芹澤恵のレビュー一覧
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エリザベス女王にとっては幼い日々の思い出がつまった場所「わが家」であるウィンザー城で若い男の遺体が発見される。
その男は晩餐会に呼ばれた若きロシア人のピアニストだった。
事件についてお城では箝口令が敷かれ、警察とMI5はロシアのスパイによるものとし捜査を始めるが…
なんと〜
難航していたその事件を華麗に解決してみせるのは御年90歳の名探偵、エリザベス女王!
しかも秘書官を使って情報を集め謎解きをする安楽椅子探偵ときた…(笑)
確かに謎解きは平凡だけど、実際の出来事や、実在する人物の登場に陛下の私生活を覗き見れたような気持ち…
そして、
もしかして陛下は本当に普段から謎解きをされているんじゃないかしら?と想像してみたり…(笑)
何百人という使用人はみんな家族!とおっしゃる通り、女王陛下は彼らを大切にし尊重し、宮殿をしっかりと守ってくださっているのです…
女王陛下が国民に愛される理由がよく分かる〜
とにかく
聡明な女王陛下らしい事件の解決ぶりに拍手喝采〜!
そして、ラストの陛下のご配慮にはもう胸が熱くなるのです -
Posted by ブクログ
舞台の歴史的背景は真珠湾攻撃から2カ月後の1942年2月19日、ルーズヴェルト大統領の大統領令により日本人の血が16分の1以上入っている日系アメリカ人約12万人(うち3分の2は生まれながらの米国民)が強制的に西海岸から収容所に移住させられた戦時下である。国家反逆罪やスパイ活動から守るという名目だったが、ホワイトハウスの「事実調査」部門の主任エージェントのカーティス B. マンソンにより、「反米活動が広まる危険があることを示す証拠は見つからず日系アメリカ人の忠誠心を証明する大量の資料が提出されていた。」にもかかわらず大統領令は発令された。同じ敵国のドイツやイタリア移民には調査も強制収容は適用されなかった為、明らかな人種差別と偏見に基く措置だった。
主人公のアキ・イトウ一家はこれによりシエラネバダ山脈の麓のマンザナー戦争収容所(Manzanar War Relocation Center)に入れられる。翌年9月収容所からの移動を許可された姉のローズはシカゴに向かう。その後残された家族もローズに合流すべく収容所を出る。シカゴに到着すると、家族はローズがクラーク・アンド・ディビジョン駅に入ってきた地下鉄に轢かれて亡くなった事を知らされる。物語はここから事故も自殺も信じないアキによる真相の究明への執念と、故郷のカリフォルニアを離れた土地で生き抜く家族の苦労が詳細に描かれる。戦時中の日本人移民の置かれた境遇の史実と、アキのロマンスとローズの死の真相を探るミステリーを組み合わせた興味尽きない一冊でした。
「母は故郷のことを思い出すたびにクロウということばを口にした。英語にすると“苦難”——suffering になるのだろうけれど、sufferingという ことばは、なんだか表面をさっとひとすくいしただけに聞こえる。クロウは、もっと奥深くまでえぐられた状態をあらわすことばだ。 咽喉の奥から絞り出されるうめき声や骨の髄まで 貫くほどの痛みまでをもあらわす。」
kurou, which could be translated to “suffering.” But the English word seemed to skim the surface, whereas kurou went deeper. It referred to a guttural moaning, a piercing pain throughout your bones. -
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1994年にロバート・デ・ニーロ主演で公開された「フランケンシュタイン」
公開当時に劇場で観た後に原作を読んだ記憶
30年前に読んだ内容は記憶から綺麗に消えて、まるで新しい本を読んだ気分
映画と本がかなり違う印象を受けた事だけは記憶していた
世の中に溢れるフランケンシュタインのイメージは造られた怪物
しかし本当はフランケンシュタインとは怪物を造りあげた博士の名前
なぜこのような間違いがこんなにも世の中に浸透してるのかが不思議で仕方ないけど、きっと映画のせいですね
命を創り上げたい熱情に浮かされたフランケンシュタインは運悪く、奇跡的に成功してしまう
フランケンシュタインの物語は「命を創造する」事に対する警鐘と責任の重さを現代のクローン問題に当てはめる事ができる
作家が物語を生み出した時代になかった科学技術を人類はすでに手にしてしまった
表には現れずに人知れず産まれ、すでに存在しているだろう新しい生命
彼らが怪物と同じ思いをしながら生きている事を想像する
科学者の偏狭的な情熱がなければ新しい技術はけして生まれないだろうし、その技術が人類を進化させる
進化に伴う痛みと悲劇
産まれた技術を使う者達は、その技術で悲劇をけして産まない覚悟をもって挑めているのか
否
新しい技術を使った結果、導き出される未来が見える者などいないのだ
神の視点を持たない人間が生み出す新しい技術
それは常に悲劇を伴う
オッペンハイマーのように
#映画化
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ブク友さん達の本棚で知って、ずっと読んでみたかったフロスト。
もうすぐクリスマスなのでちょうど良い。
よれよれのレインコートにえび茶のマフラーがトレードマークのフロスト。
服装はコロンボと似てるけど全然違う。
コロンボのように戦略的な見せかけの愚鈍ではなくて、フロストは素で不器用。ヘマもする。
そして下品で際どい冗談ばかり言う。
勘頼りで行き当たりばったり、書類仕事は大の苦手で後回し。でも全然気にしない。
悲惨な事件の割にフロストはずっと冗談ばかり言って緊張感ゼロなので、こちらも力を抜いて楽しんでるうちに不思議とフロストの魅力に引き込まれてしまう。
大きな事件を軸に、フロストが行く先々で小さな事件がこれでもかと立て続けに起きるので、中弛みがなくてずっと面白かった。
★4.5 -
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全てが詰まってたし、新しく感じる。
古典はすげぇなぁ。
映画と全く違う。
・再生の構造は伏せられてる
錬金術を求めていたフランケンシュタインが科学に行き着く過程は時代によって信奉される基軸が変わっていく成り変わりを表現
そもそも別の主人公がフランケンを見つけ出すという過程の語り。幽霊譚。ラストで怪物が合流して初めて目視する。
名前さえもない怪物はここが元ネタになっていたし、彼が言葉を段々と覚えていく過程は『哀れなきものたち』の意味がよくわかるパート。
・めちゃくちゃ喋るのだけど、めちゃくちゃ喋れるからこそ切ない!1人目の少女は濡れ衣だったり、自分がどのような人生を送っていたか?を語るのが…
・自分が生み出してしまった怪物が周りを殺していくという呪い、はエイリアン3の元ネタにも近いし。地縛霊だし、これが呪い。浦沢直樹『モンスター』にも通じてくる。パクったとかじゃなくて、この物語構造はこの時代にもうすでにやってたという。
怪物からしたら父親殺しの物語。
父親が子を殺すためにひたすら追いかけ続けるというこの構図は再映画化してもらいたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレいかにも映画化されそうな、不遇を切り抜けそれぞれのハッピーエンドを手に入れる系の物語。
不遇とはいえ経済的には安定が確保されたどん底とまではいかない環境、これまでほったらかされていたから見出されていなかったけど実はこれこれ然々の才能あり、みたいな都合の良さが鼻につく部分もあるのだが、やっぱり前向きに道を切り開いていく物語は気持ち良い。
タイトルがキャッチーな割にどんな物語なのか想像がつかなかったが、蓋を開けてみれば実はそのまんま。
かつては今ここにいる場所から抜け出してやろうと全力で人生に立ち向かっていたが、一度のトラブルからレールを外れ(戻ったと言うべきか)、マリファナ片手にくすぶる日々を送るリリアン。
とある夏、燃える双子ベッシーとローランドの2人の家庭教師をする役目をかつての親友マディソンから持ちかけられる。
燃える?
そう、比喩とか表現としてではなく、その双子はストレスが掛かり気持ちが昂ると本当に燃えるという。
えー、まさかのSF的設定!?
と思ったけど、読み進めていくうちに、その不自然を自然に溶け込ませている感じ、かと言ってそれなくして物語が成り立たない感じが凄くうまーく用いられているなぁと感心。
双子はマディソンの夫で国務長官候補のジャスパーの前妻の子どもなのだが、前妻が亡くなったことにより引き取ることに。
その特質ゆえに奇異な目を向けられたり、異質なもののように扱われることが多い双子だが、リリアンの受け入れ力がとにかく気持ち良い。
普通ならキレたり、投げ出したりするところをぐっと堪えて最善を探る。
堪えるだけが最良だとも思わないが、この姿勢は一考の価値あり。
そして、そのガス抜き的役割がスポーツ(本書の場合はバスケ)というところもいい。
夏の間だけ面倒を見ることになっていたリリアン。
幾度となく繰り返される双子との会話が印象深い。
「夏が終わるまで、あとどれくらいある?」
「まだまだあるよ」 -
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ネタバレ女王陛下と秘書官補、またまた謎解き。
女王の信頼厚いハウスキーパーが変死した。周囲からは煙たがられていた彼女は数々の嫌がらせを受けていた。しかし嫌がらせを受けていたのは彼女だけではなかった。ブレグジットに揺れ、アメリカ大統領選挙に気を取られ、世界の変化を感じる女王陛下は自分の所有物である絵が思いも寄らないところにあった謎を解くためにロージーに依頼をしていた。すべてが繋がったときに見えてきたものは——。
前巻もそうだが、女性の戦いを描いた小説だと言ってもいい。女性だから、と扱われること。たとえ君主が女性の国でも、あまく見られたり不名誉な言葉で表現されたりはするのだ。それを女性同士の連帯でしなやかに乗り越えていこうとする姿が描かれているのが気持ちのよいところでもある。
女王陛下がなぜ美術的価値がそれほどない船の絵に執着したのかがわかるラストシーンがとてもチャーミング。そしてあらためてフィリップ殿下の逝去は女王陛下にとって大変なことだったのだとしみじみ思う。現実の女王陛下はおそらくフィリップ殿下と同じところに行ってしまったけれど、願わくばまだこのシリーズを読みたいと思った。