小川仁志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
内容紹介
ルサンチマン、イデア、メタファー、レゾンデートル、アウフヘーベン、弁証法、記号論、形而上学、構造主義、実存主義、唯物史観……。
哲学に特に興味のない人でも、こうした難解な言葉が本の中に突然出てきて頭を抱えたり、会社の会議や飲み会の席で誰かが何げなく口にして「わからないけど聞くのは恥ずかしいな……」と思ったことは一度はあるはず。
そこで本書では、元サラリーマン・市役所職員という異色のキャリアを持つ“庶民派”哲学者が、日常会話でも頻繁に使われる常識的な哲学用語から、チンプンカンプンな専門用語まで一挙超訳(超訳例:「ルサンチマン=負け惜しみ」「イデア=理想像」「唯物史観=経済が歴史を動か -
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哲学は難しいと言われるし、実際そう思います。これまで何度行間のみっちり詰まったハードカバーを買って挫折したことか。それで解説書的な本を読むと見事に要約されていて、自分の読解力の無さに落ち込むことも何度もありました。
ですが、それはしょうがない事なのです。
哲学書とは、哲学という学問の最先端を走る人が書いた論文なのです。これが、例えば数学や物理だったりすると門外漢の人が数学の論文を読もうなんて思わないだろうし、そもそも売ってませんし。
言葉という普段当たり前に使っていて普通に理解している記号で、理解できそうにない事が書かれているから難しいという反応になるのだと思います。
そんな風に言い訳 -
Posted by ブクログ
サラリーマン、市役所職員として働いていた経験を持つ、いわゆる市民感覚を持った哲学者である小川仁志氏が、「普通の人が、大づかみに哲学用語を理解できるようにする」ことを目的として書いた哲学用語事典。
「ルサンチマン」「カタルシス」など一般的にもよく知られた言葉から、「エクリチュール」「プシュケー」など聞いたこともない言葉まで、基本的に1単語見開き2ページで解説している。
哲学に少し興味がある普通の人向けであり、解説は意識的に簡単なものになっている。そのため、なじみのある哲学用語についてはあらためてその意味を再確認することができた一方で、難しい単語について、説明が抽象的になりすぎているような気がし -
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ネタバレ政治でも経済でも、とにかくプラグマティズムがアメリカ人の思考の大事な部分を占めていることは確かなようです。プラグマティズムとは、一般に「実用主義」とも訳されるように、生じた結果によって意味を決定しようとする考え方のことです。日常的な用語として、「あいつは実を取るやつだ」というようなニュアンスで、「プラグマティック」という語がよく使われているのです。
経済のグローバル化が急速に進む中、私たち日本人は、アメリカ人の思考の大事な部分を占めているプラグマティズムやキリスト教などを正確に把握する必要がある。それは、もしかしたら英語に堪能になることよりも大事なことかもしれない。なぜならば、仮に言葉が通 -
Posted by ブクログ
うーん、言うほど「超訳」ではなかった気が……。初めこそ「おぉ、そんな解釈が!」というような驚きもあったんだけれど、章が進むごとに段々と「哲学」のヤヤコシサが牙をむきはじめる。後半なんかは特に、そのへんにある哲学入門書となんら変わりがないというのが感想です。触れ合いやすさを狙ったのかもしれないけど、章立てもイマイチ意味不明ですな。
とはいえ、昨今の評論――それは社会学的評論であっても、文学的評論であっても――では、当たり前に哲学用語が散りばめられている。本書はそういった哲学用語を網羅的に解説を施してくれているので、その意味では大変に重宝する一冊だと思うし、大変勉強になりました☆
【目次