芹澤恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
長いし登場人物は多くてそれだけで3ページ分あるし、かなりの本読みでないと読まないかも。でもすこぶる面白いです。長いのは、事件が本当に次から次に起こり、メインとなる誘拐殺人事件の他に、というかその捜査の行きがかり上本当に次から次へと事件が起こり、それらを混乱の中でひとつずつ解決したりドジを踏んだりしてゆくから。読み終えて思い出すだけで、ケチな窃盗、傷害、ゆすり、誘拐脅迫、殺人が2件、と数日間にこれだけの事件をほとんど寝ないで担当します。その間も責任は取らず手柄は横取りの官僚署長マレットや昇進の鬼で規則が大好きなキャシディや上昇志向の強い女性刑事をテキトウにあしらい、下品な冗談を飛ばし、と相変わらずの大活躍。あと2作未訳があるそうですが、作者は最近高齢のため亡くなったそうです。残念。
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Posted by ブクログ
ネタバレ絵画紛失と脅迫の手紙、家政婦の死去、これらが思わぬところで繋がっていくのが面白かった。
第一弾に引き続き仕事ができて頼り甲斐のあるロージーと、賢く愛らしくチャーミングなエリザベス女王の姿があって、思わず顔が綻びる。
でも事件に絡んでくるのはレイシズムやミソジニズム。ありそうだと思えてしまうあたり、差別と偏見は容易には消えてなくならないのだと痛感する。
女王が謎を解くことだけに執心せず、死者を心から弔うところが良い。でも、丸く収めるために黙ってしまうところはモヤモヤが残った。褒めること、信頼を伝えることで、未だ偏見の残る男性たちが自分たちを有能だと思い込んでしまうところも。そもそも最初、女王に隠していたことは問題にされないのだろうか。
そういう細かいところは気になるけれど、女王の立場を考えれば、事態の収拾が第一なのかもしれない。このあたりの王族の葛藤のようなものを複雑な思いで読んだ。国民を分け隔てなく愛し、国民からも愛されるという関係を維持するには、並々ならぬ努力と自制が必要なのだろうと推察した。
ラストはまたも心温まるストーリーになっていて、こういう人間味を感じさせる点がこのシリーズの魅力だと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ城での晩餐会などは非日常ながら、王族と王室に仕える人々がみんな人間味あふれる姿で描かれていて、身近に感じられる要素があった。
女性がどんな扱いを受けているかに気づいてハッとした。長年女王として君臨してきた人でも、性別や年齢で偏見を持たれていたり軽んじられることがあるのかと愕然としてしまった。実際は分からないけれど、ありそうなことだ。
女性同士で密かに手を組んでサクサク情報を集めていくところが、読んでいて楽しかった。事件の性質上、おおごとにせず上手く立ち回る必要があり、それを軽やかにやってのけるロージーが頼もしかった。陛下とのやりとりも素敵だった。
それだけに、すべてが上手く回るように陛下が動いていたことを、誰にも明かせないのが本当にもどかしかった。男たちはヒントをもらったことに気づきもせずに……と憎らしく思ったけれど、陛下が影に徹することにしているのは、そのお立場からも仕方のないことだった。国民に愛されて信頼される存在となるには、自らが分け隔てなく国民を愛し信頼しなければ成り立たない。
遺族や被害者へのあたたかい心配りで物語は締めくくられていて、最後にすべて持っていかれたと思った。 -
Posted by ブクログ
1944年、シカゴ。父母とともにカリフォルニア州の強制収容所を出てシカゴに着いた日系二世のアキ・イトウは、一足先に収容所を出てシカゴで新生活を始めていた姉ローズが前日にクラーク・アンド・ディヴィジョン駅で列車に轢かれて死んだと知らされる。警察の自殺説に疑問を感じたアキは、真相を求めて自ら調査を始めるが。
スネークスキン三味線―庭師マス・アライ事件簿では、ややコミカルな印象が強かったが、本編はシリアス。前者の著者表記がカタカナだったので、同一著者とは気づかなかった。太平洋戦争により、アメリカにいながら、ニセイ、イッセイとして差別を受けた移民たちの苦しみがこれでもかとばかり描かれる。
何事にもはっきり物を言い、負けることをよしとしなかった姉が、事もあろうに列車に轢かれる。自分から飛び込んだということで自殺で終わらせようとする警察に対して、納得できない妹が調査を続けるうちに、自身の恋とも出会っていく。先日NHKで放送されていたドキュメンタリーで、移民が兵士として日本人と戦うために、危険な戦地に追いやられる姿を見たばかりだ。移民の国と銘打っていながらも、いざとなれば敵視し、囲い込む、或いは排除するアメリカの嫌な面を見た思いである。
2021年NYTベストミステリー選出、2022年メアリー・ヒギンズ・クラーク賞受賞、同年マキャヴィティ賞最優秀歴史ミステリー小説賞受賞。