丸山宗利のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
理論物理学、微生物学、幹細胞発生学、宇宙物理化学、生命流体力学、地質学・岩石学、火山学、古脊椎動物学、代数幾何学、ニュートリノ天文学など、様々な分野の19名の理系研究者が「偏愛論文」について語るアンソロジー。
自分は文系で、理系の学問についてはあまり縁がない中、いろんな研究分野のユニークな論文のエッセンスが知れてとても興味深かった。また、研究というものの面白さを改めて感じた。
中でも、川上和人「そういえば、最近ケンケンしてないな」、仲野徹「衝撃と痛恨の秘話 幹細胞の可塑性とは何だったのか」、西本昌司「スカスカ・グサグサの岩石」、小林快次「羽を生やした恐竜」、小林武彦「私の愛する論文たち 老化は突然やってくる!?」が面白く、印象に残った。
ぜひ文系の学問についても、同じような企画をしてほしいなと思った。 -
Posted by ブクログ
「生きた虫を集めた図鑑を1年で作る」という気の遠くなるミッションに挑んだのは、子ども科学電話相談でもおなじみ丸山宗利先生。
丸山先生を中心に、全国の虫好き達があれよあれよと集結し、各々の得意分野の昆虫を採集していきます。
ただ、必ず見つかるものでもないし危険だってある。捕まえたとて彼(虫)らは大人しく撮影させてはくれません。
いくら虫好きでもこれは過酷すぎ!…でもちょっと楽しそうでもあり。
なんと、集めも集めたり7000種。その中には新種や新発見もあったというからスゴイ。
掲載されたのはそのうち2800種とのことですが、今にも紙面を動き回りそうな写真は、生きたまま撮ったからこそですね。
ちょうどコロナ禍だった事で図鑑に集中できたというのもなんとも。ZoomやLINEグループはフル稼働、メッセージが飛び交っている様子も目に浮かぶようでした。
子どもの頃、目を輝かせて図鑑を眺めていた虫好きたちが作った図鑑。これを手に取った子どもたちはどう感じたかな。
『学研の図鑑LIVE 昆虫』すごい反響だったそうなので、その熱も確実に伝わってますね〜
なんだかプロジェクトXみがあり。この本に度々出てくる重要ワード「セルフィー」についても、田口トモロヲのナレーションで聞きたい。 -
Posted by ブクログ
勉強が足らず理解出来ないところもあったけれども、とても面白く、また魅力的な着眼点に満ちたアンソロジーだと思う。
博士たちが愛してやまない論文を紹介している。
実にシンプルである。
しかし、博士たちが愛しているだけあって、その多様さは目を見張るものがある。
博士たちは論文を愛している。博士いわく……
その論文は美しい。
その論文は執筆した科学者の野心と信念が詰まっている。
その論文はこの分野においてすばらしく重要だった。
その論文は卓越した面白い他にない着眼点でもって作成された。
その論文は結果的には誤謬であったが、この論文があったからこそ反証的に研究が進み発展した。
その論文はいまは亡き仲間が遺したもので今も活きている。
その論文は自分の根幹を成すものだ。
その論文は科学者である自分を産み出し、おそらくは未来にも自分のような科学者を産み出す。
その論文は自分を含めた多くの科学者たちを結びつけている。
その論文は大きな転換期に発表され、特異点として今後も残る。
博士たちが愛する論文は、門外漢である私には容易に理解出来るものではない。しかし、素晴らしい厚みと重みを持って人類の叡智を支えているのだと思った。 -
Posted by ブクログ
今までありそうで(あったかもしれないが)見つけられていなかったテーマ。いろんな分野の先頭を走る研究者が各々愛する論文を語るという、極めて興味深く面白かった本。各々の研究テーマが違うのはもちろん、各々の研究者の感性や語り口がそれぞれ全く違っていたのも面白かった。一般向けに少し噛み砕いてくれている人もいれば、専門用語もりもりで愛が溢れている人もいた。どちらも素晴らしいと思う。いわゆるオタク文化にも通ずるところがあると感じた。専門家から見た「私見を含んだ」サイエンス的エッセイは非常に面白かった。
大学時代を振り返ると、論文を読むのは嫌いではなかったし、面白かったがやはりどこかタスクの一つになっていて心の底から楽しんで読めていなかったと思った。川上先生の章の基礎研究のあり方は非常に共感できた。面白いを追求し、誰かの心を踊らせるようなものを世に出せている時点で価値はあると思う。森林分野以外にも、他分野のインパクトのある論文を読んでみたい。ぜひ続編を出してほしい。さらに言えば年に一回でもいいから定期刊行してほしい。 -
Posted by ブクログ
まず、ツノゼミに対するリスペクトが詰まっていて、いわゆる変な動物とかそういう言い方が一切出てこない。これって生き物のを本を選ぶときかなり重要視する部分だから嬉しい。
帯にはへんなと書いてありますが帯文句を考えるのは著者じゃないからね。
実際書いてもあるが、この虫を知らない人にこんな素敵な生き物がいることを知ってもらおう、面白い、かっこいい、可愛い、興味深いを思ってもらいたい、という気持ちが装丁にも現れていてどのページをみても思わずにっこりしてしまう。専門家としての解説と共感性の高い文章のバランスが抜群なんですよね。
とはいえ、文章なんて読まなくたって深度合成で撮影された指の先より小さいツノゼミの美しい姿を眺めているだけでも十分に楽しめるようにも作られているので安心してほしい。
日本名がないものが多いこの生き物に親しみやすいよう仮に日本名をつけました。って一文でこの本ますます大好きになった。