太田忠司のレビュー一覧
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那須舞。英語読みするとマイ・ナスは、飛魚中学の中学生である。ある日、特に仲の良いでもない茅香に、近くの「時渡りの祠」へ連れて行ってほしいと頼まれる。過去から未来へタイムスリップした人がいるという言い伝えの祠跡には、男子中学生が倒れていた…。
標的とする年齢層が中学から高校生くらいだろうか。言葉遣いも易しめで、あまり引っかかることもなく読める作品である。
厄介事に巻き込まれやすい舞、変な友人に頼み事をされたり、事件に巻き込まれたりと、偶然の部分は多いものの、主人公の気持ちは作中ずっとほとんど晴れない。だからといって、ウジウジと自問自答を続けるわけではなく、どんどん前に進んでいくスタイルは、中高生の読者にとっても、共感を得やすいであろう。
ただ、後半に舞が探偵のようなことをしはじめ、危険そうな方向にどんどん突き進んでいくのは、かなり不自然に感じた。息切れしてきたのだろうか。
話を文章に戻すが、あまりト書きや心情を描く部分は多くなく、会話で進んでいくため、非常に読みやすいと感じる。その辺りは自分で創作をしていても感じているところで、自然にストーリーが流れていく感触が良い。
終盤に、作者がこれ言いたかったのかな?という茅香のセリフが出てくるが、その辺りはちょっとやりすぎだったかとも思わなくもない。
同じ主人公で、別の作品を書いても面白いと思うが、伯父さんがいなくなると無理なんだろうかね。
若い人向け。読書感想文なんかにどう? -
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ネタバレ銀英伝公式同人誌な短編集6編。どの作家さんも普通に外伝を読んでいる気持ちになって懐かしく嬉しい。同盟派なのでヤンの士官学校時代の仲間とのやり取りには終始にやにやしてしまう。著作既読は小川さん石持さん太田さんの3人だったけど皆それぞれの持ち味も上手く混ざっていて流石だと感心した。特に石持さん「士官学校生の恋」におけるキャゼルヌ夫人の名探偵っぷりが正に石持さんでまたこんな過去があるから皆頭上がらないのねー、と本編に繋がりそうな違和感の無さが凄い。藤井さんの「晴れ上がる銀河」ゴールデンバウム王朝初期時代といった一見枠外に思わせて実は礎だったのがとても良かった。締めも効いてる。第二弾あるかな。
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ネタバレフリーライターの克也は、ある死刑囚に依頼されて、ある離島にある拘置所に招かれた。そこは死刑が廃止された近未来、終身刑を言い渡された人たちが集まる所である。その死刑囚は、死刑が廃止される前の最後の死刑囚である。その死刑囚が告白本を出すということで、取材に来た。次々と告白する殺人に至るまでのストーリー。しかし、新たな殺人事件が発生する。
後半までは、死刑囚の殺人日記といいましょうか、数多くの殺人を犯した死刑囚が、どのようにして犯行に及んだのかが書かれています。
自分の家族や関係者の親族といった殺人事件を各章ごとに紹介しています。
死刑囚・麻倉のキャラクター性が、スタイリッシュでカッコ良さが際立っています。自分勝手な論理的な思考ではあるものの、潔さも感じられました。
淡々と殺人日記が進行していくかと思いきや、後半あたりから事態は急展開。
後半からは、「え?どういうこと?」と思う展開が次々と出てくるため、どんな結末が待っているのか、いつの間にかページを捲るスピードが速くなっていました。
あの人は死んでいるのになぜ殺人事件が・・・。最悪の結末?と思いきや、何もなかったかのように別の場所にいる。
え?夢?と思った矢先、そこからの今までの隠された真相。今までのことがひっくり返されたような気持ちで、驚かされました。
被害者の家族だからこそ感じる加害者への怒りといった心理描写も書かれていますが、驚きの展開の流れの方が上回って、興奮しっぱなしでした。
ただ最後のほうでは、それまで驚いた分、スッキリと終わってくるのかなと思いきや、何となくモヤモヤ感の残る結末で終わったので、もう少しスッキリして終わりたかったなと思いました。 -
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いわば二次創作なので読もうか迷っていたのですが、店頭で見かけちゃったのでつい買ってしまった…(笑)
正伝外伝の新しい供給がないので列伝に手を出してしまうのも致し方ない…が、やはり二次創作なのでイマイチイメージ違うなぁというのもあり、その辺の嫌いな方は読まない方がいいのかな。
執筆されてる作家さん全員を知ってるわけではありませんが著作を読んだことのある方もいて、それぞれの個性が出るものだなぁと。
石持浅海さんの描くオルタンス嬢がすごくすごく碓氷優佳さん(石持氏の作品のヒロイン)っぽかったです(笑)。オルタンス嬢を探偵役に持ってくるところが上手いなぁと。 -
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ネタバレ銀河の歴史がまた一ページ。
公式アンソロジーというものが好きなので、有無を言わずに入手。オーベルシュタインの安楽椅子探偵などと聞いたら読むしかなかった。しかしそれ以上に女装して演劇するヤンにびっくり。しかもミス・マープルもびっくりな安楽椅子探偵がもう一人いらしたという。1となっていますが、ぜひ続けてほしい企画。
「竜神滝の皇帝陛下」ギャグですか。ヒルダとエミールに対して一生懸命になったとき、途端に面白い超天然陛下になるラインハルト様の魅力がたっぷり。思わず吹き出してしまうくらい。
「士官学校生の恋」名探偵オルタンス・ミルベール。未来のキャゼルヌ夫人が華麗に推理を披露する物語。相変わらずヤンに"利用されてる"キャゼルヌ先輩が拝めます。キャゼルヌ先輩推しの方にとてもオススメ。
「ティエリー・ボナール最後の戦い」この人もなんだか伊達と酔狂で生きているような。こういう二次創作アンソロジーには珍しい感じの艦隊戦。
「レナーテは語る」名探偵オーベルシュタイン。ハードボイルドです。多分。レナーテさんがこういうタイプの探偵に組み合わせられるワトソン役として定番のキャラクター。揺らがないオーベルシュタインのキャラクターには安心感があります。みんな大好きオーベルシュタインの犬も登場。
「星たちの舞台」ヤン・ウェンリー、士官学校生時代の人助け。アッテンボローやキャゼルヌ先輩も活躍。ラップとジェシカももちろん登場。しかしこの話はヒュパティアを好きになれるかどうかが肝。フレデリカに思い入れがあるとちょっとショックかも。
「晴れあがる銀河」ラストであっ!となる銀河帝国過去の話。ルドルフ大帝に対するスタンスと、相手を認める大切さ。 -
購入済み
あくまで原作に忠実な作品集
ミステリーものが主体で、一個だけ艦隊戦ものがあります。中には少しひねりすぎた感じのもあるけどおおむね原作の世界を再度楽しめる良作だと思います。
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ユリアン「・・・」
ヤン『どうしたんだい、ユリアン。そんな浮かない顔をして』
ユ「て、提督。この報告書を読まれましたか?」
ヤ『あぁ、なかなか良く出来てるじゃないか。何か不満でもあるのかい?』
ユ「そりゃ、ヤン提督は活躍が報告されてますけど、僕は、言え、私の事はどこ
にも書かれてないんです。不公平じゃないですか!」
ヤ『そうは言うけどね、ユリアン。あのキルヒアイスやロイエンタール、
ミッターマイヤーについても書かれていないよ』
ユ「で、でも提督。あのオーベルシュタインなんて、大活躍じゃないですか」
ヤ『確かに。ユリアン、君は何歳だい。今回報告されているのは、それなりに
年齢を重ねている人の昔話がメインなんだ。君はまだ若い』 『それに、キャゼルヌ
少将のを読んだかい』
ユ「もちろんです、それにしてもキャゼルヌ夫人、すごいですね、
少将もかたなしって感じでした」
ヤ『キャゼルヌ先輩は、本来とても優秀な人だ、なのにあの描かれようだ』
ユ「私は、まだこれからと言う事でしょうか」
ヤ『まぁ、そう言う事だよ。ただあまり期待してはいけないよ。他にもまだまだ
優秀な人材はいるからねぇ。シェーンコップはもちろん、ビュコック提督なんて、
若い頃の話を探し出したらキリがないはずだよ』
フレデリカ ❛私なんて、エル・ファシルにいた頃、当時のヤン中尉にサンドイッチ
とコーヒーを差し入れた話しぐらいしか思い出話が出てこないのよ。これでも
士官学校を次席で卒業してるのだから、他にももっとありそうなものでしょ、
そうは思わない、ユリアン?❜
ユ「・・・」
ヤ『・・・』
フ❛あら、わたし、何か変な事を言ったかしら❜
とまぁ、こんな短編集です。 -
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ネタバレ平成13年に初版で買ったまま積読山に埋もれていましたが、この度ようやく発掘。
『3LDK要塞 山崎家』がいつ出てくるか不明のため、先に読む。
いや、本気で真面目にばかばかしい。(ほめてます)
普通の小学6年生の中島龍彦は、リストラされて便利屋を起業した父の手伝いで近所の伊呂波城へ行く。
時代錯誤なくらい物々しいお城の中で言われたことは、建売の龍彦の家とこの城を交換しろということ。
断ったがためにお城の地下牢に閉じ込められた龍彦と父の八郎だが、そこで龍彦は重大な秘密を知ることになる…のはまだ序の口で、次々に明らかにされる世界の秘密、宇宙の秘密。
何と壮大な物語であることよ。
そしてなんと卑近な物語であることか。
ストーリーだけを抜き書きしたってちっとも面白くないから書かないけれど、この作品、女性がみんな強くて素晴らしい。
「リストラされたから、企業をする。男のロマンだ」なんてたわけた事をいう夫に「やってみれば」と言える千代子さん(母)はすごいが、夫のわがままを通して寡婦として生きた彩女さんもえらい。
そして中島家最凶の女・阿美(妹)の凶暴さにはもう大笑い。
それにしても、時の政権を転覆するために地下に潜り、潜りすぎて明治維新にも気づかなかったという雑賀宗の末裔・伊呂波軍たら、どうなの?
情報収集あっての忍びじゃないのですか?
バカすぎて泣ける。(笑)