芹澤恵のレビュー一覧

  • フロスト日和

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    前作のテキトー感から、引き込まれ要素がかなり進化してる。相変わらずのミスリードざんまいだけんど、フロストのキャラがイイし、最後の収束もステキ♥


    (⁠⌐⁠■⁠-⁠■⁠)フロスト=(ニアイコール)コロンボ+寅さんだわよ♥

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    2024年08月24日
  • 夜のフロスト

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    前の感想にも書いたけど、フロストは道化でいくつもの事件をジャグリングしつつ綱渡りをして(途中居眠りしたり、セクシーなお姉さんをガン見したりしつつ)事件を解決していく感じでした。
    絶望的だけど、進んでいくのをやめないのが良い。

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    2024年08月19日
  • クラーク・アンド・ディヴィジョン

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    1940年代にシカゴに「再移住」した日系ニセイの女性が主人公のミステリー風小説。日米の開戦により始まった沢山の苦難、しかも唯一無二の存在の姉を失う喪失感の中で、姉の死が自殺ではなく他殺なのでは、と、それだけが原動力になり、当時の日系社会の様子を背景に、自ら探偵の様に情報を集めていく。とても生々しく、特に収容所の辺りから読めなくなった。敵国なのに、イタリアやドイツ人は収容されないのに、なぜ日系人だけが、との思いも共感できた。姉に囚われ過ぎて周りさえ危険に晒すのが唯一の残念な点。

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    2024年07月12日
  • エリザベス女王の事件簿 バッキンガム宮殿の三匹の犬

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    ネタバレ

    女王陛下と秘書官補、またまた謎解き。

    女王の信頼厚いハウスキーパーが変死した。周囲からは煙たがられていた彼女は数々の嫌がらせを受けていた。しかし嫌がらせを受けていたのは彼女だけではなかった。ブレグジットに揺れ、アメリカ大統領選挙に気を取られ、世界の変化を感じる女王陛下は自分の所有物である絵が思いも寄らないところにあった謎を解くためにロージーに依頼をしていた。すべてが繋がったときに見えてきたものは——。

    前巻もそうだが、女性の戦いを描いた小説だと言ってもいい。女性だから、と扱われること。たとえ君主が女性の国でも、あまく見られたり不名誉な言葉で表現されたりはするのだ。それを女性同士の連帯でしな

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    2024年07月07日
  • エリザベス女王の事件簿 ウィンザー城の殺人

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    ネタバレ

    女王陛下は名探偵!

    エリザベス2世の愛するウィンザー城で若いピアニストが変死した。心を痛める女王陛下を気遣いながら捜査が進められているはずだった——ナイジェリアにルーツを持つ秘書官補のロージーは上司にも秘密の任務に選ばれる。それは"ボス"女王陛下の推理を手伝うこと!

    すごい。イメージするエリザベス2世がそこにいて、推理を働かせていく。もちろん女王陛下なので足を使って手がかりを集めるわけではない。バディとなるのは秘書官補のロージー。タフでクールなヒーロー。しかもこのバディ制度は前から続いていたものらしい。そんなのいくらでも過去に遡ってエピソードが書けてしまう。こんなに楽し

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    2024年07月06日
  • エリザベス女王の事件簿 ウィンザー城の殺人

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    エリザベス女王の若い頃の設定だと思って読んだら違っててびっくり。89歳のエリザベス女王が登場。物語の中で90歳を迎えるんだけど、わりと最近の設定。ロイヤルファミリーや各国のお偉いさんの名前がそのまま出てくるので、読んでて顔が頭に浮かんで、物語に入り込みやすかったかな。これ実際あったことではないか、と思ってしまう。

    エリザベス女王のお気に入りのウィンザー城で事件が起きます。その事件解決のためにエリザベス女王が動きます。秘書官補のロージーがアシスタントしてます。安楽椅子探偵なのかな?と思ってだけど、違います。女王自ら現場を見に行ったりとなかなかの行動派。ロージーは女王が動きが取れないときに、秘密

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    2024年05月22日
  • エリザベス女王の事件簿 ウィンザー城の殺人

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    実在する人たちと、実在する場所や建物で起こる殺人事件。ワクワクが詰まっている。
    女王陛下のチャーミングさと温かさにほっこりして、ミステリーなのにいつまでも読んでいたくなるような不思議な感覚。

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    2024年04月28日
  • 地球の中心までトンネルを掘る

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    11作の短編集。最後の話では、ハゲに悩む若者が主人公だったが、アメリカ人でもハゲに悩むのかと新鮮な驚き。ハゲは世界共通のお悩みか。
    チアリーダーに仕方なく入っている少女の話も面白い。全然話した事がない同級生と、あるきっかけで急に距離が縮まる感じ(本命ではない)や、スポーツでの治安の悪さが、読んでいて面白かった。

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    2024年03月25日
  • フランケンシュタイン

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    フランケンシュタインとは、怪物のことではなかったのか。

    怪物を生み出したのだから、人間であり、怪物でもあるのか。

    周りはこうなのに自分はどうだ、
    それは不幸の道に足をかけてしまっている証だ。

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    2024年03月20日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

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    ネタバレ

    主人公の性格や口調が好きで人が燃えるというリアルじゃありえない描写があるところ、どの人物もキャラだっているところから是非早く映画化して欲しいストーリーでした。良かった。

    無愛想だけど優しいところもあるカールが推しです。主人公とカールがくっついて欲しいと思いながら読んだが真逆というか、。「ああ、だよね〜」な主人公の好みに少し勝手にがっかりしてしまった。笑

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    2024年01月21日
  • 1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編

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    現代の感覚ではベタすぎと思うのもあるが、よく考えたらいくつかはそもそもどこかですでに読んでたかも。
    日本人にとってはショートショートといえば星新一たが、あちらの研ぎ澄まされた理系チックな雰囲気と比べると、読者への呼びかけなどいちいち詩的なのが印象的。

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    2023年10月09日
  • 地球の中心までトンネルを掘る

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    十一編収録されている短編集。タイトルに惹かれて読んでみたけれど、表題作はもちろん、他の作品もとても魅力的で楽しかった。孤独や不安を抱えてる主人公が多く、他者との違いに悩んでいたりもするのだけれどそれを徐々に認め受け入れていく過程がいい。代理祖父母を派遣する会社で働く女性を描く「替え玉」、クイズ大会のチームメイトでモテない男子二人の魔が差した瞬間からの関係性を描く「モータルコンバット」、転校先の高校でチアリーディングを始めたペニーが12歳の男の子と交流を描く「ゴー・ファイト・ウィン」。この三編がとくに印象的で読み終わった後もたくさんの場面が残り続けている。

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    2023年10月09日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

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    ネタバレ

    とっってもよかった……。映画化しないかな。
    夏がいつ終わるのか何度も確める双子が愛おしい。大事にしたい一冊になった。

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    2023年09月06日
  • 傍迷惑(はためいわく)な人々~サーバー短編集~

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     河出書房『はじめて読む!海外文学ブックガイド』(十四歳の世渡り術シリーズ)で、芹澤恵さんが紹介なさっていたので知り、読んだ。
     九十八セントの買い物に一ドル紙幣を出したウィルマ伯母さんに対し、細かい釣り銭がないのでもう三セント出せないかと雑貨屋の主人が頼んだことを端緒とする世紀の一騎打ちを描いた「ウィルマ伯母さんの損得勘定」、ある市の名前が思い出せないことがどうしても気になって眠れないぼくが、夜中の三時に、寝ている父親にニュージャージー州の市の名前をとにかく挙げてくれと頼みに行く「今夜もまたまた大騒ぎ」など、少年時代の家族や地元の人々との思い出がベースになっている掌編たちがとても面白かった。

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    2023年08月16日
  • 夜のフロスト

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    イギリスの作家「R・D・ウィングフィールド」の長篇ミステリ作品『夜のフロスト(原題:Night Frost)』を読みました。
    アンソロジー作品の『『ジャーロ』傑作短編アンソロジー3 夜明けのフロスト クリスマス・ストーリー』を読んで、久しぶりに「ジャック・フロスト警部」シリーズの長篇を読みたくなったんですよね。

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    流感警報発令中。
    続出する病気欠勤にデントン署も壊滅状態。
    折悪しく、町には中傷の手紙がばらまかれ、連続老女切り裂き犯が暗躍を開始する。
    記録破りの死体の山が築かれるなか、流感ウィルスにも見放された「フロスト警部」に打つ手はあるのか……

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    2023年06月27日
  • 夜のフロスト

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    ネタバレ

    相変わらず、繰り広げられるフロストの下品な下ネタ、ジョーク、マレット所長との攻防などは、面白い。また、今回の新しいバディ相手であるギルモア部長刑事とのやりとりもたまらない!
    正直、今回は事件が多すぎて、なかなか頭がついていかないこともあったが、なんだか全然わけわからん、という事にはならずに済んだ。
    前回よりも、フロストの直感的捜査が失敗に終わることもあり、どうなることかとおもったが、いつものように偶然などご都合主義的なこともあり、解決はする。
    ただ、最後のクレーンの上での犯人との対決場面は、犯人の後を追えばああなるよなぁと思った。
    本当に連続老婆殺人事件の犯人なのか、ハラハラさせる。
    本当にご

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    2023年06月20日
  • エリザベス女王の事件簿 ウィンザー城の殺人

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    イギリスで10万部、18か国で翻訳されているという人気シリーズの1冊目。
    原題は”(Her Majesty The Queen Investigates) The Windsor Knot”。()内はシリーズ名でもあって、つまり『女王陛下は「ウィンザーノット」を捜査する』となる。原著の既刊は3冊、刊行予定が1冊で、いずれも『女王陛下は「〇〇」を捜査する』となる。なかなか気が利いた作り。
    邦訳は2冊目の『バッキンガム宮殿の三匹の犬(The Three Dog Problem)』まで。

    さて、本シリーズの探偵役は先ごろ亡くなった英国女王陛下その人である。
    実のところ、巻末解説にある通り、女王陛下

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    2023年05月29日
  • フランケンシュタイン

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    フランケンシュタインや怪物が登場するたびに読書スピードが上がり、止められなくなる。

    怪物の、「理解されたい」「愛されたい」という感情は本当に切実に胸に迫る。マイノリティどころではなく、ただ一人、生み出された怪物なのだから。

    フランケンシュタインの、どうしようもなく利己的なところに憎しみと共感を覚える。自分のしでかした罪の深さと、自分の愛する人たちの死は別物に思え、自分のしたことは棚に上げて、悪魔を葬り去ることこそ使命だと復讐に燃える。

    自分が「命さえ創造することが出来るのではないか」と思った時、自分で自分を止められるだろうか。
    取り返しのつかない失敗をしてしまった時、自分も現実逃避してし

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    2023年05月21日
  • フランケンシュタイン

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    映画未見。断片映像でちょっとみたことあったくらいだから読んだときにこんなに怪物に知能があるのかと驚いた。
    愛されない怪物かわいそ…勝手に映画の映像でB級ホラーかと思っていたが全然違う

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    2023年05月07日
  • エリザベス女王の事件簿 ウィンザー城の殺人

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    戴冠式を前にイギリス王室物が読みたくて。エリザベス女王が名探偵とは。話に無理矢理感がなくて、もしかしたらあるかもと思わせてしまうほどのストーリーが存分に楽しめた!

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    2023年05月05日