを知っている?
 麻倉の最後の一言で、全てを疑う。何が真実で、何が作られた事実か。 
 「なるほど。最後まで僕は信頼できない語り手ということか。いいだろう。君にすべて委ねよう。僕の今の話が本当か、嘘か。君が決めればいい。」
 熊沢克也は、彼女に「麻倉のことを知っているのか」と聞きたいが、聞けない。動けない。そんな場面で終わる。
 別のある作品を読んで、この作品のことを思い出した。読んだのは1年程前だが、感想は書いていなかった。民間の刑務所が存在する島で、最後の死刑囚の話を聴き、本にする。その全てが嘘で、実は、資産家であり、コカインの密輸をしていた熊沢仁史という男に対する復讐のため、その子どもである視点人物=熊沢克也を誘拐していた。この「実は誘拐でした。」という点が大きなトリックになっている作品
 この実は誘拐だったというオチにひねりを加え、金を出させるために、克也が殺人をしたように見える映像を入手する。その映像の入手のために、大がかりな仕掛けを用意したという設定
 最後の死刑囚、「麻倉玲一」という存在。その存在を成立させるため、ずっと外国にいたという熊沢克也を利用。むしろ、熊沢克也がずっと外国にいたからこそ、その状況を利用して、麻倉玲一の話を構築し、誰かを殺害するエピソードを作るために、大がかりな仕掛けをしたという設定になっている。
 全体を通じてみると、一貫性がない。3つの短編と、全体を通じた仕掛けがあるが、取って付けた感じがする。これは、メフィストという雑誌で連載されていたことが原因かもしれない。1つの作品とまでは仕上げられなかった独立した3つの短編を、この作品のために使ったという印象でもある。
 3つの短編のデキは、そこまで悪くはない。ただ、最後の「実は誘拐でした」というオチにつながる、納得性の高い伏線がない。「実は誘拐でした。」というオチが唐突なものに感じられる。
 最後の死刑囚、麻倉玲一の存在、「信頼できない語り手」の存在も、ラストの部分を含め、投げっぱなしになっている。最後に描かれる、イラストレーターの彼女の存在や、熊沢克也の部屋で目が覚めたという点等、もっと裏がありそうな含みがあるが、これらの点が宙ぶらりんのまま。物語全体の完成度を落としている。
 この作品で初めて「実は誘拐でした」というオチに触れたのであれば、もっと違った感想があったかもしれないが、この系統ではもっと納得度の高い作品がある。いくつかの独立した短編を描き、それに一貫性を持たせるため、たいした伏線もないのに、「実は誘拐でした。」というオチを付けたという印象
 個々の短編のデキや読みやすさという点で、駄作という印象まではないが、納得度がそれほどなく、そこまでの満足感はなかった。 

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2023年04月10日

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ネタバレ

最後の死刑囚である「朝倉」と冴えないルポライターのインタビューが続く中、次々と起こる殺人。
どうなるのかと一気に読んで、最後に騙された!となりました。

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2023年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 死刑が廃止された日本で唯一生存している死刑囚・麻倉玲一。海外生活の長さから彼への知識、先入観を持たないフリーライターの熊沢克也に彼の伝記を残す白羽の矢が立つ。麻倉の収容されている民間経営の刑務所は絶海の孤島にありレーザーの檻など最新の警備システムを用いて最低限の人員で管理されていた。しかし、そこの管理に携わる面々はどうやら麻倉と因縁があるようで・・・。

 まずタイトルのインパクトに目を引くだろう、信頼できない語り手という物語の外側のメタフィクション的な用語が使われている。これは読者と視点を同じくし地の文も一人称視点の作品等で主人公の発言や思想がどこまで信用できるかといった考えなのだが本作には特に関係はない。視点はライターの熊沢であり、熊沢に語りかける麻倉の過去の話が脚色めいているということで信頼できない語り手と言ってるに過ぎず、故にこの用語の語感だけで興味を抱いているのなら少々ご思案頂きたい。

コカインの件で逮捕させるのは麻倉本人の力のみで可能で賠償させる私財を引き出すために誘拐劇を企てたっていうのはよくわからない。密輸を暴き逮捕させるというのが復讐としてのゴールのような気がして、そのゴールが簡単に達せられるのにわざわざ息子に殺人の疑惑をかけて金を引き出させる行為は必要か?そこまで強い恨みならむしろ本人をターゲットにしそうなものだが。

 終盤、急に彼女が出来て人生の上振れを感じる主人公、しかし真相が明かされてこの幸せまでも信頼できない麻倉の仕込んだものじゃないかと疑心暗鬼になるラスト。うーん、そういう話ではなかったと思うのだけれど。

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2023年01月12日

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28年前に死刑が廃止された日本での最後の死刑囚·麻倉玲一。長らく海外にいたため彼の経歴に対する知識を持たないという理由でライターの熊沢克也は彼の告白本の執筆者に指名され、取材のため収監されている離島の拘置所に。紳士然とした麻倉が過去の殺人を淡々と語る姿に熊沢は嫌悪感を増大させていく…。各殺人の語りに仕掛けがあるのでそれが後から効いてくるのかと思っていたら中盤から性急な展開に。呆気にとられていたら凄い力技で畳んできた。きちんと設計されているので破綻は少ないんだけどなんじゃこれ感がどうしても残る。タイトルから構えてしまったせいか。レクター博士な魅力を持つ麻倉に対しての熊沢が魅力に欠けまくるからか。

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2022年08月27日

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ネタバレ

死刑囚、麻倉の語りを延々と読むものかと思ったが、最後のネタバレがわくわくした。最初に熊沢の父について語ったところがちゃんと伏線になっており、面白かった。ただ表紙の煽りのせいでハードルが上がりすぎた感はあるかな?

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2022年08月12日

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どんどん読み進められるテンポが良いお話でした。
それに伴いラストはどうなるんだろうとハードルが少し上がり過ぎてしまいました。
予想はしていなかったけど、驚愕というわけでもないという感じです。

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2022年07月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

カバーと同サイズの帯のインパクトで購入
「このラストは革命的」「騙された」「徳間文庫大賞2022受賞」といういかにもな煽り文句、嫌いじゃないよ

読んだ結果、どこか既視感が……
・登場人物がみんなグルで主人公をだましていました
最初からそんな感じがしたし、何ならそんな作品読んだ事あるなー(作品名は挙げないけどね)
・主人公が気付かないだけで実は誘拐されてました
これも読んだ事あるなー(と思ったけど、具体名は思い浮かばない、でも読んだ事ある気はする……)
・主人公が誰かを刺すシーンを撮影して脅迫に使いたかったからこんな事を仕組みました
いや確かにこれは読んだことないけどもさ……

最初に書いた本書帯の裏側には作者の言葉もあって、そこには「あきれながら昂奮して、そして楽しんでいただければ」なんて記載されてるんだけども、うーん、うーん

ラストのラスト、主人公の彼女すら麻倉の関係者なのか……?みたいに終わるんだけど、これも唐突な感じがしてしまう
が、これに関しては深く読み込めばちゃんと伏線が仕込まれているような気がしなくもない
どうなんだろう……

麻倉玲一が語る作中作部分が一番楽しかったかなー
第二話の長富夫妻のお話が一番好き

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2022年06月28日

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死刑が廃止されてから28年後。フリーライターの熊沢は最後の死刑囚・麻倉から指名されて、インタビューのため孤島の特別拘置所に向かう。自分の犯した殺人について小説風に語る麻倉に、熊沢は嫌悪感を抱くが‥
いかにも企みがありそうなタイトルで、期待通り面白かった。事前に調べるなと言われていてもライターとしてインタビュー対象をまったく何も調べずに臨むのは不自然な気はしたが、麻倉の謎めいたキャラクタと語り口がよかったのであまり気にならず、終盤の大展開まで一気読みだった。

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2022年01月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

クローズドサークル、凶悪な殺人犯の告白手記、と興味を煽る設定。いささか作り物めいていると思い、違和感を感じつつ読み進む。視点人物があまり魅力的ではないのが残念だが、著者のことだからあえてそうしたのだろう。おかげで、ラストもあまり同情しないですむ。

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2021年08月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

確かに麻倉玲一の言動は作中一貫して信頼できないけれども(ホームズとモリアーティを足して2で割った感じがある、聞き手は無能なワトソンな感じ)タイトルにある『信頼できない語り手』というイメージが、作中と読み終えてからではがらりと変わるのが凄かった。
こうも印象変わるのだなと。

特殊な環境ではあるが密室で彼が過去に行ってきた殺人事件を語るという、言ってしまえば地味で停滞しそうなシチュエーションではある。
しかし、その語られる話が彼視点ではない視点での話になるので、作中にいくつも雰囲気の違う事件が出てきて飽きが来ない。
1作品ながら多数のミステリーを読めるのは贅沢感がある。
語り手が信頼できないという点だけが問題だが。
(要はそれは真実なのか?という疑問がつきまとう)

終盤近くでまさかの急展開からの、まさかのホラーか?
と思わせてからの種明かし的展開。
前述のタイトルの雰囲気ががらりと変わることにも関わるが、目的のための大掛かりすぎる仕掛けが凄まじかった。
そこまで手をかけるかと。
詳しく語ると興ざめするので割愛するが、色々な意味で驚くと思う。
これは聞き手の人間不信が加速しそうな気がする……

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2021年06月20日

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