丸山宗利のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今までありそうで(あったかもしれないが)見つけられていなかったテーマ。いろんな分野の先頭を走る研究者が各々愛する論文を語るという、極めて興味深く面白かった本。各々の研究テーマが違うのはもちろん、各々の研究者の感性や語り口がそれぞれ全く違っていたのも面白かった。一般向けに少し噛み砕いてくれている人もいれば、専門用語もりもりで愛が溢れている人もいた。どちらも素晴らしいと思う。いわゆるオタク文化にも通ずるところがあると感じた。専門家から見た「私見を含んだ」サイエンス的エッセイは非常に面白かった。
大学時代を振り返ると、論文を読むのは嫌いではなかったし、面白かったがやはりどこかタスクの一つになっていて -
Posted by ブクログ
まず、ツノゼミに対するリスペクトが詰まっていて、いわゆる変な動物とかそういう言い方が一切出てこない。これって生き物のを本を選ぶときかなり重要視する部分だから嬉しい。
帯にはへんなと書いてありますが帯文句を考えるのは著者じゃないからね。
実際書いてもあるが、この虫を知らない人にこんな素敵な生き物がいることを知ってもらおう、面白い、かっこいい、可愛い、興味深いを思ってもらいたい、という気持ちが装丁にも現れていてどのページをみても思わずにっこりしてしまう。専門家としての解説と共感性の高い文章のバランスが抜群なんですよね。
とはいえ、文章なんて読まなくたって深度合成で撮影された指の先より小さいツノゼミ -
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Posted by ブクログ
西日本新聞掲載の「虫の居どころ」がおもしろ過ぎて著者に興味が湧き、この本を、「学研の図鑑LIVE昆虫新版」を手元でめくりつつ読みました。何とたったの1年で、生きた昆虫写真と解説を約2800 匹分も掲載するとはどれだけ大変な事だった事でしょう。丸山氏の人脈の豊かさ、まとめる力とサポート力等々に感心し、集結した方々の「子ども達のためにより良い図鑑を作りたい」という熱意も生き生きと伝わりました。1年間の山のような作業は想像を超えた大変さだったでしょうが、皆さん苦労も厭わず目をキラキラさせて楽しんでおられただろう、と感じました。多くの子ども達がこの奇跡の図鑑を宝物として育ち、未来の後継者が数多く出てく
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購入済み
楽しく読める昆虫の本
いや~面白かったです。
あまり小難しいことは書かず、旅の楽しさと筆者を含む変人達(誉めてます)の虫愛にあふれる研究が面白おかしく描かれていて、各所に含まれる昆虫の写真も刺激的な本です。
この本を読み方なら問題ないかと思いますが、やたらと大きかったり変な形だったり、スゴく美しい虫もいればギョッとしてしまうような虫もいるのでカラー写真、良くも悪くもという感じでした。
データが大きいのか、読み込みに時間がかかりすぐに読みたい時にはちょっとだけもどかしかったです。
世界的な発見もたくさんあり、特にツノゼミの奇々怪々な形、軍隊アリの恐ろしさにも負けない日本人の研究者には世界の広さを知りましたね。
丸山先 -
Posted by ブクログ
図鑑に載せる写真は、生きた状態で、白バックで、同じ角度、というとんでもない条件を自ら設定して、しかも、期限は1年間。その図鑑ができるまでのいろいろな苦難を書いた本。筆者の丸山宗利さんの書きっぷりが楽しく、また、いろいろな人が関わってしまって、頑張る姿がまた、読んでいて楽しいです。
ハエが生きている状態でとまっている所を写真におさめるなんてすごい。その写真を撮ったのが、ハエの愛好家の女性だというのだから驚きです。ハエの写真を撮っては嬉々としてネットにあげているらしい。世の中いろんな人がいるな。
虫好きじゃなくても楽しめる本です。でも、虫のカラー写真がいっぱい出てくるから、虫嫌いには無理かも -
Posted by ブクログ
昆虫学者奇跡の図鑑をつくるを読んで、初めて虫の図鑑読んだ
この虫見たことある〜と思ったやつはやっぱり市街地や家の周りにいると書かれてて普段自分も結構見てるんだな〜と思った
家の周りにいるけどなんだかわからなかったやつもこれかな?というのが分かってよかった
今までベランダのサンダルのなかにルリボシカミキリがいたり、新聞受けの中に丸っこい甲虫がいたり(出られなくなって死んでしまってた)、側溝にオオミズアオがいたりしたのはどういうわけだったのかはわからなかったけど… みんながみんな生態どおりの行動をするというわけじゃなくなにかのきっかけで迷い込んじゃったのかな -
Posted by ブクログ
昆虫はすごい。
わずか4つの塩基の配列で、これだけ多様で複雑な見た目、行動を実現できるという事実には目を見張るものがある。
アリ達の社会性の複雑さにはびっくりした。よくそんなで生き延びてるな…と思うばかり。きっとそんなニッチで多様な生態が、地球を支えているのだろう。感服するばかりだ。
身近な昆虫について調べるのはとても楽しい。目の前の虫の名前が分かるだけでも楽しい。ゴキブリだって、調べてみると面白いことが分かって少し好きになれる。
本当は、身近なところに面白い事は転がっている。まさに「足元にある未踏の調査地」。
そんなことを教えてくれる書籍だった。 -