太田忠司のレビュー一覧
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太田忠司『猿神』幻冬舎文庫。
古き良き時代を背景にしたホラー小説。
かつて隈笹が生い茂る『猿神』と呼ばれた土地が工業団地に開発される過程で何かしらの禁忌に触れ、何者かが解放されてしまう。
物語の舞台となる巨大自動車会社の部品製造を下請けする飯野電気もこの工業団地に立地していた。バブル末期、飯野電気で続発した奇妙な事件。果たして……
飯野電気は自動車会社の要求に応えるために連日のように深夜残業と休日出勤で社員は疲弊し、苛立ち、ついには暴行事件が発生する。さらには自殺、変死、品質問題までが起きて、飯野電気の工場は大混乱の渦に飲み込まれていく。
工場内に居る何者かの存在と次々と頭がおかしく -
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ネタバレある日、大学院に進む予定だった涼太が、和菓子の魅力に取り憑かれ和菓子職人を目指すところから始まる青春物語。
《個人的なみどころ》
主人公の涼太がすごく真の強い子で、後半でかなりハードないじめを受けていた事が露見するエピソードで、
「傷つく人間と傷つける人間では、傷つく方が悪いですから」という所があって、、めちゃくちゃ切なくなりました。しかも、前半では母親が死別みたいに扱われてたのに、後半では母親が自分を捨てて、愛に走ったやら、そもそも母親が不貞の中できた子とか無茶苦茶ハードなんですよ、この子、、。
しかも、パートナーが亡くなってひょうひょうと仕事のついでに、会いたいって、、あったら会ったで、あ -
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ネタバレ銀英伝のトリビュート短編集。ラインハルトがルアーフィッシングをするなら、ヤンは2人劇で女装で役者をする。キャゼルヌ婦人の名探偵っぷりは堂に入ってるし、フェザーンと地球教はなるほどなるほど…
田中芳樹のすごいところは、あれだけ売れてあれだけ続編を書きやすそうな「銀英伝」を正伝10巻、外伝5巻できちっとけじめをつけたところだと思う。これは真逆の方向性だが、死ぬ間際までグインサーガを描き続けた栗本薫と同じくらいスゲーことだと、俺は思っている。
だからこそ、銀英伝の2次創作は枚挙にいとまがない。世の中にあふれたくっているのだが…、深い愛とそれを表現できる技術をもった一流の小説家たちが創る二次創作作 -
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6人の作家による銀河英雄伝説公式トリビュート・アンソロジー。
原作が完結してから何年?1989年の完結?30年近く経て、トリビュートされるのは衰えない人気の証明。
嬉しい。
タイトルに列伝1とあるからには、今後も刊行の予定があるという含みと思います。銀英伝の世界が、銀河の歴史が1ページ、また1ページと増えてゆくわけです。これは嬉しい。
「竜神滝の皇帝陛下」
エミールのラインハルトへの心酔っぷりを評して、釣りをしている時も宇宙を釣り上げているようでした、という一文があったことを思い出す。そこからふくまらせた作品。日常生活というか余暇を楽しむことができないラインハルト。彼の数少ない日常の光景を垣 -
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ネタバレ二人の作家さんが一枚の絵画からショートショートを出し合う競作企画。絵画もショートショートも好きな私には2度美味しい企画でした。楽しかったー!!
以下お気に入りの感想、ネタバレあり
「スフィ女」合コンに参加したら相手の女子がみんなスフィンクスみたいな格好している話。スフィ女と呼ばれる流行りがあって、スフィンクスみたいに家庭を守るよっていうアピールらしい。なにそれ最高だな!(笑)オチもいい。
「世紀の一戦」風神と雷神のプロレス中継で、解説者がなかなか話聞いてもらえないのが面白いなーと思って読んでたら、まさかの伏線やった!!上手い!
「くるよ」ぞわりとくるサスペンス、面白いー!ラストが怖い。人 -
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普段アンソロジーは手にとらないのですが、銀英伝トリビュートとくれば話は別です。
ファン必読の書と言えるでしょう。
列伝1とあるので、今後2、3と続いてほしいです。
では、簡単なエピソード紹介を。
①竜神滝の皇帝陛下(小川一水さん)
ラインハルトの新婚旅行中の数日が描かれます。
僕は最後の作者自身による注釈を見るまで気づきませんでしたが、原案はあの超有名な漫画の1エピソードらしいです。
冒頭のエピグラフに続いて、史書あるいは史家の論文と思しき記述があってから本編に入るという銀英伝らしさ溢れる構成に、一話目から胸が熱くなります。ラストに年表形式で語られるエピローグもいい。
②士官学校生の恋(石 -
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銀河英雄伝説公式トリビュート作品集の一巻。
六名の作家による六編の短編が収められている。
それぞれに、作家が本編に出てきた一文に着想を得ていたり、好きな人物をこうだったらと掘り下げてみたり、本編には過去の史実として書かれていることがリアルに知れるシーンが描かれていたり、自由で夢がある一冊。書き手から銀河英雄伝説への愛情が伝わってくる。
士官学校に通ってた頃のヤンが女装して舞台に立っていたり、オーベルシュタインに女性の部下がいたり、ラインハルトが良き父親として振る舞おうとしつつ釣りをしていたり・・・。
あれだけドラマチックな物語の中にいた人たちの何気ない日常が描かれていて、読んでいて楽しかっ -
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ネタバレカテゴリは合ってます(歴史だもんね)
作者に太田忠司先生がいるだけで「買います」だが他の作者さんも銀英伝好きが溢れてるお
作者公認の二次創作を嫌う人は多い、イメージが異なるからだと思うが40年も付き合っている作品ともなると別な一面を見る機会を逃す筈がありません
そもそも歴史はそんな一面だけで理解したつもりになってはいけないのです
太田先生の「レナーテは語る」
あのオーベルシュタインが這い上がる基礎を築いた事件です(ネタバレ)突然オーベルシュタインから遺産が当るとなれば人類なら等しく恐怖を覚えるだろう、そんな状況になったレナーテが情報処理課にいた頃「上司で名探偵」でもあったオーベルシュタインとの