芹澤恵のレビュー一覧

  • 冬のフロスト 上

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    自分にとってイギリスの正統派ミステリはなじみが薄いが、この作品は別格で世界を代表する警察小説の金字塔だと勝手に思っている。
    主人公のフロスト警部は風采が上がらない、行き当たりばったりのいい加減なオヤジ。
    更にセクハラたっぷりの下品なトークの連発となれば、ユーモアを通り越して引いてしまう場面も多い。
    しかし、知らないうちにこの人物の魅力にぐいぐい引き込まれてしまうのが不思議だ。
    気づいたときには上下巻1000頁を一気に読まされてしまうのだ。
    本国イギリスでは1984年の『クリスマスのフロスト』からシリーズが始まり、現在2008年に発表された『A Killing Frost』までが出ている。
    シリーズは『A Killing Frost』で完結となる。その理由は著者のウィングフィールドが2007年に亡くなっているからだ。邦訳は2020年以降となるという情報もあり、いつの日か原書版のペーパーバックに挑戦してみようかとひそかに思っている。
    ともあれ、パワフルで、下品で、やさしくて、人情味があって…そして哀愁が漂うフロスト警部。
    猛烈に忙しい主人公の魅力に、どっぷりとはまらせてもらった。

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    2021年01月26日
  • 1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編

    購入済み

    賢者の贈り物

    12月、Xmasの季節になるとこの「賢者の贈り物」が読みたくなります。
    映像が浮かぶような描写も好きですし、ここに描かれている
    思いやり、愛情に心うたれます。

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    2020年12月12日
  • フランケンシュタイン

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    ネタバレ

    怪物がどんなに「愛されたい」と望んでも、誰にも愛してもらえないということが胸に突き刺さった。
    何も悪いことをしていなくても、そのおぞましい見た目のせいで憎まれてしまう。
    もし博士に仲間を作って貰ったとしても、やっぱり人間に復讐しようと思う可能性は否定できない。

    生まれた時から憎まれる運命にあった怪物。
    人間の愚かさを突き付けられた。

    怪物が博士の死を見届けた後、最後は自分で炎に身を投げてやっと苦しみから逃れられるのだと思うと本当に切ない…。

    人に勧めたい本。

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    2024年05月03日
  • 1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編

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    味わい深い人間模様を綴る短編集。
    ラストのオチが秀逸で、一辺倒ではなく意外性をはらみ楽しい。お気に入りは、途中まで読んでオチが解りつつも巧みな明かし方で感動を呼ぶ「水車のある教会」、やはり外せない名作「最後の一葉」、罪の重さと良心の天秤に思いを馳せる「甦った改心」、真に思い合う夫婦の皮肉で心温まる「賢者の贈り物」あたりかな。あとがきで作者の小説になりそうな身の上を知り、その経験が多彩な作品を紡ぐ事になることに納得。
    貧乏とお金持ち、恋人、罪人と正直者といった立場をうまく短編に仕上げる作品集、機会があれば再読したい。

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    2020年01月13日
  • フロスト始末 上

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    「フロスト始末」(上・下)R.D.ウィングフィールド。芹澤恵訳。創元推理文庫。原著は2008年英国で発表されたようです。

    2019年1月に読み終えているようです。
    フロスト・シリーズ最終作。作者のウィングフィールドさんが2007年に死去。遺作です。でも未完ではありません。
    死病の床で完成されていたそうです。拍手。パチパチ。
    病床で弱りながらとりあえず最後まで書いた、とか。
    ほぼ未完だったけど編集者が手を入れてなんとか完成させた、とか。
    そういう感じは読んだところまったくしません。堂々たる傑作。
    まあ、ほんとのところどうなのかは分かりませんが。

    #

    相変わらず、混沌とスピード感と緻密さのエレクトリカル・パレード。
    一方で、スタイルや美学にこだわらない泥臭い、下品で人間くさい、猛烈な圧力の、ヘヴィメタル・エンターテイメント。
    このシリーズを語るときに、矢張りヰの一番には主人公の中年(初老?)警部であるフロストの、
    連続シリーズの主人公としては相当に冒険的な下品さ、卑猥さ、が注目されることになります。
    それに、ダーティ・ヒーローなんてものぢゃないんです。単にダーティ。
    普通に警察なり会社なり、速攻でクビになっておかしくないような不正を、フロストは犯しちゃいます。
    それも、「そう見えて、実はそうぢゃなかった」という構造ではなくて、ほんっとに悪いことしてます。

    さあ、だけど応援しちゃいます。

    これは一寸、興味深い疑問なんですが、「フロスト・シリーズに10代や20代の若者たちは熱狂するのか?」。
    上記の味わいも含めて食べ物で言えば、確実に雲丹とか生牡蠣とか鮒寿司とか豆腐餻とかブルーチーズとか山羊とかモツとか、そういう類いのものです。
    臭い。苦い。けれど、癖になる旨さ。
    他に例えれば。煙草だって、15や16で始めて口にしたときから「旨い」と思う人はほぼいないでしょう。
    不健康で不健全で違法で悪徳な香りに憧れて始めて、続けて、ハッと47歳になったときには、「ああ、煙草がうまい」と心底から震えたりします。
    フロストも(煙草と比べるのが妥当かどうかは兎も角)我ながら、若い頃に読んでも「面白い」とは思ったでしょうが、心底震えたりはしなかったのでは。

    #

    ですが、そういう持ち味は、さておいて。
    そういう持ち味議論に隠れて、実は舌を巻くのはエンターテイメントとしての執念。
    謎解き、ミステリ、ドンデン返し。それが1本の筋として流れるのだけど、並行して別の事件が起こり、クロスして3つ目の事件まで起こる。
    さらにパラレルで署内で行われる胃腸がげんなりするような権力争いと出世競争、そこにカンウンターを入れるギャグと皮肉精神。
    更に主人公に訪れる、破滅の危機・・・。
    そして、崖に爪を立てて血を流してでも、とにかく「安易な性善説」と「お涙オセンチ感動路線の決着」だけは避ける。
    その慄然とするまでのエンタメ精神・・・。

    もう、これは本当に凄いンです。
    ここまでの執着と執念で小説を書ける人は、なかなか居ません。
    かろうじて横山秀夫さんなんかが近いかも知れませんが、横山さんは究極やっぱり短編アーティストで、ウィングフィールドさんの胸板の厚いパワープレイの迫力はありません。
    ウィングフィールドの、この弩弓の迫力の前では、伊坂幸太郎さんも小さく感じます。プレミアリーグとJリーグの差・・・。
    海外でも、スティーブン・キングさんやエルロイもすごいンですけど、やっぱりお国柄、文化なのか、どこかザックリ感とスプラッタ感があります。
    (デニス・ルヘインさんが、比べ得る存在かも知れません)

    これは、ウイングフィールドさんが、前職が放送作家だった、と言う事とも関係があるかも知れません。
    なんというか、「とにかくスピード感!」みたいなブレなき精神。

    そして、「冬のフロスト」もそうだったはずなんですが、この「フロスト始末」も、
    ほんとうに、ほんとうに、ほんとうに、文庫本で言えばラスト1頁のところで、鮮やかにひっくり返される。
    もう、この技術。この執念。
    涙、なみだ、のスタンディングオーベーションです。
    創元推理文庫ですし、ミステリ小説、犯罪小説、警察小説なんですけれど、
    こういう技術こそが、小説がアートである、ということなんだと思います。

    2020年、あるいは2021年あたりに、シリーズ全部再読しようと目論んでいます。
    (こういうとき、電子書籍は圧倒的に強いんですよね・・・場所を取らないし、汚れたり傷んだりしないから)

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    2019年12月05日
  • 冬のフロスト 下

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    このミス海外編2014年版3位。フロスト警部シリーズ5作目。このシリーズめっちゃ好きだわ。とても長いのだけど全編ユーモアに溢れており、フロストの発言の9割ぐらいは冗談ばかりだし地の文も笑わせる。ずっと面白いコントを見続けてるようで無尽蔵のネタが圧巻。次々に発生する事件と行き当たりバッタリで失敗ばかりの捜査もスピード感が溢れていて、どこをとっても無駄で退屈な部分がなく一気読みした。何年かぶりかで本に夢中になって電車乗り過ごした。後半は物語もクライマックスになって読んでいて鳥肌が立つぐらい興奮して話しに没頭した。感動するところもあり、最高のエンタテーメントでした。

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    2019年11月30日
  • 冬のフロスト 上

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    2018年の12月に読んだようです。
    「ああ、もうすぐフロストシリーズを読破してしまう」と思ったら涙が止まらないのに、読むのも止まらない。
    そんな葛藤にココロを千々に乱されながら、でもフロストを読む快楽があるから目が回りそうな労働をなんとか乗り切れる、そんな切なく寒い季節に読んでいました。

    #

    「冬のフロスト」(上・下)R.D.ウィングフィールド、芹澤恵訳。創元推理文庫。原書は1999年。

    相変わらず「全て忘れてしまっているけれど、最高に面白かった」というだけなのですが、
    たしかこの作品から、フロストの部下としてとんでもない若い刑事が配置されていたはず。
    その若い刑事というのが、実に感動的に無能。それも厄介なのは、一見まじめだし、キレイゴトだし、普通だし。
    やる気もモラルもありそうで、それなりのプライドもあって、なのに、無能。
    衝撃的なまでにフロストの足を引っ張る。引っ張られるフロストが、罵倒しつつ、罵倒仕切らない。
    呆然と立ちすくみながら、どこか愛がある。
    思い起こせば足を引っ張って罵られ落ち込んだ季節もあって。
    そんな季節なんかなかったふりができる歳ごろに、そういう部下がやってきて。
    いやこれが、泣けます。晴れ渡りすぎた青空のような眩しすぎるような爆笑とともに、泣けます。

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    2019年11月28日
  • フロスト気質 上

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    2018年春くらいからこっち、常に3~5くらいの案件をかけもちしている状態が続いて、毎日3つ以上のお手玉をしている気分でした。
    そんな頃にひとにすすめられてどっぷりはまったのが「フロスト警部シリーズ」。
    どれも最高でした。だけど、最早、どの作品がどういう内容だったか、細部は失念。

    #

    「フロスト気質」(上・下)R.D.ウィングフィールド、芹澤恵訳。創元推理文庫。原書は1995年。

    相変わらずイギリスの架空の都市・デントンを舞台に、ベテランで小汚くてルーズで卑猥でミスの多いフロスト警部が活躍します。
    どうやら「気質」は「女性の上司がやってくる」という内容だったようですが、はっきりいって覚えていません。
    でも、やめられない止まらない大興奮もの、これを読んでいれば世の中の麻薬中毒の方々も、更正できるのではと思われるくらい中毒性のある読書だったことだけは覚えています。
    フロスト・シリーズは常に、主人公が「複数の事件に追われる」のが特徴。あるひとつの事件に直面していると、別の事件も起こって、嫌な上司に「これもお前担当な」と。
    ある意味とってもリアル(な気がします)。
    そのくそったれな繁忙感が、実に肌合いとしてしっくり来ました(笑)。

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    2019年11月28日
  • フロスト日和

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    フロスト警部シリーズ2作目
    これでもかと大小さまざまな事件が
    巻き起こり、人手不足の警察署を(そしてフロストの未解決事件の書類の山は増え)苦しめる。
    主人公はおっさんで、下品で行き当たりばったりな操作をする不眠不休のハードワーカー

    なかなか一つの事件に集中出来ないし
    やる気もなかなか湧かないのに犯人や真実を追うことには情熱が消えない。

    だけど、そのつまみ食いのような捜査が徐々にパズルのようにはまっていく感じはやっぱり面白い。
    何よりフロストは人の見た目を見るのではなく「人の弱み、痛み」が見えてる人情派刑事というギャップがいい。(特大の胸と尻は別)

    読んでるうちにだんだんフロストが道化の様に見え始めて、事件の謎、ヒント、登場人物を、ボールのようにジャグリングする場面が頭に浮かんだ。(たまにボールを落とすけど、たぶん蹴飛ばして隠すはず)そのくらい事件自体は他の小説にも出てくる殺人や盗みなんだけど主人公のコミカルさもあってかデフォルメされてるように錯覚してしまう。ましてやコントみたいな場面も挟んでくるので色々と登場人物たちの心情を見落としがちで、そこをすくっていくフロストの姿は一読の価値がある。
    (なんでこんなことを書くのかというと電子書籍の時代に700ページ声の本を持ち歩くのに躊躇し、一年以上積読していたから…登場人物欄が数ページに分岐してるのを見て挫折しそうになるんだよなぁ…上・下巻に分かれたらさらに大変そうだけど。これからも読み続ける予定)

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    2019年06月12日
  • 夜のフロスト

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    フロスト警部シリーズ第3作。もうとにかくこのシリーズは本当に大好きで、この一冊も激賞したいのだけど、ほとんどあらすじは失念。
    確か、出世のことしか考えていないような部下が出てくるのでは無かったか。そして、このシリーズの持ち味として、その部下が徐々にフロスト警部に愛情を抱き始めたり、は、全くしない。
    ラストは連続殺人犯を説得しに高所に登っていくフロスト警部。そして説得するけれど、犯人は落下してしまうフロスト警部。もはや孤独と喪失感から逃げ出すように、くそったれな仕事に時間を捧げるフロスト警部。大変にわかりにくいフロスト警部の人間性を、実に生き生きとわかりやすく描き出すウィングフィールドさん。脱帽。

    (読み終わってから相当に経過してから書いているので、記憶が間違っているかも知れません)

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    2019年01月03日
  • フロスト日和

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    2018年最大の読書快楽は間違いなくフロスト警部シリーズ。個人的には絶賛絶叫全面肯定感謝感激なのですが、もはやため息をつくしか無い犯罪小説シリーズの多くがそうであるように、フロスト警部シリーズも、あらすじを備忘録にしておこうと思っても、読み終わって2分もすると記憶からすり落ちてしまいます。寝起きの素敵な夢のようですね。ああ、良い夢みたな、と思っても、起き上がって水でも飲む頃にはすっかり忘れてしまう。

    「フロスト日和」はシリーズ第2作。だいたいいつも通り女性や子供などの弱者を狙った犯罪が相次ぎ、フロスト警部は寝る間も無く複数の事件と現場への理解や愛の無い上昇志向の上司に怒られ続け、下品極まりないジョークをつぶやきながら、行き当たりばったりな捜査を続け、犬が棒に当たるように解決したりしなかったりします。そうまとめると何がおもしろいのかわかりにくいのですが、実際わかりにくいと思います。でも、これは珠玉の小説であり、フィリップ・マーローがもしも文学であるならば、フロスト警部も間違いなく文学という人類の遺産です。

     細かいことはさっぱり忘れてしまったのですが、ラスト、警官殺しの意外な真犯人を突き止めるフロストの語りが胸アツもので、更にその後に金貨泥棒を名乗ってくる老婆とのやりとりが、胸がアツいのではなくて、胸をえぐられるような痛み。そして、我らがフロストへ限りないエールを送るしか無い泣ける終わらせ方。
    このシリーズはとにかく、終わり方がにくい。ニクすぎます。
    (読み終わってから相当に経過してから書いているので、記憶が間違っているかも知れません)

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    2019年01月03日
  • 冬のフロスト 下

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    危機一髪から始まった下巻。最後まで大忙しのフロスト警部ですが、本編は本当に最後の最後まで引っ張ります。フロストの、身内に見せる優しさや情も見どころ。

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    2018年12月21日
  • クリスマスのフロスト

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    「フロスト始末」が「このミス1位」を取り、一度もこのシリーズを読んだことがなかったため、まずは第一弾の本書を読んでみた。
    最後まで飽きずに楽しめる。
    第二弾以降も読んでみたい。

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    2018年12月20日
  • 冬のフロスト 上

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    相変わらず安定感抜群の面白さ。リーダビリティ高くぐいぐい読ませます。まだ上巻ですが、結構な危機に陥るフロスト警部。下巻での大逆転を楽しみにしています。

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    2018年12月13日
  • フロスト始末 上

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    相変わらずデントン署は人手不足で不眠不休のフロスト。
    とにかく寝てほしいと毎回願い、読んでいるこっちまで疲労がw
    今回はフロストお得意の例の件がバレ、フロスト大ピンチ。どうなることやらとヒヤヒヤ。
    最後の最後まで面白かった。

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    2018年12月09日
  • クリスマスのフロスト

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    一応、「海外ミステリーもけっこう好き」と自認する以上は、以前から気になっていた一冊。読んでみたら、大当たり。2018年最高の発見かも知れません。
     イギリスの作家ウィングフィールドさんの著作。随所にやっぱりイギリスらしい「ちょっとひねくれた、皮肉な、ウィットに富んだ世界観」みたいなものがあって、それ自体が素晴らしい訳では無いですが、この作品の出来は極上。
     ジャック・フロストという、40代後半あるいは50代とおぼしきおっさんの刑事が活躍する、警察ものです。

     舞台は、どうやら「地方都市」という感じの架空の街。読んでいくと、日本に例えると「藤沢市」とか「高崎」とかそういうくらいのレベルの街なのか、あるいは「広島市」くらいなのか・・・。「東京」とか「大阪」という感じではありません。
     そして、警察モノとしてはレアだと思うのですが、「複数の事件が錯綜する」というのが特徴。その意味ではリアルなのかも知れません。そしていけ好かない役人根性丸出しの署長がいて、警察官刑事たちも、サラリーマン的な感性をむき出しにしつつ犯罪捜査に追われます。そういう意味では「踊る大捜査線」がこのシリーズの影響を受けているかも知れません。

     そして、主人公のキャラクターが秀逸。刑事物の主人公の中では圧倒的に、下品です。どうしようもないくらい下品で、死体と女性に関してのあけすけなジョークを連発。そして漫画的なまでに書類仕事が苦手で、でも書類仕事にも追われる様子は克明に描きます。そして、そんなキャラクターを含めて描かれる世界観は、どうしようもなく混沌として、階級社会の不条理の中で女性や子供など弱いモノが犯罪の標的になる、げんなりするような猥雑な社会のありさまです。そんなネガティブで陰性な世界観が、そんな世界の汚れた裏側を這いずる回るような主人公の下品さと、なんだけど同時に100%仕事中毒でタフで、そして直感職人のような犯罪捜査をマイペースで追求するヒーローが、オセロをひっくり返すように「げんなりする世界」を「痛快なダーティー・ヒーロー物語」に変換していきます。
    (と、書いていくと、これは実は「イギリス版中村主水(警察官バージョン)」と言って良いのかも知れません。殺し屋ではありませんが)

    そして、優れた世界観を堪能させてくれる犯罪捜査ヒーローモノの特徴ですが、「どんな事件だったのか」というのはすぐに忘れてしまいます・・・。
    確か、幼女が誘拐殺人されるという痛い事件が中心だったと思います。
    そして後半で、我らが主人公フロストが、かつて妻をガンで失ったこと、そのときの思いが語られます。
    汚れに汚れた主人公の、毒と愛と皮肉に満ちた心情が、グサリと突き刺さる。脱帽。

    作者のウィングフィールドさんは、どうやら放送作家さんとして一流だったようです。
    そして、10年以上もかかって、フロスト刑事物を世に出した。
    そのときにもう50代だったようで、以降、フロストシリーズだけを書き続けて、6作の長編を残して2007年に逝去されたそうです。
    6作しか無いのは悲しいことですが、6作も残してくれたのは、大変に嬉しいことです。

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    2018年10月10日
  • 世界を変えた100人の女の子の物語

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    Dear for Rebel Girls!

    好きな服を着ること。
    勉強すること。
    スポーツをすること。
    絵を描くこと。
    好きな職業に就くこと。
    自分の意見を言うこと。

    そんなの当たり前。
    でも、かつて女の子はそのどれも認められていなかった。
    もしかしたら、今も。

    女の子はこうあるべき、そう誰かに言われた時、「そうね、その通りよ」なんて言って疑いもせずにあなたは頷ける?
    あれもこれもやっちゃダメ、そんなのが当たり前だなんて思える?
    絶対おかしいよね?
    だって、男の子はそのどれもできるんだから。
    男の子と女の子の違いって、体の作り以外に何かある?

    ルース・ベイダー・ギンズバーグ(Ruth Baper Ginsburg、綴と読みが違う気がするけれどいいのかな?)はアメリカの最高裁判事。
    9人まで、と決められた判事のうち、何人が女の人になったら満足か、と言う質問に対し、彼女は、
    「『九人です』と答えます。たぶんびっくりされるだろうけれど、今までがずっと九人全員が男の人だったんですよ。
    それでもまゆをひそめる人なんていなかったでしょう?」
    と言う。

    王貞儀は「女の子だって、英雄になれるのよ」(59頁)と言い、
    ヒュパティアは「考える権利を大切にまもりなさい」(127頁)、
    ヒラリー・ロダム・クリントンは「あなたはなんでもなりたいものになれる」(129頁)と言う。
    なんてみんな力強いんだろう!
    もちろん彼女たちの功績は、全てが正しいわけではないし、見る立場によって全然違う意味になることもある。
    けれども共通して言えるのは、彼女たちは、自分のために生きたことが、世界を変えていったと言うこと。
    誰だって、初めから英雄だったわけではないのだ!

    でも、一つだけ悲しいことがある。
    どうして、日本の女性の名前は一つしかないの?
    それは著者が欧米出身だから?
    それとも、この国は、伝統の名の下に女の子を縛り付けてしまっているから?

    女の子たちよ、反抗しなさい!
    「女の子だから」を呪いの言葉にしてはダメ!

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    2018年07月29日
  • フロスト気質 上

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    面白くて一気読み。
    今回もあまりの空振り続きにハラハラ。
    今度こそ証拠見つかって欲しいと祈るような気持ちで読んだ。
    そして大変な時でもユーモアを忘れない心大切!

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    2018年06月30日
  • フロスト始末 下

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    遂に読み終わってしまった。一気読みしてしまった。作者逝去によりフロスト警部最終作となった本書。足掛け20年近くかけて読んだ、僕の人生トップ5入りの名シリーズ。ぐっちゃぐちゃの展開も、主要登場人物も、いとおしくてたまりません。
    抜群に面白かった。惜しむらくは、今作はおそらくシリーズ最グロで、気分が悪くなる描写が多いうえ、サラリーマン小説史上屈指のくそ上司マレット警視がわりとマトモに見えてユーモア部分が食い足りなかった点。とはいえ、できるならば一生読み続けたいシリーズなので、贅沢言ってる場合じゃない。
    また20年かけて読み直そうかな。テレビ版は一度もみたことないので、Huluでじっくり見ていくのもアリかも。「フロストロス」は止まりそうにないので。

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    2018年04月07日
  • フロスト始末 下

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    ネタバレ

    R・D・ウィングフィールドが亡くなられたことは大変残念です。
    フロスト警部が活躍する場面をもっと読みたかったです。

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    2018年04月06日