大澤真幸のレビュー一覧
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3人の社会学者が、中国について話し合うという本。前半は中国、中国人に関する基本的な謎について。なぜ中国人は、日本人から見ると自己主張の強い人たちに見えるのか、中国人にとっての宗教とは何か、そもそもなぜ広大な地域が国としてまとまっているのか、といった問題や、共産党と毛沢東についての話。後半は中国の歴史問題に関する認識の捉え方と日中関係のあり方を論じている。
今回の3人のうちの2人が参加している『ふしぎなキリスト教』がとても面白かったという記憶があって、中国についてはまともに知らないけど、読んでみた。とても面白いけど、難しかった。まず中国の歴史、特に戦時の日中関係や日本の行動について、おれはあ -
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橋爪大三郎、大澤真幸、宮台真司の3人が、中国をテーマに語り合った本。
中国という国のあり方は、ヨーロッパの近代国家を基準にして作られた西洋の社会学の枠組みでは説明しきれないところがあるにも関わらず、文化左翼的な立場からの中国論者たちはポストコロニアル批評などの西洋の現代思想を当てはめることで中国を理解しようとしてきました。本書はそうした一方的な中国への共感を戒め、理論社会学についても独自の思想を展開し、中国の実情にも詳しい橋爪を中心にして、理論と現状分析の双面にわたって中国を分析しています。
日中の歴史問題や、今後の日中関係についての議論も、たいへん興味深く読みました。ただ、座談会形式とい -
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ネタバレオビの文句「なぜこんなにも息苦しいのか?」と「不可能性の時代」というタイトル。これらにある種の救いを得ようと本書を手に取る人も多いのではないかと思う。しかし個人的には、「理想の時代」、「虚構の時代」そして「不可能性の時代」という戦後を3期に区分する発想と、その画期としての1970、1995という年を想定することに、「なんとなく」「あいまいに」うなずかされる以上に、得られるものはなかった。そもそも時代を象徴する事件の特殊性にその時代の空気を見出そうとする発想は、それ自体あまりにも陳腐であり、気鋭の社会学者たるもの、その手法の有効性を疑うところから出発べきではないのだろうか、という疑問もつきまとう
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ネタバレ功利主義の最大の問題は「普遍性」を放棄すること。
功利主義は。犠牲を正当化するケースからもよくわかるように、公平性に二義的な関心しか向けない。Cf. トローリー・ケース by イギリスの哲学者フィリッパ・フット p73
【修正功利主義】p74
「最大多数の最大幸福」のような目標を、数学ではダブルオプティマム(二重最適化)という:ダブルオプティマムは、一般には解けないことが数学的にはわかっている。つまり、二つの変数を同時に極大化するような理想的状態は一般にはない。
修正功利主義は最大多数をカッコにくくって、一定の規準になる集団を決める。cf. 国益→国際政治のゼロサムゲームへ cf. ベーシッ -
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面白い…のかなぁ~?これ。
最近の社会学の本としてはそれなりにヒットしてるんだと思うんだけど、個人的には読んでてそんなにしっくりこない。講義の形を取ってるので、恐らくは誰かに向けて話していた授業みたいなものを本にまとめてるんだと思うんだけど、結果として大学の授業を聞いているような、砂を噛むような議論がずーっと続いてく感じ。少なくとも、強い興味と関心を持って最後まで読み続けられる、という本ではない。
その点で、少し前に流行った『これからの「正義」の話をしよう』に通じるところがあるかも。流行ってるから読んでみた、でも難解で分かりにくい、でも周りのみんなが見ている手前、難しくて分かりませんとは恥ずか -
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資本主義の「暴力」とか、「必然」なんてタイトルだったら買わなかったと思う。惹かれたのは「謎」というタイトル。帯に挙げられている「謎」は次のようなもの。曰く「なぜ西洋で誕生したのか」、「法人の起源はどこにあるのか」、「利子率革命とは何か」、「成長なき資本主義は可能なのか」。
ぼくの浅薄な知識によれば、最後の「謎」には「否」と即答することになる。但し、門外漢のぼくが即答するようなレベルのことが、わざわざ「謎」として例示されているはずもない。「もしかしたら可能性があるのか?」という興味から購入。
読み終えてみると、高校時代に読んでいたら経済学を志したかもしれないと思うほどに面白かった。あるいは、 -
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大澤真幸が最初に、この本はとても素晴らしいと自画自賛してて、橋爪大三郎も最後で同様に自画自賛してるんだけど、本人たちが言ってるほど、おもしろくはなかったぞ。
でも、分かりやすい部分もあって、読んで良かったと思ってる。
分かりやすかったのは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の関係。どこまで一緒で、どこからが違うのか?それが、クリアーに整理されてた。
イスラム教の方が、論理的に矛盾が少なく、キリスト教は矛盾がいろいろあるので、ギリシャ哲学みたいなものを通じて「三位一体」という、どう考えても、理解しにくい理屈をつくりだした。
ところが、前近代までは、イスラム世界や中国のほうが文明的にリードして