丸山宗利のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
12年前に発行された本なので、取り上げられている事例はどれも『当時の最新情報』なので、今となっては多くが既知のものになっている。ゆえに目新しさはないのだけれども、著者の前のめりの姿勢で語られるあれやこれやがとにかく面白い。
著者の専門が好蟻生昆虫なので、アリのトピックがとても多様で実に面白い。身近な例や、海外で発見された最新の話題、その海外での話題を日本の事例に引き寄せて語る手法に、ううむと唸らされる。この本は新書で新書が前提としている読書層に合致するようこれでもかとばかりに配慮され解説されているのである。
楽しい話題が満載な本書であるが、最新データを組み込んだブラッシュアップ版があれば、是非とも読みたいと強く感じた一冊だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ昆虫はすごい
現在知られているだけで100万種を超える昆虫たち。
狩猟採集、農業、牧畜、建築、そして 戦争から奴隷制、共生と人間がやってきたことはほとんど昆虫も大昔からやっていたとのこと。
進化は突然変異と自然淘汰のみから起こるという現在の通説ではやはりしっくりいかないほど、昆虫の進化には多様性があることがわかります。
豊富な写真と実例に基づいた解説で、昆虫たちの不思議な生活の一部を知ることができます。
もっとカラー写真や図などが豊富に使ってあると、より解り易かったのが残念。
でも、昆虫の卵とか幼虫とかがカラー写真ででかでかと出てたら、それはそれで、ちょっと勘弁して欲しくなるかも・・・
竹蔵 -
Posted by ブクログ
昆虫大好き少年だった私が、大人になって忘れていた昆虫愛を再熱させられるきっかけになったのが本書でした。
ほぼほぼ飛ぶのが昆虫ですが、鳥以前、さらには翼竜のいた一億年以上前に、昆虫はすでに空を飛んでいました。
昆虫は、地球で最初に空に活躍の場を広げた生物であるという話からも、昆虫はすごい、と思います。
オスをフェロモンでおびき寄せたり、メスに貢ぎ物をプレゼントしたり、子だくさんだったり、一個の巨大な卵を産んだり、擬態も得意です。
これらの行動を、ヒトが同じような行動(求愛や育児やモノマネ)をするよりもずっと昔に、昆虫が既にやっていたとみると、やっぱり昆虫はすごい、なと思います。
クモをハンティングするハチもいます。キョジンベッコウバチという世界最大のハチで、翅を広げた大きさはヒトの子どもの掌を超え、タランチュラを専門的に狩ります。昆虫すごい・・・。
昆虫の社会性も無視できません。アリの社会性や、アリと共生したり寄生したりする他の昆虫の生き方は、喩えるなら、ヒトと共生するネコやイヌなどのペットの生き方や、ブタやウシやヒツジなどの家畜の生き方、そしてヒトの食べ残しなどのエサ目当てで生きるネズミやカラスの生態を連想させます。
私は(ゴキブリやオサムシやマイマイカブリは苦手なので、)必ずしも昆虫礼賛ではないのですが、本書を改めて読み直して、昆虫のすごさや偉大さに感嘆しました。
「昆虫には興味があるけど、あまり知らない」、あるいは「昆虫は好きではないけど、どんなものか知りたい」という人の気持ちを想像して書き上げたのが本書である、と著者の丸山さんの言葉があるように、初心者向けの内容になっていると思います。第1章をまるまる割いて、多様性から変態、進化、そもそも昆虫とはといった定義まで分かりやすく書かれているからです。
外で「飛ぶ宝石」のオオセイボウ(青いハチ)を偶然発見してから、ここ数ヶ月、昆虫にまた興味が湧いていて、知り合いが昆虫好きということもあり、話題になったので読み直すことにしましたが、とても面白かったです。 -
Posted by ブクログ
様々な昆虫の生態について網羅的でありながらも詳細にわかりやすく書かれている。
昆虫たちの生存戦略は極めて効率化されていて無駄がない。遺伝子を残すという目的を達成するために取られた進化の過程は、まさに独特で多様で本当に面白い。
強い虫に擬態したり、安全かつ確実に子孫を残すために寄生したり、様々な毒を持ったり、全て種の存続のための進化の結果であると考えると、長い年月をかけて闘ってきた昆虫たちの道のりが頭に浮かんでくる。
また、農業をするアリや他の虫と共生するアリ、他のアリを奴隷にするアリなど、アリたちの生き残ろうとする姿は、人間の歴史にとてもよく重なるように思える。
これらを踏まえると、人間が昆虫から学ぶべきところが実に多いことを実感せずにはいられない。
昆虫の研究は、その領域に終始しても有意義であるだけでなく、人間の領域にも展開できる点において今後も重要な研究対象であることは確かだろう。
とても面白いし創造力を掻き立てられるような本だと思いました。