太田忠司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
28年前に死刑が廃止された日本での最後の死刑囚·麻倉玲一。長らく海外にいたため彼の経歴に対する知識を持たないという理由でライターの熊沢克也は彼の告白本の執筆者に指名され、取材のため収監されている離島の拘置所に。紳士然とした麻倉が過去の殺人を淡々と語る姿に熊沢は嫌悪感を増大させていく…。各殺人の語りに仕掛けがあるのでそれが後から効いてくるのかと思っていたら中盤から性急な展開に。呆気にとられていたら凄い力技で畳んできた。きちんと設計されているので破綻は少ないんだけどなんじゃこれ感がどうしても残る。タイトルから構えてしまったせいか。レクター博士な魅力を持つ麻倉に対しての熊沢が魅力に欠けまくるからか。
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Posted by ブクログ
ネタバレカバーと同サイズの帯のインパクトで購入
「このラストは革命的」「騙された」「徳間文庫大賞2022受賞」といういかにもな煽り文句、嫌いじゃないよ
読んだ結果、どこか既視感が……
・登場人物がみんなグルで主人公をだましていました
最初からそんな感じがしたし、何ならそんな作品読んだ事あるなー(作品名は挙げないけどね)
・主人公が気付かないだけで実は誘拐されてました
これも読んだ事あるなー(と思ったけど、具体名は思い浮かばない、でも読んだ事ある気はする……)
・主人公が誰かを刺すシーンを撮影して脅迫に使いたかったからこんな事を仕組みました
いや確かにこれは読んだことないけどもさ……
最初に書いた本 -
Posted by ブクログ
「狩野俊介シリーズ」の新作ですね。本格探偵小説です。
実に11年ぶりに成りますね。思えば太田さんの本を読み始めたのがこのシリーズでしたから、30年のお付き合いになります。
「月光亭事件」の時は俊介は小学6年生でしたが、今回は中学2年生の夏休みの事件簿に成りましたね。俊介の探偵としての成長シリーズでも有るのでまだまだ続編を期待したいところです。
いわゆる横溝正史風の本格探偵小説ですが、主人公が10代なので同じ年頃の学生さんが読んでも読みやすい文章で物語は進展します。
太田さんは俊介が推理して事件を解決に結び付く過程で探偵のジレンマを描き出します。
事件の解決で傷つく人が出てくる。探偵小説の作家さ