太田忠司のレビュー一覧

  • 昨日の殺人

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    背表紙なんかの惹句では触れられていないが、巻頭に見取り図まで入ってお館もの。残念ながら嵐は来ないので、クローズドサークルではない。加えて、富豪一家の入り組んだ人間関係と、尾を引く三十年前の殺人事件と横溝的シチュエーションがてんこ盛り。なのに、そっちには振らずに青春もの色を濃く出しているのが興味深い。そのせいか、トリックは少し軽め。色々グズグズな語り手には苛つかせられるが、これはそういうものなんだろうな。

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    2021年08月11日
  • 麻倉玲一は信頼できない語り手

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    ネタバレ

    クローズドサークル、凶悪な殺人犯の告白手記、と興味を煽る設定。いささか作り物めいていると思い、違和感を感じつつ読み進む。視点人物があまり魅力的ではないのが残念だが、著者のことだからあえてそうしたのだろう。おかげで、ラストもあまり同情しないですむ。

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    2021年08月06日
  • 名古屋駅西 喫茶ユトリロ 龍くんは食べながら謎を解く

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    【収録作品】第一話 小倉トーストと奇妙な会話の謎/第二話 味噌煮込みと七宝の謎/第三話 ひきずりと好き嫌いの謎/第四話 台湾ミンチと赤い靴の謎/第五話 なごやんと知らなかった姉の謎

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    2021年06月25日
  • 麻倉玲一は信頼できない語り手

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    ネタバレ

    確かに麻倉玲一の言動は作中一貫して信頼できないけれども(ホームズとモリアーティを足して2で割った感じがある、聞き手は無能なワトソンな感じ)タイトルにある『信頼できない語り手』というイメージが、作中と読み終えてからではがらりと変わるのが凄かった。
    こうも印象変わるのだなと。

    特殊な環境ではあるが密室で彼が過去に行ってきた殺人事件を語るという、言ってしまえば地味で停滞しそうなシチュエーションではある。
    しかし、その語られる話が彼視点ではない視点での話になるので、作中にいくつも雰囲気の違う事件が出てきて飽きが来ない。
    1作品ながら多数のミステリーを読めるのは贅沢感がある。
    語り手が信頼できないとい

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    2021年06月20日
  • 和菓子迷宮をぐるぐると

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    初読の作家さん。
    和菓子が食べたくなりました。
    主人公の、美を物理的に説明するところとかものすごく肯定的なところとかとても楽しく読みましたが、もっと和菓子を深く追求してくれそうなところであっけなく終わってしまった感じで勿体ない。続編とかないのでしょうか?

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    2021年05月06日
  • 和菓子迷宮をぐるぐると

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    主人公?の男性の一風変わった性格や家族環境の設定をあまり不自然に感じさせず、大団円に持っていく作者の円熟の技量に感心する。

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    2021年05月03日
  • 銀河英雄伝説列伝1

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    【収録作品】小川一水「竜神滝(ドラッハ・ヴァッサーフェル)の皇帝陛下」/石持浅海「士官学校生の恋」/小前亮「ティエリー・ボナール最後の戦い」/太田忠司「レナーテは語る」/高島雄哉「星たちの舞台 」/藤井太洋「晴れあがる銀河」

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    2021年03月06日
  • 和菓子迷宮をぐるぐると

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    超理系脳の大学生・涼太が出会ったのは、あまりに
    美しい和菓子。その美味しさにも魅せられた彼は、
    大学院には進まずに和菓子職人になることを決意する。
    製菓専門学校に入学して和菓子作りにのめりこむが、
    その道は奥深く…。

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    2021年06月25日
  • 銀河英雄伝説列伝1

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    これはオリジナルを読んでから読むべきだった。
    これだけでもわかるけど原作での人々の関係を理解した上で読めばより味わい深くなったはず。

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    2021年02月14日
  • 名古屋駅西 喫茶ユトリロ

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    名古屋めしがひたすら食べたくなる連作ミステリー。
    日常の謎×名古屋めしを組み合わせた6篇が楽しめる。
    手羽先唐揚げ、カレーうどん、海老フライ、寿がきやラーメン、鬼まんじゅう、味噌おでん。
    それぞれの描写が美味しそうで今すぐ名古屋にすっ飛んで行きたくなる。

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    2021年01月17日
  • 銀河英雄伝説列伝1

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    良い意味で、銀英伝本編のキャラたちの印象は変わらないので、おすすめですね。
    個人的には、艦隊戦の描写が見事だった「ティエリーボナール最後の戦い」! 読んでるうちに、本編を読み返したくなりました(素直な読者)
    そして、もっと読みたかったのが、最後の「晴れあがる銀河」。ラストが、ここからが思い白いんじゃないですかっ、続きは!? 続きー???? と絶叫したんですが、あえなく終わっている。いや、これ、ここで終わりはないんじゃ?(愕然)
    ・・・今後の発刊も期待しています。

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    2020年12月26日
  • 銀河英雄伝説列伝1

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    銀英伝トリビュート。執筆陣が豪華。
    やっぱりヤンの若いころのお話とかがすきだなあ・・・。
    「士官学校生の恋」が気に入った。

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    2020年12月13日
  • クマリの祝福 セクメトII

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    一作目を超えてきましたね
    気になって読んだのですが正解だったですね
    更に推理小説の要素が深くなったと思います

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    2020年11月23日
  • セクメト

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    面白かったです
    一気読みしました
    続編があるとのことで仕入れてきました
    ミステリアスな部分は、この本で紹介されていると思いますので、このあとの作品を作り込みがどうなっていくのか期待します

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    2020年11月14日
  • ミステリなふたり あなたにお茶と音楽を

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    ミステリというより紅茶と料理の話になってしまったのかな。
    それはそれで面白いかと思うけど。
    自分はそれが無くても面白いと思います。

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    2020年10月11日
  • ミート・ザ・ジャンパーズ!

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    面白かったですね。
    自分も楽器が出来たらと思いました。
    好きな事が何十年も出来るのは羨ましいです。
    応援したいですね。

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    2020年08月14日
  • ショートショート美術館 名作絵画の光と闇

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    なるほど、小説にはこういうアプローチもあるのか、と唸らされながら、高いリーダビリティでワクワクしながら読めるショートショート集。

    ゴッホやムンク、俵屋宗達らの名画を題材として、その名画から浮かぶインスピレーションを元にした自由なショートショートというだけでも面白いのだが、2人の作家が同じ名画を題材として競い合うという図式が見事。

    例えば、平山郁夫がシルクロードを旅する一団を描いた「月明の砂漠」を、一人は砂漠に巣食う化物に襲われるホラーとして、もう一人は宇宙の神秘を描くSFという、全く違った作品に結実させている。

    この工夫によって、名画を題材とする読み手のイマジネーションが広がっていく。ぜ

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    2020年06月07日
  • ショートショート美術館 名作絵画の光と闇

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    名画をテーマに二人の作家がショートショートを競作…というコンセプトがおもしろそうだったので読みました。でも実はショートショートってちょっと苦手で、物語の世界に入り込んで浸るのが好きなので、ショートショートだと入り込む前にお話が終わってしまって物足りなかったんです。でもこれは、どれもちょっと不可思議なお話ばかりで素直におもしろかったです。

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    2020年05月04日
  • 奇談蒐集家

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    奇談を集めるというバー「strawberry hill」の恵美酒一のもとに、何人もの人たちが奇談をもってやって来る。恵美酒はなんともスノッブで嫌味な感じの男である。話を聞いて「おお、これこそ奇談だ」と喜ぶのだが、客の背後に控える中性的な氷坂が一見理屈に合った話として退けてしまう。そのひっくり返し方が面白いとも言えるのだが、超常的な奇談でないにしても十分変な話ではある。というか、ちょっと無理やり感がないでもないのだ。最後は、全編をくるりんとまとめてしまう。うーん、それもまあまあかな。

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    2020年04月10日
  • 僕の殺人

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    自分が何者であるのか。
    多数の人が悩むことなく答えられる問いに答えられないこと。
    それはとてつもないストレスではあるけれども、世の中には知らない方が幸せなこともある。
    すべてを知りたい気持ちもわかる。
    知らなければよかったという後悔もわかる。
    彼は事件の被害者であり加害者であり証人でありトリックである。
    その真相にぞっとしました。

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    2020年03月05日