太田忠司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
求む、奇談。
その新聞広告を目にした人が、''奇談蒐集家''恵美酒(えびす)を訪ね自分の体験した奇談を語る連作集。
奇談を聴き終えて恵美酒が喜んでいると、従者の氷坂が本当に不思議な話なんてそう簡単に出会えるものじゃないと事件を合理的に推理し始める。例えば、幽霊なんているはずがないんだからそれは人間だといった具合に。
どの話もこのパターンで、実は奇談だと思ったものは事件で、氷坂にトリックを教えてもらった依頼者は今まで騙されていたことに気づいて帰っていく。
不思議な話をテーマにしたミステリだと思って読んでいたら、終章の「すべては奇談のために」でひっくり返さ -
Posted by ブクログ
奇談
不思議な話を募り、一人ずつ語っていくという話はよくある。
よくあるからこそ、意外性が問われるわけだが、ミステリーなど、伏線を張ってあって驚く、というものを人に勧めるのは難しい。
どこが面白いかという部分がなくては引きつけられないし、説明もしづらい。
どうしたものか。
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おお、きたかね。君の到着を今か今かと待っておったんだ。
私の名前は恵美酒。エビスと読むのだよ。
さて、誰も信じぬような、しかし本当にあった話を儂は求めておる。
面白かったのが、6人の男女の話だ。
儂自身の物語を入れれば全部で七つ。
どんな話だったかって?
自分の影に刺された男、魔術師、