大澤真幸のレビュー一覧

  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか

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    資本主義の来歴と、それが現在陥っている問題、そして資本主義の後にやってくる時代の展望について、エコノミストの水野和夫と社会学者の大澤真幸が語っています。

    おおむね大澤がみずからの立場を示しながら水野の考えをたずねるというかたちで議論が進められており、とくに後半ではそうした傾向を強く感じました。ただし資本主義の形成について語りあっているところでは、「蒐集」というキーワードを用いて資本主義の形成から現代の状況までをつらぬく本質を見ようとする水野に対して、大澤が資本主義の形成が世界史において逆説的な性格をもっていることを強調するなど、意見の対立が見られます。ただし、両者ともみずからの立場を提示する

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    2020年01月05日
  • 戦後の思想空間

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    大澤真幸の本には、いつも『考える』ことの楽しさ、面白さに満ちている。
    社会学の先人には、見田宗介という存在がいるが、昨今は、あまりにも抽象的過ぎる。
    その点、大澤真幸は、具体的な事件を扱いながら、誰も想像しないような解きほぐし方をする。
    最初に出てくる、慰安婦問題。
    なるほど、そういう読み解き方かあと合点がいった。

    ウルトラマンや小島信夫の『抱擁家族』に絡めて、アメリカや母性を論じる箇所は、とても粗く、強引に大澤が論じたいように、読み替えていると言っても過言ではない。
    文学作品、アニメなどが、単なる小道具に使われているという感がある。

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    2019年11月10日
  • 考えるということ 知的創造の方法

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    この頃読んだ本の中では比較的面白かった。特に文学編における読解の仕方やアプローチは刺激的だったし、読みたい本も増えた。が、副題の「知的創造の方法」そのものは取り立てて一般的で、目新しさはない。ただこれに関しては本質とは得てしてそういったものだと言えるかもしれない。
    あとは一冊の本としての構成がややアンバランスに感じた。骨太な1章から3章と比べて序章と終章があまりに軽すぎるのだが、「知的創造の方法」自体は主にそのふたつの章で語られている(1章から3章は、方法を実践するとこのように考えられる、という著者自らの実例だ)。方法論の章も思考実例同じくらい骨太にしろというのは無茶な要求とは思うが、何かやり

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    2019年07月13日
  • アメリカ

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    そもそもアメリカは、プロテスタントであるピューリタンがメイフラワー号に乗って、理想の国の建設を目的として米国はマサチューセッツ州プリマスに到着し、メイフラワー契約に基づき建国された、という前提から出発し、その歴史の中でキリスト教がどのように変遷、分派し、人々の心性に影響を与えていったかが、社会学者である二人の対話の中で語られていきます。

    アメリカ独自の宗派、教会として、長老派(プレスビテリアン)、会衆派(コングリゲーショナル)、メソジスト、クウェーカー、バプテスト、ユニタリアン、ユニバーサリスト、アドベンチスト、モルモン教、クリスチャン・サイエンス、エホバの証人、などが紹介されていますが、日

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    2019年06月08日
  • 夢よりも深い覚醒へ 3.11後の哲学

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    この話は鮮度が大事で、仮に3.11から数年を経てこの本が出されたのだとしたら大澤氏にしてはあまりに思考が浅いのでは?と思ったけど3.11から1年も経たずに出版されてたことをあとがきで知り、そのスピード感はさすがだなと思った。
    震災・津波や1F事故を宗教的、哲学的観点から捉えて社会構造、意識構造を問うていくのはやはりこの人の持ち味だろうなと思う。けど『虚構の時代〜』から続けて読んできてある種「大澤ワールド」が深化してどんどん氏のフィールドの中だけで話が膨らんでいってるような印象も受ける。読み物としては面白いけど、わたしにはどこかフィクションを読んでるみたいで、実践的かと言われるとうーんと思う。と

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    2019年03月02日
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか

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    ざざざざーっとみただけだが、やはり対談本でお勉強するのは難しいという印象。ファン向けではないだろうか。

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    2019年01月16日
  • 不可能性の時代

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    戦後から現在までを社会学的に丹念に分析したのち、現代の閉塞を突破する門を見出す。新書レベルでは中々お目にかかれない密度の高さ

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    2019年03月07日
  • アメリカ

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    20181220〜20190109 橋爪・大澤両氏によるアメリカ論。プログマティズムについての解説は、対談形式だから泣きながら相手に分かりやすく説明する体をとっているから、門外漢の私でもかろうじて分かった。アメリカを理解することで、日米関係を、ひいては日本の明治維新以降の政治外交関係と戦争に対する意識を考える、と言う意図が本書にはあるようだ

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    2019年01月09日
  • げんきな日本論

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    日本史において、普通に出てくる数々の「キーワード」、社会システムの変換点を表す「時代」、そういうものとして当然と受け取っていた日本の歴史が、いかに特殊なものであったのか、どうしてそうなったのかを膨大な知識量を背景に対話方式で展開していく本であり、それぞれの論点はかなり興味深いものでした。
    歴史の純粋な考察でもなく、裏付けもないので、信憑性があるものではありません。ですが、対談の中で新たな解釈が生まれていく躍動感と熱量を楽しめると、面白く読めると思います。

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    2018年11月28日
  • げんきな日本論

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    『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』(ともに講談社現代新書)と同様、橋爪大三郎と大澤真幸の二人の社会学者が、日本史についての解釈をおこない、現代にまでいたるこの国のありようを解き明かそうとしている本です。

    著者たちの日本史の解釈は、専門の研究者から見れば大胆にすぎるのではないかと思われる箇所もありますが、日本社会の歴史的な形成過程を明らかにするという問題設定から日本史を読み解くという本書のスタンスは、歴史研究においてはあまり見られないアプローチのしかたで、おもしろく読みました。

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    2018年08月23日
  • 憎悪と愛の哲学

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    真の愛は憎悪からの転回としてのみありうる。事前に憎悪がなければ理想主義的な平和を導くような愛が事後に現れることはなかっただろう。憎悪と愛は繋がって居て、むしろ本質的には同一であり、愛の真実性の前提として憎悪がある。

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    2017年12月08日
  • 考えるということ 知的創造の方法

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    私は考える,この世界を。

    難しいところもあったけど,とりあえず読みとおした。考えること,そして書き表すこと。決して止めてはならないと思う。最近,あまり考えてないけど。

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    2017年07月02日
  • 日本史のなぞ なぜこの国で一度だけ革命が成功したのか

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    タイトルが内容を正しく表わしていないように思う.「革命の条件」とでも言った方がいい.「御成敗式目とは何だったか」とか.
    わが国の権力の中心は空虚だ,と看破したのは猪瀬直樹だったが,その分析をもう一歩進めた感がある.

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    2017年06月15日
  • げんきな日本論

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    この書名の「元気な」は「日本」ではなく「論」にかかる言葉。日本史の18の質問を社会学的観点から語り合う。まずはなぜ日本は土器が発展したのか?から。なぜ日本で大きな古墳が発達したのか。なぜ日本は貴族階級、そして武士階級が生まれたのか、天皇を超える存在になろうとした信長を象徴する安土城など、興味深い根源から考えさせてくれるテーマが多い。貴族の代表格でもある藤原氏は爵位を継承していたわけではない、その権力の根源がどこにあったのか。武士の存在は日本にしかない!などは全く考えたこともなかったが、実にスッキリとした感じ!幕府と天皇の関係を巡る微妙な力関係が、北条義時の承久の乱の戦後処理、後醍醐天皇の失敗な

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    2017年02月14日
  • 考えるということ 知的創造の方法

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    『考えるということ』を、社会科学、文学、自然科学から見ていく。
    言い方が難しいけれど、各分野の権威がそれぞれ何をきっかけにして、どう考えたかということを詳しく述べていく。
    なので、それぞれの章にはテーマがあるのだけど、そこから大きく考えることそのもののとっかかりにもなる構成。

    とは言え、哲学的要素の多い部分は私には理解出来なかった。
    特に社会科学の章。時間という概念の話。
    過去、現在、未来に対する意識。
    面白い問題提起は、なぜ、夜中0時に日付けが変わるのか、というところ。

    文学の章が、一番分かりやすかった。
    「罪」と赦しと神。
    『こころ』『罪と罰』『東京プリズン』の前半は読んだ作品であるか

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    2017年01月22日
  • 日本史のなぞ なぜこの国で一度だけ革命が成功したのか

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    <目次>
    第1章  革命家はただ一人
    第2章  東の革命/西の革命
    第3章  天皇なき天皇制

    <内容>
    日本唯一の革命家は、北条泰時だという。説の根本は、山本七平の『日本的革命の哲学』。大筋はわかった気がするが、キリスト教との比較や中国の比較などは手に負えなかった。

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    2017年01月20日
  • げんきな日本論

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    年末年始に何読もうかと書店を物色して目に留まった本。
    「元気な日本論」というタイトルと橋爪大三郎さんに魅かれた。413ページと新書にしては大部だけど、対談形式なので苦にならず読めた。
    「なぜ日本には、天皇がいるのか」、「なぜ日本には、幕府なるものが存在するのか」、「なぜ信長は、安土城を造ったのか」などの興味深い問について、日本史の授業では教わらない-主に社会学の-観点から学べた。
    ただ、古代からはじまった対談が明治で終わってしまうのは日本史の授業と同じか…。

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    2017年01月02日
  • げんきな日本論

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    とてつもなく賢いおっさん二人の話を立ち聞きしたら、ちょっとは分かる部分もあったし、分からない部分は分からないなりに面白かった。
    そんな感じ。
    全部理解しようと思わなくていいし、どんどん読み飛ばしたっていい本だと思います。

    何しろ、「一人で考えていたら悶々としちゃいそうな話も、二人で話したら膨らむんでないの」という気楽なスタンスに救われた。

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    2016年12月26日
  • げんきな日本論

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    橋爪氏と大澤氏の日本史に関する対談。
    古代から幕末までですが、もう少し近代史も範囲として
    話をしていったほうが、と思います。
    なんとなく日本史って幕末。もしくは明治・大正までで
    終わってしまう傾向にあるので。
    日本の特殊性やその必然性など、中国やヨーロッパと
    比べて日本の武士や封建制の特殊さなど。
    なかなか面白い内容だったと思います。

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    2016年12月25日
  • 憲法の条件 戦後70年から考える

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    憲法について騒がれることが多くなったので学びのために手に取った本。
    集団的自衛権、憲法9条といった世の中で騒がれているようなポイントだけではなく、憲法そのものについての基本的な考え方を学ぶことができる。
    ただ、法に対しての人の解釈が無数あるように、法そのものに対しての基本的な考え方も他にも多くあるのだろうという予感はしている。
    これはあくまで一つの意見ということで解釈している。特に初心者の私にとっては最初の一歩の本なので、これがすべてだと真に受けてしまうのは危ないなと。

    ただ個人的に大いに共感できる意見が多かったのも確かだ。
    憲法9条はどこの国にもない誇れるものだと思う。

    例えば1000年

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    2016年10月27日