沢木耕太郎のレビュー一覧

  • テロルの決算

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    読むのに時間がかかったが、すごい胸に残るものがあった。1960年に起きた元社会党党首だった浅沼稲次郎氏が壇上で演説中に刺殺された事件。犯人は17歳の少年。2人の生い立ちを振り返り、あの時に2人の時間が重なり合う。最後のほうは胸がドキドキしてた。あの瞬間をとらえた写真は確かに有名。出版されたのが自分の生まれた年ってのもなんだか感慨深い。しかし、思想の違いで人を殺すのはよくないが、訪中して中国帽をかぶって飛行機から降りてくるというパフォーマンスであおった事は事実かなと思った。第10回大宅宗一ノンフィクション賞受賞作。

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    2020年08月26日
  • 旅の窓

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    本当ならロンドンに連れて行った本でした。イタリア、ロンドン、パリ、沖縄と2月からキャンセルの連続。コロナのバカやろう!

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    2020年08月15日
  • 春に散る(下)

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    ボクシングの話ではあるのですが、元ボクサーたちのその後のような、
    少しネタバレになりますが、あるボクシングジムで昔、四天王と呼ばれていた4人のボクサー、誰も世界チャンピョンのタイトルを取ることなく引退して、月日は流れ、それぞれ老齢となった4人が、昔ジムの寮で暮らしたようにシェアハウスで暮らし始めます。
    それぞれいろいろな事情は抱えているものの、気心の知れた者同士同じ屋根の下での生活、役割分担や、取り決めや、必要なものをそろえたり・・・・
    それだけでこちらまでワクワクしてしまいます。
    そんな4人の前に現れたのが、若きボクサー。もう読めてしまうのですが、4人はこのボクサーを育てて、自分たちが果たせ

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    2020年04月12日
  • 危機の宰相

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    ▼1960年の安保闘争の終盤。首相だった岸信介さんは、私邸をデモ隊に何重にも包囲されてしまいました。そして、防衛庁長官の赤城宗徳さんを呼びつけ、自衛隊の出動を要請。しかし、赤城さんがこれを断固拒否。「日本人同士を戦わせて、流血するわけにいかない」。▼沢木耕太郎さんは、この時に自衛隊が首相を守るため、という大義名分でデモ隊と戦っていたら、その後の政治は決定的に変わっていただろう、と述べています。恐らく自民党政権は遠からず倒れ、所得倍増計画も無かったことになります。ちなみに岸信介さんは、弟が佐藤栄作首相。娘婿が安倍晋太郎首相。孫が現在の安倍晋三首相。うーん。身分制度?歌舞伎?▼「危機の宰相」沢木耕

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    2020年03月09日
  • 寒橋(さむさばし) 山本周五郎名品館III

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    沢木耕太郎セレクション「山本周五郎名品館3」.

    人情裏長屋が傑作.映画化する場合の主人公を演じるのは,沢木耕太郎のお勧めは大友柳太朗だが,35歳ぐらいの仲代達矢がいいかなあ.

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    2020年03月01日
  • 世界は「使われなかった人生」であふれてる

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    ネタバレ

    『暮らしの手帖』の編集から沢木氏が頼まれて
    書かれた映画評。書名でもあり導入部に書かれた
    「使われなかった人生」というフレーズに惹かれました。

    映画は見たい見たいと思いつつ腰が重くなっている
    ことのひとつなので、少し映画に近づくために
    読みました。

    見たくなった映画は「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」
    「タクシー・ブルース」「恋々風塵」「オリヴィエ・
    オリヴィエ」「ワンダーランド駅で」

    沢木氏にかかると映画評も一つの短編のように
    味わい深いものでした。

    編集から頼まれて始まった連載でしたが
    「沢木さんが書かないと映画欄がなくなることになります」
    (P316)というのはなかなかの脅し文句で

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    2020年01月21日
  • おたふく 山本周五郎名品館I

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    沢木耕太郎セレクションの山本周五郎短編集.帯に「周五郎短編はこれを読め」とあるが,まさにその文句にふさわしい,女性に焦点をあてた9編が収めてある.半数近くは他の短編集(新潮文庫)で既に読んだことのある話だったが,この短編集は山本周五郎入門として最適だろう.

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    2019年12月22日
  • 危機の宰相

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    池田勇人を支えた人物にも焦点をあてたドキュメントです。
    池田総理の所得倍増計画と田中角栄の日本列島改造って夢がありましたよね。

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    2019年11月27日
  • 世界は「使われなかった人生」であふれてる

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    タイトルに惹かれて。内容は、『暮らしの手帖』に掲載された映画評。映画を観てこれだけ何か人生に響くメッセージを読み解けるのって、実はすごいと思う。「使われなかった人生/ありえたかもしれない人生」「老いについて」「他者のことを理解することは可能か、そもそも自分自身をどのくらいわかっているか?」沢木さんの文章にはいつも自分を重ねやすいので、没入するように読んでしまいました。

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    2019年11月04日
  • 危機の宰相

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    池田勇人、田村敏雄、そして下村治。三人の人生が交差して戦後最大のキャッチーな政策「所得倍増」が誕生した。旧大蔵省という超エリート組織のLoserである三人が不思議な縁で結びつき、高度経済成長という経済主導の「新しい形の『強い国家像』」を牽引することになったのは歴史的必然なのだろう。池田内閣が組閣された1960年は安保改定という戦後脱却のエポックメイキングがあり、退陣した1964年は東京五輪開催の年であった。まさに時代の変革期にうまく日本国を成長軌道に乗せた、と振り返って今思う。

    沢木耕太郎氏の俊逸な取材力を文章力には毎度驚かされるが、本作品では下村治の再発見が特筆すべき点だろう。安定成長路線

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    2019年07月08日
  • 将監(しょうげん)さまの細みち 山本周五郎名品館IV

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    「山本周五郎名品館Ⅳ 将監さまの細みち」山本周五郎 (編:沢木耕太郎)

    山本周五郎の短編集。相変わらずのクオリティ。
    この1冊で好きなのは「ひとごろし」。臆病で弱虫な侍が、剣の達人に向かってどう立ち向かうか、という一編ですが、なんとこれはユーモア小説です。クスッと笑える、エバーグリーンなユーモア小説なんだけど、その奥にちょっとぞっとするような人間観というか世界観があって、さすが。
    実はこれ、臆病者=松田優作、剣の達人=丹波哲郎という魅力的なキャスティングで映画にもなっていて、これが実はまだ未見なので先々の楽しみ。

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    2019年03月23日
  • 裏の木戸はあいている 山本周五郎名品館II

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    「山本周五郎名品館Ⅱ 裏の木戸はあいている」山本周五郎 (編:沢木耕太郎)

    山本周五郎の短編集。
    相変わらずのクオリティ。
    「ちいさこべ」。火事に焼かれて家屋敷と両親を失った大工の若棟梁。同じ火事で行き場を失った孤児たち、その面倒を見る娘さん。
    三つ巴それぞれの事情が描かれるだけなんですけれど、こういうお話しが染みてくるのは、世界には理不尽な都合で孤独になったり死んでしまったり不遇になったり、自力でどうにもならないことが多くある、まあつまり人生は運不運次第の受け身なゲームである、ということが感じてくる年齢以降なんだろうか、改めて思いました。
    「ちいさこべ」は何度もドラマにもなっているらしく、

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    2019年03月23日
  • おたふく 山本周五郎名品館I

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    山本周五郎の名作短編9篇が、沢木耕太郎によって選ばれている。江戸期の武家や商人達とその妻や女性が温かい人情を示す。短編の中にその情を浮き立たせてくれる。昔の人はこんなに情が深かったのか、と半分疑いながらも楽しく読める。でも、人情は貧しいところに集まるのか?衣食足りて礼節を知る、という言葉もあるが、人情とは、礼節と次元の異なるものなのだろう。

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    2018年12月09日
  • 波の音が消えるまで―第1部 風浪編―(新潮文庫)

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    皆が怖くて、でも憧れる「果ての果て」に、私たちの代わりにいってくれた話。
    解説を読んで、さらに面白かったと思えた。
    最初のほうはかなり飛ばしてしまったけど、また機会があったら読み直してみようと思う。

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    2018年04月10日
  • 波の音が消えるまで―第3部 銀河編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    日本に一時帰国し、束の間の平和な日々を送っていた主人公が心が通じ合いつつあった村田明美の制止を振り払い再びマカオに行く姿が渋くてカッコよかった。
    そう思うのは男だけだろうけど…

    死んでしまった劉さんの残した言葉
    「波の音が消えるまで」の意味を求めてバカラにのめり込んでいく。

    全てを失い後戻りするチャンスを捨ててバカラをする主人公。なぜそこまでやれるのか?
    客観的には没落しているが、果ての果てまで追求する姿に羨望の念を抱いてしまった。

    最後の50ドルだけで勝負していくところは緊張感があって引き込まれた。全てがあのシーンのためのフリだったように感じる。

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    2018年01月11日
  • 波の音が消えるまで―第3部 銀河編―(新潮文庫)

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    マカオでのギャンブルの話。ギャンブルが嫌い、苦手な人こそ面白いと思う。バカラなんか絶対したくないけど、必勝法はあるかもな。いや、しないぞ。

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    2018年01月10日
  • 波の音が消えるまで―第2部 雷鳴編―(新潮文庫)

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    まさにバカラ滞在記
    バカラに必勝法はあるのか?

    ギャンブルって溺れずに真剣に向き合えば、実に濃い人生を歩めるものなのではないかと感じた。

    これを読んでいると実際にマカオにいってやってみたくなる。

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    2018年01月11日
  • 波の音が消えるまで―第1部 風浪編―(新潮文庫)

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    偶然訪れたマカオで出会ったバカラ

    バカラの持つ熱に魅せられた主人公はどんどんのめり込んでいく。

    ギャンブルの最中はつねに自問自答。
    どこまで自分の信念を貫き通すことができるかが勝ちにつながる。

    主人公の内面の動きが上手く描けていて面白い。

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    2018年01月08日
  • 危機の宰相

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    安保危機のなか経済成長を遂げた1960年代の政治経済を 軽くまとめた本。危機を成長に変えたのは、池田勇人総理と そのブレーン達による「所得倍増」というスローガンにあるとした

    池田勇人が 魅力的に描かれている。次は 吉田茂→池田勇人→田中角栄を中心とした現代史や政治比較の本を読みたい

    「所得倍増」「日本列島改造」に比べて、今の政治スローガンは インパクトがない と思う

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    2017年06月18日
  • テロルの決算

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    1960年に起きた、右翼少年による社会党の浅沼委員長刺殺事件、を題材としたノンフィクション作品。

    物語は被害者と加害者である二人の生い立ち、事件当日の状況や現場に居合わせた人々の様子、そして事件後に残された関係者の行末を、とても鮮明に描き出している。

    防衛庁に勤める父親を持つ少年が、兄の影響により右翼活動に参加し、浅沼委員長をターゲットに定めるまでの経緯、そして浅沼氏が政治家を志し、書記長から委員長へと登り詰めた時代背景など、何の接点もない二人の人生が交錯する一瞬までの模様が、非常にスリリングに描写されている。特に、浅沼氏自身も多くを語らなかった、恩師である麻生久氏との関係に触れた、第三章

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    2017年03月11日