太田忠司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ【求む奇談!自分が体験した不可思議な話をしてくれた方に高額報酬進呈。ただし審査あり】
この広告を見た人々が自分の奇談を話し、それを聞いた助手(奇談収集家ではないw)がその場でその奇談のタネを解き明かす……という連作短編集。解決はその場で行われるので、安楽探偵椅子ものなのかな?すごく面白かったです。
だいたい連作短編ってひとつひとつが独立して読んでしまうんですが、これはそうしてはいけない作品なのだと最後を読んで知りました。確かにシャンソン歌手とか、全体的に時代設定はいつなのだろう……結構古いのかな~とぼんやり思っていたはいたんですけれど、甘かったです(笑)それこそがフックだったのですね。お見事で -
Posted by ブクログ
ネタバレ「奇談蒐集家の元に持ち込まれた奇談を助手の麗人が現実的に解く」というスタンスの話。ざっくり説明するとエピローグがない安楽椅子・化石少女なので、真相ははっきりしないのだけれど、それが今作のテーマ上あるべき姿であり、幻想と現実の境界が判らなくなってしまった人々を書くために必要なのではないかな、とも思った。
奇談蒐集家というタイトルに恥じず、集められた奇談は魅力的なものばかりでとてもよい。「自分の影に刺された男」「古道具屋の姫君」等タイトルだけでもう素敵。そんでエピローグが今作の連作短編集としての価値を極限まで挙げていて素晴らしい。これぞ百物語の最終話よね。
ミステリ好きより怪奇・幻想小説好きに