大澤真幸のレビュー一覧
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近年、著者が巡らせてきた様々な哲学的論考(『不可能性の時代』、『ふしぎなキリスト教』など)を切り口に、3.11を読み解いた作品。著者独特の表現が多用されていること(「第三者の審級」、「アイロニカルな没入」など)も踏まえると、はじめて著者の本を手に取る方には難しいような気もします。
論考の中身も、キリスト教の終末思想や、ノン・アルコールビールの思想などをむりくりに3.11に結びつけて語っているようなところもあります。私個人としては『不可能性の時代』を読んだ時に感じた衝撃(特に秋葉原の事件を切り取る社会学的視点に驚いたわけですが…)は感じることはなかったのでした。期待が高かったといえばそうかもしれ -
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「家族ゲーム」松田優作、食事のシーン、テレビ
V 不可能性の時代
3 反復というモチーフ
「終わり」の回復
このようにして第三者の審級を逆説的に回帰させることによって初めて、偶有的であった選択に関して、「必然性」の感覚をもつことが可能になる。選択したことに関して、「これでよい」「これしかない」という感覚をもち、それを引き受けることができるようになるのだ。 p.213
VI 政治的思想空間の現在
1 「物語る権利」と「真理への執着」
「物語る権利」と「真理への執着」
「物語る権利」を擁護するのは、典型的には、多文化主義である。「真理への執着」として現象しているのは、たとえば、原理主義だ。 -
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[ 内容 ]
グローバル化は地獄への道だ。なぜ私たちは受け入れるのか?
いま必要なのは、力もない、地位もない、排除された人を社会の代表とみなし、日本の民主主義をつくり直すことだ。
いまこそ、先の見えない時代を打ち破る“ユートピア”を!
そう、未来を決して諦めず、“理想”を取り戻す時である。
[ 目次 ]
第1章 北朝鮮を民主化する-日本国憲法への提案1
第2章 自衛隊を解体する-日本国憲法への提案2
第3章 デモクラシーの嘘を暴く-まやかしの「美点」
第4章 「正義」を立て直す-「みんなのルール」のつくり方
第5章 歴史問題を解決する-隣国とのつきあい方
第6章 未来社会を構想する-裏切りを -
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[ 内容 ]
いま戦後思想を問うことの意味はどこにあるのか。
戦後民主主義を潮流とする戦後知識人の思想は、アメリカを中心とする世界システムのマージナルな部分として位置づけられた戦後空間のなかで醸成された。
だが、70年代を転回点にして、アメリカの善意を自明の前提とした構造がもはやリアリティを失いはじめているのは明らかだ。
西田幾多郎、田辺元の京都学派や和辻哲郎などによって唱導された戦前の「近代の超克」論を検証し、ポストモダンから「戦後・後」の思想へと転換する戦後の思想空間の変容を、資本の世界システムとの関連において鋭く読み解くスリリングな戦後思想論講義。
[ 目次 ]
第1章 戦後思想の現在 -
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この本の時代区分をすれば、
1.戦後〜70年代「理想の時代」
2.70〜80年代「虚構の時代」
3.90年代「リスク社会」(=大澤『虚構の時代の果て』(ちくま新書、1996年)
4.2000年以降「不可能性の時代」。
って感じになるのかな。
どちらかというと、「理想の時代」から「虚構の時代」までが説得力を持つが、これは後付論であるし、基本として見田宗介の論を敷衍しているから、まあ、定着した当然の道筋のような気がする。
全体としては、「腑に落ちた」感が少なく、ここのところの社会の「不全感」が「不可能性の時代」にネーミングされちゃうのは当然過ぎてオドロキがないと、思ったり。
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Posted by ブクログ
この本は戦後日本が、理想→虚構→不可能性 の時代という変遷をたどってきているという主張をしていて、今は不可能性の時代と呼ばれるらしい。所々自分たちになじみの具体例についても言及されていてとてもおもしろかった。酒鬼薔薇聖斗の事件やオウム真理教、ニコニコ動画やオタク、オタクの漫画やアニメ、エロゲなどについても触れられていて、そのいろいろな社会現象に大澤なりに意味を与えていた。最後の結論の部分でネットワーク理論という理系の学問分野を利用して締めていたのが新鮮だった。言葉の綾の空虚な胡散臭い学問になりがちな社会学に科学という裏づけをしたのが面白く、新鮮だった。
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2008年4月に発売された本だからかなり新しい。戦後から、理想の時代、虚構の時代と進んできて、現在の不可能性の時代に至るという話。なんだか、ところどころうまく身に入らない部分があって、著者に付いていけてないと自ら感じたりする時もあったが、以前この著者が書いた本に関連づけて考えると非常によくわかる部分がけっこうあったため、たぶん、大澤真幸の今までの本とかをだいたい読んでたら、もっとよく身体化されるのだろう。とても興奮した。特に、酒鬼薔薇聖人のくだりと、最後らへんの思想分析の部分が、大変おもしろかった。大澤真幸を読んだことのない人でも楽しんで読める本だと思う。色々なアイディアや興味深い社会的事件