大澤真幸のレビュー一覧

  • 近代日本思想の肖像

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    「思想のケミストリー」に新項目が加えられたもの。

    加えられたのは、「丸山眞男」と「丸山眞男と太宰治」についての論文。

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    2014年03月08日
  • おどろきの中国

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    隣国でもあり分かっているつもりでいるので、積極的に理解しようとしない。実際には知らないことばかり。我々にとって中国とはそんな国なのではないでしょうか。
    三国志は読んだことあるけど、文化大革命についてはよく知らない・・・私もそんな状態でした。

    中華という思想、儒教と文化大革命、国家というよりも共産党の支配、「帮」という集団意識、中台関係、日中関係の歴史などなど
    学者三名の討論を通して多くの事柄が紹介されていきます。

    少し難解なところもありますが、中国関連のニュースに触れた時にこの本の関係箇所を読み返してみたいと思います。

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    2014年03月01日
  • 生権力の思想 ──事件から読み解く現代社会の転換

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    規律訓練型の権力から逃れるために、むしろその権力が自己否定的な結果をもたらす程度まで徹底的に作動させること。

    規律訓練型権力から管理型の生権力への変容を内在的に後付ることによって、権力に対する抵抗の足がかりを見出す。管理され尽くされること自体がその権力関係を内側から食い破っていく。

    この論点はわかるが一方で、権力は抵抗を乗り越えてしまうのではないか?この点はフーコー読みのあとでいつも議論になってたような気がする。

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    2014年02月09日
  • 不可能性の時代

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    ネタバレ

    アメリカに管理され、高度経済成長を理想の時代から
    凶悪な犯罪事件などに代表される虚構の時代を経て、
    不可能性の時代に突入した今。

    不可能性の時代とは、「現実への回帰」と「虚構への耽溺」という、
    2つのベクトルを持つ時代という。
    政治の世界でいえば、
    「現実への回帰」は原理主義
    「虚構への耽溺」は多文化主義
    に対応する。

    また、この時代は神のような
    『第三者の審級』(全能者みたいなもの?)がいない。
    そのため自己責任で意思決定をしていかなくてはいけない。

    最後に市民参加型の民主主義は
    小さい社会集団の中でしか機能しないことに対して、
    『6次の隔たり』、『ランダムな線』で解決の糸口を見つけよ

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    2014年01月08日
  • 不可能性の時代

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    ネタバレ

    オビの文句「なぜこんなにも息苦しいのか?」と「不可能性の時代」というタイトル。これらにある種の救いを得ようと本書を手に取る人も多いのではないかと思う。しかし個人的には、「理想の時代」、「虚構の時代」そして「不可能性の時代」という戦後を3期に区分する発想と、その画期としての1970、1995という年を想定することに、「なんとなく」「あいまいに」うなずかされる以上に、得られるものはなかった。そもそも時代を象徴する事件の特殊性にその時代の空気を見出そうとする発想は、それ自体あまりにも陳腐であり、気鋭の社会学者たるもの、その手法の有効性を疑うところから出発べきではないのだろうか、という疑問もつきまとう

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    2013年12月23日
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか

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     資本主義の来歴と現状を広範に論じた対談。「知的遊戯」としては抜群に面白いし、新自由主義経済の犯罪的本質への批判も真っ当だが、「資本主義はこのままでは破綻する」という現状認識の域を出ないため、副題の「『成長なき時代』をどう生きるか」という問いに対する具体的・実践的な指針は示されない。歴史学サイドとしては、「長い21世紀」説への世界システム論の恣意的な利用が気になる。

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    2013年11月12日
  • おどろきの中国

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    経済的にも文化的にも大きな関わりを避けられない隣の大国のことを、自分があまりにも知らないので、読みやすそうな本書を買いました。
    政治体制が変わっても中国社会の根底にある人間関係の規範のことが何となくわかったような気がします。

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    2013年10月19日
  • おどろきの中国

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    なかなか。
    三人の中国通対談集。
    中国は本当に国家なのか。毛沢東の間違い。鄧小平について。
    参考になった。
    少々、読み応えが有り過ぎる。

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    2013年09月28日
  • おどろきの中国

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    ネタバレ

    中国は帮(ホウ)の世界だ、三国志の劉備の関羽・張飛の関係だ。 その中に入れば親密で親しいがその外では完全な敵となる

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    2013年09月27日
  • 「正義」を考える 生きづらさと向き合う社会学

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    功利主義の最大の問題は「普遍性」を放棄すること。
    功利主義は。犠牲を正当化するケースからもよくわかるように、公平性に二義的な関心しか向けない。Cf. トローリー・ケース by イギリスの哲学者フィリッパ・フット p73

    【修正功利主義】p74
    「最大多数の最大幸福」のような目標を、数学ではダブルオプティマム(二重最適化)という:ダブルオプティマムは、一般には解けないことが数学的にはわかっている。つまり、二つの変数を同時に極大化するような理想的状態は一般にはない。
    修正功利主義は最大多数をカッコにくくって、一定の規準になる集団を決める。cf. 国益→国際政治のゼロサムゲームへ cf. ベーシッ

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    2013年07月10日
  • 生権力の思想 ──事件から読み解く現代社会の転換

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    ミシェル・フーコーが提起した「生権力」から現代社会において、生権力がなぜ、どのようにして規律訓練型から管理型へと転換したのかをオーム真理教事件、宮崎勉事件などをとりあげて説明する。私には少々難解でした。

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    2013年05月07日
  • 社会は絶えず夢を見ている

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    面白い…のかなぁ~?これ。
    最近の社会学の本としてはそれなりにヒットしてるんだと思うんだけど、個人的には読んでてそんなにしっくりこない。講義の形を取ってるので、恐らくは誰かに向けて話していた授業みたいなものを本にまとめてるんだと思うんだけど、結果として大学の授業を聞いているような、砂を噛むような議論がずーっと続いてく感じ。少なくとも、強い興味と関心を持って最後まで読み続けられる、という本ではない。
    その点で、少し前に流行った『これからの「正義」の話をしよう』に通じるところがあるかも。流行ってるから読んでみた、でも難解で分かりにくい、でも周りのみんなが見ている手前、難しくて分かりませんとは恥ずか

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    2013年04月24日
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか

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    資本主義の「暴力」とか、「必然」なんてタイトルだったら買わなかったと思う。惹かれたのは「謎」というタイトル。帯に挙げられている「謎」は次のようなもの。曰く「なぜ西洋で誕生したのか」、「法人の起源はどこにあるのか」、「利子率革命とは何か」、「成長なき資本主義は可能なのか」。

    ぼくの浅薄な知識によれば、最後の「謎」には「否」と即答することになる。但し、門外漢のぼくが即答するようなレベルのことが、わざわざ「謎」として例示されているはずもない。「もしかしたら可能性があるのか?」という興味から購入。

    読み終えてみると、高校時代に読んでいたら経済学を志したかもしれないと思うほどに面白かった。あるいは、

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    2013年04月22日
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか

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    資本主義のこれまでとこれから。現代の資本主義はいかに成り立ち、今どういう局面を迎えているのか。
    国家単位を基準に成り立った資本主義はグローバル化を迎えて(通貨交換を行う時代を迎えて)機能不全を起こしつつある部分もある。また、成長なき時代、フロンティア・外部がなくなりつつある時代でもあり、早晩、別のシステムを見つけなくてはならない・・・
    問題の整理はいいんですが、その先を提示するのはやっぱり難しい。だからって最後は古市くんと桐島かよってツッコミを入れたくなるのも確かですが。

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    2013年03月18日
  • ふしぎなキリスト教

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    大澤真幸が最初に、この本はとても素晴らしいと自画自賛してて、橋爪大三郎も最後で同様に自画自賛してるんだけど、本人たちが言ってるほど、おもしろくはなかったぞ。

    でも、分かりやすい部分もあって、読んで良かったと思ってる。
    分かりやすかったのは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の関係。どこまで一緒で、どこからが違うのか?それが、クリアーに整理されてた。

    イスラム教の方が、論理的に矛盾が少なく、キリスト教は矛盾がいろいろあるので、ギリシャ哲学みたいなものを通じて「三位一体」という、どう考えても、理解しにくい理屈をつくりだした。

    ところが、前近代までは、イスラム世界や中国のほうが文明的にリードして

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    2022年01月07日
  • 夢よりも深い覚醒へ 3.11後の哲学

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    知が融合するとこんな風になるのかなぁ・・・・。
    百科全書的でおもしろかった。
    でも・・・・、原発に無理やり???って感じも無きにしも非ずかなぁ。
    ソクラテスとキリストとマルクスと原発かぁ・・・。
    理念としてはわかるし、視座も角度も愉快なんだけど・・・・。
    全体としては現実的ではないですね。
    2012年5月現在、日本のすべての原発は停止してますが、著者はどのような判断を下すのか楽しみです。

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    2012年05月06日
  • 夢よりも深い覚醒へ 3.11後の哲学

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    近年、著者が巡らせてきた様々な哲学的論考(『不可能性の時代』、『ふしぎなキリスト教』など)を切り口に、3.11を読み解いた作品。著者独特の表現が多用されていること(「第三者の審級」、「アイロニカルな没入」など)も踏まえると、はじめて著者の本を手に取る方には難しいような気もします。
    論考の中身も、キリスト教の終末思想や、ノン・アルコールビールの思想などをむりくりに3.11に結びつけて語っているようなところもあります。私個人としては『不可能性の時代』を読んだ時に感じた衝撃(特に秋葉原の事件を切り取る社会学的視点に驚いたわけですが…)は感じることはなかったのでした。期待が高かったといえばそうかもしれ

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    2012年04月24日
  • 夢よりも深い覚醒へ 3.11後の哲学

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    正直、特に前半が大変難しく感じられた。
    読み進めて後半になってまとめのところまで行き着いて、わかる部分が実感できるようになった感覚を受けた。
    たまには頭をギュッと絞る読書も必要だと思う。

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    2012年04月07日
  • 不可能性の時代

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    「家族ゲーム」松田優作、食事のシーン、テレビ

    V 不可能性の時代
    3 反復というモチーフ
    「終わり」の回復

    このようにして第三者の審級を逆説的に回帰させることによって初めて、偶有的であった選択に関して、「必然性」の感覚をもつことが可能になる。選択したことに関して、「これでよい」「これしかない」という感覚をもち、それを引き受けることができるようになるのだ。 p.213

    VI 政治的思想空間の現在
    1 「物語る権利」と「真理への執着」
    「物語る権利」と「真理への執着」

    「物語る権利」を擁護するのは、典型的には、多文化主義である。「真理への執着」として現象しているのは、たとえば、原理主義だ。

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    2011年12月23日
  • 「正義」を考える 生きづらさと向き合う社会学

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    正義についての、大澤流考察。
    最初の方はわかりやすかったが、後半は哲学的すぎてよくわからなかった。

    もう少し基本的な内容を抑えてから読むべきだった。

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    2011年12月04日