太田忠司のレビュー一覧
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甘栗くんシリーズ第2弾。
高校生探偵・新一、ならぬ、甘栗くんが頑張ります。
この子も背伸びをしているのでしょうか、「私」という一人称を使っています。
そこからも分かる通り(?)、とても真面目な子らしく、自炊もするし、予習もしたりします。
(今どきの高校生ってこんなに真面目なのでしょうか?
僕の時はそんなことはありませんでした。
・・・もしかして僕が不真面目過ぎたのか・・・?)
物語は予定調和的にあっさりテーストですが、裏切られた事が2つありました。
一つは、クライマックスの物語運び。
そのグループが動きましたかぁ、という感じ。
二つめは、「あの人」の出演の仕方。
こっちはなぁ~・・・、って感じです。
(どんな感じかは2作とも読んでいただければわかります。と思う(寂寥感?))
しかし読後には清涼感が待っているので、次回作があれば是非読んでみたいです!
※シロノワールは一度試してみたい。僕も全部は無理だと思うけれど・・・。 -
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ネタバレおもしろかった。
太田さんのはどこか人にやさしい感じがするお話が多いので好き。
月に庭をつくるためにやってきたエチカ。
くる途中にとある誘拐を防ぐのだが、なるほど、そーゆー理由があったのか、と納得。
迷惑ではあるけれど悪気はなかっとゆーことか。
月からのメッセージ。
ではなくかつて月にやってきたものからのメッセージ。
正直外観は受け付けないが(足長的生き物は苦手)ストーリーとしてはありだと思う。
最初の住人が倒れてたとこでは、てっきり殺人事件かと。
閉鎖された空間での、ありえない殺人。犯人はだれなのか?
観察眼のするどい庭師の活躍~!みたいな話なのかと思いきや、
傷を負って、かたくなになっていた月の住人の心をひとりひとり
解きほぐしてゆく、とゆう、とってもあったかいヒューマンなお話でした。
まあ、みなさん頑なっぽいわりにあっさりほだされてましたが、
エチカの役回りがいわゆる名探偵的で、すっきり読めました。
最後のルナティックガーデン、は画として綺麗。
意外と害のないもので安心しました。
が、エチカが楊さんに魅かれるたのは結局なぜだったのかちょっと疑問。
いや、愛に理由はないのだろうが・・・・・。
まあ、最初に苦手だ、と思った時点が始まりだっとも。
作者紹介のとこで霞田さんの本の紹介が・・・。
天才ライバルなんていたっけ?
つーかそれ、全部読んでないかも・・・と。
うう、読みたい~ -
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太田 忠司 『まいなす』
(2008年11月 理論社 / 2012年 9月 PHP文芸文庫)
タイムマシンもタイムトリップも使わず、過去を変える方法とは何か?――
那須舞は明るくしっかり者の十四歳。英語読みすると名前がMai Nasu=マイナスとなるのが密かな悩みだ。困っている人を見ると放っておけない舞は、不思議な伝説がある山で、倒れていた少年を助けるはめになる。だが「未来を見た」という少年が告げた予言をきっかけに、平穏な町に悪意に満ちた事件が連続する。予言は本当なのか? 不可思議な謎に果敢に立ち向かう舞の姿を描く、爽やかな青春ミステリー。
主人公は特に際立った特殊能力もないごく普通の女子中学生。頼みごとを断れない性格が災いし、ひょんなことから時間の流れに逆らった不思議な事件に巻き込まれてしまいます。規則は必ず守るんだという少々お堅い感じの女の子ですが、ユーモアたっぷりな伯父さんとの交流を通し、徐々に成長していく姿が描かれています。
タイムマシンもタイムトリップも使わず、過去を変える方法?書店で見かけた表紙の疑問が気になり、思わず手に取った一冊。読み終えてみると、なるほどと思わず納得しました。確かに誰もが、しかもごく簡単に、過去を変えることは可能なんだ、と。
筆者はあとがきでこのお話はフィクションで創作であると書いていますが、おそらくこの本を読んだ読者一人一人が表紙の疑問の答えを突き付けられ、ハッとするのではないでしょうか?「あんなことしなければよかった・・」「あんな過去は変えて忘れたい!」と思うことは誰だってあるはずでしょうから。若者向けに書かれた本ですが、大人でも得られるものが必ずあるはずです。
ファンタジーなお話を想定していた自分は、いい意味で想定を裏切られ(そもそもミステリーって銘打ってるのに気付かない自分が悪いのだが)、最後まで推理を楽しめたので★4つで。もしコテコテなSFを期待して読んだとしたら肩すかしをくらうかも。 -
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太田忠司さんが20年前から執筆されている藤森涼子シリーズのオムニバス本。
この本を編集された方のコメント(はじめに・解説)のおかげで、藤森さんが私たちと同じ時間を共有し、同じ年を召されていることを知りました。
(主人公が探偵になるまえの20年前には、バブルがはじける前で、冬は毎週末にスキーをしていました。そうです・・・。)
だいぶ以前に読んだ小説のダイジャストでしたので、今回も楽しめるのか、読む前は不安だったのですが、そして(?)、その不安を後押しするかのように読み出すとストーリーも思い出していったのですが、それでも展開にハラハラして、一気に読んでしまいました。
今回初めて藤森シリーズを読まれる方も当然楽しめると思いますし、楽しまれましたら、今回の短編間を埋めるストーリーが何冊にもわたって出ていますので、そちらも手に取っていただけたら、より楽しめると思います。
「解説」によると今秋にあたらしい本が出版されるとのことですので、今から楽しみにしています。 -
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阿南シリーズ3作目。
今作の舞台は石川県。阿南の仕事はコンビニ店員に変わっている。自分の勤務先のコンビニに強盗が押し入り、その犯人を諭して自分の金を貸したことから、再び探偵まがいの失踪人調査の依頼を受けることになる。
相変わらずの、自分をとことんまで律した孤独な生き方の主人公。でも、コンビニの同僚と会話したり、事件で関わった女の子のことが気になってみたりと、前作よりちょっと社会性が出てきたかな。女の子に振り回されている阿南が可愛く思えてきたり。
最後まで読んで、再び最初のページを読むと、ああ、なるほどと思います。シリーズの中では今作が一番好き。 -
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交通事故で唯一の肉親である父を喪い、天涯孤独となった甘栗は
父の探偵事務所と共に、父が最後にやり残した探偵の仕事を引き受けることになった
無事に依頼をこなせてホッとしたのもつかの間
平穏に日常を過ぎる彼の目の前に、戦車が立ちはだかった……
*
甘栗探偵2巻目
前巻もだけど、タイトルがとても素敵だと思う
今回も甘栗が引き受ける探偵の依頼は「人探し」
持ち前の推理力・洞察力を発揮して、
トントンと手がかりを掴んでいく甘栗だったけど
事態はシロノワールほど甘くはなかった
依頼主の関係から幾度となくきな臭い雰囲気になり
ちょっとハラハラした
しかし、甘栗のクールで大人びた様子はなんだか見ていて安心感を覚える
けれど彼だってまだまだ、単なる高校生なのだと
ラスト付近を読んでいて思い知らされた
徳永に想像以上に癒されたw
あと少しだけネタバレだけど
甘栗に対してされてた脅迫文
途中一瞬、三ヶ日だと思った← -
Posted by ブクログ
読みごたえがあった…!
のにも関わらずすらすら読めてしまうのは、太田さんの文章力!
「関係」を書く小説って、どうしても感動するほうこいうに持っていきがちだが、この太田忠司の「Jの少女たち」はその手の感動はない。感動して終わり、というのは確かに心に響くかもしれないけれど、その感動が得られた時点で終わってしまうのだ。物語の終わりとともに、共感した部分、突きつけられた自分の甘さも、同時にほとんどの部分が完結してしまうのだと思う。
「Jの少女たち」ではそうではなくて、もちろんステレオタイプ的な親子関係だったりが登場して、子どもの側から自分が親に抱く不信感や苛立ちなどに共感する場面もあるのだが、もっとこう「現代の子供たち」の問題となっている自己完結してしまうような部分が取り上げられていて、それを阿南が「何か違う」と彼の強い言葉で言われると心がずん、と重くなっていくのだ。
インターネットが普及した今、あくまで個人的な書評である、と明文化してあるのにもかかわらず、人気作家の本に批判的なコメントを書くと攻撃される、というような現象がある。匿名性云々があるのだろうが、自分の好きなものこそ絶対だ、という価値観がやはり根底に根付いていると思うのだ。もちろん昔から自分が好きなものを他の人にも好きになってもらいたい、という思いはあっただろう。だが、「あいつはけしからん」「わかっとらん」などと思っても、人を傷つけるようなことはあまりなかったと思う。だが現代はブログ炎上などというように、許せないものに対して過剰なまでに反応する人々が確かに存在するのだ。そこらへんの描写がこの本では痛いほどに書かれていて、そして自らを省みてしまうのだ。
阿南ほど強い人間はなかなかいないだろうし、いかにも「正しい」っていう感じの人は彼が自分でも感じている通り窮屈だと思う。それをな直そうともしないのだからなおさら。だから阿南は好きではないが、彼みたいな人って--人と真摯に向き合える人って、目をそらしたくなるような、でも心にずっと引っかかってしまうような強さがある。だから高校生君も彼と話したかったのだろう。
推理小説としても全く見えない状態から、断片を拾っていく様は楽しかった。すごい本だ!