太田忠司のレビュー一覧
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ネタバレ何が起こっているのか、どういうシチュエーションなのか、冒頭に説明がなく、少しずつ明らかにしていくタイプの作品。視点人物である熊沢克也の目から、事実が少しずつ明かされる。
熊沢は、木菟鳴島という島で終身刑務所を訪れる。死刑が廃止された後、完全な終身刑の受刑者を受け入れるために作られた民間経営の刑務所。その刑務所にいる最後の死刑囚、朝倉玲一に、海外でずっと生活していた熊沢が取材をする、という設定だ。
熊沢は裕福で、自分を蔑む父を見返すためにこの仕事を受けた。
朝倉が過去の殺人を告白する展開になる。最初は、鶴田瑞枝という教師の話だ。これは、父が殺人者であると、登場人物である鶴田と読者に誤解さ -
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ネタバレバリバリ理系男子で考え方も理詰めな涼太。それでいて、自分以外はみんな女性のグループで仲良くやれてる(というよりモテてる)のは、嫌味がなくさっぱりした性格だからなんだろうな。
涼太の、一歩間違えれば屁理屈になってしまう考え方が私も読んでて面白かった。
周りの人に恵まれてるというのもあるのかも。
伯父さん夫婦も「はなふさ」の師匠も、製菓専門学校のクラスメイトもみんな涼太の言葉を尊重してくれる。そんな環境で餡作りに挑む姿が青春ぽくて爽やかでした。
(最後、いつの間にか「はなふさ」で働いているぞ?(^_^;))
零点か百点かの考え方はまだ健在なのかな。
あと、「傷つけるより傷つく方が悪い」という言葉 -
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ネタバレ死刑が廃止された日本で唯一生存している死刑囚・麻倉玲一。海外生活の長さから彼への知識、先入観を持たないフリーライターの熊沢克也に彼の伝記を残す白羽の矢が立つ。麻倉の収容されている民間経営の刑務所は絶海の孤島にありレーザーの檻など最新の警備システムを用いて最低限の人員で管理されていた。しかし、そこの管理に携わる面々はどうやら麻倉と因縁があるようで・・・。
まずタイトルのインパクトに目を引くだろう、信頼できない語り手という物語の外側のメタフィクション的な用語が使われている。これは読者と視点を同じくし地の文も一人称視点の作品等で主人公の発言や思想がどこまで信用できるかといった考えなのだが本作に -
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28年前に死刑が廃止された日本での最後の死刑囚·麻倉玲一。長らく海外にいたため彼の経歴に対する知識を持たないという理由でライターの熊沢克也は彼の告白本の執筆者に指名され、取材のため収監されている離島の拘置所に。紳士然とした麻倉が過去の殺人を淡々と語る姿に熊沢は嫌悪感を増大させていく…。各殺人の語りに仕掛けがあるのでそれが後から効いてくるのかと思っていたら中盤から性急な展開に。呆気にとられていたら凄い力技で畳んできた。きちんと設計されているので破綻は少ないんだけどなんじゃこれ感がどうしても残る。タイトルから構えてしまったせいか。レクター博士な魅力を持つ麻倉に対しての熊沢が魅力に欠けまくるからか。
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ネタバレカバーと同サイズの帯のインパクトで購入
「このラストは革命的」「騙された」「徳間文庫大賞2022受賞」といういかにもな煽り文句、嫌いじゃないよ
読んだ結果、どこか既視感が……
・登場人物がみんなグルで主人公をだましていました
最初からそんな感じがしたし、何ならそんな作品読んだ事あるなー(作品名は挙げないけどね)
・主人公が気付かないだけで実は誘拐されてました
これも読んだ事あるなー(と思ったけど、具体名は思い浮かばない、でも読んだ事ある気はする……)
・主人公が誰かを刺すシーンを撮影して脅迫に使いたかったからこんな事を仕組みました
いや確かにこれは読んだことないけどもさ……
最初に書いた本 -
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「狩野俊介シリーズ」の新作ですね。本格探偵小説です。
実に11年ぶりに成りますね。思えば太田さんの本を読み始めたのがこのシリーズでしたから、30年のお付き合いになります。
「月光亭事件」の時は俊介は小学6年生でしたが、今回は中学2年生の夏休みの事件簿に成りましたね。俊介の探偵としての成長シリーズでも有るのでまだまだ続編を期待したいところです。
いわゆる横溝正史風の本格探偵小説ですが、主人公が10代なので同じ年頃の学生さんが読んでも読みやすい文章で物語は進展します。
太田さんは俊介が推理して事件を解決に結び付く過程で探偵のジレンマを描き出します。
事件の解決で傷つく人が出てくる。探偵小説の作家さ