あらすじ
鴬橋派出所管内で発見された死体の後頭部には、大きな裂傷が刻まれていた。間違いなく他殺だ。――刑事になることを目標とする外勤警官・阿南は、その遺体に残された、謎の噛み傷に疑問を抱く。いなくなった飼犬捜し、夜ごと駅前にたむろする子供たちへの苦情処理など、煩雑な日常業務に忙殺されながら、阿南は個人的にその事件を追う。だが、見回り中に起きた新たな殺人をきっかけに、彼は複数の事件の思わぬ繋がりに気がつく。常に“正しくあること”を求める阿南が見出した、残酷な真実。ひとりの青年の不器用な歩みを描き上げる太田忠司のライフワーク・シリーズ、鮮烈なる第1弾。/解説=池上冬樹
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揚げたてのコロッケとファミレス。
全体的に暗いンだけれども、美味しそうな食事の場面にはホッとする。
ワタシが食いしん坊なだけか。
仲良くなりかけた細野くんが次巻に出てくるそうです。楽しみ。
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派出所勤務の巡査だった阿南が管轄内で発生した複数の事件と彼が退職に至るまでの話。自分の定めた常に正しくあろうとする規範に縛られる余り、自分の間違いを認められないでいた阿南がそれを認識することを中心に描かれています。結末は悲しくて虚しいものだったけれど、それでも前進するきっかけを得られたことは救いだったかな。事件もあきさせないつくりとなっていて面白かったです。次巻も期待しています。
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「刑事失格」
生き方が不器用な青年巡査の屈折した心理を軸に、事件が進行していきます。硬派な警察小説ではないですが、しっとりとした味わいがあります。
クライマックスに向かってのどんでん返しの連続は、唸ります。
Posted by ブクログ
阿南シリーズ1作目。20年位前の作品だが、最近シリーズ新作(4作目)が出たということで再版されたらしい。
冒頭で主人公がすでに警察を辞めており、更に人を殺したという言葉が出てくる。そこから警察を辞めることとなった過去の事件の回想が始まり、のっけから興味を惹き付けられた。上手い構成だと思う。
事件の方も複数のモノが複雑に絡み合う形で、意外な展開もあり、最後まで一気に読めた。ただ、その展開にちょっとやり過ぎ感も否めなく、途中興醒めしかけたが、主人公の過ぎるくらいの実直さには苦しいくらいの愛おしさを感じる。続編があるようなので、阿南の今後がどうなるのか読むのが楽しみ。
Posted by ブクログ
私は人を殺した-元警官の阿南の告白から始まる本作は、常に暗いイメージがつきまといます。阿南が警官を辞めるに至った事件、それは絡まった糸のように複雑で、正直出来過ぎな感じも。ただ、ところどころに胸を打つ台詞やキザな台詞があって、まるで探偵小説のようにオシャレです。貰ったコロッケの代金を律儀に払う阿南の信条に惚れました。続きの作品も読まなくては!