あらすじ
愛知県警捜査一課内で広く敬われながらも同時に恐れられている、通称“氷の女王”こと京堂景子警部補。ずば抜けた捜査能力と体術で犯人を追い詰めるクールビューティーな姿は、新人刑事・築山瞳にとって密かな憧れであり目標だ。そんな京堂警部補は、自宅に着いた途端に叫んだ――「ただいまあ。ねえ新太郎君、お腹空いたあ」「お帰り。今ご飯作るから」職場では鋼鉄の刑事、だが家では年下のダーリンにデレデレの景子さんと、イラストレーター兼主夫として妻を支えながら安楽椅子探偵の才能も発揮する新太郎君の名コンビによる謎解き7編!/解説=熊崎俊太郎(紅茶鑑定士)
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Posted by ブクログ
京堂夫妻シリーズ④いつもの2人の仲良しぶりや謎解き、新太郎の手料理、そして今回は新太郎の仕事が絡むエピソードも楽しめた、短編7話。最終話では大好きな歌が使われていたのも嬉しい。ジャム入りのティーソーダ、飲んでみたい
Posted by ブクログ
今回の謎解きはいつにも増してキレッキレだったと思う。
結構センシティブな内容を扱った話もあったので、攻めてるなあと。
その分、旦那様の推理も冴え渡って面白かった。
犯人が最初から分かっているパターンもあって、多種多様な事件を味わえたと思う。
また景子さんに憧れている新人女性刑事さんも登場。
彼女視点で警察側の話が進むので、視点はより読者に近づいた気がする(第三者視点よりも感情移入しやすい)
彼女の頑張りを見守るのもまた楽しみの一つ。
各話の冒頭にある紅茶と音楽の話も本当に素敵で、紅茶好きとしては堪らない仕様。
その話も無論最後に一つの大きなミステリとして読者の前に立ちはだかるのもお見事。
その謎解きも旦那様が華麗に解き明かしてくれる。
最後まで余すことなく楽しめる一冊だった。
これまでのシリーズの中で最高のクオリティではなかろうか。
惜しむらくは、景子さんが旦那様を押し倒す恒例シーンがなかったことくらいか。
大人になったな、景子さん……いや、元から大人なんだけど。
それが嬉しくもあり、寂しくもあり。
Posted by ブクログ
いわゆる安楽椅子探偵ものでしょうか。
県警捜査一課の『氷の女王』こと、京堂 景子警部補。容赦のない言行と、卓越した捜査能力で、捜査一課の中でも、恐れられる存在。
しかし、ひとたび家に帰ると年下の旦那さん・新太郎さんにデレデレの毎日。
このギャップに思わずニヤリですね。
今回は各小説の冒頭にショートストーリーが。なんと、これが伏線なんですね。
・白い恋人たち
・小さな喫茶店
・雨にぬれても
・バードランドの子守唄
・夏の日の恋
・華麗なる賭け
・僕の歌は君の歌
どれも味わい深い7篇です。
最後に、全体の伏線が回収されます。
なんと、そういうことか。
Posted by ブクログ
シリーズものであったことを知らずに読んだが、全然問題なく楽しめた。各章冒頭にエッセイ調の紅茶と音楽にまつわる作中作が配置されており(これがお洒落で素敵なのだ)、最後まで読むとその部分をもう一度読み返したくなる。やっぱり連作ミステリたるものこうでなくてはと思う。